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#3276 四月学力テストデータ分析: C中学校2年生  Apr. 24, 2016 [71.データに基づく教育論議]

<更新情報>
26日朝11時更新 大幅に追記
27日12時 追記
28日午前11時半 今回の学力テスト問題の難易度について数行追記、
            「読み聞かせ」トレーニングをしている別海中央中学校について言及。
            釧路の劇団「東風」の朗読トレーニング協力に言及
 

 データに基づく教育論議をしてみたい。4月13日実施のC中学2年生の学力テストデータを3年前の同学年と比べてみます。変化の様子がよくわかります。
 根室市教委は実質的な全道学力テストである業者テスト(道文協学力テスト)データすらモニターしていません。データも見ないで何がわかるのだろうとわたしは思いますが、市教委の皆さんはそうは考えないようです。世の中にはいろいろな考え方の人がいてよいのですが、市教委が普段の学力テストデータをモニターすらしていないことはまったく別の問題です、やるべき仕事をしていないということなのですから。
  年に一度の小6と中3の全国一斉学力テストに比べて、中学校では延べ回数で11倍(1年生3回、2年生3回、3年生5回の計11回)の学力テストが実施されています。これだけの豊富なデータを学力向上に利用せずして、どうやって生徒たちの学力向上を実現できるのですか?この十数年の実績をみれば、市教委が掲げてきた教育政策がことごとく学力向上に効果がなかったことを示しています。

 小学校の先生たちは、学級崩壊を起こした生徒たちの学年が、中学生になってから学力がどれほど劣化してしまうかご存じありません。具体的なデータを見て、分析し、一緒に考えて見ようではありませんか。やれることからはじめましょう。
 根室市教委も、市議会議員も根室の町の未来に関わる重大問題の発生をしっかり読み取ってもらいたいと思います。
 得点の分布から判断すると、C中学校2年生ですんなりと偏差値50以上の大学へ一般入試で合格できる生徒は一人だけです。
 過去のデータでは、五科目合計点で400点は、偏差値48の大学へギリギリのラインです。偏差値45以下(下位30%)の大学は社会へ出るとそれなりの評価を受けます。正規雇用職への就職が著しく困難です。

C中学校2年生4月学力テスト
  2016年2年生   2013年2年生
得点分布人数小計 人数小計
481-5000   0  
461-4800   0  
441-4600   0  
421-4401   0  
401-420012% 336%
381-4000   1  
361-3800   1  
341-3604   1  
321-3404   6  
301-32041221% 31226%
281-3004   5  
261-2805   5  
241-2604   1  
221-2408   4  
201-22022340% 52043%
181-2006   3  
161-1802   1  
141-1602   1  
121-1402   3  
101-12041628% 21021%
0-1006610% 224%
合計5858100% 4747100%
平均点225.5   253  


 400点以上の学力上位層が3年前に比べて1/3に減少しています。300点台の成績中位層(上)生徒の割合も5ポイント減少しています。
 200-300点の成績中位層(下)は3ポイントの増加、100-200点の成績下位層は5ポイント増加しています。
 0-100点の最下位層は6ポイント増加しています、人数では3倍です。
 五科目平均点の合計は27.5点低下しています、成績上位層が激減し、成績下位層が膨張している姿がよく出ています。

 科目別の平均点を見ると、さらに具体的なことが判明します。

 <科目別平均点>
 2016年2013年差異
国語47.858.2-10.4
社会41.846.2-4.4
数学30.043.4-13.4
理科49.452.8-3.4
英語56.552.44.1
五科目計225.5253.0 -27.5


  2016年の数学の平均点(30点)だけがかなり低いことがわかります。データの語るところは、学力低下の原因のおおよそ半分が数学にあり、ということ。
 「差異」欄は2013年からの変化を表しています。±5ポイント以下は意味のない変動とし、±10ポイントを超える変動に注目してみます。国語と数学が-10点を超えています。国語と数学の学力が著しく低下したことを示しています。問題の難易度に差があるのは当然予想されるところですが、どちら側に振れているのかは、数学と国語の問題を詳細に分析して評価しなければはっきりしたことがわかりません。だから、ここでは難易度の差は無視します。念のために申し添えますが、数学と英語の問題は見ましたが、今回の学力テストがとくに難しかったという印象はありません。

 最近の生徒はスマホとゲームに時間をとられて、本を読む生徒が少なくなっていますから、日本語語彙が貧弱です。日本語を読む速度が遅く、精度も悪い、文脈の判断も怪しくなっています。だから、国語の読みの能力が低い生徒は、社会科の教科書を読んでも意味がすっと入っていかないので、社会の成績が低下することになります。数学の文章題理解にも影響します。
 ようするに、「読み・書き・そろばん(計算)」スキルが育っていないのです。基礎学力を支える土台が崩れつつあるとみるべきです。
 「朝読書」では読みのスキルが育ちません手間のかかる一斉音読指導が有効です。いい読み方がどんなものなのか規範を知らないので、お手本を示して真似させなければ改善が望めません。先生たちは上手な音読ができますか?小学校では一斉音読指導をやっていますか?結構難しいのです。朗読を聴けば読み手がどれくらい深く読めているか見当がつきます。そういうトレーニングは教育大でも、一般の大学の教職課程でも授業がありません。「読み・書き・そろばん(計算)」、基礎学力の三つの柱の内の一番重要な「読み」に関するトレーニングという肝心なものがないのです。
 見つけました、毎日ではないようですが根室管内の中学校で「読み聞かせ」指導をやっているところがあるんですね、ホームページを見ていて見つけました、別海中学校です。上手なお手本を見せられたら、生徒はそれを真似ることができます、飛躍的に音読のスキルが上がります。
 別海中学校がこういう試みを1年続けたら、学力テスト国語の点数にはっきりした変化が現れるでしょう。社会の成績は読書速度が大きくなり、段落ごとの文脈が的確に読めるようになれば理解も深くなるし、地理や歴史や経済に関する本も読めるようになるので、とんでもない変化を起こす生徒が現れます。数学の文章題の読みも正確になるので、正解率が上がります。この学校の校長先生は元厚床小学校長だったA坂先生です。学校ホームページでさまざまな試みをリアルタイムで情報発信していたので、数年前から注目していました。この方が校長なら、別海中学校はおそらく全国一斉学力テストで全国平均を超えています。学校は規模から言うと中小企業(市街化地域)か零細企業(郡部)ですから、業績(生徒の学力向上)はオヤジ(校長)次第です。
 釧路の劇団「東風」も学校で朗読トレーニングに協力しています、主宰している片桐さんから直接聞きました。根室市教委で交通費(+α)をもてば、交渉しだいで市内の小中学校でプロの技を子どもたちに指導してくれるかもしれません。一緒に先生たちが学べば、その後は根室の学校の先生たちが教えたらよい。土木建築や市立病院の巨額赤字を縮小して、こういうところにこそお金を使うべきです。わずかなものです。文科省も「地域に開かれた学校教育」をお題目の一つにあげています。協力要請したらいかがですか?
 その地域でトップクラスの朗読スキルをもった方たちが学校に協力するというのがいいんですね。学校はそういう地域の潜在協力者に大きくドアを開くべきです。黙読朝読書なんて百年続けたって効果はほとんどありません。
 侮るべからず「音読トレーニング」。

*【別海中央中学校】朝の「読み聞かせ」
http://b-school.jp/blog/schuo/index.php?ID=2782

*#3254 音読は面白い!:脳は並列処理をしている  Mar. 10, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-10


 国語の点数の急激な低下の原因をあれこれ探り、私見を交えて音読トレーニングという具体策にも言及してみましたが、話を4月の学力テストという本題に戻します。
 数学が-13.4点で最大です。小学校のときに学級崩壊を起こしたか教えそこなったとか、その後中学校で1年生のときに授業や放課後補習でフォローしきれなかった結果がこういう数字になって現れていると受けとめざるをえません。
 こういう状態になってしまった生徒たちの救済は、よほどの授業技倆がなければ学力の向上ができません。どんなに有能な教師でもふだんの授業だけでは不可能、とても手間と時間がかかります。もう10年以上もそういう生徒を毎年一人かふたり見てきた経験智からの結論です。平均的な能力の管理職を投入しても改善はできません。なぜかは、数学の得点分布を見ればわかります。


 <数学得点分布>
 2016年2013年
91-1001 1 
81-901 1 
71-8003%311%
61-702 4 
51-606 11 
41-50421%747%
31-4011 5 
21-3012 5 
11-2014 7 
0-10776%343%
 58100%47100%


 70点以上の成績上位層は2003年に11%いましたが、2016年には3%と1/3に激減しました。41-70点の得点中位層は58%から24%に半減50点未満が43%から76%へ33ポイントも激増わずか3年間で、成績上位層が構成比で半分以下になり、40点未満の下位層が33ポイントも肥大化しているのです。

 データを見れば学力向上対策として何をすべきかは明瞭です。76%を占めている30点以下の生徒に放課後補習か、土日の補習をすればいい、たったそれだけで点数の分布は2013年度の生徒たちと変わらないものにできます。ところが、新学期が始まって、通常の授業時間を使って1年生の計算問題の復習をしています。1年生の復習は1年生の2月の1ヶ月間をつかってすべきです。それをやり損なったら、新学期7時間目を設定して、30点以下の生徒対象に補習すべきです。それがプロの仕事に対する責任というものです。(この段落は5/12追記)

 一学年上の3年生も似たような分布ではないかと心配しています。昨年11月実施の学力テストで学年の平均点が26.5点(百点満点)でした。問題の難易度が少し高かったことを割り引いても、厳しい平均点です。こういうときに、市街化地域の3校のデータ比較がたいへん役に立ちます。
 北海道新聞根室支局が2010年12月にC中学校を取材して、毎日火災報知機が発報し、授業時間中に抜け出して空き教室で遊ぶ生徒たちがいる状況を記事にしています。その後に赴任してきたSY校長が教員の皆さんたちと、文武両道を唱えて学校の正常化と学力の回復に努力してくれました。今年3月で定年退職になっていますが、他の市街化地域の2校長と協力して三校の学力テストデータ交換も始めてくれました。他校と比較することで、自校の学年の科目別平均点がどのような位置にあるか判断がつくので続けてほしいと思います。
 同じ学区域の花咲小学校の先生たちとも定期的に話し合う場をつくり、小学校と中学校の先生たちが毎年コミュニケーションがとれるようになりました。回を重ねれば、言い出しにくい学力向上に関するシビアーな話もできるようになると期待しています。こういう話は信頼関係という土台がしっかりできなければ実りのないものになりかねませんから、急いではなりません。
 数学の得点階層別表をみたら、生徒の学力を上げるためには3校の数学担当の先生たちは話し合いをする必要を感じると思います。お互いに車で数分で行き来できる距離ですから、やって情報を発信してもらいたい。学校ホームページでやればいい。PTAの信頼、地域に住む人々の信頼は具体的な努力で得られます。

 小学校で、九九、少数や分数の加減乗除算を教えそこなうと、2016年の2年生のような得点分布になります。小学校と中学校とどちらがどれくらい平均点の低さに影響したのか定かではありません。
 たとえば、5000円の定価の商品に3割引の値札をつけるように指示されたら、今年の2年生の3人に2人は何をしてよいのかボーっと突っ立ているだけでしょう。小学校で「落ちこぼされ」て、中学校で「そのまま放置され」、適切なフォローがなければ、高校を卒業しても同じことです。つまり、イーオンの社員としては採用されないということです。釧路では実際にそういうことが起きています。採用する社員の学力低下で釧路の地元企業は困っています。

 羽田飛行場の小荷物受付カウンターの自動化を弊ブログで紹介しました。単純労働はどんどん機械化されて仕事がなくなっています。歯科技工士の仕事もセレック(弊ブログ#3265参照)というセラミックス義歯自動作製機の普及で9割は消滅してしまいそうです。学力テストで数学が50点以下の生徒にどういう仕事がまっているのか想像してみてください。なにかの仕事についても10年後には自動化されて失業しかねません。
 20年前とはまったく状況が違ってしまっています。コンピュータは人工知能へ進化しつつあり、2040年頃には人間の脳を超えると予測されています。指数関数的に性能がアップしますから、人間がやるべき仕事はますます減少していきます。
 過去20年間を見ると、コンピュータ・システムと機械の融合によって生産性は上昇しましたが、賃金が上がりません。一人当たり所得は減少しています。米国は一人当たり所得が1.8倍、欧州は1.4倍になっているのに、日本だけが15%ほど低下しているのです、こんなことはかつてなかったことです。このままでは賃金が上がらないだけでなく、雇用が非正規雇用に切り替わっていきます。
 日本では、一人当たり所得が低下することで、子育てが困難になり、人口減少が加速します。こういう事態の進行を防ぐには経済の枠組みを根本的に変える必要があります。その点は弊ブログ「資本論と21世紀の経済学」をご覧ください。

 優良な社員の採用ができない地元企業は消滅していきます。これから24年の間に、根室の地元企業の半分が消滅しかねません。それは、根室の人口の加速的な縮小をもたらすことでしょう。現在2.8万人の人口が2040年には1.8万人を切るという推計が社会保障・人口問題研究所の地域別推計「根室市」に載っています。

 啓雲中学校と花咲小学校は定期的に話し合いをしています。もう、どちらか片方ではすまない状況です。データと意見を交換して、共通の理解に基づき、具体策を立案、実施しなければ、10年後の根室の町に暗雲が立ち込めます。
 「いまでしょ!」、特定の小学校と中学校の先生たちに任せておかないで、根室市教委は実質的な全道学力テストである文協学力テストデータをモニターすべきです。そして、市議会文協厚生委員会と一緒に、総合文化会館で毎週日曜日に市民自由参加の「根室市の子どもたちの学力問題を考える作業部会」を開催してください。教育行政では解決できない問題であることはこの十数年間の実践で充分お分かりでしょう。ドンドン悪化していることがデータに出ています。

 根室高校の運営にも影響が出始めています。なんらの対策もないままでは、統合後は収拾のつかないことになりそうです。今度は高校で深刻な授業崩壊が起きます。

<余談-1>
 いまなら、各中学校に過去10年分の学力テストデータがあるので、小学校の先生たちは同じ学区の中学校にデータ開示を要求してはどうですか?小学校と中学校の先生たちが協力してデータを整理・分析したらいろんな事実が見えてきます。それは、子どもたちの学力改善の貴重なデータになります。何か改善策を実施したときには、その効果を測る物差しになるからです。検証可能な計画を立案できます。
 市教委のやっている教育政策は具体的な数値データで検証可能になっていますか?

<余談-2>・・・25日夜10時追記
 小学校時代の授業の様子を生徒に訊いてみました。目立った学級崩壊はなかったようです。中学生になってから数人が授業中に立ち歩き、私語が多くなり、授業がときどき聞こえなくなるほどになりました。どうやら中学校の授業規律に問題がありそうです。叱らないケースが多いようですが、何度注意しても制止できないので、あきらめているのかもしれません。昔の先生なら、そういうケースはひっぱたいていました。クレームを言う親なんてほとんどいなかったでしょう。「うちの子が言うことを聞かないときには構わないからひっぱたいてください」、それくらいのことをいう両親が多かった。親も子どもが言うことを聞かなかったら、ひっぱたくのが普通でしたから。いい音が出るように上手にひっぱたき、生徒に怪我をさせない、あれはあれでスキルが必要なのです。いま、生徒をひっぱたく先生はいません。躾け方が難しくなりました。ひっぱたかないとわからない生徒は昔もいまもいます。きれいごとではすまないのです。

 校長先生が毎日巡回するだけで様子はわかるはずです。実際に、根室市内ではありませんが、根室管内のある中学校のA校長が授業中に校内を巡回して観察している例を知っています。ほとんど毎日回っているそうです。

 わたしは30歳代のときに、業界最大手の臨床検査ラボで機器担当の仕事を2年半ほど担当しており、広いラボ内を毎日歩いて回っていました。最近入れた検査機器の稼動状況や開発途中の機器の様子、機器の購入の相談、ルーチン検査部門の担当者からやりたい研究・開発テーマに必要な機器の予算確保の相談、各部門で共通に使っている機器の標準化の話、ニコンの傾向顕微鏡からカールツァイスへのグレードアップの下相談、メーカが新規開発中の大型製品の最終テストを八王子ラボでやるための調整など、ラボ内を巡回していないと見えなかったり、聞こえてこない話がたくさんありました。しまいには、「(検査機器に関して困ったことがあれば直接相談したらいい)あれがebisuさんだ」と現場の課長や係長から言われるようになっていました、ありがたいことです。
 八王子ラボには千名を超える人々が働いていました。管理会計課で2年間統合システム開発と全社予算編成の統括管理をやり、ついで80億円近くあった検査試薬コストをカットするために購買課へ異動、試薬価格交渉や、会計システム及び原価計算システムとつながっている購買在庫管理システムの小さな改良をしながら機器担当を2年半ほどやった後にまた異動し、学術開発本部スタッフとしてI神取締役の下で働きました。本部の3部門(開発部・学術情報部・精度保証部)三つの部門の仕事をそれぞれ担当しました。開発部では製薬メーカと検査試薬の開発(日本DPC社とⅣ型コラーゲン、塩野義製薬と膵臓癌マーカ検査)そして検査試薬共同開発業務の標準化を担当。そして学術情報部のラボ見学案内業務のうち、海外製薬メーカがわたしの担当になりました。三人の担当者の手が回らないときには、大学病院や大病院からの見学希望者への対応。ラボ見学では、現場の課長や係長と築いた人間関係がたいへん役に立ちました。現場の検査担当者と親しく挨拶しながら説明するので、わたしが検査をやっていたと勘違いする見学者が多かった。「どこの検査部にいらっしゃったのですか?ご専門(の検査分野)は?」、「本社で全社予算編成を統括し、統合システム開発も担当していました、ラボでは機器の購入担当を2年半、そして現在は開発部で製薬メーカと検査試薬の共同開発を2件担当しています。専門は理論経済学、マスターです」と自己紹介すると、絶句。
 産業用エレクトロニクス専門輸入商社で、5年間マイクロは計測器や時間周波数標準器、液体シンチレーションカウンター、質量分析器などのさまざまな製品ラインの講習会(月に複数回)、やマイクロ波やミリ波、光の測定原理の月例勉強会に毎回欠かさず出席していたので、理化学機器の測定に関しては「門前の小僧習わぬ経を読む」でしたから、システム化の遅れていた臨床検査機器はとっても原始的なものに見えていました。
 カタログやメーカのパンフレットを見るだけでなく、関連の学術論文の写しを営業担当者にもってこさせました。それらの資料で学習し、購入後は現場に足を運んで現物の操作や実際の測定を眼で確認します。わからないところは検査の担当者に質問するので、検査機器を担当していた2年半あまりは、じつに中身の濃い勉強になりました。
 日本で画期的な原価計算システムを作るつもりでさまざまな臨床検査の勉強をしていました。原価計算システムを利益志向のものに変えるには、検査の実態を知る必要がありました。原価計算理論を知っているだけではものにならない、まったく新しい仕組みの利益志向の原価計算シミュレーション・システムを考えていました。この方面では当時(1980年代後半)の日本には東大にも一橋大学にも抜きん出た学者がいませんでした。いまも、状況が変わっていないでしょう。

(学術開発本部は2年足らずで、新しくできる関係会社管理部に公募して異動し、子会社6社の経営管理や経営分析、経営改善を指導しながら、臨床検査会社の買収や資本参加交渉を担当することになるのです。その後はK藤社長の直接の指示で、管理部門担当役員として帝人との合弁会社経営を担当することになります。)

 「歩いてみて回る」ことはとっても大事なのです。廊下からでも、現場の空気はたしかに伝わってきます。何かが伝わってきたら、そのまま検査室に入り込むと正体がわかります。用事のある人がわたしを見つけて向こうの方からやってきます、「実は・・・」と説明を始めますから不思議です。もちろん、空振りのこともありますが、そういうときは1-2分間雑談します。それぞれの部屋ごとに測定している検査項目が違いますから、測定に関する文献やその周辺の学術論文を紹介してもらって、読み終わったらまた現場を訪れて質問したり、「御用聞き」をしてコミュニケーションします。楽しいものです。文献をしっかり読んでいくと、資料をくれた担当者はとってもうれしそうな表情をします。何しろ実施している検査は3000項目もありますし、次々に新規項目が導入され、そして精度の高い測定法が開発され、検査機器も日進月歩ですから、見ようにとっては高価なオモチャだらけのワンダーランドみたいなものです。世界ナンバーワンの臨床検査ラボですから、現場を見て学べることはいくらでもあります。わたしがほしいと思うものでも、現場の担当者にカタログを見せて、こういう風に変えようと伝えると、たいていの担当者は話に乗ってくれました。
 世界初、濾紙フィルター方式の液体シンチレーションカウンターを入れた後、数ヶ月して現場を訪れたときには驚きました。山のようにうずたかく積まれていたバイアル(ガラス製の小瓶)が一掃されて、検査室がとっても広くなっていました。予想はしていましたが、現場の検査担当者が、「広くなったでしょう、嘘みたいですね、この製品すばらしい」とニコニコして言いました。LKBファルマシアの新製品情報を入手して、現場に導入を促し、切り換えました。十台ほどもあった液体シンチレーションカウンターがたった2台の濾紙フイルター方式の新製品に置き換わりました。濾紙フィルター方式だと検体の分注量が数分の一ですみます、そして濾紙方式の方が生産性がはるかに高いのです。ちょっと太目の担当者はそれまでうずたかく積んだバイアルの隙間を移動して仕事をしていましたので地震があれば危険でした。「狭くてしょっちゅう身体をぶつけている」と担当者の悩みを聞いていたのです。ファルマシアLKBの液体シンチレーションカウンタはバイアルではなく濾紙のフィルターです、8列×12行だったと思いますが、15cm×25cmほどの白い濾紙に自動分注機で検体を分注滴下して液体シンチレーションカウンタにかけます。96検体を一度に測定するので、バイアルを一本ずつ測定する旧型機に比べて百倍も速い。使用前や使用後のバイアル保管スペースが不要になりましたから、検査室が広々としていたのです。世界初導入でした。機器担当のほかに、検査試薬の価格交渉も担当していました。ファルマシア社とはアレルギー関係の検査試薬では大口の仕入先で、大幅なディスカウント要求を飲んでもらうだけでなく、ヨーロッパ式ビジネスを押し付けるので、売上が20%ほどアップする日本式営業戦略を伝えました。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」の精神です。日本の商慣習に合わせた営業方針に切り換えた翌年は5割ほども売上が伸びたのです。だから、なんでも、ほんとうになんでも言うことを聞いてくれました。検査試薬の価格交渉を通じて強固な信頼関係を築いていたからです。ビジネスは「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」でやったらよろしい。
 もうひとつ「三方よし」の事例を出します。市場へ出す前の最終テストを引き受けた栄研化学の酵素系の大型検査装置LX3000は、栄研化学が上場準備をしていることを察知して、ある件で相談に乗ってあげた返礼で、開発中の有力な新製品情報を教えてくれたことがきっかけでした。購買課の機器担当が、国内製薬メーカの上場準備作業の相談に乗ってあげたなんてことは後にも先にも事例がないでしょうね。大型新製品でしたから、そのまま市場に出してなにかトラブルがあれば新製品の売れ行きに影響が出ます。日本一のラボで半年間、インスタレーション・テストをして、別の社の検査機器での測定結果と比較検討すれば「完全な商品」として発売できますから、やってみないかと製薬メーカの開発部隊を説得、SRL臨床検査部長のK尻さんに話をつなぎました。こうして半年間の独占使用契約締結を条件にインスタレーションテストを引き受けました。案の定、大きなトラブルが一度だけありましたが、データの再現性が悪いのです。現場は製品の性能が悪いとカッカしています。打開策が見つからず暗誦に乗り上げたところで、わたしのところへ相談が来ました。両方の関係者にあつまってもらって、朝の検査2時間前に電源を入れてスタンバイだけし、予熱することで再現性を確保するように、電気回路を変更してもらいました。打ち合わせは15分程度でした。産業用エレクトロニクスの会社にいたときにクリスタルやルビジウム、水素メーザ時間周波数標準機がカタログ・スペックの性能になるまで、1ヶ月もの余熱を必要としていたことを知っていました。かれらは「火入れ」と呼んでいました。LX3000は火を入れてからデータが安定するまで2時間要していたのです、これくらいはかわいいものです、なんとでもなります。回路に手を加えてデータの再現性を確保し、「これで時間が稼げるから、じっくり改良してください」と栄研化学側と臨床検査部の担当者に伝えました。市場に出す前に解決できました。酵素系の検査で、RIに比べると検査精度が3桁ほどいいですから、LXシリーズはずいぶん売れたようです。SRL八王子ラボで市場に出す前に試験していなければ、発売と同時にトラブル発生で、売れ行きがとまってしまったでしょう。お互いにウィン・ウィンのいい仕事でした。子会社の管理と臨床検査会社の買収の仕事を担当したときに用事があってラボを訪れたらLX3000が10台ほど並んでいました、壮観でした。臨床検査部の稼ぎ頭の柱の一本になっていました。仕事冥利に尽きます。
 RI部のガンマ・カウンターは以前はアロカ社の野暮ったい製品が並んでいたのですが、ファルマシア社にSRL仕様で作らせて市場に出したものが、八王子ラボに導入されてずらりと並んでいたときにもうれしかった。デザインがすっきりして見てくれがよいのです。ヨーロッパの製品はデザインも重要な要素になっています。
 エイズ検査室、結石の赤外分光光度計分析前処理ロボット、さまざまな分注システム、日本一のラボで世界最高レベルの機器がたくさんあるので、とにかくラボは面白い。
 SRL八王子ラボは、全国の大学病院からの外注を受けているので、見学希望者も多く、性能がよいだけでなく、見た目の印象も大事です。ウィルス部の蛍光顕微鏡を全部カールツァイス社製品に替えたのも、ショールームとしての格をあげるためでした。あれだけの台数のカールツァイス蛍光顕微鏡が並んでいる検査室はSRLウィルス検査室だけです。検査員が世界最高の機器を使って誇りを持って仕事をしています。高い品質は世界最高の機器をルーチン検査で使うことで維持されています。いいものを使わせてあげると、仕事に誇りをもって取り組んでくれます。
 世界的に見ても商業レベルでは最高レベルの臨床検査ラボがSRL八王子ラボでした。毎日ラボ内を見て回ることで、各部門の品質とルーチン検査を担当している人たちの技術レベルを上げるお手伝いができるのです、なんとハッピーな仕事だったのでしょう。でも、同じ部門に3年以上いたことがありませんでした。やりたい仕事はいくらでもでてきます。そのとき、そのときに全力でやる、そうして結果を出しているうちに次のステップが見えてくるのです。

 授業参観でも、先生の説明が聞こえなくなるほど私語が多いことがあるそうですから、わかっているお母さんたちもいます。数人が授業中に立ち歩いたり、傍若無人に私語をするようになれば、学年の五科目平均点が30点くらい(500点満点)簡単に下がります。8年ほど前にB中学校でそういうことが起きました。300点満点で50点も平均点が低下してしまったのです。



*#3263 羽田空港 小荷物預けの自動化 Apr. 3, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03

 #3265 最新歯科医療の実情:価格破壊の進行 Apr. 4, 2016  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-04


*#1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校 Dec.19, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1

 #1935 フリー授業参観に行こう:啓雲中学校  May 14, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-14

 #2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2672 急激な学力低下はなぜ起きているのか?:假説 May 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09ある

 #2806 高校数学面白い問題 :小中学校の先生たちへ Sep. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-13-2

 #2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13

 #2869 根室の中学生の学力の現況(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
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 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
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 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
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 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
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#2784 百年後のコンピュータの性能と人類への脅威 Aug. 22, 2014 ">

#3215 ライフワークに手をつけた2015年を振り返る:『資本論』を超えて  Dec. 31, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-12-31

#3097 資本論と21世紀の経済学(改訂第2版) <目次>  Aug. 2, 2015 


       3097-1 ↓
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-08-02-2

Ⅰ. 学の体系としての経済学      6

1. <デカルト/科学の方法四つの規則とユークリッド『原論』> …6
2.<体系構成法の視点から見たユークリッド『原論』> …8
3.<マルクスが『資本論』で何をやりつつあったかを読み解く> …10
4.<資本論体系構成の特異性とプルードン「系列の弁証法」> …11
5. <労働観と仕事観:過去⇒現在⇒未来> …13
 


  3097-7 ↓
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-08-04-1

24. <文部科学大臣下村博文「教育再生案」について> …67
25.<人工知能の開発が人類滅亡をもたらす:ホーキング博士> 
69


 赤い文字の章をお読みください、データを挙げて人工知能の未来に言及しています。





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ZAPPER

学校ではしっかり教えますが、とは言え時間が足りないので、ちゃんとできるようになるまでは指導できません。ですからご家庭での学習指導をお願いします。でなければ、ちゃんとできるようにはなりません。(要旨)

そうしたことが書かれている学級通信を読んで唖然としました。それ、小学校新2年生の学級通信です…。

我々の《常識》では、「小学校2年生までの学習指導であれば、どの子も例外なくちゃんとできるようになる」というものであって、しかし現実には早生まれ・遅生まれの別があるので、どうしても飲み込みが遅い子が出てくるもの。でもそれは個別に対応してあげればまったく問題なし。

ところがその《常識》が、どうやら今のこの地域では通用しなくなっているのかもしれませんね。言葉を換えたなら、それって「敵前逃亡」ではないでしょうか(笑)?
by ZAPPER (2016-04-25 11:12) 

ebisu

ZAPPERさん

わたしには学級通信から引用された小学校の先生の言葉は悲鳴に聞こえます。

>学校ではしっかり教えますが、とは言え時間が足りないので、ちゃんとできるようになるまでは指導できません。
>ですからご家庭での学習指導をお願いします。
>でなければ、ちゃんとできるようにはなりません。(要旨)

「精一杯やっています、これで精一杯です、もうこれ以上どうしろというのですか?」、そういう風に聞こえます。もうやりようがありませんという風に聞こえます。学校で何が起きつつあるのか、小学校の先生たちは情報を発信すべきです。学校だけではとても解決のつかない問題を抱えていませんか?

前回の弊ブログに根室市内の小学校の先生と思われる方からコメントを戴きましたが、根室市内の小学校では学級崩壊が常態となりつつあります。わたしは一番古い小学校だけかと思っていたら、件のコメントを戴いた先生はどうやら他の小学校のようですから、市街化地域の3校のうち少なくとも2校は学級崩壊が1年ごとという状況ではなく、各学年共通して学級崩壊を起こしていることを示しているようです。

根室高校の今年の卒業生たちは「当たり年」でした。旭川医大・東工大・早稲田など偏差値60以上の大学へずいぶん合格者を出しました。データの示すところは来年から状況が反転するということです。
そして、根室高校にも学級崩壊現象がすでに忍び寄っています。いままでなかったことが起きています。
統合後の高校は具体策を用意していませんから、なるようになります。学級崩壊現象が起きてから対処することになります。何年もかかるでしょう。
そういう学校で貴重な生育期間を過ごした子どもたちが、地元経済を担うことになりますから、長期的に見れば、地元企業の戦力ダウンが避けられません。

by ebisu (2016-04-25 12:33) 

ZAPPER

A校長のように、まずは校長や教頭自らが全クラスを覗いて授業をチェックすればいいと思うのですが、そうしたこともやはり行われてはいないのでしょうね。(それを毎日行っているというA校長には頭が下がります…)

考えてみれば、何のどういった状況をもって「学級崩壊」またはそれに準じた状態と認識するべきか、そうしたことも整理されていないのではないでしょうか。少し前の、入塾したばかりの小学生のコメントがずっと引っかかっています。

学校の授業が騒がしくて、先生の声がまるで聞こえない。
まじめに授業を受けようとすると、「なにまじめにやってんのよ!」と隣や前後の子に妨害される。
それなのに、先生はそれを注意するでもない。
本当に本当に教室が騒がしい。
塾って、こんなに静かに集中して勉強できるところなんだ…。

それを聞いて苦笑せざるを得ませんでした。ブースで仕切っているとはいえ、講師や生徒の声がそれなりに飛び交っていて、私に言わせたなら、けっして「静か」な空間とは言えないからです(笑)。

今、多くの小学校現場で何が起こっているのでしょうか。私塾を経営している私ですら、小学生の父親である私ですら、それが分かりません。そうそう、同志のY先生すら、「同僚の小学校教師が、何をどうやっているのかがよく分からない」と言っていましたよね…。
by ZAPPER (2016-04-25 15:30) 

ebisu

ZAPPERさん

学級崩壊は、わたしは「集団授業中に、ときどき先生の説明の声が聞こえなくなる状態が起きる」と定義したいと思います。
8年前のB中学校でそういうことが頻繁に起きるようになってから、生徒たちの学力ががくんと落ちましたから、それを根拠に定義したいと思います。

○○町のA校長先生は偉いですね。毎日校内を巡回して歩く、それだけでずいぶん抑止になります。

いま、学校で何が起きているのか、そういうことを積極的に開示してもらりたいですね。誰が悪いという話ではなくて、何がおきつつあるのかがわかれば、どういう手を打てば効果があるのか、学校と家庭の役割分担も見えてきます。
上下にはみ出す生徒の扱いについては、地域にある塾と話し合いをしてみたらいい。

オープンマインドでデータや起きていることを開示し、さまざまな関係者と話し合うべきです。
by ebisu (2016-04-25 22:25) 

通りすがり

今のガキどもは何も勉強しなくても小中学校は卒業できて、高校にも定員割れで自動的に行けるわけでしょう?そりゃ勉強しないですよ。高校の定員を大幅に減らすか、小中学校でも一定の基準に満たない者は落第させるとかしないと取り返しのつかない事になってしまうのではないでしょうか?
by 通りすがり (2016-04-30 17:50) 

ebisu

通りすがりの方へ

言い方は乱暴ですが、内容は賛成です。

道立高校は入試の得点(300点満点で)100点未満は不合格という基準を定めてよいのではないでしょうか。
中学校の内容が1/3以下しか理解できないのでは、高校の授業は無理、税金の無駄遣いというものです。
新しくできる統合後の根室の高校は100点で足きりしたら、定員がどうあれ、学級崩壊だけは防ぐことができるでしょう。勉強したくない者や勉強しない者が高校へ入学する必要はありません。ダメなことはダメと言ってよいのです。

そういう点からみると、大学定員も見直すべきですね。同世代の1/3以下の定員で充分です。高校課程の勉強からやり直す大学は存在しなくてよい。
ある程度の質を維持するには1/3でも多すぎるぐらいです。団塊世代のときの道立高校の定員がおおよそそれくらいでした。

絞り込んだ上で、上位10%の大学生には、学業にセンネンすることを条件に給付型の奨学金を支給したい。
所得が1000万円を超える家庭は支給の必要がありません。学業専念義務違反(たとえばバイト)があった場合は、支給打ち切りとします。
大学生の1/3が給付型の奨学金を受け取り、勉学に専念することになります。

そういう議論を国会議員や道議会議員そして市議会議員がしてもらいたい。
by ebisu (2016-04-30 20:36) 

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