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#1111 根室の高校統廃合問題について「異見」あり(1) July 14, 2010 [64. 教育問題]

 昨日(13日)に市の総合文化会館で道教委による高校統廃合問題の説明会が開催された。わたしは授業で出席できなかったので、どのような説明がなされたかは新聞で知るしかない。市民の一人として自分の意見はブログで明らかにしておきたい。根室の地域経済にとって重大な影響のある問題だからである。

 道教委は平成18年度に1学年3間口(3クラス)以下の道立高校の統廃合を決めた。根室市内の中中学卒業生徒の人数は平成26年度に220人になるというから、根室高校の定員200名でほぼ間に合ってしまう。

 根室西高校が廃校になるのは時間の問題で、これは人口減少によるものだからいかんともしがたい。
 問題はその後の根室高校をどうするかと云うことだ。総合学科や語学を重視した学科の設置を言う向きもあるようだが、根室のニーズにあっているだろうか?その辺りを検討してみたい。

【地域経済の発展には質のよい労働力が必要】
 根室の地域経済はこの40年間一貫して疲弊し続けている。地域経済を担う人材が流出し続けるからだろう。質のよい労働力がなければ長期的には町の経済は衰退せざるを得ないし、経済が衰退すれば養える人口も逓減し続けることになる。
 根室の地域経済の衰退を止めるには、質の良い労働力が必要だ。質の良い労働力とは基礎学力のしっかりした人材ということだろう。

【どの層にターゲットを絞るべきか】
 翻って全国学力テストの結果をみると、根室は全国最低ランクの北海道で14支庁管内中最低レベルである。つまり、全国最低水準ということだ。しかも、学力の比較的よい「上澄み」部分は、大学へ進学したらほとんど地元へは戻ってこない。
 根室を支えるのは中位クラスか下位レベルの学力の生徒たちである。つまり、この層の学力にターゲットを絞り底上げする必要があるということだ。
 そう考えると、高校統廃合の方向が見えてくる。基礎学力をアップするには「普通科」が最適である。一時期英語を重視した学科があちこちで新設され、偏差値が高かったが、その後ぱっとしなくなった。数学などの他の科目を削ってしまうので、バランスのよい基礎学力の養成に問題が生じたからだろう。

【基礎学力とは何か】
 基礎学力は「読み書きソロバン」つまり「読む能力、書く能力、計算力」の三つで構成されている。国語や数学の授業時間数が減るような学科は根室には向かないということだろう。
 本当はヨーロッパの高校のように、哲学という科目があったほうがよい。フランスではデカルト『方法序説』を国語の教材に採り上げているという。『徒然草』や『風姿花伝』(世阿弥)『学問のすすめ』(福沢諭吉)『帝国主義』(幸徳秋水)などのレベルの高い本を1冊丸ごと読み通す授業があっていい。
 どのような職業についても必要な専門書を読み、必要な知識を独力で身につけることができるほど基礎学力が高くなれば理想的である。
 そういう人材が多数根室に残れば、根室の町は長期的に発展できるだろう。教育こそが根室の町の将来の発展を支える礎である。
 佐藤敏三議員が市議会で教育問題について質問した折に「根室には大学がない、だから地域経済にとって最終教育機関として高校が大事だ」という旨の発言をしていたが、その通りだろう。

【歴史的使命を終えた商業科と事務情報科】
 高校統廃合後の根室高校には総合学科は必要ない。基礎学力を高めるために「普通科」があればいい。あとは根室商業が根室高校の母体だからしがらくの間は商業科が一つあれば十分だろう。
 商業科や事務情報科は根室の地域経済の中ですでにその歴史的使命を終えている。卒業生が多数地元に残って根室信金や根室漁業組合などに残って地元経済を支えた時代は終わっている。たとえば、信金ですら男子の高卒採用すらやめてしまっている。もちろん都市銀行も高卒の採用はとっくに廃止している。だから、「商業科」や「事務情報科」は不要になっていると云わざるを得ない。簿記は普通科で選択科目でも履修できる。コンピュータ関係もエクセルやワードならなにも高校でやる必要などない。社会人になってからでも基礎学力さえしっかりしていたら数ヶ月あれば十分マスターできる。
  歴史的使命を終えたということについて、次の三つの論点から別立てで論じてみたい。
 ①地元経済界への人材供給
 ②進学状況の変化
 ③生徒の学力の変化

【学習意欲のない生徒たちの扱い】
 市街化地域の3中学校を見ると、学習意欲のない生徒が各校に10人以上いる。こういう生徒たちが1高体制になってしまうと、根室高校は現在のレベルの授業を続けられなくなるだろう。クラスに3人も学習意欲がなくて授業中大きな声で私語したり、騒ぐ者たちがいるとと授業は崩壊する。そのクラスの学力はがくんと下がる。これは光洋中学でも柏陵中学でも啓雲中学でも実証済みだ。
 義務教育ではないから学習意欲のない生徒を高校で受け入れる必要はないだろう。高校生の教育には一人当たり3年間で200万円ほども公費がかかっているのだから、学習意欲のある生徒だけが高校で勉強すればいい。
 授業レベルや試験レベルを下げて生徒を甘やかす必要はないから、規定の点数に達しなければどんどん留年させていい。努力しない者は退学でいい。
 切るだけではいけない。登校拒否や学校を一時期サボった生徒も、必要な手を大人が差し伸べると立ち直る例はある。3人に一人はなんとかなる。現に数学零点とか10点台の生徒が2ヵ月の個別補習で80点台の点数を採る例をいくつも見てきた。だから、中学校や小学校で放課後補習体制を整備すべきだ。学校の先生たちでそれができなければ、帯広のように学校支援員制度を利用すればいい。地域住民のなかから補習を担当してくれるボランティアを募ればいい。これは、市教委の役割である。

【地域経済へ良質の人材を供給する高校へ】
 統廃合後は基礎学力の育成に徹底した厳しい高校を造るべきだ。適切な手を打たずに漫然と統廃合すれば、根室高校の学力レベルが著しく低下する。教育崩壊状態を呈している中学校の惨状が高校に感染拡大してしまう。いったんレベルが下がってしまったら、上げるのは容易なことではない。中学校の学力レベルが下がる一方であることをみればたいへんさがわかる。
 学力の底上げをやり遂げ、地域経済を支える「最高学府=根室高校」が基礎学力のしっかりした人材を供給することができれば、根室の地域経済は衰退から脱することができるだろう。すくなくとも地域経済活性化のための必要条件の一つではある。
 地元経済を支えることのできる良質な人材を供給することを念頭において統廃合後の高校のビジョンをつくるべきだ。
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ZAPPER

ごぶさたでございます。(^^)

基礎学力とは曖昧な言葉ですが、以後、「必要な専門書を読み、必要な知識を独力で身につけることができる力」と定義づけさせていただくことにしました。

ありがとうございます。
by ZAPPER (2010-07-15 09:17) 

ebisu

お久しぶりです、ZAPPERさん。

ちょっとハードルの高い定義のようですが、若い人たちに志を高く持っていただきたいですね。

社会人にとって定義のような「基礎学力」は必要不可欠なものですが、高校時代に思いっきり背伸びした勉強をすればある程度の力はつきますね。

おそらくは20代前半までに一度は渾身の力を出して養い、鍛えておかないと身につかない力でしょう。

by ebisu (2010-07-15 22:48) 

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