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#1903 臨床心理士になるための英語論文の読み方教えて :大学院進学相談 Apr. 11, 2012 [60. 進路(進学・就職)]

  大学2年生になった生徒から電話があった。
「久しぶり、どうした?」
「相談なんですけど、どうしたら論文読めるようになるのですか」

 日本語の論文が読めないわけはないから、英語の学術論文のことだろう。
「小説読めばいいですか?」
「ムリだよ、小説読んでも学術論文は読めないよ。小説には学術専門用語が出てこない。英字新聞が読めるレベルならあとは専門用語を覚えれば学術論文や専門書は読めるよ。アガサクリスティの小説よりも周辺知識がある学術論文の方がよほど読みやすいんだ。知っていることを英文で確認するだけだからね。2年になったから大学院受験を考えているんだろう、臨床心理士の資格は院卒でないと取れないから。」

 図星だった。
「夏休みにニムオロ塾へおいで、一週間ぐらい面倒見てあげる。構文解析をしながら新聞や専門書を100ページぐらい精読すればグンと実力が上がる。」
「わー、夏休み行きます」
「じゃあ、スケジュールを決めておこう・・・」

 エレクトロニクス、医療系、会計学、経済学など大概の大学院受験なら教えてあげられる。2年生と3年生のときに夏に1週間ほどトレーニングすれば全国どこの大学でも合格できるぐらいの実力にはなるだろう。
 いま通っている大学に限定する必要はない。勉強の進み具合次第で北大大学院も受験すればいい。試験で一番とればどこでも入学できる。もちろん専門科目の勉強は自分でしなくっちゃいけない。日本語で書かれた専門書を何冊も読み専門用語に熟知しておくことはあたりまえだ。そのときに英語ではなんというのか調べてリストを作っておくといい。出てきた順にエクセルに入力しておけば(アルファベット順に)データの並べ替えが簡単にできる。

 英字新聞が読めればあとは専門用語だけだから、2冊ぐらい専門書を精読すればいい。そのあとは辞書ナシで専門書は楽に読めるようになる。専門用語は一つの分野で2000~3000程度も覚えておけばお釣りがくるだろう。語彙は読んだ冊数が多くなるにしたがって勝手に増えるもの。とにかく面白そうだと思った本を何冊も読め。
 文法工程指数の高い圧縮された文は、チョムスキーの生成変形文法理論を応用してシンプルセンテンスに書き直すと、意味のとり違いを起こさずにすむ。なれてくると文の構造が透かして見えるようになるから楽しい。コンテキストと文法理論の両方からチェックしながら読めるようになる。そういうレベルになれば90%の得点は固いからトップ合格できるだろう。

 臨床心理士を目指すのはこれで二人目。塾を開いたときに一番最初に来た生徒が同じ学校の同じ科に進学したが、大学院へは行かなかった、一昨年だったか就職が決まってまもなく卒業だと偶然お兄さんからその後の消息を聞いた。高3の冬に大学に合格してバイトしていた、「先生!大学受かったよ、大学院まで行くからね!」と声をかけてくれた。はじめた見たときは皮のブーツを履いたすらりと背の高い中2の女の子だった。

 さて、大学院進学をしたくなったらどの専門分野でも英語だけは面倒見てあげられるからニムオロ塾へおいで。

(ジャパンタイムズを使った時事英語授業にチャレンジしているのは高3、高2、高1の3人。2年生はこの間の進研模試で学年トップの生徒だ)

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コメント 5

katu

やっぱり、本格的な勉強は英語につながることが多いのですね。
ebisuさんの、計算と英語の力をおすそ分けしてほしい(泣)

こんなふうに頼りにしてもらえるって嬉しいですね。
by katu (2012-04-13 09:06) 

Hirosuke

本格的な勉強は・・・

         ↓
     →English←
         ↑


本格的な英語力は・・・

         ↑
     ←English→
         ↓

by Hirosuke (2012-04-13 09:38) 

ebisu

Hirosukeさんへ

なぞなぞのような矢印ですね。「最初は英語の勉強に向かい、そして英語の勉強から出て行く」と読みました。

わたしにとって英語はツールです。読みたい本や知りたいことが英語を通じてでなければ手に入らない、そういうことが仕事でしばしばおきました。
コンピュータ・システム開発技術も時代の先端で仕事をするためにはまだ翻訳されていない原書を読まざるを得ない。翻訳が出るまで待っていられない。検査試薬の開発をするために医学用英語辞書では間に合わぬから、大部な専門書で用語を調べながらでないと、欧米の医学専門雑誌やネーチャーやサイエンスなどの科学一般雑誌が理解できない。
米国流の管理会計の仕組みについてはやはり向こうの本を読まなければわからない。すべて実務に直結していたので好奇心の赴くところ自由自在に文献を読み漁るためには英文読解の力がどうしても必要でした。

好奇心が強い分だけ偏った勉強になってしまいましたが、それでいい。それぞれの人が自分の切実な欲求で英語を勉強すればいい。英語の勉強を通り抜けてさらに広い世界(分野)の勉強へとむかえばいい。
とにかく勉強は還暦を過ぎても楽しいもの。
最近は日本の古典文学を読むのが楽しい。わたしはやっぱり日本人。
by ebisu (2012-04-13 11:37) 

ebisu

katuさんへ

あなたもいまいろんなことにチャレンジしています。すばらしいですね。根室にそういう大人が増えていけばマチは小さくても住みよく活気のあるものになります。

シャッター通りの緑町もあなたの事務所がオープンしてから活き活きしてみえます。

生徒から声がかかるのはうれしいものです。体力と相談しながらできる範囲でお手伝いです。
昨年塾生が増えすぎたので、体力を考えるとどの程度がマックスか限界がわかりました。1クラス10名までなら個別指導でムリせずにやれるようです。
狭い根室ですから、受け入れ人数が一杯になったときにお断りするのがなかなか難しい。正直に体力がないのでと理由を説明するしかありません。

わたしはkatuさんのがんばりと体力がうらやましい・・・(笑い)
by ebisu (2012-04-13 11:48) 

TNT

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by TNT (2012-08-28 19:43) 

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