#1295 中3学力テスト総合C (2) Dec.2, 2010 [64. 教育問題]
【fact】
学力テスト総合CのB中学校の結果が出たので、先に報告したC中学校の平均点と並べてみよう。
B中学校 C中学校
数学 16.4 15.7点 （60点満点）
英語 20.5 20.6 （ 〃 ）
国語 25.9 28.3 （ 〃 ）
社会 21.8 21.1 （ 〃 ）
理科 21.6 20.1 （ 〃 ）
合計 106.2 105.9 （300点満点）
前回と同様に成績１に該当する得点30％以下の"赤点"人数の割合を数学と英語の2科目だけ計算してみた。以下(B中学校, C中学校)でデータを表示する。
数学 (64.1%, 59.7%) (41/64人, 37/62人)
英語 (53.1%, 46.8%) (34/64人, 29/62人)
合計人数が64人と62人、ずいぶん少ないと感じた人が多いのではないだろうか。10年前には2倍くらいいたのでは？いまではブカツに支障が出るほど小規模校化してしまっている。市教委は統廃合を急ぐべきだ。
中身を見ると、数学はどちらの中学校も60％前後も成績1に該当する生徒がいる。英語はそれよりも10％程度少ないが、生徒の53％と47％だからかなり多いと判断すべきだろう。
*比較データ 2009年11月実施総合C学力テスト釧路の中学校11校のデータ：
トップのA中学校は187.4点、最下位のK中学校は111.7点である。残念ながら根室のC中学校は釧路の最下位よりも下に位置している。釧路が学力の高い地域ではないことを念のために付け加えておく。
http://www.kitamon.com/cpek/datas/100830.shtml
以下は、前回書いたブログの数値をC校からB校へ書き換えただけである。
【分析】
高校では得点30%で赤点だが、その基準で切ってみると数学の平均点が30%の18点に届いていない。18点以下の人数は41人/64人で64.1%を占めている。
全道レベルで見て"成績1"に該当する生徒が3人に2人いることになる。札幌の平均的な中学校ならこの層は5%程度かもしれない。学力の地域間格差は気が遠くなるほど拡大してしまった。
C中学校は釧路の最下位のK中学校よりも5科目平均点が低い。根室の中学生の学力はまさに"惨状"を呈している。PTAや生徒自身がこの事実を知るべきだ。
全国で最もやさしいレベルの北海道の学力テストですら"成績1"の点数しか取れない生徒が数学で（64.1％、59.7％）英語は（53.1％、46.8％）を占めているというのは驚くべきことだが、学校の先生も保護者も生徒も根室の子供たちの学力に低さに感覚が麻痺しているのではないか？
【PDCAは仕事の基本】
市教委は効果の上がらないプリント配布を支持してお茶を濁しているようだが、学校別のデータを見ているはずだから、学力テストの平均点が上がるような対策を提案・実施してもらいたい。そして、翌年に検証しデータと分析結果を公表すべきだ。目標平均点も各校の事情を考慮し、学校ごと・科目ごとに設定すればなお素晴らしい。根室の中学生の学力を上げるのは、ひとつも難しいことはない。PDCAサイクルできっちり管理・検証すればいいだけである。民間会社はそういうことを当たり前にやっているから、優秀な人材を擁している市教委ができないわけがないだろう。教育行政に志の高さが少しでもあれば簡単にやれることだ。
*PDCA・・・ウィキペディアより
- Plan（計画）：従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する
- Do（実施・実行）：計画に沿って業務を行う
- Check（点検・評価）：業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する
- Act（処置・改善）：実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする
【学力低下の底がいまだ見えぬ：基礎学力のない子供たちの未来】
学力テスト総合ABCの平均点はこの5年間で各校共に20～30点落ちている。根室の中学生の学力の劣化はこの5年間ほど進行中で、いまだに底が見えない。300点満点で平均点が100点を切るのも時間の問題である。いや、すでに1校切っているかも知れぬ。
成績の悪い者の多くは都会へ行っても戦えない。根室に残ってもらっても職種は強い制限を受けるだろう。高校を卒業しても基礎学力が小6程度では使う方が躊躇する。
その辺りの雇用者側の事情はZAPPERさんがブログに詳しく書いているのでそちらを参照されたい。
*「基礎学力を育む「旬の時期」とは」
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51619016.html
「「高望み」の現実」
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51618812.html
以下はURLを貼り付けるので前回ブログを読んで欲しい。
#1288 「中3学力テスト総合C (1)」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-24 
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2010-12-02 22:37
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コメント(8)
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ひどいですね…
指導要領自体が異なるので単純な比較はできませんが、親の世代（30代後半から40代中盤を想定）であったなら、少し厳し目に見ても150点～160点といったものであったはずです。「半分強」といったイメージですね。親の世代では、高校進学は（いかに学力が低い釧根と言えども）100点ライン上にありました。
平均が100点ラインということは、現在では、親の世代の中卒レベルの子が多くを占めていることを意味します。50点・60点レベルだと、残念ながら「頭脳労働は不可能」です。その現実を全ての保護者に、それ以前に教員に認識していただきたいものです。否、本当は教員は認識しているんですよね。見殺しにしているだけであって…
ebisuさんのこのブログに、「コメントを寄せる人は傍観者ばかり」といったような書き込みがありましたが、こちらは間もなく「山」が動き始めます。そして、その余波は必ずやそちらにも伝わります。しかし、それが4年後・5年後になるのであれば間に合いません。急がなきゃ…
by ZAPPER (2010-12-03 10:26)
追記です。
実は市教委は、学力総合ABC試験の学校別平均点を把握していないそうです！つい先日その事実を知り、意識が遠のきそうになりました。思うに、根室も同じでしょう。
by ZAPPER (2010-12-03 10:31)
え！中3の学力総合ABCのデータを市教委が把握していない？
まさか、まさか・・・
卒倒しそうです。
だから全国学力テストの「曲解」がなされるのですね。日常のデータを見ていないのですから。
事実を知らずにどうするのでしょう。
信じられないな、信じたくないな、市教委へ問い合わせてみようかな。
by ebisu (2010-12-03 12:31)
はい、私も開いた口が大きすぎて顎が外れそうになりました。しかし「確かな筋」からの情報なので間違いありません。スタート地点がこうなのですから、仕事がことごとく杜撰であるのは必然と言えそうです。
しかし驚きました。(^^)
by ZAPPER (2010-12-03 15:01)
驚いてばかりもいられないので、さっそくメールで根室市教委宛問い合わせておきました。
学力テストの結果は年度別・学校別・科目別にしっかり把握していますという返事がいただけたら、根室市民は市教委を見直していいのでしょう。
さて、どういうご返事がいただけるのか・・・
by ebisu (2010-12-04 00:22)
ebisuさん、この調査結果をぜひとも記事になさってください！
私は、
「いわゆる学力試験（文協試験）なるものの実施は、道教委の管轄下で行われるものであって、市教委としては結果詳細について把握する必要はないものと考えております」
とか、
「試験結果は学校内で調査分析して、それを各学校の実情に応じて役立てるべきものであるため、市教委は各学校へそれを一任しているので結果詳細を把握しておりません」
といった回答になるのではと予測する次第です。
楽しみで～す♪
by ZAPPER (2010-12-04 13:32)
ZAPPERさん、お示しの回答例はまるで「小役人の問答文例集」見たいな「模範的な」内容ですね。
予測のような内容だったらおもしろい。
「面白きこともなき教育を面白く・・・」
調査結果はもちろんブログで公開します。
市教委さん、抱腹絶倒するような回答を期待しています。
見た市民が卒倒するような内容にならぬことを祈ります。
なんだかシリーズものになりそうな予感が・・・
by ebisu (2010-12-04 14:33)
本日12/7の、釧路市議会における教育長の答弁より。
「文協テスト・いわゆる学力試験は、3年生を除き学校により実施日程・実施回数も異なり、入試に向けた進路指導のための性質であることより…」ということで、市教委は学力総合ABC試験の結果を把握していない（把握する必要性はない）。
「全国一斉学力調査の結果公表については、過度の競争を招きかねないことより、結果詳細を公表しないとする北海道教育委員会の方針に従い、各市町村教育委員会では…」ということで、市教委は結果公表を控えるものである。
まぁ、ある意味、【模範的な回答】でありました。
キーワードは、《過度の競争》の防止だそうです。
ふ～ん。
by ZAPPER (2010-12-07 11:23)