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#4425 620万アクセスに感謝:マルクスの破綻と弊ブログの関係 Dec. 11, 2020 [A8. つれづれなるままに…]

 ブログを始めたのは2006年11月27日だったかな。スキルス胃癌と巨大胃癌の併発で手術を受けたのが、その四か月前の7月でした。40日間の入院生活で体重が13㎏程落ちました。デブではなかったので、落ちた肉のほとんどが筋肉。懸垂が8回できたのに術後はゼロ回、ぶら下がるだけ、ショックでした。体力が落ちると脳の働きも悪くなり、文章が書けるのかと心配になりました。ふらふらしながら授業したのを覚えています。

 わたしがなぜブログを書き始めたのか書き留めておきます。
 マルクスが経済学の方法でヘーゲル弁証法を使うという大きな間違いに晩年は気がついていたようですが、方法的破綻に沈黙を守ったまま亡くなっています。初めて体系的な叙述法を用いた数学書にユークリッド『原論』があります。そこには公理を学の端緒とした演繹的体系が示されています。経済学体系の叙述も公理・公準を出発点にして演繹的にやればよかったのです。デカルト『方法序説』にある科学の方法「四つの規則」でもよかった。デカルトは分かっていました。そのどちらも読まなかった、いやデカルトくらいは読んでいたと思いたいが、彼の指摘の重要性を理解できなかった。わたしが読んだマルクスの著作のどこにもデカルトの科学の方法「四つの規則」への言及はありませんでした。
 マルクスはいくつかの経済学的基礎概念を方法的無自覚ではありますが公理に措定しています。労働概念です。日本人が伝統的に持っているのは「職人仕事」概念です。ドイツにはマイスター制度がありますが、かれはそれを棄てました。工場労働(淵源をたどると古代都市国家の奴隷労働)を公理に置いたのです。そしてヘーゲル弁証法を用いました。資本論1巻を書いたところで弁証法の方法的破綻に気がついてしまったように見えます。他の巻はエンゲルスが遺稿を集めて勝手に編集したものです。マルクスは数学が不得意で微分の概念が理解できなかっただけでなく、ユークリッド『原論』も読むことはなかった。不幸でしたね、当時流行のヘーゲル弁証法を採用してしまった。かれは古くて本質的なものに気がつかず、一時の流行にすぎなかったヘーゲル弁証法に呑み込まれたしまったのです。数学が不得意なことが遠因になっています。マルクスの学位論文はギリシアの自然概念に関するものでしたから、ユークリッドも目を通しておくべきでした。高校2年生の時に『資本論』を初めて読んだ時に森林に迷い込んだような眩暈を感じたのと、なぜ四則演算しかないのだろうと不思議に感じました。その前に公認会計士2次試験講座の参考書で7試験科目の一つの「経済学」を読んで近代経済学の知識と比較しながら眺めたので、違和感が自然に沸き上がったのです。商学部会計学科の学生である私は2年生になって市倉宏佑教授(哲学)のゼミに入れてもらい、『資本論』と『経済学批判要綱』を同じ問題意識で読んでいきました。『資本論』全巻を読み終わって、「やはりな、当初の違和感は本物だった」と確信しました。『資本論』には四則演算以外は載っていませんでした。マルクスは数学が苦手だったのです。『数学手稿』をみたらよくわかります。微分の意味、無限小への分割ということの意味が理解できていません、マルクスは経済学に微積分を使えなかったのです。あいにくと影響がそれだけでとどまることはありませんでした、ユークリッド『原論』を知らないためにヘーゲル弁証法を導入するという決定的な過ちを犯してしまいました。方法的な模索過程はマルクスの著作の中では『経済学批判要綱』によく表れています。流通過程分析ではなんとか弁証法で体系の基礎を築こうと努力してます。方法的破綻は「生産過程」の章の後に明らかになります。マルクスはそれを自覚していたとしか思えません。資本論第一巻を書いたっきり、次の巻の原稿を書き溜めましたがうまくいかず、2巻以降を出版できなかったのです。エンゲルスはそんなマルクスの苦悩を知ることができませんでした。学者としては三流でしたが株式投資とアジテーションには才能があったようです。
 『数学手稿』はマルクスの「数学学習ノート」でした、出版などしてほしくなかったはず。マルクスを神のごとくあがめた共産主義運動に参加した人たちが、マルクス死後に勝手に出版してしまった。お陰でわたしにはマルクスの弱点がよくわかります。
 わたしは公理を入れ替えることで別の経済学が立ち上がることを皆さんに書き残しておきたかったのです。経済学は行き詰まっていますが、その打開の鍵が弊ブログにあります。人類がAIの支配をまぬがれる方法もそこにありそうな気がしています。
 ライフワークに手を付ける体力と文章力が残っているのか、ブログを書き綴ることは自分に対する挑発でもありました。脳のリハビリを兼ねてブログを書き始めたのです。最初のうちは嫌になるほど漢字変換ミス、タイプミスがありました。半年年くらい書いているうちに体力がきつくなり、ブログをやめようと思ったら、前に勤務していたSRLの社長だったK藤さんが、弊ブログを読んでいてくれて「書き続けたらいい」と背中を押してくれたのです。それでなんとか峠を登りきれたような気がしました。とってもありがたかった。
 読んでくれている皆様に改めて感謝申し上げます。

 <余談>
 ここまでで文字数をカウントしたら2154文字である。これを平均値として採用すれば、
   4425×2154=9531450=11914頁
 1冊500頁の本に換算して24冊分となる。平均値はもう少し長くて3000文字かもしれない。


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