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#2148 茶番劇 :根室再興を考える市民会議 Dec. 3, 2012 [26. 地域医療・経済・財政]

  今朝もマイナスだ。庭の雨水受けバケツの氷の厚さが4センチになっている。北電は7%の節電要求を出しているが、朝や夜のピークは暖房用の電力使用によるもので、これを毎日繰り返しとめるのはなかなかむずかしい。地域ごとに20分ぐらいずつずらして30分間の休止をするくらいかな。
 昨日は、野田総理の比例区重複立候補のニュースが伝わり、三年前に書いた記事へのアクセスが殺到した。訪問者数は23,587人、ページアクセスは28,956だった。もちろんブログを書き始めてから5年になるが、最高を記録した。
*#728 小選挙区と比例区重複立候補に見た生き様・死に様
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-09-04

 キーワードは・・・
 粗にして野なれど卑に非ず・・・石田礼助

 日本人は卑怯とかズルイということに強い嫌悪感をもっている。伝統的な価値観や情緒の力の大きさをビジターの数の多さにみた。
 多数の討ち死にが予測されている中で、民主党幹部はみな比例区トップに名前を載せて小選挙区と重複立候補するようだ。これで重複立候補の幹部は全員当選が保証された。
 自分さえよければいいという価値観が民主党幹部に蔓延しているが、国民はそういうことが嫌いだ。弱い立場の者が討ち死にし、指揮官だけが生き残る、これは日本的情緒に反する。幹部たちは憐憫の情のかけらもないことを満天下にさらし、大事なところでまたも重要な判断ミスを犯してしまった。小利口なやからは考えに考え抜いてこういう凡ミスをかならずやらかす、何が幹で何が枝葉かの判断もつかぬから、人として絶対にやってはいけないことをやってしまう、救いようがない。

 本論に入ろう。12月1日付け北海道新聞根室地域版に「根室再興を考える市民会議」の話題が載っていた。市役所のホームページで検索すると、総合政策部総合政策室が昨年10月に委員を公募したようだ。市長の諮問会議という位置づけだろう。新聞報道がなかったので知らなかった。市の広報には載っていたのだろうか?たぶん小さく載っていたのだろう、確認するのも面倒だ。
*「根室市再考を考える市民会議の設置について」総合政策部総合政策室
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/ec292423eb9a5d33492574a9001e8c8a/$FILE/siminnkaigisetti.pdf

 類似のものに「病院建設市民整備委員会」という名称の「市民委員会」があったが、その最終回は市側が当日に資料を提出して明日道庁に提出しなければならないので承認してくれと迫り、委員会は市側の案の追認機関と化して、約束した収益見通しも公表されないままに、病院建て替えが強行されるという醜態を演じた。当時の新聞報道によれば憤っていた委員が数名いたようだ。ようするに、「市民委員会」は市民の意見を聞きましたというアリバイ作りに利用された。市長は市議会議員3名から市民説明会開催要求があったにも関わらず、それすら無視した。一般市民を無視した市政が繰り返される。

 さて、この「根室再興を考える市民会議」だが、新聞報道にあるようにほんとうに「一般市民でつくる」会議だろうか?二つ問題点を指摘したい。
①委員10名中7名は市側の選定、3名のみ公募
②委員長は一般市民にあらず、市の取引業者

 一つ目の論点は、市側が7名の委員を選任しているから、それだけで市側の案はすべて押し切れる体制が最初からできているということ。それで「根室版事業仕分け」とは片腹痛い。自分で案をつくり自分で事業仕分けするようなもので、これを世間では「マッチポンプ」という。自作自演ということだ。批判を嫌う性格が市政を閉鎖的なものにしている。いくらなんでもここまでやってはやりすぎだ。

 二番目の点だが、委員長は市の取引業者であるから利害関係人、したがって「一般市民」とはいえぬのが道理。
 たとえば「街中サロン」「不登校児の放課後ケア」、この二つは委員長の経営する商店の旧店舗の1階と2階を市が有料で借りており、市と委員長の間には賃貸借契約が存在する。二階の賃借面積は運動スペースが必要と当初契約が大幅に拡張された。その一方で市街化地域の学校は生徒数が減少して空き教室がたくさんある。必要性があるのだろうか、部外者には疑問のある賃貸契約である。市政チェックは市議会の役割であるからわたしがどうこう言う問題ではないだろう。市議会がよしとするなら、それは建前上市民の意思だ。
 1階は市側の費用で800万円かけて改装した。4時閉館だからお祭りや盆踊りの時期をのぞくと利用はほとんどない、一体こんな時間にどういう人が利用できるというのだろう。子どもは学校だし、大人は働いている時間帯だ。
 見ようによってはこれは特定の業者の救済策という議論も成り立つ。李下に冠を正さずというではないか、無用の誤解を生むような財政支出はやめたほうがいい。これもチェックし、結論を出すのは市議会の役割である。
 それから、ALTの小学校への派遣に関しても取引関係があることを昨年新聞が報じていた。最近ではベトナムサンマ輸出に関連してアンテナショップをベトナムに設置して関係している。
 これらはすべて新聞が報じたことで、すべてが悪いこととは言わぬ、そういう営業政策なのだろう。市側も正統な手続きをへての契約なのだろうと思う。

 よく見ると市教委がらみの案件がふたつ、さらに学校の眼科健診に関しても従来から市側と関係がある。こうして並べると市政とのかかわりは営業活動の一環にみえる。

 商売をどのようにやろうが自由だが、利益もリスクも大きくなる。市長が変われば市政も変わる、無理はしないほうがよい。余計なことだろうが、元も子も無くさないうちに矛(ホコ)を収めてほどほどにしたほうがいいというのはebisuの助言。いまは言っていることの真意がわからないのだろうな。ビジネスには素直さや志がとっても大事だ。業種の異なる赤字会社をいくつか強固な黒字会社にしてきたebisuだからこそ見えていることがある。

 本論にもどろう。市側とこれほど接点が多い取引業者を利害関係のない「一般市民」というのは無理がある。委員の中に他に利害関係人はいないだろうか?
 市長と担当部署である総合政策部長は一般市民の常識の範囲内で判断し仕事をされよ。

 市政チェック機関であるはずの市議会はどうしてこのような「市民会議」の設置と委員の選任を認めたのだろう、不可解だ。市議会としては認められませんと一言いい、決議すればいい。

 これでは市議会は空気のようなもので、何の押さえにもならぬ。他にも市と利害関係のある取引業者がいないかチェックするのは市議会の役割だろう。市議達が職務をまっとうしないとそれが地元経営者一人を追い詰めることになる。歯止めが利かなくなっているようだからそろそろとめてやればいい。
 公正な市政運営を担保するためには、市議会が市政チェックをきちんとしなければならぬ。正直に誠実に仕事をされよ、そうすれば市民の支持も得られる。

 先日(11月26日)、議会改革のための「基本条例案」の説明会で、市議側は十数名の市民に厳しい批判を浴び、「議会は説明不足」「議員に必要な資質を条例に具体化すべき」とまで追求されたのだが、この「根室再興を考える市民会議」委員選定に関する市議の説明を伺いたいものだ。

 佐藤敏三委員長は「今後は議会報告会を年1回以上開き、インターネットなども活用する」と釈明したが、ブログは簡単に立ち上げられるからすぐに意見表明したらいい。
 市議会は自分たちの仕事(市政チェック機能)をしっかりやって、その存在意義を示してもらいたい。

 どうしても「市民会議」をやるというなら、日曜日にそれこそほんとうに一般市民の参加の下に総合文化会館で公開でやったらいい。クローズドでやるからいけない、正々堂々とオープンに議論するのが本筋だ。
 仕事の優先順位は重要性の大きいものからだろう。案の定、最初からピントを外してしまっている。仕事は正直に誠実にやろう。
 公正な市政運営を確立して根室の町に活気を生み出すためには、一般市民が物を言わなければならぬ。言いにくいことだが、ふるさとを住みよく風通しのよい町にするためにあえて言う。ならぬことはならぬ。
 

北海道新聞より抜粋
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 4事業「要改善」判定
  補助教員配置など 市民会議が評価
 【根室】一般市民でつくる根室再興を考える市民会議(鈴木新一委員長、10人)は28日夜、市の施策を評価する本年度の事業レビューを行い、広報公聴の取り組みなど4事業に見直しを求めた。市はこの外部評価を今後の市政運営に生かす考え。
 産業振興や福祉向上を目指す「根室再興政策プロジェクト」(2010~14年度)の一環。根室市政版「事業仕分け」といえる取り組みで、2回目となる本年度は始めて公開して行った。
 議論したのは広報公聴のほか、合併処理浄化槽整備、将来の医療従事者に対する修学資金貸し付け、若年者雇用促進支援、市内4中学校に配置する学力向上補助教員の5事業。医院は修学資金貸し付け事業は「現行どおり」、他の4事業は「要改善と」判定した。・・・
ただ、昨年テーマに上がった市営住宅整備事業のような一大ハード事業の是非は今回取り上げられなかった。今後、より重要な施策を公開論議の俎上に上げられるか、市の度量が問われる。(栗田直樹)
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 もう一言。(笑)
  根室市の財政は、藤原前市長時代はおおよそ145億円の規模だったが、長谷川市長に変わってから6年目予算は170億円近くになっている。放漫財政と言って差し支えないだろう。病院建て替えや病院システムの更新だけをみても、そのことはハッキリしている。
 国の補助金を当てにして財政規模を膨らませ、後年負担を増やすのは無責任の謗り(ソシり)をまぬがれない。根室市は予算規模を小さくすべきだ。国はまもなく財政規模を縮小せざるをえなくなる。そのときに根室市は大変な窮地に陥ることになるから、それに備えて借金を急いで減らしておかなけらばならない。根室市のやる事業すべてを見直す必要がある。財政課諸君の仕事だ。市長や法外な予算要求をしてくる部署や事業に物をいう余地はある。住んでいる町のために、そして未来の住民のために、渾身の力で仕事は正直に誠実にやろう。世のため人のため、ひいては自分の子どもや孫のためだ、困難な時代にこそガンバレ市役所財政課。

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コメント 2

相川始

小政党の意見反映の為の比例区選挙が、政治家の保身に利用される。比例区選挙自体、小選挙区の民意がなくなる制度でしかない。
あと立候補者も現在の所属政党だけではなく、過去の所属政党も公表するべき。

国市町村に関わらず「市民会議」と明記すると、「市民」の意見を反映させているというアリバイ作り。
実際は、2/3は国市町村の関係者で構成されていると感じる。
根室は既に中国のような共産主義なのだろう。
と考える
by 相川始 (2012-12-03 11:14) 

ebisu

相川さん、おはようございます。

取引業者じゃなければ国・市の職員OBが大半、それが実態ということ。

>根室は既に中国のような共産主義なのだろう。
と考える

だとしたら、ふるさとですから、なんとかしたい。
ebisuはパトリオットです。

「#1030 nationalism とpatriotism :遠藤利國訳・幸徳秋水『帝国主義』May 17, 2010 」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17
by ebisu (2012-12-03 11:23) 

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