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#1185 日銀金融緩和策公表も効果なし:資金の過剰富裕化は何をもたらすのか Sep. 1, 2010 [91.経済]

 暑い暑い、根室も28度、午後9時半の気温は23度もある。これが今迄で最高だろう。夜になってたくさんの小虫が、疲れ果てたのか次々に床にはいつくばって飛べなくなり息絶えていた。

 日銀は臨時の会議を招集し、30日午後、コ的金利オペに6ヶ月物を導入することで総額30兆円の資金供給増額の金融緩和策を公表した。相変わらずの経済成長路線で政治も金融も金縛りである。31日の株式市場の終値は8824.06円で年初来最大下げ325.20円安で応じた。冷ややかな市場の反応である。
 
 白川日銀総裁や菅総理が悪いわけではない。自公政権下でゼロ金利を十年来続けてきてもう金利を下げる余地がないから、短期的に有効な政策手段が見つからなかっただけだ。株式市場は31日325.20円の下げで応じた。

 国内に30兆円もの資金需要はない。それどころか資金は余っている。日本では20年も前から資金の「過剰富裕化」が起きてしまっている。企業の現預金残高は200兆円といわれている。借金ゼロで潤沢な自己資金をもっている企業が多い。年間売上高の半分程度の現預金をもっている企業もそうめずらしいことではない。自社内も含めて投資先がないのだ。こういう状態を「資金の過剰富裕化」と呼びたい。国内需要をはるかに上回る資金が供給され海外へはけ口を求める状態だ。国内経済的にはほとんど意味がないが、国債の新規発行を増額しても金利を当面安いままにしておけるから、財務省にとっては大歓迎だろう。なにやら官僚主導の意味のない政策の臭いがプンプンしている。菅総理は財務省に手玉に取られているのだろう。

 いくら資金供給を増やしても、リスクの高い中小零細企業に資金は回らないから、資金は国内の銀行でだぶつく。結局ヘッジファンドが低い金利で円資金を調達してドル買いを大量にやる。円キャリートレードである。円安誘導のために為替市場で30兆円のドル買いをしたようなものだ。6ヶ月たって満期が来れば、この資金は借金返済のために円買い・ドル売り資金となり、円高を一気に加速するだろう。なんてことはない、為替市場の乱高下を政府と日銀が演出しているだけのことだ。最近の異常気象が地球温暖化によるものなのと似ている。

 国内に需要のない資金を大量に市場に供給するのは、青息吐息の米国ヘッジファンドを助けるようなものだ。円キャリトレードの規模が膨らむ。しかも期限は6ヶ月と先が長い安定資金である。

 市場はあきれている。そこへ、鳩が菅と小沢を仲介し、失敗した。あろうことかトロイカ体制の維持を要求したという。鳩・菅・小沢で仲良く党の要職を占めてやっていこうということか。鳩の政治センスの悪さがまたしても出た。
  総理大臣経験者は議員バッチを外すべきだ。バッチをつけている限り、小人はこういう欲目がどうしても出てくる。
 鳩・菅・小沢の「トロイカ体制」なんて、国民は望んでいない。金融(経済)も政治も同じレベルだ。

 菅・小沢の論争で小沢氏が国有財産200兆円を証券化して売るとの発言をしていたが、ヘッジファンドのやり口である。国有財産を処分してまで民主党マニフェストのバラマキ政策を実行して欲しいなどという国民は何人いるのだろう?
 経済成長を追い求めるのはやめるべきだ。菅になろうが小沢になろうが、成長路線を追い続ける限り、日本を決定的な財政破綻へ導くことになる。


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