SSブログ

#2747 集団的自衛権と第一次世界大戦:歴史に学ぶ July 24, 2014 [8. 時事評論]

 安倍総理が集団的自衛権は「血の同盟」だと何度か言っている。相手が戦争を始めたら、こちらも一緒に戦うというのである。なるほど、それが同盟のほんとうの意味だろう。

 今日は中2の英語の授業だが10分早く始めて音読トレーニングをしている。テクストは藤原正彦『国家の品格』である。多少の語彙解説をしながら段落ごとに一緒に輪読してみた。75㌻に「国民が戦争を望む」という章があり、集団的自衛権がどういう結果をもたらしたのか藤原正彦氏の解説をそのまま転載するのでお読みいただきたい。

============================
・・・主権在民には大前提があります。それは「国民が成熟した判断をすることができる」ということです。この場合には、民主主義は文句なしに最高の政治形態です。

  国民が戦争を望む

しかし国民というのは一体、成熟した判断が出来るものなのでしょうか。例えば第一次世界大戦はなぜ起きたか。最初にオーストリア・ハンガリー帝国の皇太子フェルディナンドがサラエボでセルビア人に暗殺された。これに大衆が熱狂した。ブダペストでは「セルビアの豚に死を」と人々が叫び、ウィーンでは新聞が「強盗と人殺しのセルビア」と書いた。セルビア政府の関与を示すいかなる証拠もなかったのに、です。こうした世論に押されるように、暗殺事件の一ヵ月後、オーストリア・ハンガリー帝国は「局地戦で収められる」との判断でセルビア政府に宣戦布告した。
 ところが、これにロシアが怒り、それに対してドイツが怒り、露仏同盟によりフランスが、英仏同盟によりイギリスまでが参戦していった。各国で、志願兵たちが長蛇の列をなし、そういう人たちの「やっちゃえ、やっちゃえ」の声がどんどん高まっていった。反戦運動家は売国奴として暗殺されたりしました。どの国でも、日常の漠然とした不満を解消しようとするかの如く、国民の戦意の昂揚は留まる所を知らなかったのです。
 サラエボ事件が起きた時点で、ヨーロッパの君主や首脳で、大戦争をしようと思っていた人は誰一人いなかった。主要国の間にはそもそも、領土問題もイデオロギー問題もほとんどなかった。ところが国民が大騒ぎした結果、外交でおさまりがつかなくなり、その結果、850万人が犠牲となったのです。
============================

 集団的自衛権は安倍総理の言うとおり「血の同盟」であることは人類の歴史を見ても事実と言わざるを得ぬ。サラエボ事件は国家間の同盟(集団的自衛権行使)によって850万人もの人が死んだ。
 解釈改憲なんてずるいことなどせずに、アメリカが始める戦争に日本の自衛隊と国民が一緒に戦う覚悟があるのか国民投票をして問うべきだろう。
 姑息で卑怯なやりかたに、第一次安倍内閣のときに声高に叫んでいた「美しい国日本」が泣いている。

<余談>
 音読トレーニングで解説した語彙のひとつは「公序良俗」、いつ習ったのかよく覚えていないのだが、中学生の政治経済の授業だったか、高校生だったか、大学一年のときだっただろう。「公の秩序、善良の風俗」と先生が説明してくれた、懐かしい用語だ。
 「てにをは」を読み飛ばしたり、余計な「てにをは」をつけたりするとその都度ストップして読み直しをさせる、よく間違える者は文脈を追っていないから要注意。ひらがなが少し長くなると読み間違えるのは、先読みできていないからで、読書量が少ないことが原因だ。
 夏休みだから中学生は毎日10分間は音読トレーニングをするように伝えた。読む本がなければ総ルビの斉藤孝「音読破シリーズ」の本を貸してあげる。日本で一番涼しい夏の根室、夏は勉強や読書に最適のシーズンである。
 中3は苦手の科目を毎日5~6時間くらい集中してやって、得意科目に変えてしまえ!疲れたら得意科目をやればいい。夏休みは辛抱力をどれだけつけられるかが試される。
 高校生は6月初旬に終わった前期中間テストから、7月の学校祭へ向けての準備、お盆、港祭り、花火大会、8月は金比羅さんのお祭りとイベントが続いているから、そろそろ浮かれ気分を切り換えて勉強に復帰せよ。一日8時間以上の勉強を2週間続けよ。1日10時間の勉強を1年間続けられる者の大半は司法試験でも公認会計士2次試験でも大学在学中に合格できる。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0