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病院建て替え問題の経緯:市長答弁がピント外れなのは原稿のデキが悪いから? #746 Oct. 8, 2009 [32. 市立根室病院建て替え]


 50年ぶりの大型台風18号が被害を各地にもたらし、知多半島から本州に上陸して縦断、宮城県から太平洋へ抜けて、襟裳岬の沖合いを北東に向かっている。雨と風が強い。しかし、根室直撃の心配は去った。小中学校は予定通り全部休校、高校も休みだ。生徒たちは勉強しているかな?半分はモバゲで暇を潰しているのかもしれない。こら、3年生、勉強してからモバゲだぞ。
 都会の子達に負けるな、まず自分に勝て!

 blog#752『ちょっとだけ市議会傍聴』に面白いコメントをいただいたので、加筆・修正し、掲載する。病院問題の経緯と本質を理解するためにこの問題の歴史的な経緯をつまびらかにしておきたい。

 ⇒< コメント >
長谷川市長は大変です。
何が大変かって、今の市役所には、優秀な職員が少ないから。いても、どうしようもない上司が、優秀な部下の芽を潰している。
年俸と年金にぶら下がって生きてるような、市のために何とかしようという働きも失せてる人たちに囲まれているのだから、どうしようもない。
勉強不足、貧困な感性、惰性、やる気なし、・・・みたいな職員の多いこと。
そんな人たちが作成した答弁の原稿を、市長が字を読み間違えながら、必死で棒読みする。
実に、こっけいだ。
市議が、つっこんだ質問をしないのは、後が怖いからだろう。
何におびえているのだろう。

では、市民をあげて 「長谷川市長 改革推進委員会」 発足しますか。 

by 匿さん (2009-10-08 01:27) 

 
⇒< 私のコメント >
匿(名)さん、あの棒読み劇にはそういう裏があるのですか。
>勉強不足、貧困な感性、惰性、やる気なし、・・・みたいな職員の多いこと。
>そんな人たちが作成した答弁の原稿を、市長が字を読み間違えながら、必死で棒読みする。
>実に、こっけいだ。

 長谷川市長は被害者ですか?
 ゴーストライターも優秀な人が少なく、支離滅裂なものが多いのですか。論点をわざと外したデキのよい役人答弁文書かと思いました。
 読んでいてわけがわからないのは、読み上げる文書の書き手が悪い。まともな文書が書けない幹部職員が少なからずいるということですか?ならば、市長自ら書き直せば好いだけではないでしょうか?それすらしない?
 他人の書いた質の悪い文書を必至に読み、そして読み間違える。

 下手な文章ほど読みにくいものはない。いや、これは、自分の書いたものを声を出して読み直し、読みにくいときは手を入れることが多いからですが、読みにくいものはだいたい論理が破綻していることが多い。論理ばかりでなく用語の使い方も大丈夫かなと、ヒア汗を拭いながら毎回ブログを書いているが、それでもあちこちほころびが出る。先日のICT(情報利用技術)の件もそうだった。もうITという用語はあまり使われなくなっていた。Katuさんがコメントしてくれた。間違いがあったら専門家に指摘してもらえるとありがたい。もちろん、すぐに訂正をする。

 答弁原稿が劣悪だという面があるのなら、これからはもっと市長に同情するような書き方をしなければならない。
 助役から市長になった彼もかつてはそういう上司の一人ではなかったのかなと想像していたが、間違いなのかもしれない。
 彼は市役所の職員の中では「出色」の人だった可能性もあるが私には分からない。
 自分が接点をもった限りで、自分の目で見て、自分の耳で確かめたことを書き綴ろうと思う。もちろん、私の思い込みは激しいし、爺になって記憶もあまりあてにはならない。まだ、呆けてはいないと公言するが、呆けてしまうと自覚がなくなるから、私もすでにまったくの呆け老人の部類なのかもしれない。その辺りは、このブログを読んでくれている人々の判断に委ねたい、そう、言葉が過激になるのは、気が短くなった呆け老人の戯言だからである。

《病院問題へ関わる端緒:ニホロ移転案に係る市民説明会》
 5年くらい前だったか6年前だったか、商工会館で当時助役だった長谷川氏がニホロ移転案に対する市民からの質問に、不誠実で実にインチキな説明をしていたことを思い出す。横にいた爺さんと婆さんたち数名が、ため息をついていた。
「ニホロになったら通院できない」
「どうしてあんなところに建てるのか?」
 私は自分の目で見て、耳で聞いたことを、当時の商工会館での説明会を記憶の中から再現してみたい。

 市側の説明はニホロの土地が一番安いということだったが、道路をひいたり、上下水を引いたりする投資を入れたら、駒場町よりも安くないのではという質問に、計算できないし、していないと答弁した。5000万円と仮定すれば駒場町の方が安い。計算は簡単だ、都合が悪かったのだろう。ニホロが一番安いという唯一の選定論拠が崩れてしまい、移転案は根底から覆る。ニホロに固執しなければならない事情が市側にあったのだろう(畜産振興事業団の案件がつぶれたので、道庁へニホロ地区開発の約束が反故になり、それで急遽あの場所に病院移転が決まったという噂はを後から聞いた。真偽のほどは定かではない)。
 駒場町は上下水道の整備ができているので、同じ条件にしないと比較ができないはずなのに、「裸地」で整備投資が必要な場所と、投資が不要な場所を比較していた。つまり、ニホロ移転ありきという結論に都合のよいような恣意的な比較資料をつくって市民に説明していた。実に不誠実な態度だった。
 駒場町とニホロの両方を市民委員が独自に現地調査しニホロに決定したと説明していたが、そのバスツアーは市側が企画実行したものである。結論のまとめ方もニホロ移転のためのアリバイ作りと言う恣意的なものだった。「市民委員」は当時の市長が委嘱した者たちであるから、市側の案に都合の悪いことを言うはずがない。「市民委員」「市議会特別委」も単なる翼賛機関に堕している。
(10日追加記入:平成16年12月の第4回定例市議会議事録を見ると、市民委員のうちの一人がニホロ案に反対し、駒場町を押したようだ。まともな意見を言う人が一人はいたようだ。ありがとう m(_ _)m
*「行政報告 市立病院建設用地の選定について」http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/10746ab968f4c50f492570c700061691/$FILE/gyousei.pdf

 市長は今回の本会議でも「市民委員」への説明と意見聴取をもって「市民」へ説明を行ったと繰り返し答弁しているが、実態は意見をもたない者たちを選び、委員を委嘱しているので、市側の案には異を唱えない。実質的なチェック機関とはならず、百害あって一利なし。このような委員会は根室の将来に大きな害なす。
 総額90億円のニホロ移転案を市民委員も市議会「特別委」も無修正で可決した。調査分析の能力も意思もない人は委員を引き受けなければいい。現在委員の任にある人は、誠実に全力で調査分析し、市民の立場にたった公平な見解を市にぶつけてほしい。
 一人一人が与えられた職務に誠実かつ全力で取り組めば、根室はよくなる。それができない、あるいはするつもりがないなら委員を委嘱されても辞退すべきだ。責任ある立場の人が善良な市民としての見識をもてば根室はよくなる。

《市民説明会の説明は重要部分のほとんどが真実ではなかった》
 その後、北海道新聞が駒場町の地主に取材し購入予定代金そのものがインチキであることを報道して、ニホロ移転案はつぶれ、駒場町になった。市側の小細工があったのだ。
 そうしていつの間にか、助役の長谷川氏が不可能だと言明した現地建て替え案に変更になっている。この間の事情を、別の場所に移すと新設になり必要な医師数を確保できないので現地建て替えを決意したと説明している。駐車場が狭い、傾斜地で建てられないと当時の助役がはっきり否定した場所に建て替えるという。同じ人間の発言とは思えない。

 現有地での建て替えが可能だという質問に対して、長谷川助役(当時)は土地が斜面で狭く不可能だと言明した。
 あの程度の斜面で設計建築が不可能だというゼネコンは国内には一社もない。現に私はもっと条件の悪い土地で病棟の建て替えに関与したことがあると反論したが聞く耳なしだった。

 鳴海公園を駐車場として使うべきだという市民の意見に対しても、国から補助金をもらってつくった公園だから駐車場にはできないということでだった。建築費全体から見れば、用途変更で国に返還しなければならない補助金は微々たるもの。どういうわけかいま鳴海公園は半分駐車場になっている。
 このように嘘を一つつくと、次々と嘘を重ねざるをえなくなる。無駄なエネルギーだ。そのようなエネルギーがあるなら、問題を解決するために使えと言いたい。

《長谷川助役(当時)への評価》
 こんな人が市長にでもなることになったら根室の町はえらいことになると漠然と不安を抱いた(その当時は市長になる芽はほとんどないと思われた)が、不安は正夢になった。
 対立候補もなく、たった数十人の「オール根室」の支援を受け無投票当選を果たした。
 すでに助役ではないのだから、市長として相応の見識を身につけてもらいたい。課題に正面から取り組むつもりがあれば、まだ成長できる。心のもち方を変えるだけで人は変わりうる、長谷川市長も例外ではない、そう信じている。だから、私は市政批判をする

《企画振興部長、準備室長との話し合い》
 35年ぶりに生まれ故郷に戻った途端にこういうことが持ち上がる。この問題に関わるのは運命かもしれない、そう感じた。医療関係の業界に仕事で18年間携わっていた。特例許可老人病院を療養型病床群の病院に切り替えるために、2000年前後に新病棟の増築に係ったことがある。
 ひどい説明会だったので、その後、関与したことのある神奈川県下の300ベッド弱の病院へ行き、理事に根室市の状況を説明して「増改修工事」設計資料の写しを入手し、藤原市長へ面会を求めた。
 移転後の損益シミュレーションも3パターンやってみたが、移転後の病院経営に強い危惧を抱かざるをえなかった(基本設計後でないと建設費を入れた病院経営改善プランがつくれないと市長が市議会で説明しているが、わたしは5年前にそれをやっているし、資料も渡した)。
 藤原市長は道庁から出向していた病院移転を担当していた企画振興部長(当時)と病院移転準備室長と話しをするように指示してくれていた。訪れた当日と、私が休みである日曜日に計2回資料をもとに話し合った。

 私はおおよそこういうことを彼ら二人に話した。ニホロは場所は遠いしバスの便が悪い。人口は減っている。あなたたちは出向組みだから数年の任期で本庁へ戻るだろう。15年後根室の人口は2万5千人を切るだろう。老人人口の割合も30%を超えている。交通の便の悪い病院へタクシーで老人患者が通うことになる。片道2000~3000円、国民年金暮らしの老人は交通費が負担できずに病院にかかれないで死んで行くだろう。ニホロ移転後の病院事業損益シミュレーション資料を渡し、移転後の市立病院の運命を次のように説明した。
 交通の便が悪いから患者は減るので現在よりも病院売上が減少し赤字が増える。使えない病院と大きな赤字が残り、病院は早晩閉鎖せざるをえなくなるだろう。

 自分が根室に永住すると想像してほしい、自分の親をどうケアする?できますか?あなたたちは本庁へ戻るからいいが、わたしたちは根室に骨を埋めるし、年老いた親を抱えている。自分の身に置き換えて考えて欲しい。
 二人はきちんと聞いてくれた。真摯な態度だった。公務員にはこういう人も多くいる。きちんと受け止めてくれた。

 建築単価が高い理由を聞くと、「道の基準が坪単価130万円ですから、下げられない」という答え。大理石の病院を建てるのではあるまいし、いまどきそんなにかからないと、持参した「増改修工事」設計資料を渡し説明した。この設計仕様で、2002年に建築坪単価65万円で新病棟を建設した。担当したゼネコンは新日鉄、一流である。たまたま、知り合いの東大出の1級建築士が部長をしていたので、協力を要請した。彼の方から一つだけ条件が出た。それを飲むことでこちらの予算枠を超えないという条件を飲んでもらった。大きな仕事は常に信頼関係の基盤の上になされる。そうするといい結果がでる。
 院内の各スタッフと話しをして仕様をまとめるのが一番たいへんな作業だったかもしれない。市立病院はこうした作業を病院事務局がやっているのだろうか?以前のニホロ移転案は医療のことをあまり知らない設計事務所がそれなりに調べて、現場スタッフとの詳細な調整なしにつくりあげたもののように見えたが、違っているだろうか?
 仕様変更があればすべて上乗せしてくるのが大部分のゼネコンのやり方だから、交渉の前に建築仕様をしっかりまとめておき、大きな仕様変更が出ないように詰めておく必要がある。基本設計ができてから、院内スタッフと調整をやれば予算額は膨らんでしまう。
 医者、看護師、レントゲン技師、事務スタッフ、ヘルパーさんの意見をヒアリングし、経営とのバランスを考えて建築仕様をまとめるのはなかなかたいへんな仕事だ。各部門の要求を聞き、そのままやろうとすれば仕様は膨らみ建設費も増額になる。優先順位をつけて黒字経営の許す投資予算内にまとめるのがプロジェクトリーダーの役割だ。そういう人材はなかなか見つからない。多少変更があっても坪単価80万円なら可能だろうと話した。

 説明してから半年ぐらいで彼らは本庁へ戻った。次に来た人たちは建築単価を85万円に切り下げ、病院建築費は約20億円下がった
 どのような引継ぎがあったのかわからない。しかし、あの二人は根室にとっていい仕事をしていってくれたのだろうと思う。部長も準備室長も人柄がよかった。私のサラリーマン生活でも、あのように私利私欲の少ない誠実な人たちはめずらしい部類に入る。短い出向期間で根室に利害がなかったからでもあるだろう。

 根室人ではない人たちがしっかり仕事をしてくれているのに、根室で生まれ育った一部の人が根室の町を衰退に導いているように見えてならないのはどういうわけだろう。市長から検討を委嘱された市民委員の面々、市議会特別委のメンバー、病院事務局、財政課、市長自身などなど。これらの人々が問題に正面から取り組み、渾身の力で市民のために仕事をすれば、根室の町はずっとずっと住みよい町になるに違いない。わたしも余計なことを言わなくても済む。ぜひ、そういう根室になって欲しい。

by ebisu (2009-10-08 09:41) 

*【病院問題関連過去ブログ記事】
 9月11日blog#732『市立病院建て替えに暗雲、民主が基金停止の可能性』
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-09-11

 8月27日blog#721『医師集めの具体策:根室市の場合』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-08-27

 8月1日blog#680『病院建設特別委員会「基本計画案」了承批判』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-8-1

 7月30日blog#677『「根室市立病院の再生は出来るか」病院コンサルタント長隆氏失望を隠さず語る』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/archive/20090730

 「長隆さんは「無駄を省けば、百床の病院が十億円ちょっとでできる」と北海道新聞の取材に答えている。2008年10月8日の北海道新聞記事が長さんのホームページに載っていたのでURLを貼り付ける。さらにみたら、10月7日根室新聞の取材に答えて「病院建設は医療機器を含めて20億円から30億円で出来る」と主張している。建築費だけだと20億円前後だろう。
 この数字は私が現実的だと言っている、2600坪×坪単価75万円=20億円の建築予算と同程度の金額である。多少専門知識や経験があれば建設予算の推計は似たような金額になるものだ。」


 7月30日blog#676『市立病院建て替え 基本計画の課題続々』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-30

  7月25日blog#667『市立根室病院4~6月営業収益予実差異9660万円』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-25

 7月3日blog#635『あらゆる手段で市民負担減らす(市長)』
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-02
 わたしはこのブログで59億円の総投資額を36億円にカットする具体的な方法を提案した。詳細はブログ本文をお読みいただきたい。
 H20年10月6日に根室商工会館ABホールで開かれた講演会で長隆氏は、病院建て替え事業の総予算枠を、医療機器を含めて年間売り上げの範囲内に圧縮すべきだと提案している。根室市保健医療対策協議会主催の講演会であり、市の幹部職員や病院事務局、特別委の市議などが出席していたはずだが、この論点はその後どのように検討されたのだろうか。関係者に聞きたいものだ。URLをクリックすれば、講演会議事録が閲覧できる。病院建て替え問題に関心のある市民は見て欲しい。
 長隆氏講演会記録(平成20年10月6日)
 この中で長氏は一般会計繰入金を除いた「医業収入の範囲内で」病院建設をすべきだと述べている。市立根室病院に当てはめれば概ね21億円から25億円だ。長氏は市立根室病院の赤字が10億円だとも述べている。
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/69444edddc9a05b2492570c700077f92/$FILE/kouenkaikiroku01.pdf


 7月2日blog#634『病院建て替え基本計画案への7つの疑問』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-01-1

 2009年6月21日#619「定数削減と市立病院問題について(J&K対話)-(3)」
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-06-21

 2009年6月26日#625「立替必要なし33%、なぜ? 市立根室病院建て替えアンケート・ショック」 
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-06-26 

 2009年5月27日#592「市立根室
病院建築仕様の前提条件」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-05-27

 2008年2月18日#094「市立根室病院改築」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-02-18

 2008年3月23日#147「2018年の根室の人口」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-03-23

 


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