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#235 日商簿記2級 1年生チャレンジャー  July 27, 2008 [62. 授業風景]

       日商簿記2級 1年生チャレンジャー

 後に続く者たちのために、一年生で日商簿記2級にチャレンジする塾生がどのようなテキストや問題集を使い、どの程度のスピードで勉強を進めているかを公開しておく。

 高校入試翌日から簿記の勉強を始めた事務情報科の1年生は、7月25日から『日商2級工業簿記合格テキスト』(TAC出版)を使って勉強をスタートさせた。工業簿記は資本循環G-W-P-W’-G’の説明からはじまる。
 中心部分のW-P-W'が工業簿記固有の範疇である。費目別に集計した費用をさまざまな振替仕訳を通じて製品ごとの製造原価に集計してゆく。簿記体系はシステムとして非常に美しい。
 上場企業はコンピュータシステムでこのような振替・配賦計算によって製造原価集計をしているが、会計実務と表裏一体であるコンピュータシステム(会計情報システム)は日商簿記の範疇にはないので、概要のみを説明することになるだろう(簿記検定試験のあり方は会計情報システムの観点から見直されるべきである)。
 購買在庫管理システムで集計された原材料入出庫情報や財務システムで集計された費目別・部門別費用を、数千項目の製品別原価に再集計してゆく様を想像してみるとよい。大学でも教えていない原価計算システムを含む会計情報システムの概要を知るチャンスは、日本ではおそらくニムオロ塾で学んでいる間しかない。

 これまでの経緯をざっと説明しておこう。
①高校入試の翌日から簿記の勉強を開始し、6月8日の日商簿記3級を受験するも合格点に10点足りず。
②時間を無駄にしたくないので、結果を待たずに『日商2級商業簿記合格テキスト』を使って受験勉強を開始し、6月中にクリア。
③7月25日現在、問題集である『日商2級商業簿記トレーニング』を100余ページを消化。本支店会計の未達事項と内部利益の控除問題をやっていたから、あとは特殊商品売買と5伝票制を残すのみ。

 夏休み中には『商業簿記トレーニング』と『工業簿記合格テキスト』は終了するだろう。その上で、問題集の『工業簿記トレーニング』をどこまでやれるかだ。1日8時間の勉強をやりぬければ、8月中には2級工業簿記の参考書及び問題集をすべて消化できる。そのあとに、過去問題集を使って9月10月の2ヶ月間トレーニングすれば、11月検定試験にチャレンジできる。その場合には、日商簿記3級と2級のダブル受験となる。

 かなりきついスケジュールである。3月から勉強を始めて、1年生で11月に日商簿記2級検定試験を受験できれば立派なものだ。創立百周年を超えた根室高校の歴史を省みても、1年生で日商簿記2級を受験した者は一人もいない。誰かがやってみせれば、必ず続く者がでる。質の良い伝統はそういうことの繰り返しでつくられる。そのために最初に道を切り拓く者=開拓者が必要だ。そういう栄誉を彼が担えるかどうかは本人次第である。私は大いに期待している。
 もう一人普通科1年生が3度目の2級受験をすることになるが、もちろん彼にも期待している。数点足りなくて2月、6月と2度落ちた。悔しい思いを噛み締めているだろう。全国レベルで見ても普通科1年生で過去に日商簿記2級の合格実績があるのかないのか、わたしは知らない。とにかく、彼が合格すれば普通科から「日商簿記2級合格⇒明大や中大商学部への進学」というコースが現実になる。最初に歩いて見せる者が必要だ。根室高校の未来の可能性のひとつは君たちが拓け。

<後日談>
 2月と6月に日商簿記2級を逃がした普通科の生徒N村君は、11月の検定試験で見事に合格した。根室高校始まって以来、最速の合格である。日商2級は全商簿記1級相当である。日商1級に挑戦したいと言ったが、とめた。北大を受験するつもりだから、日商簿記1級をやったら大学受験勉強時間が半分程度になってしまう。
 もう一人の生徒、事務情報科のK村君は翌年2月に日商簿記2級に合格した。6科目一級を揃えて、北海商科大学へ推薦入学している。
 1年生が二人も日商2級に合格するなんて記録は、根室では2度と出ないだろう。好成績を残すには根室高校と私塾がタイアップすればいい。この二人はそれを実績で示してくれた。

 

  2,008年7月27日   ebisu-blog#235 
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