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#5188 歯科検診&臨床診断支援システムについて Mar. 13, 2024 [39. インプラント治療]

 毎月歯科検診をしてもらっています。要注意が2本ありますので、経過観察中です。
 左上の歯は5か月前くらいに歯がぐらつきました、歯茎の状態が悪くて噛めませんでした。2か月前からしっかり咀嚼できるぐらいよくなりました。口腔洗浄機を使いだしてから歯茎の状態が改善されたようです。

 もう一つは右上の歯です。ドクターが診て、
「歯茎の状態がよくないので、麻酔して洗っておきます」
 治療が終わって、
「歯ブラシは普通に当てて大丈夫です。来月傷がどうなっているか診ます」
 自覚症状は歯茎近くに多少の違和感があっただけで、痛みがなかったので、OKだと判断してました。以前は一つ直るとまた一つ痛みの自覚症状が出てくるという具合に、「モグラたたき」状態でした。2006年にスキルス胃癌と巨大胃癌の併発で手術をしてから、食事の回数やヨーグルトやお菓子などの間食を増やさざるを得なくなったので、数年間は歯が次々にダメになりました。あのときに口腔洗浄機を使っていたら、歯周病が予防できて歯の状態はずいぶんよいものにできたでしょう。口腔洗浄機がこんなに効果の大きいものだと知りませんでした。
 
 ところで、ドクターの診察の前に、歯科衛生士さんが細いノズルの超音波水流で歯を一つ一つ丁寧にクリーニングしてくれて、そのあと超音波タフトブラシで磨いてくれました。これがドクターの診察前のルーチンです。
 電動タフトブラシのメーカーを訊いたら、パナソニックで、歯科医院向けに販売しているものでした。
 歯垢やネバネバが浮いてくるので超音波歯ブラシがよいそうです。音波ブラシの数倍の振動数があります。
 SRL八王子ラボに試験管を洗う特注の大型超音波洗浄器があったことを思い出しました。じつに綺麗に汚れが落ちるんです。コンタミしたらいけませんから洗浄装置は最高クラスのものを使用してました。でも、使い捨て(ディスポーザブル)のものが多かった。海外の製薬メーカからのラボ見学要望があると、学術開発本部スタッフとして仕事していた時にはわたしの担当になっていました。ラボの全部門(検査部が8つくらいあったかな、課に分けると25ほど、そのほかにシステム部門と業務部門)を案内すると5時間のツアーでしたから、大抵は要望を事前に確認して、2~3時間のコースを組み立ててました。学術開発本部では1年半ほど仕事しました。

 16年間で、異動した部門を並べます。
 経理部(予算編成と管理、経営統合システム開発担当)⇒購買課(試薬価格交渉とラボの検査機器購入審査と購入担当)⇒学術開発本部(開発部で製薬メーカーと検査試薬の共同開発、開発業務の標準化、海外製薬メーカーのラボ見学対応、大学病院ドクターとの共同研究プロジェクトマネジャー)⇒関係会社管理部(子会社・関係会社の経営分析、臨床検査会社の買収交渉担当)⇒東北の臨床検査会社へ経営企画担当取締役で出向⇒出向解除により本社へ復帰、管理会計課長・社長室・購買部兼務⇒子会社である東京ラボへ出向⇒帝人との臨床治験合弁会社へ出向

 他にやりたかった仕事は
①「全国の大学病院や専門病院をネットワークした臨床診断支援システム」
②「世界一の自動化ラボの建設」
③「SRL検査データベースの研究者への公開」
④「米国進出」

 そのために、購買課で機器を担当していた時に、分注機や検査機器メーカーとコネクションをつくっていました。いや、面白くて楽しくて仕事しているうちに、コネクションができあがっていましたね。SRLという会社は、こういうことにチャレンジできる面白い会社でした。創業社長の藤田光一郎さんの経営思想が色濃く影響しています。会社というのは社員一人一人がチャレンジできる場であるべきだと考えていたようです。社員がなにかしたいと言えば、成否は問わずチャレンジを認めてました。だから、ルーチン検査部門から新規開発項目がニョキニョキ出ていました。必要な試薬や機器を申請すれば買ってもらえました。審査を通れば、失敗しても責任は問われません。特殊検査に事業の的を絞った高収益の企業でしたから、そんなことが可能でした。

 ついでですから、話を脱線します。
 臨床病理学会(現臨床医学会)と大手六社による日本標準検査項目コードの産学共同プロジェクトはわたしの発案によるものです。BMLのシステム部長が、自社ラボに導入する検査コードを業界標準のものにしたくて、大手六社に呼びかけたものでした。2回目の会議にSRLシステム開発部の栗原課長と一緒に参加し、業界標準コードでは意味がないので、大学病院や全国の病院に使ってもらうために、臨床病理学会と産学共同研究プロジェクトとすべきだと提案しました。臨床病理学会の項目コード検討委員会委員長の櫻林郁之助教授はSRL顧問で、1984年に入社半年ぐらいで、社内講習会で知り合いになり、委員会の仕事を手伝ってほしいと依頼がありました。経営統合システム開発を抱えていたので、返事はノーです。創業社長の藤田光一郎さんに直接話して仕事がしやすいように総合企画部への異動してもらうことができると言われましたが、総合企画室は専門をもたない仕事のできない人たちばかりでしたので、ノーサンキューです。でも1年半後に「臨床診断システム開発と事業化案」を書いて、藤田さんの了解をもらったので、臨床診断システム開発のためのインフラ整備のひとつに臨床検査項目コードの世界標準制定プロジェクトを組み込みました。
 1991年に臨床病理学会から標準臨床検査項目コードが発表されると、病院システムパッケージを開発しているメーカーがこぞって導入しましたから、すぐに全国の病院やクリニックで使われるようになりました。いまでは日本中の病院やクリニックで例外なく利用されています。コードの管理はSRLシステム部がやっているでしょう。保険点数が改定になると、全国の病院システムが、インターネットを通じて、SRLコード管理事務局が作った保険点数コード表を読み取りに来ます。昔は、臨床検査センターごと、病院ごとにコードが違っていたために、それぞれが保険点数を入力していました。それらの作業が一斉になくなったのです。標準コードって大事ですね。

 1986年にNTTデータ通信事業本部と数回ミーティングをしましたが、コンピュータと通信速度がネックとなり、それが臨床診断支援システムの要求仕様を満足するには30年後になるという見通しがでて、あきらめました。わたしがSRL在職中にはやれない仕事ですから。でも15年で、コンピュータの性能と通信速度は要求仕様を満たしました。技術の進歩はすさまじい。やってたら、数兆円の売上規模の新規事業が立ち上がっていたでしょう。それほど事業規模が大きい。世界市場が相手ですから。ちまちま狭い日本で仕事しなくていいのです。

 いくつかのグローバル企業がこの分野に取り組んでいますが、臨床検査項目コードの世界標準制定なんて仕事が視野に入っていません。最先端分野に参入して金儲けしてやろうというだけのことですからね。大事なのはインフラ整備です。カルテのフォーマット標準化も必要になるでしょう。「緩い標準化」が好いと思います。世界中の病院をこういうネットワークで結び付けたら、診断制度は飛躍的にアップします。もちろん治療も。このシステムは診断手順をプログラミングしますから、CAME(Computer Aided Medical Education)に利用できるんです。血液疾患の複雑な診断手順を若い医師に伝え、ベテランの専門医に育てるのがむずかしいと仰っていたのは、東京医大の藤巻教授でした。1984年の社内講習会の講師のお一人でした。
 病理診断でもベテランの病理医を育てるのに、病理診断画像データベースが有効だと教えてくれたのは、1994年、外科病理の玉橋先生です。東北大学で病理医をしていましたが、東北の臨床検査会社の遺伝子ラボへ移り仕事していました。大学の数十倍の病理標本を診る機会があって、グレーゾーンで今まで判断のつかなかったものが、画像解析の解像度が飛躍的によくなったことで、閾値を変えるとよくわかると仰っていました。だから、病理診断も数万枚の病理画像データベースがあれば、診断精度の高いベテラン病理医を短期間で育成できそうなのです。
 もちろん病理診断支援エキスパートシステムで全国の病理医をサポートできるでしょう。見落としが限りなく小さくなるでしょう。人間の眼では判断できないような画像の違いがコンピュータ上では簡単に識別ができます。解像度はますますアップしているので、この分野は有望です。

 大きな問題がありますね、セキュリティです。マイナンバーカードと紐づけすると、個人の病歴データや受診データが漏洩します。現在のマイナンバーはA病院で受診したデータをB病院で閲覧できるようになっていると聞きます。これでは駄々洩れします。病歴や医療機関での受診に関するプライバシーが破壊されます。たとえば、一度でも梅毒に罹った記録があれば、マイナンバーで追えるんです。治ってしまえば何でもないことですが、不都合でしょう。


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