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金融危機下の米国金融機関の攻防(時事英語授業の関連情報) [91.経済]

《金融危機下の米国金融機関の攻防》
 時事英語は面白いぞ!

 前回のブログでワコビアとワシントン・ミューチュアルが出てきたので、9月17日以後の情報をウィキペディアから引用して紹介する。

 生徒から質問のあった「貸借対照表の強度」が載っている段落の英文を再掲しておく。ここに米国金融機関の2社、ワシントンミューチュアルとワコビアの株価下落が書かれている。われわれ日本人にはまったくなじみのない金融機関であるが、どの程度の規模の銀行で、9月17日以降どうなったのだろうか?

 この2社を採り上げるだけでも、金融危機下の弱肉強食のジャングルでどのような攻防がなされているのかがわかる。経営危機に見舞われた金融機関は多い。これはこれで外野から見ている限り面白い戦いである。
 しかし、401K年金にこれらの金融機関株を組み込んだ年金生活者たちは大変な目に遭っただろうし、いま401K年金に組み込んで積み立てている現役世代もショックだろう。戦いに犠牲者はつき物である。非戦闘員である年金生活者や401K年金を積み立て中である現役世代が被害にあう。一般市民が大きな犠牲を被るのが常である。リーマンの元社長は年俸30億円を8年間もらい続け、いまも広大な敷地にお城のような屋敷を構えて住んでいる。日本でも長期信用銀行破綻で、杜撰な貸付が裁判沙汰にはなったが、責任を問われた取締役は一人もいない。そういうこともあわせ考えながら、読んでほしい。

  Financial stocks fell as investors worried about the strength of banks' balance sheets. Washington Mutual Inc. fell 27 percent to $2 a share, while Wachovia Corp. fell 25 percent to $10.71.

(投資家(個人投資家と法人投資機関や各種基金)が銀行のバランスシートの強度に懸念を抱いているので、金融株は下落した。ワシントン・ミューチュアル*は27%下落して1株2ドル、ワコビア**は25%下落し10.71ドルとなった)

*ワシントン・ミューチュアル(Washington Mutual、WaMu)は、アメリカ合衆国にかつて存在した、合衆国最大の貯蓄貸付組合である。なお、名前にあるミューチュアルとは相互の意味で相互会社と同様の預金者のみが出資者であるという意味であるが、1983年に非協同組合化し、株式を公開して市場から資金を調達しているので今は協同組織金融機関ではない。
 WaMuも他の大手金融機関と同様に、サブプライムローンを中心に住宅ローンの事業を拡大してきた。しかし、住宅市場が低迷しはじめるとサブプライムローン事業の評価損が増大、やがて一般住宅ローン事業にも飛び火しはじめ、2006年には経営問題が表面化し始めた。この年には住宅ローン部門で4,800万ドルの損失を計上したと発表した。2007年12月にはサブプライムローン事業を切り離し、従業員の削減と株式の配当削減によりコストカットをする計画を発表。2008年7月に発表した第2四半期決算では、30億ドルの純損失が明らかになった。
 2008年9月11日(現地時間)にリーマン・ブラザーズ連邦倒産法第11章の適用により事実上の経営破綻をした日、WaMuの顧客は資金を引き揚げ始めた。リーマンの破綻後の10日間での預金の引き出しは167億ドルに上った。株価も下落し、9月25日には2ドル以下になっていた。
 2008年9月25日(現地時間)、連邦預金保険公社(FDIC)は、貯蓄金融機関監督局(OTS)がWaMuに対し業務停止を命じるとともに、資産を差し押さえを行い、入札によりWaMuの事業の大部分をJPモルガン・チェースが19億ドル(日本円で約2000億円)で取得したと発表した[1][2]。これによりWaMuは事実上の経営破綻をした。(ウィキペディアより引用)

**ワコビアWachovia Corporation)は、ノースカロライナ州シャーロットに本拠を置く、米国の大手金融機関である。多様で幅広い金融業務を展開しており、一般的な預金のほか、資産管理、コーポレートバンキング、投資銀行業務などを行う。
 リテール分野ではワコビア銀行Wachovia Bank)として、コネチカット州からフロリダ州、西はテキサス州まで、東部を中心とした15州で活動。西部においても、合併・統合処理中のウェスタン・フィナンシャルバンクをカリフォルニア州にもつ。
 また、ワコビア証券Wachovia Securities)は全米、およびラテンアメリカ6ヶ国において、リテール証券売買仲介業務を行う。このほか、世界各国に40の支店を構える。

 2008年9月にアメリカで生じた金融危機はワコビアの急激な株価下落をもたらし、一時は同じく損失の拡大していたモルガン・スタンレーとの合併の可能性も報道されたが、同月29日、アメリカ連邦預金保険公社(FDIC)シティグループが銀行事業を21億ドル(約2200億円)で買収することを発表した。この買収にはワコビアが保有している資産の損失が一定額を超えた場合には損失補てんが受けられる条項が入っている。これにより新銀行の資産は2兆9000億ドル(約307兆円)にのぼり、世界最大級になるはずだったが、経営不安を払拭するには至らず、10月3日に今度は米銀準大手のウェルズ・ファーゴがワコビアの株式を約151億ドル(約1兆6000億円)で取得すると発表(政府支援はなし)。同時に、シティグループによる合併をワコビア側が一方的に撤回することとなった。
 買収合意を反故にされたシティグループはワコビアとウェルズ・ファーゴの両者を相手取り法廷闘争に持ち込んでいたが、金融危機のさなか訴訟の長期化を避けたい米連邦準備制度理事会(FRB)が仲裁に乗り出しだこともあり、10月9日、シティグループはワコビアの銀行部門を断念するに至った。ただし、シティグループは両行に対し合計600億ドル(約5兆9000億円)の損害賠償を求めた訴訟は継続する。(ウィキペディアより引用)

 2008年10月19日 ebisu-blog#366
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