SSブログ

北朝鮮地下核実験のニュースと北方領土外交 2009/5/25 [B2. トピックス]

北朝鮮地下核実験のニュース 2009/5/25

 北朝鮮が今朝9時54分に地下核実験をしたようだ。日本側の観測では、マグニチュード5.3と推計されている。震源の深さは10㌔。これらのことからわかる技術水準は?

 この震源の深さからわかることは地下10kmまでトンネルを作る掘削技術を北朝鮮がもっているということだ。温泉ならいまや8000mクラスは珍しくもないが、これは真下に掘り下げる技術で、パイプの径はせいぜい10~20㌢だ。地下核実験は斜め掘りだろうか。1m近い径のトンネルだろう。30度の傾斜角で掘れば10000mの深さに達したときにトンネルの長さは20000mになる。準備は数年前から進められていたということだ。6カ国会議は時間稼ぎのポーズに過ぎなかった。さらに現在進行中のトンネル掘削が数本あるだろう。

 もうひとつは核爆発の規模だ。マグニチュード5.3というのはTNT火薬換算でどれぐらいのきぼなのだろう。前回実験がが4㌔トン、広島が16㌔トンだった。前回よりも大きい感じがする。2度目のプルトニュウム型原爆だから爆縮制御技術が完成したとみるべきだ。

 北朝鮮の金政権は自己保存本能に従って、自己の論理にしたがって国益を守るためにミサイル開発とそれに搭載する核爆弾小型化のための核実験を継続し、着実に成果をあげている。実に一貫した国家プロジェクトだ。他国が何をどのように言おうとやる。
 米国も軍事覇権を維持するために圧倒的に世界一の量の核爆弾を保持し続けている。米国の国益を守るためである。ロシアも中国もインドもパキスタンもイランもそれぞれの「国益を守るために」ミサイルや核爆弾を開発し保有し続けている。

 さて日本だが、何度か複数核弾道ミサイルの開発計画を作成し、実際に開発し、解体するということをやって見せるべきだとブログで書いた。必要な技術はすべて日本が保有している。
 人工衛星を静止軌道に打ち上げているから、大陸間弾道ミサイル技術はすでに保有している。工作機械やプルトニュウム濃縮用の遠心分離機は民間会社が数社製造している。つまりすべて日本製品だ。核実験シミュレーション用のスーパーコンピュータ、材料のプルトニュウムも含めてすべて自前で保有している。
 複数核弾道ミサイルは国連安全保障理事会常任理事国だけが開発保有している。日本が・開発・製造・解体ショーをやると宣言するだけでも外交政策上強力なカードとして使えるということだ。

 北朝鮮との拉致被害者奪回交渉もロシアとの領土交渉も、複数核弾道ミサイル開発計画が動き出せば、状況が一変するに違いない

 択捉島へのビザなし交流による墓参ツアーがいま進行中だ。ロシア側からのビザなし交流は根室に上陸した後、すぐに東京や京都への観光ツアーとなる。費用はすべて日本側が持っているらしい。なんのためのビザなし交流だろうか?

*25日23時追記
 前回核実験時のマグニチュードは4.9と推定されていたから、今回5.3は4倍を超えるエネルギーだ。前回を4k㌧とすると今回は16~20k㌧の規模だ。爆縮技術が完成したとするとミサイルに搭載できる小型化は時間の問題だ。北朝鮮はすでに現実の脅威である。政権崩壊の危機に追い込まれれば何をするかわからない軍事国家である。彼らの仮想敵国は米国と日本であり、原爆搭載のミサイルはこれら二カ国に照準をあてることになる。

**日本はウラニウムの濃縮実績がある2,007年夏までに12年間に日本は研究用原子炉でウラニウムの濃縮を行い、米国へ極秘裏に送っていたというのである。その量は579.7kg、原爆20個分である。12月30日#465『"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還への好機か』に12月29日付ジャパンタイムズが共同ニュースが配信した記事を転載してある。(5/29追記)

12月29日付けのジャパンタイムズの記事である。米国でこのオペレーションに関わった人物と日本人の原子力専門家が情報源で、共同通信社が配信した。
 12年前に開始され、合計579.7kg、原爆20個分の高濃縮ウランが日本で濃縮されて米国へ秘密裏に送られた。
 Enough highly enriched U.S.uranium to make about 20 nuclear weapons was snezked back to the United States from Japan over a 12-year period until last summer in a secret operation aimed at keeping it out of terrorists' hands, a senior U.S.official and Japanese specialists recently revealed.

 この濃縮ウラン送還オペレーションは米国安全保障庁によって開始され、最初の濃縮ウランの船積みは1996年に行われた。
 Details of the special repatriation operations, initiated by the U.S. National Nuclear Security Administration, a special wing of the Energy Department, have been kept under wraps for more than a decade for security reasons. The shipments began in 1996. 


 2009年5月25日 ebisu-blog#590
  総閲覧数:108,012 
/545 days(5月25日13時50分
 
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0