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#1184 無投票市長選 数字で見る根室の課題(1):病院問題 Aug. 31, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 北海道新聞根室地域版で面白いシリーズが始まった。5回連載記事である。初回は幸坂記者が医療問題を採り上げた。ぜひこのシリーズを読んで根室の将来を一緒に考えてもらいたい。
 なお、青字部分は新聞記事からの引用である。

市立病院の1日平均入院患者数 145.3人⇒97.1人
 5年前に比べて、入院患者数は66.8%にまで減少している。入院病棟の売上がそれだけ減ったということで、病院赤字が5年前の6億円から10億円に拡大したと書いてある。
 念のために言うと2009年度の実質赤字=一般会計からの繰り入れ金額は11億円を超えている。札医大からの派遣医師が1名9月で退職するというニュースが巷に流れている。もう一人医師が退職するようだ。補填はできるのだろうか?できなければ今年は実質赤字が13億円に膨らみそうである。一般会計では全額補填できないかもしれない。できなければ「不良債務」になる。150億円の市の予算規模からみてこれ以上の病院事業赤字補填は市財政を危うくするだろう。

 市長が「医師を個別にスカウトするなど医師確保に奔走。現在は常勤医が16人にまで回復した」と書いてあるが、どのドクターが市長が個別にスカウトしたのだろう?地域医療協議会や医師派遣制度を利用して確保できた医師は何人もいるが、市長が個別にスカウトした医師は何人なのだろう。具体的な数字を宣伝したらいい。不祥事はあった。札幌にスカウトに行っているはずの事務長が医師確保ではないことをしていて、問題になった。

*医師確保についてコメント欄へ書き込みがあった。現事務長の功績だという意見である。ハッキリ書かなかった私の意見を書いておこう。
 旭川医大が新臨床研修医制度の下、医師が足りなくなり派遣医師の引き上げをした。その結果常勤医が6名にまで減少した後、根室で打てる手は医師報酬の大幅な引き上げだったのではないだろうか。
 北海道の東端の僻地で給与が同水準のまま医師を十人も増やせるような甘い状況にはない。根室の医師の報酬3000万円はそのとき以降にできあがったとわたしは推測している。リクルートをしようにも以前の報酬水準では医師が集められないと現場から悲鳴が上がったのではないだろうか。
 市立根室病院は近隣の別海や中標津町立病院よりも1.5倍から2倍に近い水準である。私が市長でも報酬引き上げを承認しただろう。少しやり方が違うが、わたしはブログで医師は必要な人数を集められると2度ほど書いた。そのときは3000万円プラス1年間いるごとにボーナス1000万円を考えていた。必要な科と医師数を明示して、市のホームページ上で広告すれば医師は集められるだろう。しかし、地域エゴ丸出しの感もあるので、あまり感心した策とは言えない。各地の自治体病院が類似策をとると、医師報酬の水準が揚がってしまい、財政の悪化した市町村は病院を維持できなくなるからだ。それゆえ「背に腹は変えられぬ」非常手段と思っている。
 もしこの推測が当たっているなら、リクルートのために報酬の大幅引き上げ案を上申した担当者の智慧を褒めるべきだろうか。そしてこれが現場からの悲鳴でなく、すぐれた経営センスに裏打ちされたものなら病院は変りうる可能性があったことは指摘しておかねばならない。一人の人間がいろいろな能力を兼ね備えるということは現実にはなかなか難しいし、稀なことである。複数人で機能分担するしかないが、人件費が数倍かかることと、権限の問題がある。
  いろいろな専門分野の書籍を自在に読みこなし、いろいろな業務に好奇心をもち学習を欠かさない、基礎学力の高い人材が求められているということだろう。こういう人材が市政や病院経営の中心にいて仕事をすれば町の将来も明るいし病院の経営改善も進むに違いない。根室の子どもたちの学力の衰えは根室の将来にとって重大な問題であることが分かるだろう。いや、現在を考えても要職にある大人たちをみれば、子どもたちの30年後の姿も根室の30年後も想像できる。子どもたちの基礎学力を上げねばならない。
 いま教えている生徒の中に未来の根室市長がいるかもしれない。彼または彼女が現市長波の杜撰な仕事しかできなかったら、責任の半ばは私にもある。根室の最高気温は28度の予報だ、今日も暑い、しかし仕事の手は抜かないぞ。(9月1日朝8時40分追記)


4人は道の医師派遣制度で札医大から派遣されている
 期間4年という制限があり、この期間が終了したら後は根室市が自前でまかなってくれということだ。「3人が11年度末、もう一人が12年度末で期間が満了する」ということは、前に拙ブログでも書いた。市長の対応は「道に引き続き派遣をお願いしたい」というが「道側は「制度を変えない限り難しい」地域医師確保推進室」という状態である。
 つまり、派遣が切れた後は根室で独自に医師を雇えということで、それまでのツナギが医師派遣制度だ。市長は何の手も打っていないようだ。手の打ちようがないのだろう。だから、いままでも市長が独自にスカウトしたなどという話はにわかには信じがたい。事前にきちんと手を打つというような仕事の仕方が苦手のようで、病院建て替え問題にしても問題が生じた後で慌てて対応するのが常である。

【5年間で病院事業赤字が2倍になった】
 5年前は実質赤字(=一般会計繰入金)が6億円だったのが、この5年間で11.5億円の実質赤字に拡大した。赤字は5.5億円増えたのである。そしていまも実質赤字は縮まる気配すらない。
 長谷川市政は病院事業の経営改善に寄与したのだろうか?赤字額は2倍になっている。

看護師も、14~16年度に定年退職のピークがある
 「この3年間だけで計18人が退職する見通しだ。新たに人材が確保できなければ、せっかく新築した病棟を休止せざるを得ない可能性もある
 この点も前に書いた。本田市議もブログで指摘していることである。年間実質赤字が12億円にも達するような病院にそうそう新人看護師が応募してくるはずもない。いつ夕張のように診療所になるかもしれないのだから。なれば、給与は半減、大多数がリストラに遭う。

 何よりも、このままだだっ広い病院を62億円もかけて建て替えれば、建て替え後5年間は年間赤字額が16~20億円に膨らむ。一般会計から毎年このような巨額の赤字補填はできないだろう。市長は現実的な計画損益計算書すら市民に開示していない。無投票当選市長だからこそ市民へ丁寧な説明が当たり前だ。あなたは信任投票すらされていないのだから。
 市が招聘した病院コンサルタントの講演会で30億円での建て替えが可能だと説明があったはずだが、市幹部を含めて50名ほども出席していて誰一人として62億円の建て替え計画案にノーと言わない、まったく不可解である。市幹部や特別委のメンバー病院事務局と関係者ほとんどが出席したはずである。なぜ意見を言わずに黙っているのだろう。おかしな市政運営がまかり通っている。

 根室の未来を考えるよい材料になるだろうから、みんなでこの特集シリーズを読んで声をかけよう。
  「大見出しは「医師数回復も経営難」、シリーズ記事は読んだか?」

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*担当記者はずいぶんと関係方面へ気を配った記事の書き方をしているようにみえる。今後の取材のこともあるから、できるだけソフトに書いたのだろうとはebisuの勝手な推測である。遠慮のない論はebisuの役割でいい。
 北海道新聞は根室支局に有能な記者を配置しているように常々感じている。ありがたい。

**コメント欄へお二人から詳細な意見をいただいている。実に具体的な内容なので、ぜひ両論比べ読みいただきたいと思う。
 産科はどうなるのか、病院収益は、市立根室病院で何が起きているのか、いままで不明だったことがそれぞれの立場から語られている。(9月2日追記)

***#1187 「 無投票市長選 数字で見る根室の課題(2):人口推移
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-02

#1189「無投票市長選 数字で見る根室の課題(3):支庁統廃合はチャンス」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-03-1

#1191「無投票市長選 数字で見る根室の課題(4):無節操な北特法」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-05

#1194 無投票市長選 数字で見る根室の課題(5)最終回:NPO法人ゼロの現実
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-07


*8月のデータ:月間33,811アクセス、累計401,031アクセス、
 1010ブログ日
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或る市民

市立根室病院のどの医師が市長に個別にスカウトされたか・・・これは言い換えると大学の医局人事による派遣や地域医療枠以外の、いわゆる一本釣りの意味で使っているのでしょう。
もしそうなら、現根室病院の殆どの医師がそれに該当します。内科は循環器2人、一般内科が3人(内1名は現在透析担当)、外科が2人、整形外科が2人、麻酔科が1人の計10人に上ります。但し、その中の若干名が特殊な形をとっています。つまりフリーで根室に就職を希望して母校の教室(医局)に挨拶に出向き、そこで教授から大学が持っている地域医療枠を使うことを勧められます。それを受けて大学から派遣された形を取れば、大学にはその見返りとして助手(現在は助教)枠が当たります。一方その医師が就職してくる病院に取っては、その医師が個人で就職してくるのではなく大学から派遣されてくる・・・と言う安心感(その医師が辞めても後任を派遣して貰える?)が有ります。
実は今辞めると噂されている外科の診療部長はこの形で根室に就職しています。ですからその見返りに大学の医局から部下(3番手の医師)を1名貰いました。

以上をまとめると、内科の院長、消化器内科の2人、小児科の副院長、外科の3番手の5人以外は厳密にはフリーで根室に就職していますので、形としては市長(実際には当時の医師招聘室長=現事務長)がスカウトしたと考えていても可笑しくはないんです。
by 或る市民 (2010-09-01 00:51) 

ebisu

「ある市民」さん
情報提供ありがとうございます。
市長ではなくて、現事務長がスカウトしたと考えてよろしいのですね。
医師確保はたいへんですから、根室は仕事のできる事務長がいてよかった。

退職が噂されている医師の後任も心配要らないと考えてよろしいのでしょうか。もしそうなら実質赤字は今年度12億円プラスアルファで何とかなります。赤字はこれ以上大きくしないでほしい。

経営管理、システム関係、実務フローの見直しなどもしっかりしていただけるとなおありがたい。こちらの方面のスキルはどうなのでしょう?

(別海や中標津の病院に比べると2倍弱の給与もすこしは医師確保のポイントになっているのでしょうか。)
by ebisu (2010-09-01 01:16) 

或る市民

ebisuさんのコメントには些か違和感が有ります。現事務長は以前は医師招聘対策室長と新病院設立準備の責任者でした。両方とも市長直轄の仕事内容ですので、彼の行動は市長の指揮下に有った・・・ものと考えて良いでしょう。直轄の部下に医師を集めさせた=市長自ら医師をスカウトした・・・と市長は考えているのではないでしょうか。

ebisuさんは根室の求人の際の年収提示が他の公立病院の2倍弱とお書きに成っていますが、これも事実とは若干食い違いが有ります。
医師公募の際の年収は大体「北海道地域医療財団」のホームページに載っています。現在公的病院で年収がトップなのは士幌国保の~3500万のようです。この数字の見方は簡単で、右の上限額は大体院長がそれ位貰っていると言うことです。ですから誰でもその金額が当てはまるわけでは有りません。
根室の公募の金額は~3100万。町立中標津は~2650万、
町立別海は現在は公募しておりませんが、一時~3000万でした。別海の場合、更に就職時に1000万上積みし、3年勤めれば返却不要の就職祝い金の噂が有りました。これを見ましても、今では根室が他の公立病院に比して2倍弱と言うことは有りません。根室自体の給料ベースはこの数年それ程変わっていませんが、他の病院の額が上がって来ているんですね。
基本的に根室の場合、院長、副院長は3000万前後、診療部長クラスが2500~3000万でしょうか。因みに年収3000万と言う数字は、今のところ通常の医師が得られる年収の上限値かも知れません。因みに羅臼診療所の年収提示額はやはり~3000万です。
まあそれでも根室の場合は更に他病院では考えられない特典が有ります。それは毎月2回、就職してくる医師に公費を使って家族の元へ帰省して貰う制度です。勿論交通は飛行機、飛行場まではタクシー乃至病院の公用車使用です。(最近はどうなったか)。これは医師が帰る地元の場所によって違いますが、大体年間100万前後の経費が掛かります。他の病院では月に何回かの帰省を認めたとしても交通費までは出しません。
年収に関して最近では他病院との差はそれ程付かなくなりましたが、この公費での規制制度は、やはり家族を残して年配で単身赴任している医師にとっては魅力的な”蛍の水”のようです。

それからebisuさんも御懸念の、外科診療部長が辞められた後の後任者着任の件ですが、以前にも札医大の地域医療枠で根室に赴任した内科の副院長のケースでは、彼が根室を辞めて札幌で開業した際には後任は有りませんでした。ですから今回札医大の第1外科から同レベルの外科部長が来ない場合、現在2番手の外科医長と札医大1外から派遣されている3番手の医師の2人に成ってしまいます。その形を大学が認めるか否か・・・分かりません。もし(兎に角何でも理由を付けて医師を引き揚げたがる)大学が教育的理由で3番手の医師を引き揚げることにでも成れば、根室の外科は現在2番手の医長だけに成ってしまいます。その場合、もはや総合病院の外科としては機能しなくなるでしょう。かって外科医不在で黒部市民病院から外科医が交代で出張で繋いでいた時代に逆戻りです。

一方やはり9月一杯で根室から去る麻酔科の副院長ですが、彼の場合はいわゆる一本釣りで就職された方ですので後任云々は有りません。そこで現在病院側は、札医大の麻酔科に出張の依頼を交渉中と聞いています。

根室の医師数は現在16名ですが、この9月一杯で2名の医師が辞めるので14目に減ります。しかし11月頃この春にキャンセルに成った埼玉在住の産婦人科医の就職話が復活するとの噂が有ります。そうなれば16-2+1=15 何とかギリギリで新病院建設へのゴーサインが出せる・・・病院側(市長)はそう考えているのでしょうか。
by 或る市民 (2010-09-01 13:12) 

ebisu

或る市民さん

詳しい情報ありがとうございます。
市長直轄の指揮下にあったことをもって市長の仕事とはできないでしょう。同じ論法を使えば、医師をスカウトに札幌に出張しながら、不始末をした前任の事務長も市長の責任と云うことになります。私はそうは思いません。

年収3000万円は昨年神奈川県茅ヶ崎の市議が根室を訪問したときに市役所側で説明した金額です。実際に医師をリクルートする際の提示報酬と云う説明だったように記憶しています。過去ログにURLを明示してあります。
もし、病院側の提示する報酬が仰るとおりだとしても「~3100万円」とのことですから、この点は了とされるのでしょうか。

別海の町立病院の医師や中標津町立病院の医師の報酬は最近何かで見ました。1500万円から1800万円と書いてありました。何の資料だったか思い出せません。別海は他に諸手当てを支給しているとあった気がします。それは根室も同様でしょうから、特別に考慮する必要はないでしょう。
さなざまな情報が飛び交っていることはわかりました。どれを選ぶかで結論がまったく違ったものになる。

麻酔医の話は非常勤ということになるのでしょうから、外科医も一人いなくなることとあわせると手術数は減るのでしょうね。

産婦人科医が来ることになれば病棟再開できるのでしょうか?助産師が増えたと聞いています。産科病棟を再開すれば小児科へ影響が出ます。小児科担当医との調整はついているのでしょうか?
産科病棟再開ができるか否かは病院損益に少なからぬ影響があります。

病院はどうしてこういう情報を速やかにホームページ上で公開しないのでしょう?62億円と云う無謀な建て替え計画が進みつつありますが、不都合な事実はつねにあとから公表されています。ちなみに、民間(上場会社)ではこうした経営上重要な事実は速やかに公開する義務があります。
差し支えなければ、情報公開についてもご意見をお聞かせください。
by ebisu (2010-09-01 13:44) 

mami

こんにちは。先々週からまた入院していました。本当は本日退院予定でしたが、市内なら緊急に耐えられるものの、根室から2時間では出産してしまう可能性があると言うことで来週水曜日誘発と言う期限を付けて、入院が延びました。

入院してから気が付いたのですが、分娩の際には小児科医の立ち会いも必要なんだそうです。今現在、小児科医は1名。小児科医も補充しなければ分娩再開には至らないと思います。以前、小児科医が不在の際は市内の小児科医個人病院の医師が来て対応していましたが、今回もそうなるのでしょうか?また分娩にかかる日数は個人差があり、3日や5日かかる方もいらっしゃいます。長期戦の場合、医師1名では到底足りないと言う話にはならないでしょうか。誘発分娩でもかかる人はかかります。また医師1名では帝王切開は行えませんので普通分娩のみの対応となるでしょう。別海ですら医師2名で経産婦のみの取り扱いなので…分娩再開にはハードルが高い気がします。

私は今回の入院で、次回の出産も周産期医療のある病院を選びたいなと思ってしまいました。次回も入院になるリスクが高く、例え医師が1名赴任されても入院病棟の再開さえも難しいと思っています(分娩だけが入院を要するものではありません)。市内で入院出来れば、家族の負担(ガソリン代など)も少なく、家族や上の子供に毎日会えるメリットなどストレスと経費の軽減につながると思います。但し、入院となれば24時間対応を強いられます。医師、助産師、看護師の負担を考えると入院、分娩の再開はないと断言せざるを得ません。もし、この二点が再開されなくても、夜間の緊急対応(陣痛は夜間に起こりやすいので)していただけると妊婦としてはありがたいです。入院して、根室の妊婦さんが手遅れに近い状態で搬送される姿をよくみます(私も端から見ればそうでしょうが)。自己判断や電話での対応(市立ではなく分娩予定の病院での対応です)では分からず、週2回の診察だけでは不十分なのです。
by mami (2010-09-01 15:04) 

或る市民

産婦人科の問題です。現在7月から赴任の予定だった埼玉の婦人科医が11月から再び根室に就職する可能性が有ります。そのことで市民の皆さんの誤解は、常勤の産婦人科医の存在=お産の再開です。
ebisuさんはお産の再開は病院の増益とお考えのようですが、果たしてそうでしょうか。現在の根室の人口と年齢構成から考えるに、根室でのお産の年間件数はどれくらいでしょうね。

釧路赤十字の産婦人科のY副院長(釧路に産婦人科医を集約した張本人)は「根室に常勤の産婦人科医が要るのかね。今のままの方が良いんじゃない。ましてお産なんて手を出したところで絶対にペイしないよ!」と何時も言っていました。因みに彼の論では、根室のお産は全ての妊婦が来たとして年間150件程度。1件のお産の費用が40万程度なら、年間6000万の売り上げが良いところ。産婦人科はお産1件につき幾らと言う医師への歩合が払われることが多く、また産婦人科医に給料を3000万も払えばその他の人件費も含めて殆ど利益は残らない。

それでも常勤の産婦人科医を置いてお産を再開するのは、それは最早根室市としての住民サービスだけに過ぎない・・・と言う事です。勿論市立病院ですから、税金を払う市民の賛同が得られればそのようなスタンスも有りだと思います。

しかしmamiさんも仰るように、産婦人科医だけではお産は成り立ちません。小児科医の手伝いが必須です。しかし根室市立の小児科は、今の病院の構造・設備・スタッフの数とレベルでお産を再開することに、以前から難色を示しています。現在根室市立の小児科は常勤のO副院長と北大からの若い出張医の2人きりです。お産が再開されれば常にそのどちらかが呼び出されます。そのことを北大の小児科は以前から心配していました。この状態で病院側がお産を強行することは北大の小児科を怒らせます。そうなると、たちまち若い医師の出張が止められます。そしてO院長は辞めるでしょう。

こんな事情が有りますので、根室のお産再開の問題は産婦人科医が来るから云々の次元では決められないのです。常勤医が赴任するとしても、当面は婦人科診療と妊婦の定期健診だけに仕事内容が限られることと思います。
by 或る市民 (2010-09-01 20:49) 

或る市民

市立根室の医師の給料の件ですが、当然の事ながら一律に年収3000万ではありません。医師は根室市の公務員ですから何等級何号俸の世界です。ですから実際には様々な手当てで膨らませます。その結果が例えば年3000万と言う表現に成ります。大体どこの病院でも同様に本給に諸手当を加算した数字を提示しています。
ebisuさんがお書きに成っている別海や中標津の年額表示では医師は道東には来ません。まして別海はかっては根室以上に高額な給料の病院でした。前院長が7000万、若い医師でも3000万を越えていたと聞いています。何故なら、自衛隊と米軍の実弾射撃場を提供している見返りに、豊富な国の金が降り注いでいたからです。その後あまりに高い給料が問題と成り、前院長は半分に減額、他の医師もかなり減額されましたが、それでも根室と同程度に高いようです。小生の知人が去年の冬に北海道地域医療財団のホームページで別海の医師公募で「~3000万」を見付け院長に会ったようですが、やはり3000万は院長の年収で、実際には2500万だと言う事で怒って就職を止めました。その知人は中標津にも就職の打診をしてみたところ、やはり2500万までしか出せないとの事だったそうです。


by 或る市民 (2010-09-01 21:58) 

ebisu

mamiさん
釧路に入院なさっていることは聞いていました。
もう少しですね。

妊婦の側からのご意見ありがとうございます。
病院関係者と患者側とこういう意見交換の場が必要です。
外部から見ているとさっぱり事情が分からない。
そのわりにいろいろな噂が洩れ伝わってくる。
日数が経つとどうやら本当だったとわかる。

産科医が来れば産科病棟を再開する旨の新聞報道がありました。埼玉県で一人でやっていたので、十分やれるという医師側の発言が載っていた記憶があります。
産科医が一人来ても産科病棟が再開できないなら、病院側はなぜそう言わなかったのでしょう。
ここでも不都合な事実を隠す癖が出ているように感じます。

「或る市民」さんの意見と見比べて、とても興味深かった。話しが具体的で分かりやすい。
他の妊婦さんもこういう情報を知りたがっているでしょう。
意見を戦わすことはそうした人たちへ隠蔽されている情報を公開することになります。
こういう話題はオープンに議論することがいい、そう信じます。
by ebisu (2010-09-01 23:41) 

ebisu

或る市民さんへ(3)
mamiさんとの「論争」楽しく読ませていただきました。
お陰様で、いままで不明だった具体的な事情がだいぶ分かりました。御礼申し上げます。

医師報酬については、根室は諸手当込みでほぼ3000万円を提示しているのは事実と云うことですね。根室は僻地です、地域の事情が在るからわたしはそのこと事態をとやかく言うつもりはありません。それどころか、手当てはやめにして3000万円、それに1年いたら1000万円のボーナスの支給をしていいとさえ考えています。市のホームページ上で条件提示をするだけで、全国からオファーがあるでしょう。
医師はやり方次第でかんたんに集められます。市長が誰であれ、事務長が誰であれ、集められるでしょう。

そんなことよりも、根室で医師になりたい中高生へ奨学金を出すことを薦めたい。「養殖」方式です。授業料と毎月の生活費は全額支給、アルバイト禁止、40代以降60歳まで私立根室病院での8年間の勤務を義務付け、返済を義務を解除するぐらいの政策があってもいいでしょう。これは市長と市議会の役割ですね。

楽しい、そして有意義な「意見交換」でした。これからもどんどんコメントを寄せてくだされば、市民が根室の医療事情を知り、適切な判断がしやすくなるでしょう。こういう情報を待っていました。ほんとうにありがとうございます。
by ebisu (2010-09-01 23:53) 

或る市民

2chでこんな書き込みを見付けました。

http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1279810623/l50


by 或る市民 (2010-09-02 12:58) 

或る市民

その書き込みの内容です。

53 :卵の名無しさん:2010/08/31(火) 14:15:18 ID:s9tctGR10
根室とはこんな病院。
外科診療部長と麻酔科副院長の9月退職を公表しない。
市長選や新病院起債許可前の混乱を避けたいのでしょうか?
従って、外科部長と副院長の送別会もなしと聞いたぞ。
これじゃ、今まで頑張った先生方にあまりにも失礼、市民をもあざむいている。
かつてN室に行っていた東○医○の先生方、特に家族で移住しN室に自宅まで建てた当時の副院長に対しても 似たような非礼なことをやったのは有名な話。
これじゃ、もう行く先生は難しいな!

60 :卵の名無しさん:2010/09/02(木) 12:45:05 ID:JFK7fKcD0
>53
聞いた話では、「根室に骨を埋める」と言って医師が6人まで激減した根室で 無理矢理院長をやらされ、やっと医師数が16人まで回復し新病院建設へ向けて動き出すタイミングで、現院長の実現のために市長から邪魔扱いされ怒って根室を出て行った前院長も居たな。



by 或る市民 (2010-09-02 13:03) 

mami

産科と小児科のどちらを取るか、と言われたら小児科の存続を希望するとしか言えませんね。

勿論、お腹の中の命も大切ですが、月~金の一般診療と夜間土日の重篤な場合のみの対応(日赤へ救急車をまわす)さえしていただけたら、お産の再開はそこまで必要とは思っていません。私の場合はたまたま根室での診療日で日赤医師に点滴をしていただいたので最初の入院の時に早産にはなりませんでしたが、もし診療日ではなかったとすると自宅や道中で1000g以下の低体重児を出産していたかもしれません。その場合、胎児が死亡する確率が高くなってしまいます。勿論自身の過失もあります。しかし、初産婦には判断し辛いのも事実です。常勤医がいる場合は点滴などの応急処置をし、救急車で緊急搬送で問題ないと思います。検診に関しては、36週で分娩予定の病院へ行かなければなりません。妊婦と家族の負担を考えると、これも根室で対応していただけるとありがたいです。以前も常勤医が1名居た時に緊急分娩が1件のみありました。それぐらいの対応でも満足できます。

日赤では十分な看護師、助産師が居て充実して働いています。今の根室にはない光景です。

また根室での出産を希望していても、状態により設備の整った病院での出産しかできない(私もまたハイリスク出産になる可能性が高い)妊婦もいます。採算は難しいでしょうね。私も住民サービスでの一環としか考えていません。これで日赤医師が出張医を取りやめるなどとなったら一大事でしょうが。

母親教室の際に市役所の保健師に「今まで救急車で運ばれた妊婦はいないのか」と聞いた所「そんなことはない」と言われました。しかし、その場で切迫早産になったと言う出産後数ヶ月の母親が居て、保健師は知らなかったと言いました。果たして本当に知らなかったのでしょうか?妊婦を不安にさせることはいけませんが、事実は事実として開示しなければ手遅れになる場合もあります。私の入院中にも何名か居ましたから、根室の妊婦で5%ほどはその可能性があると思います。妊婦個人もその可能性があると肝に命じて生活を送らなければ、以前あったような道中での出産がない話ではなくなります。





by mami (2010-09-02 13:52) 

ebisu

或る市民さんへ(4)

根室を去られるドクターの送別会はすべきですね。
きついときに頑張っていただいたにも関わらず送別会すらせずに、ドクターが寂しく根室を去る。
情けない光景です。
by ebisu (2010-09-02 22:41) 

ebisu

mamiさんへ(2):

具体的なご意見ありがとうございます。
産科と小児科についてすらこれだけの議論がある。ましてや建て替え後の病院は規模が135ベッドに縮小するので、診療科や入院病棟については市民の間で徹底した議論が必要です。
もちろん療養型病床もです。

市側も市議会建て替え特別委も、自ら具体的な検討をしないばかりか市民説明会すら開催しない。
根室を去られるドクターにもたいへん失礼な対応をしているようですが、市民に対しても不正直・無礼な対応です。根っこに何か同じものを感じてしまいます。

さて、保健師さんの件ですが、母親教室で妊産婦対象なら、切迫早産での救急医療対応の事例は承知していなければ講師失格ですね。妊婦に事前説明が必要です。事前にシミュレーションしていなければ、非常事態に対応できません。
知っていてとぼけているならとんでもないことです。
仕事は正直に誠実にやるべきです。それがベスト。
様々な分野で働く人が正直で誠実な仕事人であってほしいものです。
安心・安全なふるさと根室に変えましょう。
そのためにはこのような情報の発信が必要です。
by ebisu (2010-09-02 23:04) 

mami

助産師さんに聞いた所、年間5件ぐらいは自家用車中出産があるそうです。道路脇に停めて、助産師さんが電話で中継して同乗者が取り上げているようです。

報道の義務はないんでしょうかね?それとも日常的にあることに成り下がってしまったんでしょうか?
by mami (2010-09-04 14:25) 

ebisu

mamiさん:
年間5件も自家用車中出産があるのですか、驚きです。
こうした事実をほとんどの市民が知らない。
事実を知ることから現状を変える力が生まれます。
新聞やテレビが報じないことを発信するのもブログの役割の一つですね。

もうすぐ出産ですね。
mamiさんは姪の同級生なんですね。
無事出産を祈念します。
by ebisu (2010-09-05 15:03) 

或る市民

2チャンネルに載った北海道僻地医療崩壊14の根室の話題です。これでまた一人医師の足がが根室から遠のきました・・・。

66 名前:卵の名無しさん :2010/09/06(月) 14:21:16 ID:2HkQDMoO0
黒松内、厚岸は良いかも。
助産師を張り倒して解雇された産婦人科医が、埼玉でも問題を起こして今度は根室に行くと聞きます。
根室の判断材料になるかも。
他は知りません。

67 名前:卵の名無しさん :2010/09/06(月) 14:57:06 ID:CDeQM3jH0
>>66
俺も厚岸は結構、良いと思う。
S院長は穏やかな人柄だしね。
俺自身は家庭の事情で赴任は無理だけど。

68 名前:64 :2010/09/06(月) 16:25:34 ID:MMXaiP430
厚岸ですね。ありがとうございます。

69 名前:卵の名無しさん :2010/09/06(月) 22:57:28 ID:38QtAyzA0
>66
その産婦人科医(酒癖が悪い)、町立中標津の時にスタッフに暴力を働き当時の
栗林院長から一発退場のレッドカードを食らった。本来は7月から根室勤務
との事だったが色々もめたよう。そして結局11月頃から当面お産に手を出さない
と言う条件で根室に赴任するらしい。



by 或る市民 (2010-09-06 23:04) 

ebisu

或る市民さんへ

2チャンネル情報は遠慮のない暴露話が多いですね。「卵の名無しさん」はドクターのようですから、裏事情に詳しいのですね。
それにしても、7月に赴任する予定だった産科医が書いてあるようだったら、スタッフの人たちが困りますね。
酒癖の悪いドクターはもう一方(ひとかた)いらっしゃるようですから。

きちんとしたドクターが多いのでしょうから、多少は仕方がないのでしょう。
でも質のよいドクターは集められます。そう難しい話ではありません。やり方次第ということです。
by ebisu (2010-09-07 00:18) 

mami

私事ですが、今朝朝方出産致しました。初産でしたが、1時間かからないスピード出産で、根室からだと間に合わない計算でした。今度来る産科医は一癖ありそうですが、それでも縋らなきゃいけない事情も察して頂けるとありがたいと思います。確かに中標津で分娩中、酒臭かったと噂になりましたね。
by mami (2010-09-07 11:18) 

ebisu

mamiさんへ:

無事出産おめでとう。
今度赴任してくる産科医さん、一癖あっても、仕事をきちんとしてくれるなら歓迎ですね。
満点の医者なんてそうそういないでしょう。
一般社会もおなじです。
いろんなタイプがニコニコ顔で仕事ができれば一番いい。
by ebisu (2010-09-07 11:26) 

或る市民

スタッフを殴るのなら、医師としてどうの以前の社会人としての問題で一癖・・・で済まされる問題ではありません。勿論今後はそのようなことは2度と起こさないでしょうが。何時も酒臭いと言う話はそのようです。ただ皆さんは産科医と書いていらっしゃいますが、取り敢えずは婦人科医>産科医だと思います。彼の根室への就職については、「一人でもお産はやる!あんな助産師は要らない。小児科にも外科にも麻酔科にも世話にはならない」「そんな危ない立場ではお産再開は困る。病院側としては未だお産再開の環境に無い」の押し問答の繰り返しでしたので、その後何がどうなって”7月に赴任”が決まり、それが取り消しになり、また今度は”11月から赴任”に化けたのか。その赴任の内容もどのような条件で決まったのか・・・最低限「毎週末は休暇として標津の自宅に帰り、その穴埋めに釧路赤十字の産婦人科が待機のため根室に出張してくる」事は決まっていそうですが。尚「11月から根室に赴任」説を裏付ける出来事として、過日根室公園で開かれた病院の夜遊会に夫婦で姿を現していた、そうです。
by 或る市民 (2010-09-08 13:06) 

ebisu

ある市民さんへ:

2チャンネルの情報は面白おかしく書かれています。多くは事実でしょう。でも、当該医師がなぜスタッフを殴ったのかについての客観的な事実はなにも書いてありません。
わたしは重要な情報についてはそれがよほど信頼のおける人が直接見聞きした情報でない限り、まったく別のソースから確認します。それができない限り、態度を保留します。

でも、いろいろなエピソードが様々なところで語られることで、その方のおおよその人柄は浮かび上がってはくるでしょう。
もし、根室病院でなんらの理由もなくスタッフを殴るようなことをしたら、ただちに解雇処分は当然でしょう。それは院長や事務長の仕事です。
2チャンネルで語られているような事実があるなら、赴任のときに病院管理者として院長あるいは事務長が念押しすればいいだけです。
仕事は正直に誠実に・・・です。
by ebisu (2010-09-08 14:59) 

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