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#2040 不可解な寄付 :被災企業が根室市に400万円寄付?  Aug. 5, 2012 [24. 根室の旧弊・悪弊を取り除くために・・・]

 大雨注意報が発令されて、根室は夜中から強い雨が降り続いて気温が低い。もちろんわが家は朝から床暖房を入れている。外は13度くらいだろう。

 8月3日付の北海道新聞根室地域版に7月24日に放火で被災企業したが根室市に400万円寄付をしたという不可解な記事が載っていた。被災企業が10日もしないうちに多額の寄付なんて通常の感覚ではヘンな話だから、ニュースの価値が高いのか、北海道新聞根室支局は寄付金の使途までしっかり取材・報道している。

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【根室】相次ぐ火災被害を受けた市内の水産加工業「XXXXXX商店」のXXXX会長(73)とXX社長(49)親子が2日、「3度の火災でたいへんお世話になった」として根室市に総額400万円を寄付した。
 同社では6月30日と7月23日に花咲工場(花咲港)で連続不審火があり、延べ訳5200平方メートルを焼失。翌24日にも第一工場(宝林町)の約50㎡を焼く出火があり、同社の水産加工員の男性(25)が根室署に現住建造物放火の疑いで逮捕された。・・・
 寄付金には全国から寄せられた見舞金が含まれており、300万円は市の消防設備に充てられ、100万円は日赤に送られる。(栗田直樹)
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 社員をバイトに格下げして起きた事件という報道がなされているが、マチの中にはもっと具体的な話しが流れている。労務管理の不手際もあるのだが、同族企業が多い根室の水産加工会社は共通の問題を抱えているとみるべきだろう。
 そうした点を反省して、いろいろある経済団体が事例研究をすれば地元企業固有の経営問題の解決の仕方が見えてくるはずなのに、生かそうとしていない。
 問題をもう少し具体的に言えばお分かりいただけるだろう。水産加工は食品を製造しているから、製造工程で生産に係わる者が何かを混入するというリスクもあるから、労務管理は他の業種に比べて重要性が大きい。
 そして、若い人たちが夢をもって働ける良質な企業を地元に増やさなければ根室の町が活性化するはずもないことは中学生でもわかる理屈、分かっていないのは地元企業の経営者たちと根室市長殿。

 ベトナムサンマ輸出に関係した企業かどうかは知らないが、6月にベトナム人の受け入れを行った企業ではある。市税を使って民間企業の取引を後押しするのはほどほどにすべきだが、そうしたことに関係している企業が市に多額の寄付をするのはなんともいただけぬ構図である。
 お互い持ちつ持たれつの関係が透けて見える。市長とそれを支えるオール根室、この構図が根室を衰退に導いている。ebisuはこういう構図を根室の旧弊と呼ぶ、根室の経済界と歴代市長が世代を超えてこういう構図を維持してきたから、町が衰退していくのは当たり前のことなのだ。

 このような構造がまっとうな経営努力から地元企業を遠ざけることが問題なのである。就業規則の整備と健全な労務管理の両方が揃っていれば未然に防げた事件であると思う。実に嘆かわしい事件なのだ。
 これでは放火が重罪だとおそらく知らずに犯行に走った青年がかわいそうだ。老舗の造り酒屋(北の勝)のように経営と労務管理が健全な企業もあるが、地元企業の中には労務管理の悪さからさまざまな問題を起こしている企業も少なくない。
 同族経営であることと、そうした会社にはとかく幹部社員がイエスマンしか残っていないという現実があり、経営改善がなされない。健全な批判者が社内にいない企業は要注意だ。
 健全な批判がなくなれば組織は内側から腐っていくもので、その点では企業も市政も変わらない。

 こういう痛く辛い事件から学ばない経営者たちが多ければ、根室の町から良質な若者たちはどんどん出て行ってしまうだろう。根室の人口減少はこの5年ほど加速しており、年間400~500人の割合で減っている。

 根室の企業は現実から学ぶということが苦手のように見える。健全な批判に耳を傾けないという心の狭さが経営者たちにあるようだ。自分たちの経営の姿を客観視するというのは、ある程度の忍耐力(辛抱力)と教養や学力を要求する。学力上位層がほとんど根室から流出してしまい、経営を支える有能な人材が枯渇してこういう惨状をまねいているという見方もできる。

 今からでも遅くない、各種経済団体は今回の事例をとりあげて労務管理や経営に関する勉強会を立ち上げたらいい。地元企業は自ら変わろうとするサインを出すべきだ。変わろうと決意し、そういう方向に動くために外部の協力を要請したらいい。
 よくなってほしいな、わがふるさとニムオロの企業。

【若い人たちへ】
  仕事をして生きてゆくためには学力や教養が重みをもつ。知らないではすまされないし、法律条文を読んでもわからないでは自分を守ることすらできない。
 自分がやろうとしていることがどういうことなのか、法律を調べて読んで理解できるくらいの基礎学力は高校卒業までにつけておこう。
 根室の中高生の学力の現状から判断して地元に残る生徒たちの4割が下記法律条文の意味が理解できないのではないかと危惧している。
 #2028から抜粋転載する。
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この人は放火犯が重罪であることを知らなかったのではないだろうか?
 放火は重罪である。以下に刑法の放火に関する罪刑規定を記す。

第九章 放火及び失火の罪

 (現住建造物等放火)
第百八条 放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦
船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する

 知らなかったのなら気の毒な気がする。身分が社員からアルバイトに落とされて放火をしたら、殺人罪並みの重罪なのである。知っていたらもっと穏便な方法を考えたのではないだろうか。

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*#2028 水産加工場 放火事件の顛末  July 27, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-26-1

 #2025 根室の水産加工会社で3度の火事:放火の疑いアリ  July 24, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-24

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