#1021 "ちゃんこダイニング若"破綻に学べ May 6, 2010

　テレビを見ていたら、標記のニュースが流れた。
　元横綱の経営だから、経営のセンスのあるものがついているのか心配だった。規模拡大が急激過ぎたからである。
　店舗の急激な拡大に、店員教育や味の維持などができるのか他人事ながら見ていて心配だった。外食産業が店舗開発をする裏には、用意周到な社員教育や味の管理がなされている。それがなければ闇雲な店舗拡大は経営破綻への道である。その通りになった。

　規模が拡大される中で健全経営を維持していくためには、内部統制がきちんとなされなければならない。個人経営から会社経営への転換が必要なのだが、それがなされないままに規模拡張にひた走ったのだろう。

　事業を起こしてうまくいったら、途中で規模拡大を止めて、2年くらいは内部制度の充実に力を注いだ方がいい。この間に組織を充実させて社員を育て切れたら、売上が100億円になっても大丈夫だろう。
　それができるのはベンチャー10社に2～3社かもしれない。うまくいっているときほど、内部の充実と人の育成に力を注がなければならない。
　規模が大きくなると、出るお金も億円単位になるから、損失が出だしたら雪だるまのようにあっという間に大きくなってしまう。コントロール不能の状態に陥る。売上が急拡大したら要注意である。

　判断を間違わない者だけが生き残る。"ちゃんこダイニング若"の失敗にに学べ。


*元横綱・花田勝氏は2年前に株式を売却しており、今回の破産による影響はないという。なかなか勘のいい人のようだ。負債は4.5億円。産経ニュースより。
　http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100506-00000568-san-bus_all