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#2478 ③全道14支庁管内別偏差値の計算:根室管内計算能力は下位11.5%  Nov. 7, 2013 [69.H25全国学力テスト・データ分析]

 文科省と北海道教育委員会は、じつに素晴らしいデータを公開してくれた。昨年よりも進化している。その中の一つが「中核都市」というグルーピングだろう。

 でも、文科省には諸般の事情からやれないこともある。統計学的に妥当な方法である偏差値情報を公表できない。
 公表データに基き、民間が計算・公表すればよいのではないか。文科省と北海道教委の仕事を補完してみたい、#2476で都道府県別偏差値データを計算し、計算方法も含めて公表したのはそういう意図からである。

 きわめて限定的ながら、北海道の中学生は全国レベルで自分達の地域がどういう位置にあるのかを知ることができる。

 都道府県別偏差値に続いて、根室管内の平均偏差値を計算してみたい。偏差値は41.4だと#2476に書いたから、今回は計算方法が焦点。

 <根室管内>
 正答率設問数正答数全国平均標準偏差偏差値
国語A74.03223.724.50.585041.6
国語B62.395.66.10.200845.3
数学A60.33621.722.90.950038.0
数学B35.8165.76.60.496440.8
     4科目平均偏差値41.4




 表を見ていただいただけで充分で説明の必要もなさそうだが、後から見たときにどのデータを使ったのかわからなくなってはこまるので、自分用に備忘メモを残しておく。

① 正答率:道教委公表の「地域別データ」そのまま
② 設問数:科目ごとの設問数、これも公表データ
③ 正答数:正答率*設問数
④ 全国平均:都道府県別偏差値計算のときに算出した科目別平均値
⑤ 標準偏差:都道府県別偏差値計算で算出した標準偏差値

  
 数学Aの偏差値が38.0ということは、根室管内の中学生は基礎計算力が劣っているという事実を示す。偏差値38.0は全国レベルで成績下位11.5%である
 根室市教委は計算問題集『カルク』を作成・配布したが、それだけでは足りないということだ。
 成績下位層には1ヶ月間程度ブカツ停止を勧告し、放課後補習を義務付けるべきだ。学業優先の姿勢を学校側がはっきりと示したほうがいい。市教委のバックアップがないと各校の校長先生はやりづらいだろうから、「学業優先、ブカツ制限」通達ぐらい出すべきだ。


 #2476より、抜粋引用
---------------------------------------------
【学力低下の危惧】
<fact:根室市内の市街化地域3中学校はこの6年間の学力低下が著しい>

 B中学校の学力テスト総合ABの五科目合計(300点満点)平均点は7年前には135点付近にあった。総合Cでは145点付近。今年の平均点は110点前後である。わずか7年でこれほど落ちている。
 原因は授業がときどき聞こえなくなることがあるクラスで生じた。そこから平均点ががくんと落ちだした。それが止まらない。従来から生徒が騒ぐことが多かったA校とC校はB校に比べて平均点がはっきり低かったが他のA校とC校も15~20点近く落ちている。国語能力が落ちている、もっというと、日本語語彙力の低下が著しい。これには理由が二つ考えられる。読書力の問題と、ゲームやスマホのラインやツィッターのふたつ、これらは重要性が大きいので別途取り上げたい。
 成績下位層が膨らみ、成績上位層が激減している*ことは普段の学力テストの結果から明らかである。1・2年生は5科目500点満点だが、400点を越える生徒が3校で50人前後いたのはやはり7年以上前のことだ。現在は4~10人程度しか400点超の上位層がいなくなった。学力低下は現在進行形なのである。全国学力テストデータのみを見ていたら、足元の現実を見失うことになるので要注意だ。

*ブログ「情熱空間」が釧路でも成績下位層の膨張現象が起きていると指摘している。
 「道教委のデータ分析(下位層の割合)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6913089.html


【平均偏差値41.4の意味】

 偏差値40以下には成績下位層15.9%が含まれている。根室管内は全国レベルで成績下位19.5%だということ。具体例を挙げるともっとわかりやすくなる。

 大雑把に見て偏差値が10ズレていると假定すると、学年60人の学校だと、学年順位12番が全国平均の得点にすぎない。
 同様に、
  50人⇒ 8番
  60人⇒ 9番
  70人⇒ 11番
  80人⇒ 13番

 25人前後のクラスが多いから、クラス順位が4番くらいが全国レベルで中位得点層に当たる。根室高校普通科へ進学して、全国模試を受験して、生徒達は初めて自分達が全国レベルでどういう評価かを知る。それでは遅い、大半の生徒は手遅れなのである。根高普通科120人中、国・数・英の三科目合計で全国偏差値50を超える生徒数は上位十数人だろう。中学生のこの6年間の学力低下を考えると全国平均を超える層がさらに減少しつつある。低学力地域の根室に生まれたせいで、高校を卒業して都会へ出てから社会の最底辺で暮らすことになってはならない。現実を知り、適切な具体策を施すべきだ。

 根室管内41.4という偏差値は成績下位19.5%層だから、大学のレベルでいえば、願書を出せば合格できるようなレベルだろう。大学へ進学するならせめて偏差値が50を超えるようなところへ行ってほしい。55レベルでも正規雇用の職に就くのは7割程度かもしれない。それほど就職状況が厳しい。 


 元データは文科省が公表した47都道府県の平均正答数と北海道教育委員会が公表した「管内版」に載っている管内別平均正答率である。元になる都道府県別偏差値算出の元データ数は、「47個×4科目」だけ。
 したがって、ばらつきが少し大きくなる傾向は否めない。正規分布を外れるデータが一つ二つ混ざると、それらのデータは±3σを外れることになる。 都道府県別偏差値の分布をみると、 小学校: 32.0~81.6 中学校: 14.4~74.8 通常の偏差値は全受験者の個別データを用いて計算されるので、本データとは性格が異なる。数万から数十万のデータを用いて計算される偏差値との性格の違いがあるということだ。
 統計に不慣れな人のためにもうすこし事情を具体的に説明すると、47個のデータが理想的な形で正規分布していないことが予測できる。イレギュラーなデータが一つあるとその影響が偏差値の分布に出てしまうのである。小学校の都道府県別データでいうと秋田県の81.6、中学校のデータでいうと沖縄県の14.4がそうしたデータに該当する。47個のデータが±3σの範囲から外れてしまう。この範囲を外れるデータの出現確率は0.0013だから、データ1000個に一つの割合となるから、47個のサンプルデータでは出現しないはずのものである。これはサンプル数が少ないためだから、そのように諒解いただきたい。都道府県別に分析する限り、データ数は47個とならざるを得ない。

  偏差値による本データ分析の意味するところは、都道府県単位で正答数の標準偏差値を計算してそれを尺度に全道14支庁管内別データ比較をすることにあり、その限りでは統計学的に正しい方法といいうる。
 都道府県単位の全国データの尺度基準で、14支庁管内それぞれがどのような位置にあるのかが明らかになる。こういうデータが明らかになったことは、ebisuの知る限りではいままでにない。
 それぞれの地域で学ぶ道産子が、自分達の学力を全国基準で測度できるということは今後の勉学に大いに役に立つ、いや役立ててほしい。
 高校生になって全国模試で自分の位置を知ったのでは偏差値65以下(96.6%)の生徒は手遅れである。 首都圏のトップレベルの生徒達は小学校4年生から、生活習慣を受験用に切り替え、予習中心のハイスピード・難問題トレーニングをしているのである。
 高校生になってから追いつけるのは、スタートが遅れてもそれをものともしない馬力をもつ偏差値65以上の極小数の生徒達だけ。スタートを早く切れば偏差値60以上の受験戦争のフィールドで本来戦える生徒達のほとんどが偏差値50前後の大学へ進学することになっている。これを「惨状」と呼ばずしてなんと言おう。
 道産子の一人であるわたしはこうした現状も変えたいと願っている。道産子(ニムオロっ子)による道産子(ニムオロっ子)の意識改革のための情報発信、それが「ニムオロ塾」の役割。



<訂正>11月8日午前10時40分
数学Aの設問数が35ではなく36であることが、再チェックの際に判明、よって訂正した。
(表と本文の両方を書き直した)

---------------------------------------------
■ 【全国47都道府県別・偏差値ランキング表】

#2482 (小学校)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-2

#2476 (中学校)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-06-1

#2483 (小・中対比)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-3


■ 【全道14支庁管内・偏差値ランキング表】

#2485 (小・中対比)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09


■ 【全道14支庁管内別・科目別・偏差値表】

#2484
 (小・中対比)
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-4

#2480 前半
 (中学校)
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08

#2481 後半
 (中学校)
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-1



■ 【計算過程の開示】

#2476 (都道府県別基本統計量)
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-06-1

#2478
 (管内別基本統計量)
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-07-1



 #2475 全国学力テストデータ根室管内版の解説(1) Nov. 6, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-06

 #2456 市町村別学テ情報公開解禁へ(読売新聞)  Oct.21, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-21

 #2464 道教委リーフレット:生活習慣を改善し学力アップ(2) Oct. 26, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-25-2

*生活時間割の帯グラフが貼り付けてありますので、ご覧ください。
「あっぱれ道教委!(道教委の支援冊子)③」 ブログ「情熱空間より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6896333.html


#2462 道教委リーフレット:生活習慣を改善し学力アップ(1):  Oct. 24, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-24-1

 <都道府県別偏差値:再掲>

順位都道府県名偏差値
1 秋田県74.8
2 福井県72.3
3 石川県62.2
4 岐阜県59.8
5 富山県59.6
6 群馬県56.2
7 静岡県55.9
8 青森県55.3
9 山口県55.2
10 東京都55.2
11 鳥取県55.1
12 広島県54.3
13 奈良県54.2
14 香川県53.9
15 愛知県53.5
16 茨城県53.3
17 兵庫県53.3
18 山形県53.2
19 京都府51.6
20 神奈川県51.6
21 愛媛県51.5
22 栃木県51.1
23 島根県50.8
24 宮城県50.2
25 熊本県50.0
26 埼玉県49.9
27 徳島県49.1
28 千葉県49.0
29 宮崎県48.1
30 山梨県47.8
31 長崎県47.6
32 岡山県46.5
33 滋賀県46.5
34 新潟県46.4
35 岩手県45.7
36 長野県45.3
37 北海道45.1
38 大分県44.8
39 福島県44.4
40 福岡県44.4
41 三重県43.6
42 和歌山県42.5
43 佐賀県42.4
44 鹿児島県40.9
45 大阪府36.9
46 高知県34.5
47 沖縄県14.4


*#2509 (眼耳鼻舌身)意と仕事 Nov. 24, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-24



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