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#1143 市立病院建て替え:建築費10億円カットの方法 Aug. 3, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

  東京は7月の熱帯夜(夜の気温が25度以上)が17日もあったという。来週はもっと暑くなると気象予報。大雨、集中豪雨被害も各地で続出し、カミナリも多発した。上空に寒冷な空気が流れ込み、地表が熱せられて積乱雲が発達したせいらしい。それが長く続いた。いや今も続いている。東京以西は亜熱帯性気候に似てきた。
 道内の降水量は観測史上最高を記録した。日照時間は1946年以降史上3番目に少ないという。

【市民と市役所の共同プロジェクト方式による総事業管理】
 さて、市立病院建て替え問題であるが、こう考えてはどうだろう。予算は総額35億円以内とする。建築費は25億円まで。建て替え地は成央小学校。成央小学校生徒は希望に応じて花咲小学校と北斗小学校へ統合吸収する。「遠距離通学」には必要に応じてマイクロバスを出せばいい。民と官との共同プロジェクトだ。「必要なスキルをもった市民と市役所職員との協働プロジェクト」と言い換えてもいい。

【建築延べ面積の縮小】
 建築費は病院コンサルタントの言うとおり、建築単価×面積で決まる。199ベッドを135ベッドに縮小するのに面積は3割も増える計画をしている。外来診療ブース一つとっても現行計画にはコスト意識がない。現状の7割に入院病棟が縮小するのだから現状面積以下で十分だろう。その方向でレイアウトを院内調整する。

 建築延べ面積は3000坪とする。建築単価は75~80万円。建築費は22.5~24億円。
          3000坪×75万円=22億5千万円

【建築仕様の見直し】
 暖房費を節約するために建築仕様は外断熱仕様、免震構造が必要か否かは地盤調査後に決める。屋上にはソーラパネルを設置する。災害時用の井戸を掘る。成央小学校付近は昔あった造り酒屋「色媛」の水源地で良質の地下水あり。

【実務見直しとレイアウトの再検討】
 病院事務局はカルテ管理を中心として院内実務の見直しをやり、新しい実務設計にしたがって外来診察ブース仕様を見直す。
 用途の優先順位を決めてスペースが3000坪で収まるように院内調整を行う。まとめた基本仕様はホームページ上で全面公開する。

【更新予定設備投資額の見直し】
 購入予定医療機器もリストを公開して、安い買い方を検討する。民間病院では定価の3割から5割カットが医療機器購入の常識だろう。

【システム仕様の見直し】
 コストは詰める気さえあればかなり詰めることができる。システム投資と医療機器への投資(約20億円?)は病院規模(135ベッドの小規模病院、年間売上21~25億円)から考えて過大すぎる。

【建築発注】
 基本仕様をまとめたら、予算内で建築を引き受けるゼネコンを募集する。契約書には地元業者を下請けに使う旨明記すればいい。好い加減な建築業者と契約すると何かと理由をつけて予算オーバーになることがあるので要注意。建築仕様の詰めもしっかりしておく。

【建て替え事業に伴う小学校統廃合】
 生徒数が減少しているのに小中学校の統廃合が一向に進まないが、この機会に市街化地域の小学校の統廃合をしてしまえばいい。小規模校化は学力低下の一因にもなっている。

【PERT Chartによるジョブ管理】
 この仕事はパートチャートを使ってプロジェクト管理を徹底すべきだろう。この程度のジョブ管理はPERT技法を使えば確実にできる。PERTについては古典的なジョブとスケジュール管理技法だから説明しない。ウィキペディアに説明があるので参照されたい。
 できない言い訳は無用だ。関連部署の協力があればPERT Chartは描けるし、ある程度のスキルがあれば仕事の管理は完璧にできる。
 専門知識や経験をもった市民が参加できる建て替えプロジェクトチームをつくればいい。それこそ仕事人による「真のオール根室」体制だ。
 市教委や成央小学校の協力も要る。組織横断的に動かすためにプロジェクト方式が必要である。関係者が皆で協力すれば2月着工のスケジュール管理は十分可能だ。建築費だけでも10億円カットできる。この額は「耐震化交付金11.92億円」の額に近い。システム投資額や医療機器購入費用もカットできる。
 早い話しが、国の耐震化交付金額をはるかに上回る「総事業費」カットは可能だ。

【自浄作用が根室の町を変える】
 わたしは地元経済界や市役所幹部の「自浄作用」に期待している。市民と一緒になって、一つの目標に向かって努力し、期限内に仕事を達成できれば、それを契機に町は変る。市の財政破綻も回避できるだろう。現市長が考えを改めることができれば穏やかに事を進められるが、彼にそれができるだろうか。
 プロジェクトを成功させるには、関連する人々が正直に誠実に仕事をするだけでよい。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」の精神で事にあたれば素晴らしい仕事になるだろう。
 自分の損得は横において、ふるさとの町のために皆で汗をかけば、いろいろな問題が連鎖的にほどけていく。課題は困難なほどいい、たしかな達成感があるからだ。

* #1142『市立病院建て替えにかかわる地元経済界の役割』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-08-02


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