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#2977 根室の中学生の低学力問題:データに基づく議論をしよう Feb. 15, 2015 [71.データに基づく教育論議]

 先週、中学生全学年対象の文協学力テストが実施された。まだ得点通知表を見ていないが、市街化地域の3中学校の一つの1年生は五科目合計平均点が190点台だという。過去12年間、根室市内の市街化地域の中学校でこんなに低い平均点を見たことがない。

 生徒の話では数学零点が10人ほどでたようだから、来週得点通知表で確認したい。にわかには信じがたいデータである。この学年の生徒数は50人ほどしかいないから20%の生徒が基本的な計算問題すらできないというレベルだ。

 小学校の先生たちはいったいどういう教え方をしたのだろう?「教育の職人=プロ」とはいえない先生もいるようだが、どのような手が打たれているのだろう?市教研は学力向上の役に立っているのだろうか?データに基づく議論もせずに研修したって意味がない。結果の検証すらできないではないか。

 同じ学校の3年生は昨年5月に実施された全国学力テストで全国平均値を達成している。その3年生が2年生のときの2月5日に実施された学力テストの五科目平均点は276点である。
 同じ中学校で学年が違うと五科目合計平均点で80点もの差がある。この学年は小学校で学級崩壊を経験している。
 数人、しつけのできていない生徒がいて先生の静止を聞かなければ簡単に学級崩壊は起きる。先生の授業スキルが標準よりもかなり下だと、小学校は担任が全科目を教えるから、そのクラスの生徒の学力は大きな影響を受けてしまう。

 B中学では2008年度1年生だった学年が学級崩壊を起こした。数人の生徒が授業中にときどき大きな声で私語をしたり歩き回る、その結果ときどき先生の声が聞こえなくなり、話の前後関係がつかめなくなった。2年生になってクラス替えが行われて、他のクラスへ「感染」した。この学年は昨年春に高校を卒業している。
 たまたま気になったので、1年間の学力テストデータを保存してあるので、五科目合計平均点を並べてみよう。

 2008年度(1年次) 219.8(500点満点)
 2009年度(2年次) 224.1(500点満点)
 2010年度(3年次) 113.1(300点満点)

 B中学校の2009年度の文協学力テストデータが残っていないので、2007年度の3年生の5回の学力テスト平均点データは次のようになっている。
 2007年度(3年次) 155.9(300点満点)

 5回実施されたテストの平均点の分布は142点~167.9である。5回平均からの偏差は-13.7~+11.9。

 問い合わせたところ、市教委は、文協学力テストデータのモニタリングをしていないという。全国学力テストの結果集計で根室の小中学生の低学力が問題になっているのだが、同じ中学校で学年にって五科目平均点で最大80点もの大きな差異があるのに、それすら具体的な数字をモニタリンブせずに、有効な学力向上策が作れるはずがない。そしてその通りの結果になっている。

 根室の中学校の先生たち、自分の学校の生徒たちの過去10年間の文協学力テストデータをEXCELファイルで分析してみてほしい。そしてデータに基づく学力向上策を議論してもらいたい。

 高校統合が2年後になされるが、普通科のニーズが強い、しかし、同じ教科書を使っての授業は無理がある。そんなことをしたら、根室高校普通科の学力はさらに著しく低下するだろう。大学進学がますます困難になる。高校の先生はどういうやり方があるのか具体的に検討したらいい。わからなければ、全国平均値をクリアするという具体的な目標を掲げている北海道教育委員会に質問すればいい。このままではまずい、データに基づく議論をしよう。
 ついでにいうと、普通科の標準的な授業を理解できるのは300点満点で150点超の生徒だろう。商業科でも100点未満はかなりきつい。合格最低点を示してよいのではないか?

 病院にいけば、さまざまな検査をしてから、その検査データに基づいて治療をする、それは当たり前のことだからだ。ところが学校現場と教育行政は学力向上を旗印にしても、学力テストデータに基づいた議論をしないどころか、普段の学力テストデータ分析すらしていない。
 簡単な話だ。どの学校にも過去十年間の学力テストデータがEXCELファイルで残っているだろう、それを使ってデータをならべてみたらいい。問題が学年別・科目別にはっきりするから、有効な具体策も自然に理解できる、学力向上はデータに基づいて、当たり前のことを当たり前にやるだけでいい。
 もちろん、基本統計量も計算して市内全域のデータで偏差値まで算出すべきだ。

 ここまで書いたのだから、2007年度のB中学校3年生の学力テストデータと、20010年度の3年生のデータを並べておく。

B中3年生2007年度
国語社会数学理科英語合計
4月学テ33.234.922.927.832.4151.2
8月学テ37.440.423.634.831.7167.9
総合B38.929.223.526.932150.5
総合C37.440.423.634.831.7167.9
模試37.325.624.825.229.3142.2
合計184.2170.5118.4149.5157.1779.7
平均36.834.123.729.931.4155.9
成績下位20%は18/83で、点数は119点(8/27の学テデータによる)




B中3年生2010年度
国語社会数学理科英語合計
4月学テ31.328.121.624.720.8126.5
総合A26.922.817.220.719.8107.4
総合B32.619.317.120.722.4112.1
総合C25.921.816.421.620.5106.2
模試      
合計116.792.072.387.783.5452.2
平均29.223.018.121.920.9113.1


 わずか3人の生徒が授業中に大きな声で私語したり、立ち歩きをするだけで中学校で学級崩壊が起きる。クラスに三人、しつけのできない親がいて、育てるように育ってしまった子供がいたら、学級崩壊と、難易度の低い文協学力テストですら、300点満点の五科目平均点が40点以上も下がってしまうのである。
 授業中に大きな声での私語や立ち歩きは、他の生徒に大迷惑なので、言っても聞かなければ容赦なくビンタをはっていい。それでも体罰だからやめろという保護者がいるなら、校長が親を呼びつけてきちんと話したらいい。「あなたたちのしつけがなっていないから、他の生徒の大迷惑になっている」、「静止を聞かなければこれからも容赦なくビンタする」とはっきり言えばいい。


 
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