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#1475 お迎えテスト :〔人災〕全道14支庁管内最低の学力はこうして造られる Apr. 14, 2011 [62. 授業風景]

【高校の部】
 1昨日(4/12)に根室高校のお迎えテストがあり、数学のみレベル別にクラス分けがなされた。αが"初心者コース"、βが中級コースで2クラス、γが上級コースで35人、普通科120名が4クラスに分けられた。今日、テストを返却されたクラスの生徒4人のうち3人がγクラス、一人がαクラスだった。残り3人は今日分かる。
 昨年度は4人/5人の80%の生徒がγクラスだった。二人はラッキーだったと言って良い。
 高校生は商業科や事務情報科へ進学した生徒が数人来ているが、今年卒業した6科目1級ホルダーの生徒のような野性味をもった者はいない。記録を作るために入学後2ヶ月目くらいで勉強をとるかブカツをとるかどちらか選べと迫ったことがあった。半端な覚悟では記録は作れない。
 商業科と事務情報科の生徒には簿記も教えている。
 一人根室西高校の生徒が入った、先週から淡々と数学の問題を解いている。学校で使用する問題集はこの生徒には簡単すぎるようだから、どこかで能力に見合った問題集に切り換えなければならない。英語の教材の選定にはもう少し時間をかけてから決めるつもりだ。
 個別指導だから生徒のレベルは問わない、問うのはやる気だ。小学生はやる気がなくても受け入れるが、やるつもりのない高校生はお断りする。私塾だから方針はハッキリしている。 

【中学校の部】
 さて、中学校の"お迎えテスト"が今日(4/14)だ。昨日の授業で勉強に飽きてきた中1の生徒がこんな事を言った。
「先生、学力テストって成績に関係ないんだって、だから勉強しなくていいんだよ」
「学力テストの点数が実力だから、高校行かないのならそれでいいよ」
「え、だって「成績関係ないから」って先生が言ったよ」
「高校入試は学力テストだよ、学校の定期テストほど簡単な問題は出ないよ、だから学力テストで点数が取れなければ根室高校へは入学できないんだ」

 不用意に学校の先生がこういう発言をすると、困ったことになる。
 根室の子供たちは家庭学習習慣のない者が多いことは全国学力テストのときのアンケート調査でも明らかで、その子供たちに「学力テストは成績と関係ない」と話すと、生徒は勉強する機会を一つ失うことになる。
 テスト前に集中して勉強することで家庭学習習慣をつけられるかもしれないのに、不用意な発言でやる気を挫いてしまうのだ。言葉は怖いものだ。

 ついでだから困る例をもう一つ追加しておこう。実にやさしい問題を出題する先生がいる。学力テストで10点、20点前後の生徒が50点近くもとれるような問題を出題してしまうと生徒は完全に勘違いを起こす。昔の評価なら成績が"1"あるいは"1に近い2"の生徒が40~60点取れてしまうのだ。もちろん、そういう教師は授業内容もイージーである。詳細に書くと個人が特定されるのでこれ以上は書かない。これだけでも子供のテストをよく見ているお母さんたちの中には気がつく人がいるだろう。私が学校長なら、必要な指導はするが、学校教育の場では校長や教頭が授業内容に立ち入ることはほとんどない。こうして授業が下手な先生が指導技術を是正する機会をなくして"野放し"になり、転勤するたびに受け持たれた生徒が犠牲になる。
 こういうレベルの先生の割合が道内の他の地域よりも多いと、全国一斉学力テストをやったときに"普段やっている問題よりも問題が難しすぎて"点数が取れないのは当たり前ということになる。学力テストGと学校の定期テストTの5科目平均点を比べると、市街化地域の3校では"G<T"の関係がつねに成立しているからこの"傾向"は各校共通ということだ。
 (根室市内の子供たちの学力が他地域に比べて著しく低い原因はもちろん他にもあるが)こうして全国47都道府県で最下位の北海道で、全道14支庁管内最低の学力の根室管内が造られているのである。あ~、人災。

【大人の部:基礎学力の大切さ】
 京都大学原子炉実験所の小出裕章氏と中部大学の武田邦彦氏のビデオを見て根室の水産業や私たちの暮らしにどういう影響があるのか考えることのできるくらいの基礎学力はもちたいものだ。
 病院を建て替えてから年間15億円の病院事業赤字に驚いても根室の市財政にとっては手遅れであるように、根室の市場に水揚げされたサンマから放射能が検出されてから対処を考えるようでは手遅れである。
 そうなる前に打つべき手を打っておき、被害を最小限にするのも、ある程度の基礎学力の高さが必要なのだ。先を見て手を尽くすにはある程度の基礎学力が要求される。そういう人材が市役所幹部職にも市議にも地元選出の道議にも国会議員にもいないことが、人材枯渇の深刻さを現しているのではないだろうか?

【ローカル新聞への期待】
 北海道新聞根室支局が福島原発問題の根室の水産業への影響をいつどのように採り上げるのか楽しみである。
 他人事のようにいうが、ブログと違って道新は影響力が大きいので記事を紙面にアップするのは簡単ではない。それだけにしっかりした職人技を見るのが楽しみだ。
 小4生の52年前から道新を読んでいるが、ローカルな道新だからこそ期待が大きい。裏返すと日本の大手マスコミには期待がもてない時代になったということだろう。
 

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