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#3045 中学校サッカーの試合見学:郡部校の問題 よい町は自分たちで創る May 16, 2015 [73.ブカツ]

<更新情報>
 □5/17 8:55 郡部校統廃合と学力問題及び地域経済の未来について
 □5/17 11:00 市内7中学校学校別生徒総数情報を追記
 □5/17 11:30 市内9小学校学校別児童数表追記
 □5/17 12:00 高校は1学年2クラスの学校は統廃合対象としている。同じ基準を適用すると根室市内は2校体制が妥当という結論になる。
 □5/18 8:10 追記 「家業を継ぐのだから勉強なんかしなくて良いという親も・・・
 □5/19 23:40 追記 優勝チームは啓雲中学校サッカー部
  


 光洋中学校のグラウンドで根室市内の中学校のサッカーの試合が行われた。8時ころに昨夜から降り続いていた雨がやんだ。参加したのは4チーム。市街化地域の3校と郡部校では歯舞中学の男女混成チームのみ。落石と厚床はチームがないのだろう。

 最初は、啓雲中学校と歯舞中学校の試合だった。歯舞中学校は啓雲の半分以下の生徒数だから、男子だけのチーム編成ができない。7名ほどが女子だった。昨年高校を卒業した歯舞中出身のKさんも男子に混じってサッカーやってたと言っていた気がする。空手もやってたおきゃんな子だった。試合に出ていた女子は男子よりも身体が大きいのが数人いた。
 結果は6対0で啓雲チームの勝利。女子数人の体格が男まさりなのでもっと善戦できると期待したが、体格は女子のほうが大きくても、中学生になると男女の体力差の壁が大きくなるようだ。
 プロスポーツとは違ったドラマがあり、見ていて楽しい試合だった。一生懸命なのである。

 サッカーについてはよくわからないのだが、ボールをとめたり、ドリブル技術はそこそこ上手に見えた。パス・ワークがむずかしいようで、ボールを受ける前と蹴り出すときではつねに人が動いて配置が違うので、間違えて敵にパスすることが多かった。「あ、ごめん」とか「お、悪い」とか言い訳するのもほほえましい。
 敵・味方全員が動いている中で、自分のボールに集中しながら、全体の動きをフォローし適切な箇所にパス通すのはなかなか難しい。たぶん、ドリブルに気をとられすぎているから、全体の動きを見切れないのだろう。意識せずにボールを扱えるようになるまで練習すれば、ドリブルしながら適切なパスが出せるようになる。理屈ではそうだが、中学生では無理な技術レベルなのかもしれない。でもそいうことを意識したトレーニング・メニューは考えうるだろう。

 2試合目は母校の光洋中学校と柏陵中学校の試合だった。前半見ていたが実力伯仲で点数がはいらなかった。結果はどうなったのだろう。
 午後から午前中の試合の勝者同士の試合があったはずだ。4チームで優勝したのはどこ?

 光洋中のグラウンドは水はけがよいので、8時まで雨が降っていたにもかかわらず、コンディションはまずまずだった。
 10番のタ○ルはけっこう上手だった、さすが三年生の貫禄だ。2年生のタ○ト、マxヤ、レ△ヤはこれからもっともっと上手になるのだろう。1年生でメンバー入りできなかった生徒が立ったまま観戦していた。まだユニホームをもらっていないのだそうだ。はやくメンバー入りできるようになったらよい。
 強いチームの中には効率のよい優れたメニューで短時間の練習で効果をあげているところがある。仕事もだらだら長時間やる者は、概してダメ社員のことが多い。有能な社員はたくさんの仕事を涼しい顔をして短時間でやり遂げる。部活も同じだろう。
 中学時代のトレーニング、侮るべからず。


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<小規模校の弊害:集団訓練と学力競争の消滅>
  参加があったのは市街化地域の3中学校と郡部校では歯舞中学が男女混成チームで参加しただけ。市内の中学校は7校ある。数字は全校生徒数。

 光洋中学校 236人(平成26年5月1日現在)
 柏陵中学校 211人
 啓雲中学校 152人
 厚床中学校  14人
 落石中学校  26人
 海星中学校  24人
 歯舞中学校  58人
  合計     721人 

*人数データは道教委
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ksk/grp/09/26chuugakkkou.xls

 啓雲中学校は1学年50人、歯舞中学は20人。歯舞地区も落石地区も厚床地区もすでに集団の部活が可能な規模を割り込んでいる。男子野球部とサッカー部を維持しようと思うと、チームを編成できるのは1学年70人が最小規模ではないのか
 市内の郡部中学校はとっくに集団部活が不可能になっている。文科省はそのあたりの調査をやっているのだろうか?根室市教委にはそういう問題意識があるのだろうか?
 集団競技の部活も学校教育の一角になくてはならないものの一つだろう。そううことを考えると、郡部の中学校は市街化地域の3校に統合すべきだ歯舞も厚床も落石も地区住民は反対するだろうが、学校教育の本旨に帰って考えたときに、集団活動ができないというのは本質的な問題を孕んでいる。郡部校では1学年に生徒が一人のところもある(あった)。(花咲港小学校は数年前の新聞報道では全学年で13名と載っていた。市街化地域の成央小学校真で、車で10分の距離である。地域住民を説得して、無料の送迎用マイクロバスを運行すれば良いだけ)
 集団活動だけではない、1学年10名前後だと、学力序列が固定化してしまう本来能力のある生徒が、小学校から自分より点数が上だった生徒に、中学生になってもかなうはずがないと思い込んでしまう傾向がある。無意識の自己限定は恐ろしい、思い込むと本当に勝てなくなり、本来その児童・生徒がもっている力が発揮できなくなる
 中3のときに郡部校から弊塾へ来た生徒で、そういう者がいた。一人その生徒より学力テストの点数が毎回高いのである。五教科500点満点で30~50点の差は誤差範囲で、もっている学力の差ではない。思い込みを消すのに半年以上掛かった。一度勝てるとそれが自信となり、次からは「やれば勝てる」という思い込みが生まれるからほんとうに勝てるのである。この生徒は中3の2学期からは勝てるようになり、高校では負けなしだった。本来の力が解放されたら勝てなかった相手と学力差が逆転してしまった。中学校3年生の学力テスト、総合A・B・Cで170~190点台だったが、入試の時には230点を超えてしまった数学も弊塾でははじめて「全国標準難易度」の東京都立高校入試問題で90点を越えた生徒である小規模校で放置しておいたら、根室高校で学年トップ層の一角を占めることはなかっただろう
 自分ひとりでは思い込みが邪魔をして、逆転できないのである。これは人材育成という点で小規模校の大きな弊害である
 学力トップ層が12年前の1/4になっているが、郡部校を市街化地域に集めて競争できる環境の中で育てたら、高得点層は増えるだろう
 根室市教委は問題意識をもち、根室の児童・生徒の学力向上のために、自分たちでやれることからやれ

統廃合に反対する地域住民はよくよく考えるべきだ。競争のない劣悪な教育環境の中で自分たちの子どもや孫を育てていることに気がついていない。市街化地域の学校の中で競争にもまれたら、学力が大きく伸びる生徒がいるのである。伸びないまま埋もれてしまっているのが現状で、それは根室の地域経済の行方にもその子ども自身の未来にも大きな影響を及ぼしているのである。
 家業を継ぐのだから勉強なんかしなくて良いという親もいまだに少なくないが、漁師だって頭を使わないと資源を枯渇させたり、漁獲規制でジリ貧になったりする時代だから、勉強しておいて損はない。
 周りをよく見るべきだ、家業を継げる者は長男だけであとはみんな根室から出て行って都会で働いている。地元に残れる子どもよりも都会へ出て行く子どものほうが圧倒的に多いのが実態だ。学力をつけておかないと、都会で学力の高い者の下で一生頭が上がらずに働くことになる。かわいそうとは思わないか、そういう現状を放置して大人としてやれるべきこともしないで統廃合に反対、ほんとうにそれでよいのかね?
 地域にある学校がなくなるのは寂しい、しかし、そこを乗り越えないといけない。辛い選択だがみんなが幸せになれる道がある。無料の送迎バスを出して、市街化地域の2校に学校統廃合を進めるように要求しよう。高校生も無料送迎バスに便乗させてやったらよい。根室交通に業務委託すれば、経営も助かるだろう。地域の公共交通機関の維持ということも考えよう。良い町はそうやって自分たちで創ろう。学校職員の数を減らせるから利益は人件費をもっている北海道庁のものだ、だから無料送迎バスの予算は道庁へ要求しよう。小中学校の統廃合を進める代わりに、無料送迎バスの予算を道庁のほうでもつように根室市教委が交渉すればよい。交渉相手は北海道教育委員会と道庁財政課だ。)

<小学校の児童数資料> 道教委公表H26年5月1日現在

H26年5月1日現在小学校児童数
学級数児        童        数
1学年2学年3学年4学年5学年6学年合計
北斗17596158736664208173381
花咲15394945584965160145305
花咲港32334238917
昆布盛332112549
落石4811444121022
厚床5645554121729
成央18767774707255234190424
海星68586611251944
歯舞82115211515166241103
合計792192182172362202247266081,334


 こうして数字が並ぶと、根室西高校廃校後の根室高校の定員は240名ではなく200名で十分である。15~20名ほど都会の学校へ「学力疎開」や部活が目的で根室から出てしまう生徒たちがいる。2割の50人くらいはとても高校の勉強についていけない学力下位層の生徒である。
 普通科の授業を理解できる基礎学力は300点満点で150点が下限だろう。総合学科なんて導入しないで、150点で足きり実施、普通科を維持すれば良い。そして高校入試で100点未満は不合格でよい。そうしないと、際限のない学力低下が中学校と高校の両方で起きる。このままでは根室の子どもたちの低学力化を教育行政が推進することになる。

 小学校の児童総数は7年前(H19年5月)の1692人に比べると、21.2%減少している。同じ率で減少すると仮定すると、14年後(平成41年=2029年)には49.0%の829人、1学年当たり138人になる。2030年には市内1校体制を考えなければならない。
 
 市内全域の8小学校の児童総数は1334人である。市街化地域の小学校を3校から2校に減らし、昆布盛小、落石小、厚床小、海星小、歯舞小は廃校、市街化地域の2校に統合すべきだろういまのままでは集団生活の指導ができないし、学力向上やふるさとの未来を支える人材育成上も問題が大きい児童のことを第一に考えれば小規模校を残す選択肢はすでにない
 統廃合してしまえば根室市内の校長会が遠くない将来消滅するかもしれないが、そんな小さなことよりも子どもたちの教育を優先すべきだ。校長会は子どもたちのために小規模校の統廃合にもろ手を挙げて賛成すべきだ、いや教育者の端くれなら率先して統廃合の旗を振るべきだ。

  道教委は、道内の高校で1学年2学級以下のところは廃校処分し、統合を進めている。同じ基準を小中学校に適用すれば、市内の1学年児童総数220人だと6クラスだから、3校体制だと各学校1学年2クラス編成になってしまう、2校体制で十分だということになる。高校統廃合に賛成しておいて、小中学校の2校への統廃合に反対するのは理が通らぬ。郡部に親子代々住む皆さん方にとって、いままであった学校がなくなることが寂しいということはよくわかっているつもりだ。
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<追記>5/19 23:40
 翌日も試合が行われ、優勝したのは啓雲中学校サッカー部。羅臼からも1チーム参加していたそうだ。

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コメント 5

tsuguo-kodera

 根室の現状の話、とても参考になります。ありがとうございます。
 管理人様が正々堂々と故郷の現状を憂い、改善しようと考えていること、とても良く理解できました。早く町が活性化すると良いですね。祈念しています。
 一方、私はこの現状の問題をそのままあると是認して、個々の子供に遊んであげて、少しでも管理人様の思いの方向に行かせる道を見つけたいのです。
 もし可能なら、現状と、その惨状を憂いている優れた教育者と面談したいわけです。現状を肯定しているわけではありません。お上や周囲をほとんど信じていない、戦後の東京育ちの男なのです。
 敗戦後の東京は食料もなく大変でした。根室にはまだ衣食住があるから、子供の教育だけは何とかでいるかもしれません。
 事前に議論したいわけではありません。お礼だけを言いたいだけです。再度、ありがとうございます。
by tsuguo-kodera (2015-05-19 05:00) 

ebisu

tsuguo-koderaさん

おはようございます。
意見の同意を求めているわけではありませんのでご心配無用です。
どうぞ根室の子どもたちと遊んでやってください。首都圏でそれなりの指導理論をお持ちの方が来られて遊んでもらうだけで十分です。子どもたちから質問が出たら答えてやってください。

たまたま、koderaさんは弊ブログで根室の現状をお知りになった、それだけのことです。わたしはたんなる「つなぎ役」、歓んでいるのです。
段取りはメールでお知らせしていますが、あのとおりに進めてよろしいでしょうか?

ご来根をお待ちしています。
by ebisu (2015-05-19 08:55) 

tsuguo-kodera

 はい結構です。ありがとうございます。
ますます楽しみが増えました。

by tsuguo-kodera (2015-05-19 11:41) 

amanda

うちの子供も参加していました(^^)
雷で、予定していた試合のうち1つしかできなかったそうですが、負けた~と言って帰ってきました。
リーグ戦なので、また根室に行くと思います。
by amanda (2015-05-21 12:24) 

ebisu

amandaさん

え、お子さんが参加していたのですか。
私のうちはあの中学校のバス停前です。
R臼のチームにも勝ったとK雲チームが言ってました。
by ebisu (2015-05-21 15:48) 

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