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#1226 地域医療改革の烽火(2) Oct. 3, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 ふるさとに戻って塾を始めて7年、いや8年だろうか、最初の生徒が数年前に「先生、道医療大へ合格したよ、大学院まで行くからね」と元気にそう言っていた。中2で入ってきた最初の生徒だった。
 中1の最初の生徒が昨年二人看護専門学校へ進学した。夏には薬科大へ進学した生徒が顔を見せに来てくれた。そして先月またひとり推薦で道内の看護学校への進学が決まった。小さな私塾で、一クラス10人以下だから塾を巣立っていった生徒の人数はそう多くないが、医療関係への進学が数名いた。

 誰かが戻ってくるかもしれない、そのときに市立根室病院が夢をもって働ける健全な経営の病院であってほしい、「地域医療改革の烽火」はそういう願いもあってのことだ
 根室市が夕張市のようになったら、市立病院はなくなる。毎年10億円(昨年度は11.7億円、年々増え続けている)を超える赤字では経営がいつ行き詰るか不安があって当然である。就職したはいいが、数年で市立病院ではなくなり診療所になれば、職員の80%は職を失い残った人も給料は4割カットだろう。そのような経営不安定な病院で若い人が夢を抱いて働けるだろうか?
 
看護師さん集めに必至になるよりも、経営の建て直しを先にすべきなのだが、そちらの努力はさっぱりなされない。事務長も院長もそろって経営能力がないのだろう。医師はその技倆が確かなら、それだけでも十分だ。両方兼ね備えた医師なんてそうそう見つかるものではない。

 医師が集まらないことばかりが注目されているが、上述のような理由で若い看護師さんも集まらない。
 医療もサービス業の一つである。根室に限ったことではない、市立病院は釧路もあまり評判がよろしくない。「接客態度」はどうあるべきか、何かトレーニングはなされているのだろうか?閉院した釧路医師会病院のそれは優れていた。市立病院から転職してきた看護師さんはカルチャーショックを味わうことになる。A院長の経営方針が徹底していたから、釧路根室管内ではCSが一番だったかもしれない。
 医療サービスの技術と質の向上に不断に努力する中からしか、夢や希望や働き甲斐は生まれてこない若い看護師さんの採用が困難な中で、定年を迎える看護師の大量退職が近づいている。看護師さんの採用問題一つとっても根室の医療は瀬戸際に来ている

 一部の患者や付き添いの家族のマナーが悪く、医師側にも不満はあるだろうが、患者側にも提供される医療の質に関する不満をよく耳にする。
 医師がよく変るが、治療方針がまったく変り、以前の治療を否定されると、その先生の治療も次の先生が来たら・・・同じことではないかと患者は現在進行中の治療方針が不安になる。誤診はどこにでもあるが、親戚・知人に実際に起こった実例をよく耳にする。
 家族が亡くなったが、主治医が不在で他の医師が説明をしたという話も聞く。その後も主治医による説明はなかった、病院はいったいどうなっているのだろう。昔はこんなことはなかったのではないだろうか。

 医療事故に関する裁判も起きている。これも以前はなかったことだ。病院の医療事故管理はどのようになされているのだろう。そして事故の後の再発防止策はどのようにとられたのだろう、そういう疑問をもつ市民もいる
 病院はそういう情報を市民へアナウンスすることがない。情報はほとんど出てこない。いったいどのような方針で院長は病院を運営しているのだろう。疑問は次々わいてくるが、病院側からは一切説明がなされない。

 先日、北大医局関係者と思われる人からコメントがあった。小児科の夜間特別診療をやめたいが、その意向は市民へ伝わっていますかというものだった。病院からそういうことを聞いた人はいるだろうか?いたら、日時と説明者を特定してコメント欄へ書き込んで欲しい。病院側が情報公開に努力しているのなら、それはそれとして評価したいが、ないだろう。
 私は病院側が積極的に情報を公開して、患者や市民とコミュニケーションする場が必要だと思っている。院長にも事務長にも市長にもそういう姿勢がまったくみられない。嘘と偽りの「改善プラン」があるのみだ。
 それにしても、市の予算を使って飲み食い主体の活動をしている「医信伝心ネットワーク」って存在理由があるのだろうか。北大医局の要請の受け皿にはなりそうもない次元の違う活動だ。

 病院の経営状況に関しては、「広報ねむろ」では黒字だという説明がグラフと共に載っているが、その一方で根室新聞も北海道新聞も赤字だと報道している。先日も北海道新聞に2009年度11.7億円の赤字だという記事が載っていた。いったい、何が本当のことなのだろうというのが市民の実感だろう。

 医療と経営の両方のから、できるだけ具体的に語っていこうと思う。このままではジリ貧で、経営破綻を迎えることになるというのが私の結論である。なんとしてもそうした事態を防ぎたい。

 「広報ねむろ10月号」が昨日配られた。「市長就任2期目に向けて」と題して市長が所信を述べている。一部抜粋しよう。

私は今、お互いに胸襟を開いて話し合い、そして一つの目的に向かって「一丸になる」という気運が、市中でたいへんに高まってきていると感じており、まことに心強く思っています」

 病院建て替えでは一度も市民説明会を開くことのなかった市長の言とは思えない。市議3名から市民説明会開催要求が出るなどとは、この原稿を書いた時点では予想だにしなかったのだろう。折悪しくこのような所信を表明してしまっては、市民説明会を開かざるをえまい。自分の首を絞めた。
 高まりはじめたのは病院建て替え事業の乱暴な進め方に対する市民や市議からの批判だ、あなたと「一つの目的に向かって一丸になる」(?)誰がだ、勘違いしてもらっては困る
 病院建て替え市民整備委員会への説明で市民への説明が済んだ、「これ以上説明するつもりはない」と市議会で市長が答弁したのは今年のことだ
 「胸襟を開いて」だって、絵に描いたような白々しさが広がっていく。自己中心で、反対意見に耳を傾ける度量もなく、バランス感覚も大局感もない。こんな低劣な市長に信頼を寄せる市民が何人いるのだろう?寄ってくる者は、私的利害で結びつくか、お互いにそれぞれの団体運営を恣意的にやって行こうという者がほとんどではないのか。

 なぜ、こういう昂揚した所信を書いたのか分析してみるのも一興である。「根室まちとくらしネットワークフォーラム*」の座長が挨拶に行ったからかもしれない。地元の若手経済人を主体とする強力な翼賛機関ができたとほくそ笑んだのだろう。お互いに旨味のある連携だ。
 とにかく、そういう喜びと自信がこういう所信表明となったのだとしたら、よほどおめでたい人だ。2度の無投票当選を果たした上に、またひとつ支援団体が立ち上がったのだから、うれしくてうれしくて舞い上がってしまったのだろう。
 ピークをすぎれば後は下り坂、いろんなことが不都合な方へと転び始める。市民の信任のない市長にはいろんなことが弱り目に祟り目となりそうな気配が漂ってきた。
 普通の神経なら市民の信任を受けていないことを憂えるはずだが、この人はそういうバランス感覚や大局観をもち合わせていない。戦略なき、行き当たりばったり人。事務長も院長も同じ種族では地域医療がもたない。

 このシリーズは思いつくままに書き連ねるつもりである。まとまりのないものになれば、あとでしっかりまとめることになる。今回は総論のみ、個別具体論は追々展開されるのだろう。まあ、じっくりお付き合いいただきたい。ゆるゆると書くことになるだろうから。


*「根室まちとくらしネットワークフォーラム」
 お誘いを受けたメンバーはわけが分からないだろうが、十分な理由があって、座長が市政批判をするわけがないのである。私益をあれこれ考え、妙案だと勘違いしてNMKNFは市政翼賛機関として立ち上げられたのだろう。生き残り戦略のつもりだったのかもしれない。もちつもたれつ、典型的な根室の旧弊がここにもある
 やることが幼すぎ、その余りに単純な構図に私は笑ってしまった。意図が見え過ぎで恥ずかしい。こういう手合いが根室の町を衰退させてきたと断言してよい。根室の言葉では「こすっからいやつ」という。「みったくなし」とも云うぞ。
 以前このフォーラムに言及したときに、根拠を書けとお二人の方からお叱りのコメントをいただいたが、いずれ新聞公表事実を書く時が来るのかな、とここまで書けば賢明なメンバーは気がついただろう。
 問題は事実を知った後にどのように動くかだ。それぞれ商売上のつながりは多少なりともあるだろうが、根室市民として公益を優先して考え、まっとうな意見表明に努力してもらいたい。
 私なんかよりも地元経済人こそ、その発言に勇気が要る。まかり間違えば商売上の嫌がらせがある。いい役人もいるが、役所とは基本的にそういうところだ。たてつくものには嫌がらせをする。嫌がらせのためならいろんな屁理屈を動員する。そうした実例を最近耳にした。いやごく最近目でも見た。どの部署の、だれがとはいわないが、下から上まで同じである。
 多少の不利益を覚悟で、自分の子供に恥じない行動をし、勇気をもって正論を貫く。オヤジは背中で語らねばならない。
 座長はやっていることの幼さから見てとても大人には見えないから、そういうことをも考えながらメンバー選びをしたのではあるまい。そこまで人が悪いとは思っていないよ。
 根室人は何をしていても付き合ってみると存外人がいいものだ。市民説明会開催要求に対してしっかりした意見表明をすれば、その勇気には敬意を払おうではないか。
 ピンチはチャンスとも云うだろう。臨機応変に対応できなきゃ生き残れないぞ。チャンスだ!思い切って舵を切れ、さあ、考え直して覚悟を決めて一緒に戦おうぜ。

 根室の町が財政破綻したら一番困るのは誰だろう?市職員だけではないぞ、取引業者もダメージを受ける。なんらかの契約関係にあり、市からお金が出ていれば、それらはほとんどが切り捨てになる。
 市長のいうことに何でもイエスと云っていれば旨味があった時代はとっくに過ぎ去った。頭を切り換えろ、バランス感覚、大局観、臨機応変、どれも経営には大事なものだ。どれを欠いても企業の存続は危うい。幼い社長のままでは社員が企業の将来に不安をもつ。
 大人の企業人へ成長するチャンスだ。「共育」が君らのモットーではなかったのか?云うだけでなく実践して、幼児性を払拭してみせろ。見事にできたらebisuが褒めてやろう。


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JARO根室

匿名投稿さんへ
私の情報は正しかったようで安堵しています。

ebisiさんの<黒部市民病院からいらっしゃる先生は、外科医が2名いると思ってくるのか、それともいないことを前提に来られるのか、どちらなんでしょうね?>について。

事務長と院長が他に相談なく富山まで出張に行ったみたいですので、このことはまだ外科のM先生やO先生ですら知らない情報だと思います。富山で根室の病院の現状についてどのように虚偽説明をしてきたんでしょうか?仮に黒部の先生が来たところでまたすぐにいなくなることは簡単に想像できます。その時は既に札幌医大の外科とも縁が切れているわけですか?もう絶望的ですね。
by JARO根室 (2010-10-04 07:28) 

ebisu

JARO根室さんへ

私の疑問に答えてくれてありがとう。
危惧したとおりの仕事のやり方です。
外科のM先生やO先生に相談もしないで、富山に外科医招聘にでかけたのですか。
外科はチーム医療です。シューレの違う先生とのコラボレーションはとっても困難なようです。
わたしがM先生や、O先生でも相談なしのこのような行為はいわば「裏切り行為」ですから相当気分を害されます。
気性が激しい人なら、「バカヤロウ」と辞表を叩きつけるでしょう。

院長や事務長はどうして報告・連絡・相談という仕事の基本が守れないのでしょう。
このような社員がいたらトラブルメーカーです。民間企業では管理職にはしません。
NO NAMEさんが、この間のコメントで言っていた通りです。こういうことから病院内部の状態が透けて見えます。

信頼関係を壊すようなことをしてマネジメントができるわけがない。たぶん、とっくに壊れていたのだと思います。ホウレンソウ(報告・連絡・相談)すらできないほどに。

院長は内科、N先生もM先生もO先生も外科、どうやら病院内部はぐちゃぐちゃのようです。どちらにも医療上の問題があったのかもしれません。

数人の人からメールをもらっていますので、おいおい明らかになるでしょう。

なんだか、一緒にお酒を呑みたくなるようなコメンテイターが何人かいらっしゃる。
どうもありがとう。
by ebisu (2010-10-04 11:18) 

税金返せコラー

おい事務長!富山だと~?そんなとこまで行ってんのかよコラー!おめーら道議の海外視察気取ってんじゃえぞこの野郎!そのジジイ医者が根室に来てくれんのかよ?来たところでマジ使えんのかよ?
ebidu!おめーも外野気取ってんじゃねーぞコラー!出張報告の監査請求でもやんねーのかよ
by 税金返せコラー (2010-10-04 21:18) 

大黒

反対分子を排除する世界は未成熟な子供の世界か独裁国家の世界。
歴史的にそれら世界の発展を見たことがない。
市立根室病院にその影を見る。
技能職人のヒエラルヒーが崩壊した市立病院で、強権が通用しないことがわかっていない。

客観的にはそのような歪んだ世界を否定できる人々も、いざ自分の環境では平気で他者を排除しようとする。狭い世界観からの自己保身に入り、崩壊へ向かっている事が見えていない。
前ブログにもあったが、非常勤待機医のコストが掛かり過ぎるから改善必要と主張しながら、自ら非常勤待機医を依頼し続けている診療科があったり・・・。誹謗中傷ではなく事実だから反論できまい。

今の市立病院内には気に入らないスタッフを排除しようとす人々がいて、実行されつつある。誰とは言わないが過去のブログで察しがつく、すでに医師退職の実績があることはブログコメントのとおり。

全国的にはたかが根室のざれごとで、ばかばかしい限りだ。全国的には面白おかしいだけで市立病院に一切利益はない。不利益のみであることに気付かない。

常勤医が何人に減少したらそれら世界観の狭い人の責任を追求出来るのか、規定があるとわかりやすい。

このような組織のために骨・を・折・り・た・く・な・い・ものだ。

若い有能なやる気ある医師が退職し、定年近い年配の医師に逆世代交代する。この現象を市民は異常と気付かないのだろうか?

若い産科医がやめ問題を噂されている年配の産科医が赴任予定。

働き盛りの外科医が退職し、年配の外科医招聘に力を注ぎ、院長は病院を留守にする。
医師招聘は担当事務のみで十分で最終的に院長が面接すれば良いことと思うが。



by 大黒 (2010-10-04 21:20) 

ちょっと待った

ebisuさん。
このままじゃこのブログはマズイですよ!
by ちょっと待った (2010-10-04 22:28) 

ebisu

税金返せコラー さんへ

元気のいい人ですね。
半病人の私にはうらやましいかぎりです。
ところでお叱りいただき恐縮です。

>ebidu!おめーも外野気取ってんじゃねーぞコラー!出張報告の監査請求でもやんねーのかよ

監査は監査委員がおやりになっています。単なる会計監査ですから、業務の内容までは立ち入らないでしょう。
事務長が富山に出張することは業務上の必要があってのことでしょうから、問題にはなりえません。
医師招聘を口実にして、遊んでいればそれは業務上問題になるでしょうが、今回はそうではないことがハッキリしているようです。そういうことですので、悪しからず。
by ebisu (2010-10-04 22:30) 

ebisu

大黒 さんへ

ebisuに大黒、七福神がもう一人ご登場のようですね。
賑やかになってきました。
全部揃えば宝船でも漕ぎ出しましょうか。

権限を振りかざし振り回すのは、マネジメントスキルがないからでしょう。
能力のない管理職によくあるタイプです。
それは一度も市民説明会を開かず、強引に建て替えを進める市長も同族でしょう。
つまり、市長、事務長、院長の三人は同じタイプの人間のようです。

気に入らない医師には辞めてもらって結構と云う態度に見えますね。
自分のお気に入りの者だけで固めたい、なんと心の狭い人たちでしょう。
信頼関係を築くことができなければ、どれほど医師を集めても同じことの繰り返しです。
集まる医師はどんどん高齢化し、信頼関係のない院内の雰囲気に、疲れ、あるいはあきれ、そして辞めていく。
そして患者が迷惑を被る。

安心と信頼を基礎とする病院に変ってほしいと思います。
by ebisu (2010-10-04 22:41) 

ebisu

布袋 さんへ

申し訳ありませんが、あなたのコメントは消去させていただきます。m(_ _)m
コメントの消去は初めてです。
by ebisu (2010-10-04 22:47) 

ebisu

ちょっと待った さんへ

20分ほど前に、仕事から戻ってコメントを読みました。
あなたのご意見に同感です。
ひとつ削除します。
原則として反論や反対意見は削除しません。

しかし、ダメなものはダメ、私のブログですから私の判断です。
by ebisu (2010-10-04 22:51) 

 税金返せコラー

こら!ebisu おめえは9月19日にコメントしやじゃねえかよ

わたくしが懸念しているのは、職位の高い院長と事務長が医師招聘の名目で札幌出張をすれば、大義名分上飲食接待がつきものでしょう。そちらの方が気になります。トップの二人がその気になれば、使いたい放題になります。だから、外部監査、とくに市民の監査が必要だと感じます。

俺が間違ってんのかよ?
by 税金返せコラー (2010-10-04 22:58) 

ちょっと待った

みなさん冷静になりましょう。
税金返せコラーさん、酔ってらっしゃるんですか?
何もそんな言い方をなさらなくても・・・でしょ?

by ちょっと待った (2010-10-04 23:19) 

ebisu

税金返せコラー さんへ

ふたつのコメントを比較してよくお読みいただけばわかります。
by ebisu (2010-10-04 23:36) 

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