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#2042 根室・大型SCの出店計画 地元店半数「売り上げ減」 Aug. 6, 2012 [24. 根室の旧弊・悪弊を取り除くために・・・]

 NHKラジオニュースに寄れば今朝6時の道内最低気温は根室のノサップ岬の12.7度だ。夜中に雨が降っていたが朝には上がっていた、根室は寒い。

 全国一涼しい(寒い?)根室で小中高生はさぞかし勉強しているだろうと思いたいが、9日からの金比羅さんのお祭りの練習が佳境を迎えるから、参加するこどもたちはすっかりお祭りモードで勉強など頭の隅にもないものが多い。
 高校生は夏休みに狂ったように勉強しておかないと、就職するときにやっかいなことになる。根室から出て都会で就職するには、大学卒業が最低限のパスポートと考えたほうがよい。看護専門学校などの一部の専門学校を除けば、ほとんどの専門学校生が道内に正規社員の就職先をみつけるのは難しいのが実情で、入社試験をやるのは東京本社、日本の大企業の本社のたいはんは東にあるから、30社・40社・50社と就職試験を受けると道内の大学や専門学校生は旅費が100万円を超えてしまう。よく考えて進学先を選ばないと就職するときにえらいことになる。実際になっているから、知っている先輩たちに聞いてみたほうがいい。
 高校生になってからでは遅い、小学生や中学生のうちから具体的な目標を設定して勉強すべきだ。そのために、全国一涼しい根室の夏をフルに利用しよう。高校生は夏休みには一日8時間を超える勉強を3週間経験しておけ。
 将来、大きな仕事を任されたときに一日8時間以上の勉強経験が物を言う。納期限までに質のより仕事を成し遂げるためには短期間集中的に仕事をしなければならないが、そういうときになって8時間を超える自主的な勉学経験が物を言う。  
 ebisuは生徒が卒塾したあとのこと(社会人となり、仕事を任されたときのこと)も考えて教えている。人生は高校へ入学して終わりではないし、専門学校や大学へ進学して終わりではない。社会人になってからのことも考えて教えている、こんないい塾は滅多にないぞ。他の塾でもぜひ真似してもらいたい。(笑い)

 8月2日付けの北海道新聞根室地域版の記事を紹介したい。いい記事だ。

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  根室・大型SCの出店計画
  地元店半数「売り上げ減」 商工会議所調査

 【根室】根室商工会議所の地域活性対策委員会(滑川義幸委員長)は1日、市内西浜町8の大型ショッピングセンター(SC)出店計画に伴う影響について、地元企業にアンケートした調査報告書を発表した。大型SCがオープンした場合、売り上げが「減少する」と答えたのは全体の54.5%と半数を超えた。
 出店計画は売り場面積約7500㎡の複合型施設で、管内で2番目に大きい。ホームセンターのホーマックを核店舗に計7店が入り、12月中旬の開業を予定。地域活性委は地元経済への影響を調べようと、大型店と業態が異なる地元の小売・卸売業者270件を電話で抽出し、112件から回答を得た(回答率41.5%)。
 大型SC出店に伴う売り上げの「減少」予想は全業種の半数に上る一方、「増加」予想の回答はわずか0.9%。「変わらない」は33%だった。大型SCのうち最も影響を受ける店舗を聞くと、スーパー「ホクレンショップ」の回答が20.5%と最も高く、牛丼チェーン「すき家」(16.1%)、ホーマック(8%)などの順。
 こうした店舗と競合するスーパー・コンビニと金物・家電など小売業は最も危機感が強く、売り上げ減を覚悟する割合はそれぞれ75%を占める。飲食店の53.1%も経営悪化を懸念している。
 全体の72.3%の企業・店舗が3年前より売り上げが減っていると回答し、すでに経営体力の低下は顕著。大型店対策を具体的に行っているのはわずか6.3%だった。地域活性化委は「1個店で対抗するには限界がある。個店と地域、行政が一体となって商店街活性化を実現したい」と総括している。(栗田直樹)
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 調査報告書の内容を見るために根室商工会議所のホームページを検索してみたが、2009年2月24日に更新されて以来そのまま。事業計画も平成20年度版が載っているから、根室商工会議所はもうないのかな?
 http://www.necci.or.jp/

 残念ながら検索できない。これじゃいけませんよ、ホームページの更新すらできないのでは仕事の能力を疑われます。すぐに調査報告書を閲覧できるようにホームページを更新したらいかが?
(根室漁業協同組合はホームページがない。歯舞漁業協同組合と根室湾中部漁業協同組合と落石漁業協同組合の3漁協はホームページをもって情報を発信している。)

 影響の大きい「ホクレンショップ」はスーパーだから、影響があるのはイオン、サッポロコープ、マルシェの3店舗だろう。他の小売店のあらかたはこれら既存店の影響を受けてあらかたつぶれてしまうか、セブンイレブンに模様替えした。2.8万人の町にスーパー4店舗はたしかに過剰だろう。マルシェは地元資本だったがJR傘下になったから、既存店は3店舗とも地元資本ではない、市民にとってはいいところが残ればいいだけの話だ。
 牛丼「すき家」は客単価が安くて、これに匹敵するような業態が根室にはないから、市民の側からは外食の選択肢が増えて歓迎だろう。美味しい店がそう簡単につぶれるわけもないから、値段の割りに味が見劣りする店が淘汰されることになるだけで、これも健全な競争の範囲内だろう。
 家電はベスト電器を直撃することになるが外部資本同士の争いである。淘汰されてどちらかが残るから、工夫と企業努力を重ねて顧客をつかんだほうが勝ち残るのだろう。店舗の大きさだけで勝負がつくものでははない、ベスト電器はCSという観点から店舗運営を一度見直したら改善すべき点がいくつも見つかるはずだ。あきらめないこと、たえず改善をし続けることで顧客の信頼を勝ち得ればいい。
 「飲食店の53.1%が経営悪化を懸念している」と書いてあるが、「全体の72.3%の企業・店舗が3年前より売り上げが減っている」のだから、経営悪化は大型SCの出店によるものではない。
 市が声高に叫ぶ「根室再興」とは裏腹に7年間で人口が10%近く減っているのだから、市場の縮小に伴い、健全な淘汰が進んでいると判断すべきだ。努力しない店は生き残る方途がないのは道内のほかの地域と変わらない。手間を惜しまず、値段と品質のバランスを考えて最高を目指せ、客はついてくる。

 中標津と比較してみると根室の経営者たちの不甲斐なさがよくわかる。東部サウスヒルズは中標津地元資本、自力で大型店をつくって、ホーマックやユニクロやビックハウスの集まった大型SCやK's電気に対抗している。立派なものだ。

 根室は地元資本が集まって大型SCをつくることができなかった。今回のSCは小型のものを含めるとじつは二つ目である。利害が対立して調整がうまくいかぬものだ。
 かつてあった地元スーパー3店(ファミリーデパート、シーサイド、マルシェ)は仕入能力が劣っていたから自力で経営を続けることができなくなり、次々に外部資本あるいは外部資本系列に変っていった。
 なぜこんなことになったのだろう?

 魅力ある企業づりができなかったからだろう。長期にわたって学力上位層が流出し続け、地元へもどってこなかったから人材が枯渇したということも原因のひとつである。なにより大事なのは、地元企業の経営者たちが長期ビジョンをもち、社員に夢を語って、言った以上の実績を上げて会社を大きくすることができなかったということ。札幌に集中的に出店して成功した回転寿司のハナマルは例外だろう。他にも数例の例外があるのみだ。
 「1個店で対抗するには限界がある。個店と地域、行政が一体となって商店街活性化を実現したい」、そういうことをやるべきだったのは30年も前のことだろう。

 いいのである。健全な競争にさらされて優良な店が残ればいい。全部が残ることなどできぬ。飲食店も食材を厳選して、品質改良を続け、適正な値段で営業するお店は必ず残り続ける。

 競争は悪だというのが地元企業の固定観念だった。それは「根室は物価が高い」という言葉に象徴されている(水道料金は東京の2倍、家賃は釧路よりもはるかに高い、・・・)。
 話しは逆だ、健全な競争が地元企業を強くする、それに耐えられぬ企業は退場するというのが「資本主義の市場原理」である。

 根室という地域市場は人口減少にともないさらに縮小する。8年後には人口は2.5万人前後になり、競争による淘汰が進んでいるのだろう。根室の旧弊の一端を担ぐ地元企業はあらかたなくなって、根室の町はいいほうへと歩み始める。
 町が縮小しても未来は明るい。困るのは努力できない地元企業だけかもしれぬ。正直に誠実に商売するところはどこかに活路を見出すのだろう。正念場がきている、がんばれ、正直・誠実な商売をやる地元企業。

*#1879 旧弊が壊れるとき:市長、大型店新出を容認  Mar. 14, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-03-14

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おもし蟹

おはようございます。
わたしもこの記事を読みました。

根室の主商店街である緑町商店街の閑散化を地域活性対策委員会は今をどのように見ているのだろうか?特に鈴木時計店が移転したからの閑散化がひどい状態である。
今週にはお祭りがあるが、20~30年前は商店街もお祭り効果で売上も期待できたが、今あるお店ではその効果も薄いだろう。

それを考えると、正直、根室に大型ショッピングセンターが出店して頂けるのは、ありがたいことです。出店側だって、この人口減少する市で、既に競合店がある状況での出店するは賭だと思います。

根室の外食産業は、「すき家」が出店したところで、根室市民は外食する回数が少ない。あと観光客が根室に着てまで、「すき家」を食するだろうか?答えは否である。
これらを考えると多少の影響はあるが、大きな変化はない。
(それに根室の場合、飽きるのも早いから、「すき家」側の方が心配である。)

常に魅力あるお店を維持し続ければ、お客はは離れません。しかし競争がない市場では、魅力あるお店を維持することが難しくなることが多い。
どんなお店であっても、最終的に判断するのはお客なのです。

私自身も大型ショッピングセンターができても行くだろうか?
生鮮食料品程度の購入はするだろうが、それ以外ではあまり考えつかない。なぜなら、大型ショッピングセンターも意識する「インターネット通販」という最大の敵の利用が多いからである。
by おもし蟹 (2012-08-06 12:08) 

ebisu

おもし蟹さん、こんにちわ。

なんども新聞記事を読み返しましたが、商工会議所の地域活性化委員会の電話聞き取り調査結果の分析はじつに杜撰、結論も幼稚なもの。

調査報告書がホームページにぶら下げてあれば閲覧して確認できるのだが、ホームページは2009年2月から更新されていない。
根室商工会議所って一体どういう仕事の仕方をしているの?商工会議所会頭は仕事の管理ができないのだろうか。これが根室の中小企業が集まった団体のレベルを現しているとしたら恥ずかしい限り。

仕事をしていないところは概して情報の発信力も弱い。思いつく団体をグーグルで検索してみたらいい。ホームページやブログがないか、あっても冬眠状態で更新されていない。

根室選出の国会議員や道議はブログを書いているが内容を読んでみたらいい。なかみがナイヨーなんてだじゃれをとばしたくなります。

市議でブログを書いて活動報告をしているのはお一人のみ。仕事をしていなければそもそも発信すべき内容がないのでしょう。

不特定多数にむかって情報を発信し続けることは、多くの人の目に自分の意見をさらし、批判を仰ぐことでもある。

そういう人が極端に少ないのが根室のマチの特徴であり、そこを壊さないと根室の町はよくならぬ。

おもし蟹さんのように自分の意見をはっきり述べる人が増えることを祈っています。
ふるさとの子供たちの未来のために。

by ebisu (2012-08-06 13:45) 

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