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#1142 市立根室病院建て替えに関する地元経済界の役割 Aug. 2, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

【明細情報はどこにある?】
 あらためて病院ホームページにある「新・市立根室病院新築基本構想」「~基本計画」を見て驚いた。肝心の建て替え費用の内訳がのっていない。何を見ればわかるのだろう?せめて、当該情報を検索できるように関連情報があるURLは明記すべきだろう。

【コンサル提言の2倍の予算と杜撰な仕事、そしていたずらに広い建物】
 総額62億円の建て替えであるが、いつの間にかシステム費用が当初5億円から7億円へ増額されていた。その点をブログで指摘したら、市側は建て替え事業費からシステム費用を外した。おかしな話である。暖房費を半分以下にできる外断熱は仕様にないし、フロアごとの設計も明らかではない。常勤医が十数名なのに外来ブースは30もあるという。病棟担当医もいるから、不要な数だ。いたずらに広く、それが建築費の増額に拍車をかけている。地盤の関係から免震構造は不要だ。見直すべきことがまだまだたくさんある。それも基本の関わることだ。仕事のやり方も面積に大きく影響する。カルテ管理がその代表例だ。
 病院事務局が本来やるべき仕事を誠実に・正直にしていないようにみえる。

 そもそも、建て替えにかかわる総事業費は建物本体工事、取り壊し工事、医療機器、システム投資、引越し費用などからなっているはずだが、市立病院のホームページを見てもそうした情報がない。情報公開が不十分だ。新聞社は市への取材で大まかな情報をつかんでいる筈だ。一度載ったような気もする。
 交付金は耐震化交付金が11.92億円。起債にかかわる交付措置が22.53億円、その他と合わせて合計35.61億円、カバー率は総事業費の57.3%とあるから、それ以外の約26億円は根室市の負担となる。

 現状の市立病院は199ベッド延床面積が10,901㎡である。建て替え後は135ベッド延床面積13500㎡になる。

【市長が招聘した病院コンサルタント長隆氏の懸念どおりの結果】
 病院コンサルタントの長隆氏は根室市に招聘されて2008年10月6日市の幹部職員を前に講演会を開いた。時間は午後3時、場所は商工会館2階ABホールである。
「一番のガンは、無駄な面積が多い。建築費は単価と面積なんですね。公立病院は、やたら面積を大きくする」
 病院を建てる際の注意事項をこのように述べている。現状は彼の懸念どおりになってしまった。ちなみに、この講演会は市費で行われている。講演会議事録を見ると主催は根室市保健医療対策協議会、会長長谷川俊輔となっている。もう一点、大事な指摘がある。

「199床80億円だと。そんな話しがありましたがとんでもありません。採算がとれるはずがありません」
と総事業費30億円での建て替えを提案している。ここで批判されているのは6年ほど前に市民説明会が一度だけあったニホロ移転案だ。これは現市長が助役時代のことで、土地単価に虚偽説明があり、あとで北海道新聞が地主から取材してインチキを暴いた。それでニホロ移転案がつぶれた。
現在地での建て替え案について市側は一度も市民説明かを開いていない。インチキ説明をした当時の助役が現市長である。市民説明会にはよほど懲りたのかもしれないが、やってもらわないと困る。
 これらの情報は「市立根室病院建て替え」カテゴリーにあるから、そこをクリックして探してほしい。3分もあれば出てくる。

【市議会はノーチェックで市側提案を丸呑み、承認済み】
 市は現状199ベッド10,901㎡を135ベッドに67.8%に減らしながら、面積は1.3倍に増やす案で建て替えを強行する。残念なのか、当然なのか、市議会のチェック機能はまったく働かなかった。コンサルタントの危惧どおりの路線をひた走っている。なぜだろう。市長選挙が近い。オール根室と称して経済団体を中心に民主党根室支部や地元選出の国会議員まで巻き込んで、オール与党体制で現市長応援ということになりそうだ。

【おいしい仕事の行く末は?】
 このままいけば、本来30億円プラスアルファぐらいで済むはずのものが2倍の62億円の予算を投じて建て替えられる。地元でJVを組むか、どこか大手ゼネコンが絡んでJV方式で落札し、地元業者へ下請けされる。2倍の予算なら下請けは旨味がある、確実においしい仕事になるだろう。その結果根室はどのような人災を被ることになるのか、夕張市の例を思い出してくれ。

【関係者の自浄能力が問われている】
 私はちょっと待ってくれといいたい。君らも多くが根室で育った人間だろう?このまま62億円で建て替えをしたら、病院事業実質赤字は年間最大20億円を超え、根室は財政破綻する可能性が大きい。
 君らにはふるさとの町を救おうという気持ちはないのか?自分たちさえ潤えば、ふるさとの町が財政破綻しても構わないのか?そんなことはないと信じたい。
 破綻すれば市役所職員の半数はリストラになる。残った職員も給与は30%カットだ。せっかく建て替えた病院も夕張のように診療所になれば、入院病棟が稼動できない。診療所に必要な病院スタッフは半分以下だ。相場から考えて給与は多くても60%だろう。ふるさとの町を離れる人がたくさんでる。
 破綻の引き金を引く地元経済界人、病院幹部職員、市議、君らやその家族、親戚はこの狭い根室で10年経たないうちに肩身の狭い思いをすることにならないのか?そんな思いをさせる必要はない。ただ真面目に仕事をすればいいだけだ。
 地元経済人は目先の利益にだまされるな。この事業で利益を得る必要はない。雇っている従業員に給料が払えて経費が出れば十分、トントンでいいだろう。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」の心になれ。「関連業者よし、市役所職員よし、市民よしの三方よし」で行こうではないか?
 正念場だぞ。このまま走れば、根室の町は財政破綻の可能性が大きくなる。年間実質赤字はピーク時には20億円を超えるだろう。一般会計からそのような巨額の持ち出しを何年も続けられるのか?市の財政課に聞いてみるがいい。「できません」と即答するだろう。

 次のブログで解決案を提案したい。経済界人と市役所職員と市民が手を結ばないと不可能な仕事だ。ふるさとの町を財政破綻させないというこころある根室経済界人がいるなら、一緒に考えてくれ。そして毅然として自らが為すべきことを為してくれ。

 市長の無投票当選が事実上決まったという新聞報道がなされている。このままだとブレーキなしで破綻へ向かって突っ走ることになる。最後のチャンスだ。
 一番簡単なのは現市長が思いとどまることだ。ストップして、半年で計画を作り直せばいいし、それは可能だ。その上で病院職員と地元経済界に全面協力をお願いすればいい。正直に・誠実に仕事をすれば、相当に困難な仕事も達成可能になるものだ。


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コメント 11

NO NAME

前に市役所に質問した回答です。

・新病院設計の見直しについて
~平成23年2月着工なので、既に見直しができない。今、設計を見直すと着工がさらに遅くなる

・市民への新病院に関する説明
~既に市民委員会や広報で説明しているので、これ以上、説明を検討していない

by NO NAME (2010-08-02 13:34) 

名無し

病院はなにが何でも建てる。
見直しの時間はない。
知られちゃまずいものは隠す。
財政破綻しても公務員に責任はない。
市長もきっと市立病院のお世話になる。
by 名無し (2010-08-02 14:18) 

ebisu

NO NAMEさん、コメントありがとう。
来年2月の着工なので見直しできないなら、間にあわせばいいのでしょう。そういう段取りができるかどうかということ。

市民への説明は、一度虚偽説明をして、新聞で叩かれ、羹に懲りているところがあるというのが本音でしょう。

病院事務局と建築業者と市長が考え直して協力を仰げば間に合うのです。やらない言い訳、できない言訳ばかりでは根室の町はいずれ夕張になる。

NONAMEさんがそうだと言っているわけではありませんよ。市役所へ質問して、あきらめざるを得なかった気持ちは伝わりました。
by ebisu (2010-08-02 22:45) 

ebisu

名無しさんもコメントありがとう。

>病院はなにが何でも建てる。

医師を集めるためにも必要でしょう。JVに参加するあるいは大手JVの下請けで関わる地元業者に過大な利益を落とすためにも総事業費は2倍のままでやる必要があるのでしょう。市長選挙は「オール根室」で万全です。必要はわかります。

>見直しの時間はない。

ニホロ移転案から数えると6年以上ありましたが、「時間はない」と云うのも事実です。つまりは必要な仕事をしてこなかったということです。しかし協力し合えば間に合う方法はあります。

>知られちゃまずいものは隠す。

大筋ではバレバレです。知られちゃいけないものなんてない。狭い町だし、流れを見れば大筋は誰にでもわかること。隠しているつもりは当事者だけ。

>財政破綻しても公務員に責任はない。

責任はありませんが、累は及びます。夕張市の先例が示すところは、市役所職員の半数のりすとら。残る人も給与は3割カット。責任はありませんが、累は及びます。

>市長もきっと市立病院のお世話になる。

入院病棟が稼動していればお世話になれるでしょうが、夕張のように診療所になってしまえばそれもかなわない。
昨年12月に入院したことが懐かしく思い出されるでしょう。
ふるさとの町の市長までさせてもらいながら、自分の不始末で人生の最後のときを市立根室病院に入院することすらかなわないのかもしれません。

思い直すならいまです。悔い改めること、そして正直・誠実に仕事をすればなんとかなります。
あとは、ブログ本欄で。
by ebisu (2010-08-02 23:03) 

さんま

年内に外科医1名、麻酔科医1名退職が決定。院内では公表された事実。院外に公表すると起債許可がおりないため、ひた隠し。
現状を伏せて起債し、無理やり病院を建てる。
詐欺ではないか?、市民を欺いてはいないか?
病院は情報を公開すべき。
by さんま (2010-08-19 12:16) 

ebisu

ばあさんがグループホームで転倒したんこぶ。
GH側の要請で外科に連れて行く。おざなりな診察で一週間後にもう一度来なさいとの指示あり。
行くと今度は違う医者。何しに来たといわんばかりの態度。前回わたしが診たわけではないからとほとんど診察らしい診察はなかった。車に乗せるのも、下ろすのもたいへん。
もうすこし患者やつきそう家族におもいやりのある仕事はできないのだろうか?

外科医と麻酔科医がいなければ、手術の度ごとに非常勤医に来てもらわなければならない。
2名そうした事例があったので人件費その他が2億円増えたと病院事務局側からインチキ説明があったばかりだ。

こんどは情報ひたかくしですか、ハンドルネームさんま殿。
先日の新聞でも「改革プラン」どおりに行っていないので、建て替え許可が下りない可能性が高いような新聞記事でしたが、市長選挙前に常勤医がやめるという情報はまずいのでしょうね。なんでも都合の悪いことは隠す、長谷川氏は助役時代からの癖ですね。つける薬がない。
市議は何をしているのでしょう?
by ebisu (2010-08-19 13:20) 

Holy Taker

こんばんわ。
また書き込ませて頂きます。

先日、本田議員のblogを読ませて頂きました。
blogには病院収益や患者数がかなり細かく掲載されていました。
この分析内容が事実だとすれば、入院と外来の収益現象状態で、新病院を建設した後も今以上に赤字が続くことになるのではないでしょうか?
また、これ程、改革プランから離れた実績が明確となっているのに、なぜ市議員が黙っているのでしょうか?
もし病院を建てた瞬間に市自体が倒産してしまっては、根室市民が悲しむことになると思います。

さんまさんの医師退職に関しては、患者の間でかなり噂となっていました。もしこれが真実だとして、起債許可を得るためだけに情報を隠蔽しているならば、これ自体も問題となるのではないでしょうか?
議会が開会されたら市議員に追及してほしいところです。

来月の市長選も無投票当選となるらしいですが、いくら市長のなり手がいないかもしれませんが、1期と2期の両方が無投票当選の市長は少し問題かと思います。
しかし根室市民自体が市政に対し、少し無関心な面もあります。
市長は1度信任投票などで、根室市民全体に政策等に関してを確認して頂きたいところです。

正直、市長は市役所職員からではなく、民間から出てほしいところです。これは無茶苦茶な話ですが、高校生や中学生,小学生の方が良い根室を良くする政策を出してくれるかも??
by Holy Taker (2010-08-26 21:38) 

ebisu

Holy Talkerさんへ:
外科医と麻酔科医は退職します。これは確定情報です。替りの医師が見つからなければ、入院も外来も減収となります。
それだけで終わればいいのですが、わたしは事態を注視しています。

代わりの医師が見つからなければ、今年度の実質赤字見込みは14億円に跳ね上がります。来年度はフルに一年分ですからこのがたつきの余波で16~17億円の実質赤字の可能性まで出てきました。
病棟運用にまで影響が出るかもしれませんのでしばらく様子を見ましょう。
時間が経てばすべてはっきりします。市長が市民に知らせたくない不都合な情報は隠し切れません。正直に誠実に仕事をしてほしいものです。

病院事務長や市長は相当慌てているでしょう。総事業費62億円での病院建て替えはおそらくもう無理です。

35億円で計画を作り直せばいいのです。半年程度遅れるだけで、病院は建て替えられます。
はじめから、私や病院コンサルタントの提案どおりにやればよかったのです。どうしようもなくなって、元に戻るでしょう。

この問題については9月に入ったら情報がオープンにならざるを得ないでしょうから改めてきちんと採り上げます。
by ebisu (2010-08-26 23:16) 

Holy Talker

おはようございます。

退職情報は確定なのですね・・・
私が根室へ戻ってきてから、病院の医師はかなりの人数が入れ替りしています。
根室の場合、医師が退職する原因はどこにあるのでしょうか?と思います。
国の法律改正や派遣して頂く大学病院との関係もあるでしょうが、それだけが退職の理由ではない気がします。
やはり病院自体の人間関係や組織的な問題なのかもしれません。
実際に病院を受診しても看護師や事務職員の接偶レベルで高低があるように思えます。ただこれは病院だけではなく根室市全体に言える点ではないでしょうか?

>62億円での病院建て替え
一般的な感覚では、この病院状況でこれ程の投資をするのは避け、金額を抑えるため、規模の縮小を検討するのが普通だと思いますが、現在の市の体制や考え方では、そのまま建築続行してしまうような気がします。
市民の代弁者である議員さんも、現状を承認するという状態では、根室市民は蚊帳の外でしかないのかもしれません。
by Holy Talker (2010-08-27 09:39) 

ebisu

医師へ年間3000万円の給与を支払っていますから、給与の問題ではないでしょうね。
都会で何年間住み慣れてしまうと、根室って生まれ故郷でない他人には地の果ての僻地でしかないのでしょう。
お店がない、教育は全国最低のレベル。学童期の子どもがいる医者は来たがらない。教育レベルの低い根室にいたら自分の子供を医者にできなくなる。
若い医者も奥さんが嫌がる。いきおい60歳をすぎた医者が来ることになりますが、最初から数年間のつもりでしょう。骨を埋めるつもりで来る人なんて一人もいない。根室市長ですら、前市長は任期が終わったらさっさと札幌へ引っ越したくらいですから、そんな状況を医者たちだった見ています。市長だって退職したら見捨てる町です。そんな奴を2期も市長にしていたのは根室市民です。そいつの下で助役をしていたのが現市長、ろくでもない者ばかりです。変わりうる市議すらいない。人材払底の町で情けない。
でも、そんな状況に負けてたまるか。ふるさとを勝手にさせてたまるか。

病院は実質年間赤字が12億円に達し、いつ市財政が破綻を起こすか分からない。若い看護師さんだって就職をためらうでしょう。
病院の経営がきちんとしなければ、医者も看護師も集まらない。すこし来ても単なる「通過駅」ですぐにいなくなります。

建物の建て替えも大事ですが、もっと大事なのは経営の建て直し、接遇のレベルアップです。
何にもしないで、腕がよくて情熱のある医者も看護師も集まるわけがないのでしょう。
病院をダメにしているのは歴代の市長、病院事務長、職員、市議会、そして私たち市民です。あまりに無関心でありすぎました。
いまからうんと関心をもちましょう。いい町に、いい病院は必要です。ダメな町にはダメな病院しか出来ません。活気溢れるいい町にしましょう。そのためには市政を市長や一部の地元系財界人の好きにさせてはいけません。市民の監視が必要です。選挙で投票した市議のケツをひっぱたきましょう。
えい、えい、おー!

(思わず吼えてしまいました)

by ebisu (2010-08-27 11:02) 

ebisu

Holy Talkerさん:
結局は地元根室で医者になる人材をだすしかないのでしょう。
養殖方式です。
幸い、、1学年に一人二人は、傑出した学力の生徒がいます。育て切れていない。
ここを何とかすればいい。

川上先生も岡田先生も安心できる医者です。故郷ですから故郷を棄てはしない。死ぬまでやってくれる。文字通り骨を埋めてくれます。

トップクラスの生徒が医者になれるように、奨学金も含めて町としてやりうることをすべてやるべきです。10年20年のスパンで考えるとそれが一番効果が大きい。
地元から医者をだす、そこに投資すべきです。市議は智慧を絞って、医者にならんとするねむろっ子を支援する条例を作れ。もちろん最大一人5000万円程度、学費と生活費ぐらいは全部面倒見てやれ。
家庭の事情にかかわらず、進学できる環境をつくれ。
市議会はそのためにある。
えい、えい、おー!
by ebisu (2010-08-27 11:11) 

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