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#1378 地域医療問題へのあるコメント Feb.14, 2011 [26. 地域医療・経済・財政]

 1週間ほど前に北海道新聞が市立病院の医師の増減見込みについての取材記事を載せたが、科別の増減人数だけで、なぜそうなのか、どういう医者が来るのかについては情報が公開されていない。毎年予算の時期になると好い加減な情報、あるいは希望的観測の積み上げのごとき医師獲得情報が流される。予算書の辻褄併せの材料でしかないので、ほとんどが根拠のないものだが、わたしたち市民はその都度期待しては裏切られる。まあ、勝手に期待して勝手にがっかりしているだけなのだが・・・

 根室の地域医療がどうなるのか、院長は市立病院トップとして医師招聘や運営方針についてもっと市民へ説明してもらえると患者や家族の協力体制も違ってくるのではないかと思う。都合の悪い情報も都合の良い情報も、なるべく包み隠さず正直に話すことで相互理解と相互信頼の絆を深めることができるはずだ。
 療養病棟のないことを含めて市民は根室の医療体制について不安を抱いている。

 コメント欄へどういう事情で科別の医師数が増減するのか、解説を寄せてくれた人がいる。病院が決して語ることのなかった情報も含まれている。
 最後の数行は都合により端折った。続きはコメント欄を見ればわかる。コメントを寄せてくれた人に感謝したい。

 内科の2名減は、元々本来は札医大1内からの消化器内科1名のところ、新しい医師が赴任したのに先任者も残ったため2名だったので、その二人が3月一杯で退職し新たな派遣が正規の1名だけなので1名減。更にやはり札医大卒の一般内科師が定年で辞めるため、内科全体で2名減となるようです。つまり来年度の内科は院長(一般内科・札医大2内)、消化器内科医1名(札医大1枚)、循環器内科2名(北大)、一般内科1名(北大2内)の5名と言う表向きの布陣ですが、実際には内科医はもう一人居ます。
 現在透析室を管理しているU医師は元々内科医です。病院側は何故か彼女を内科として表示せず泌尿器科としています。確かに1年前までは透析室は泌尿器科が管理していて彼女が手伝っておりましたが、彼女はあくまでも内科医で泌尿器科医ではありません。誰が考えても可笑しい所属のままなのは、対外的に透析室は泌尿器科が管理している(一般に多くの病院では泌尿器科が透析室を管理しているので泌尿器科医は透析も専門のことが多い)と思わせるための作戦なんでしょうか。

 件の産婦人科医は結局根室にくるようですね。あれ程北大小児科絡みで揉めて一旦は病院の方から招聘を諦めたと聞いていましたが・・・


 一言付け加えておきたい。日本では医師免許さえ持っていればどの科を受け持とうが違法にはならない。たとえば、整形外科のトレーニングを受けたことがなくても、医師免許さえあれば整形外科を標榜するクリニックを開設できるのである。経験のない整形外科手術をしても医師法上は構わない。しかし、本来は経験のある医師の下で修行を積むべきだし、医療倫理上好ましくないことは言うまでもない。。
 専門医制度が米国とは違うので、特別な研修を受けていなくてもオールマイティに診療できるのである。
 専門性が要求される診療は専門医が当たるべきことは、患者の立場になって見なくても用意に理解できるだろう。くれぐれも言うが、医師法上違法ではない。
 根室のような医療過疎地域ではある期間はこのような状況を甘受しなければならないこともある。それは、医療側と患者側と理解と納得ずくでなされることが望ましい。コメントを寄せてくれた人はその辺りも心配しているのだろう。

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傍観者

この春から産婦人科医と麻酔科医が来るようですが、それがどの程度病院経営にプラスになるのかはいささか微妙ですね。
先ず麻酔科ですが、これは本来は裏方家業で外科系の手術の際に麻酔でバックアップするのがメインです。その麻酔科が表に出てくるのはペインクリニック、ICU管理、救急業務などですが、根室の場合はICUが有りませんので内科などの患者さんの人口呼吸管理程度、週に1~2度のペインクリニック、釧路間のドクターヘリ乗務が考えられます。一方各科の麻酔バックアップに関しても、眼科は殆どが自前の局所麻酔なので需要が無く、大口の整形外科は一人減で手術件数がどうなるか今のところ不明、泌尿器科は月に1~2日の外来出張なので手術は考えられず、問題はベテラン2人体制になる(?)外科ですが、果たしてどの位手術をすることに成るのか・・・。とにかく麻酔科自身ではあまり売り上げが期待できる科ではありません。
一方のお産を扱わない前提の産婦人科ですが、こちらはこれまでの釧路赤十字からの外来応援が継続されるようなら売り上げにはあまり貢献できないでしょう。そこにお産再開への火種が潜んでいます。そこへ予定外のお産が飛び込んできたら、勿論医師としての使命感からお産を取り上げる事が最優先になり、その事実がお産再開の突破口になるでしょうね。かって短期間で辞めてしまったY医師も実は一件のお産を取り扱っています。しかしその時はあくまでも例外で、以後は再び「こんな体制ではお産は出来ない!」の一点張りでした。しかし今度予定されているH医師の場合は元々「一人でもお産の300や400」と仰る方なので、そんなきっかけを当人も、そして密かに市側も望み期待しているのかも知れません。もしそのシナリオ(?)の通りになった場合、北大小児科がどう動くのか・・・最悪北大からの出張が止まり、その結果もう定年が近いK副院長が辞める事態へ発展する可能性が十分にあるようです。
by 傍観者 (2011-02-15 09:32) 

ebisu

外科医3名程度と麻酔科医セットでなければ売上の増大は見込めないということですね。
経営的にはあまり改善が見込めない。
小児科との関係で産科病棟の再開は無理でしょうから、産婦人科医1名増も経営改善にはつながらない。
以前から噂のある方なら、北大との関係がどうなるのでしょう。事態を見守るしかなさそうですね。
来年度の病院事業赤字は14~15億円に拡大しそうですね。

それにしても、病院からこういうリスク情報が市民へ知らされず、医師数の増減のみでは医療に対する市民の不安は小さくなりません。

具体的な状況解説ありがとうございます。こういうことを市民説毎回を開いて院長が説明すればいいのですが・・・もちろん、事務長や市長同席の下で。院長の権限はそれほど大きくないのですから、責任の大きさも比例します。
by ebisu (2011-02-16 23:13) 

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