<最終更新情報>9/4午後7時、トリチウム水のカナダ政府の排出安全基準を追記 
 9/5朝9時<余談-2:トリチウムの生体濃縮を根拠にALPS処理水を批判する人の科学的思考>追記
 9/6朝8:40 冒頭の2段落に加筆しました。
 9/6朝10時:環境中に放射性物質を増やせば、遺伝子が変異を起こす確率が上がります。先天異常やさまざまな癌に罹患する確率が確実に上がるということです。どれくらい上がるのかはデータがありませんから、大量の放射性物質の恒常的な海洋投棄は慎んだ方が人類の安全のためによいということです。環境中に放射性物質がたくさんあるので、さらに増やしても何でもないという主張を見かけるので追記しました。


  先進国ではドイツがトリチウム水の海洋放出に反対しています。数日前までにはネットで検索できたのですが、いまやってみましたが、ヒットしません。政府は海洋放出への反対論を陰謀論とレッテルを張ることに熱心ですが、これでは政府見解に批判を許さぬ戦時中の大本営発表そのもの、そしてマスコミがそれに追随していますから、大政翼賛体制下にあるかのようで、めまいを起こしそうです。健全な保守主義を標榜する私にはこのような状況が看過できません。

  ドイツは2011年3月の福島第一原発事故で3基の原発がメルトダウンしたことを知ると、すぐに自国のすべての原発の廃炉を決めました。当時の首相はアンゲラ・メルケルです。彼女は物理学で博士号を持っています。今年(2023年)4月15日にドイツは最後の原発3基を停止しました。日本の大臣の中に、物理学の学位を持っている人が一人でもいますか?岸田首相を始め、西村経済産業大臣や河野外務大臣はどこまで現状を理解できているのかわたしには疑問があります。デジタル大臣は、その分野で学位を持っている人を充てなくてはいけませんね。河野氏の主張はまるで駄々っ子です。ちょっとは勉強したらいいのに、周りも扱いかねているでしょう。
 大臣の半数くらいは、学卒ではなくて、しっかり専門性をもった院卒(修士や博士の学位保持者)を充てる時代が来ているのでしょう

 「トリチウム水の海洋放出に反対している国」という検索キーで調べてもドイツが出てこなくなりました。それどころか、「福島第一原発の排水には62種類以外の...」という風なバナーが出てきて、それをクリックすると、「トロイの木馬で乗っ取った」というメッセイージが出て、フリーズすることがあります。
 トリチウム水の海洋放出に反対する根拠の一つが、ALPS処理水には62種類の核種以外も含まれているということですから、このウィルスの意図がどういうところにあるかは推測できるでしょう。
 こういうバナーが画面に出てきたらクリックしないでください。ノート型パソコンでは、電源ボタンの長押しで解除できます。小さな緑色のランプがついている間は解除できませんのでご注意ください。

 話のついでですから、ALPS(多核種放射性物質除去装置)は62種類の放射性核種をトラップするフィルターをもった装置ですが、汚染水にはもちろんそれ以外の放射性核種が含まれています。たとえば、C-14があります、半減期間は5700年です。C-14(Cは炭素、14は質量です)はβ崩壊すると0.156Mevのエネルギーを放出し、N-14(質量14の窒素)になります。MevのMはメガですから、ev(エレクトロンボルト)の10^6倍つまり百万倍の単位です。トリチウム1個が崩壊するときには15evが放出されますから、それの10万倍のエネルギーが放出されます。ベータ崩壊することでだされる放射線の人体への影響はトリチウムよりもずっと大きいようです。半減期間が5700年と長いことから、確率的に問題なしという意見もありますが、たまたま当たってしまったらたいへんです。だから、c-14も除去してから放出したほうがいいのです。トリチウムのβ崩壊時のエネルギー放出の計算値とをご自分で比べて考えてください。ALPS処理水が何であるのか、ほんとうにトリチウムだけなのか、そして62核種は東京電力が主張しているように基準値以下に取り除けているのか、そういうことを真摯に理解する努力が必要です。こんなに重大なことで嘘やごまかしはいけません。

 伊方原子力発電所の建設に携わった技術者が、トリチウムがベータ崩壊するときに、それが遺伝子の材料としてOBTとなって組み込まれてしまっていたら、1個のトリチウムの崩壊で最大1200箇所の切断が生じると計算例を示しています。実際にDNAに組み込まれる確率が1/1000だとしてもリスクが大きいと述べています。前回ブログ#5049の投稿欄へ計算例の部分だけ転載してあります。この方は政府や原子力規制庁は実際の原発を知らずに何を言っているのかと具体的なデータと数値を挙げて、トリチウム水の海洋放出に反対しています。原子力発電の実際の機構を経験智で知っている人の意見です。原子力規制のように、頭でっかちで原発にはほとんど行ったことがない人たちの意見とは違います。原子炉の設計段階そして建設段階、現場での運用もよく知っている人の意見です

 分子生物学者の一人、河田昌東氏は、トリチウム水の化学的な性質に注目して、警告を発しています彼はトリチウム水を使って、酵母菌や大腸菌の遺伝子の変異を研究してきた方です。HTO(トリチウム水)が細胞核に入り込み、DNAが複製されるときに、その材料としてHTOのTが使われます。TはH-3ですから、水素ですので、区別がつかないのです。遺伝子の材料として使われ、組み込まれてOBT(有機結合型トリチウム)になります。これがベータ崩壊してヘリウムHeになると、水素が失われ、水素結合が切れます。そこでDNAが切れてしまいます。Heは安定な元素なので、ほかの元素と結合しないのです。トリチウムの半減期は12.3年ですから、かならずベータ線を放出して崩壊します。放射線の影響のように確率論ではないのです。ベータ崩壊は100%起きる物理現象です。だから、この分子生物学者は、海洋へのトリチウム水の放出の危険性を警告しています。放出されたHTOはすぐに世界中の海に平均的に拡散するわけではありません。これから30年以上も、このままでは永遠に垂れ流されることになりますから、海流の関係から福島県沖、東北や北海道の太平洋岸に滞留してしだいに濃度が大きくなります。染色体異常が少しずつ増えていきます。さまざまな癌や先天異常が増えるということです。とくに細部分裂の激しい胎児や成長期で細胞分裂の活発な成長期の子供たちが大人よりもはるかに大きな影響を受けます。骨髄性白血病の罹患率はは10万人に3~4人と言われていますが、これが倍にも3倍にもなるかもしれないのです。参考になるデータはないのです。とくに小児に骨髄性白血病やさまざまな癌が増えるなんて、想像したくありません。
 原子力規制庁のメンバーにはトリチウム水を使って酵母菌や大腸菌の染色体異常を研究した人など一人もいないでしょう。経験智がとっても大事なのです

 今のやり方では、30年かけて現在1200のタンクにたまっている125万トンのトリチウム水が放出されたころには、新たなトリチウム水が同じ量溜まっているでしょうから、海洋放出が事実上永遠に繰り返されると河田氏は強く反対しています。こんな理屈は小学生にでもわかります。
 カナダ政府は重水炉8基が引き起こしたオンタリオ湖の深刻なトリチウム汚染を調査し、25㎞圏内の出生児に先天性異常の多いことを調査で突き止め、トリチウムの排出安全基準値を百万人に一人の先天異常が発生する確率を許容する安全基準を定め、実施しています。それは7~109Bq/Lで、東京電力がトリチウムの排出基準の60,000Bq/Lと比べると、1/600という非常に厳格なものとなっています。詳しくは、前回ブログ#5049をご覧ください
 トリチウムの海洋放出は「直ちに健康に影響がある」わけではありませんが、長期にわたって遺伝子を傷害しますから、子供や孫たち、そのまた子供たちが染色体異常に起因するさまざまな癌や出生児の先天異常を確実に増やすことになるでしょう。 

 ドイツは福島第一原発事故を知って、すぐに自国の原発すべての廃炉を決定しました。今年の4月15日に最後の原発3基の稼働を実際にとめています。実際に3基の原発のメルトダウンを起こした日本は、次々と原発を再稼働させています。それだけではなくて、耐用年数を伸ばすことまでして、古い原発の稼働まで推進しています。設備が古いので、事故の確率が増すことになります。一般のビルだって、法定耐用年数を伸ばすなんてことはしません。何でもありになっています。
 ドイツと日本はどうしてこんなに考え方が違うのだろうと、被災地の子供が大人になって、その理由が知りたくて、まもなく1年間のドイツ留学を果たします。井上さくらさんといいます、関西へ避難したこの若い女性の母親は自問しています。
あることを見て見ぬふりをしてきたからだ。聞いて聞かぬふり、知って知らぬふり、誰誰さんの紹介だから黙っとけ、誰誰さんがやっていることだから黙っとけって、わたしたちはそうやってやってきたそれで子供はもちろん、先祖から預かってきた墓ですら汚染させちゃったよ
 東京電力や政府の言うことを鵜呑みして「原発は安全だ」と思っていたと。そうではないことが2011年の福島第一原発事故でわかりました。そして12年後、日本は耐用年数を延長してまでまたぞろ原発を再稼働しています。あれだけ手痛い教訓を得たのに、日本人は喉元過ぎればなぜ考えが元に戻ってしまうのか、その理由を探す旅が井上さくらさんのドイツ留学の目的の一つです。「人の噂も75日」なんて便利な言葉がある国ですから、どうしようもありません。それがいいこともありますが、原発安全神話の在ったことと原発事故に遭ったことは忘れちゃいけないのでしょう、同じことを再び起こさぬために。

 グリンピースの鈴木かずえさんは、2018年夏にALPS処理水の検査が行われてストロンチウム90他4つの核種が適切に処理されずに基準値を大幅に上回っていたことを取り上げています。東京電力はストロンチウム除去フィルターが高額なので、交換をケチったのです。薄めて海へ流すのだから、ALPSの方はいい加減でも構わないと考えていたのでしょうね。東京電力の経営体質に関わっている問題です。
 そういう背景をもった「ALPS処理汚染水」を基準値以下に薄めて東電は海洋放出するので、排水は純然たるトリチウム水ではない(62核種ですら基準値を超えるものがある)と鈴木さんは主張しています「福島①」とヘッダーをつけて、投稿欄へ該当部分を転載しておきます。

 政府と原子力規制庁と東京電力は、ALPS処理水はトリチウム水で、トリチウムはすぐに体外へ排出されるので問題がないと言っています。それが科学的に正しいのであって、トリチウム水海洋放出に反対する意見は非科学的だとレッテルを貼り、陰謀論と決めつけています

 戦時中のマスコミは、大本営の発表を垂れ流すだけで、それが嘘であることを報道できませんでした。そんなことを新聞に載せたらすぐに発刊停止処分です。国民の中にも大本営発表が嘘であることは薄々知っていましたが言えませんでした。言えば非国民として断罪されるだけでなく、特別高等警察(現在の公安警察)に逮捕されて拷問・牢獄送りでしたから。
 福島第一原発事故で生じているALPS汚染水の問題に、戦時中の大本営発表や大政翼賛会組織と似たようなものを感じませんか?

 新型コロナワクチンの副作用では2000人以上が亡くなっていますが、被害者救済措置が認定されたのはわずか100余名です。スパイク蛋白に対する抗体で染色すれば、2000人を超える死亡者がワクチンの副作用によるものかどうかは司法解剖で白黒がつきますが、政府はやりませんね。
 感染症学者だけを集めて専門家会議を開催して、生物学者も臨床医もメンバーには入っていません。ワクチンの製造技術すら知らぬ感染症専門家にワクチン副作用の何がわかるというのでしょう。ワクチンの深刻な副作用を取り上げたサイトに、政府は陰謀論のレッテルを貼っています。トリチウム水と同じ構造があります。政府見解と異なるものは「陰謀論」というのが政府の見解です。
 一つ具体例を挙げます。厚生労働省のホームページに感染症研究者の忽那医師の解説が載っています。「mRNAは数日で消える、スパイク蛋白も数週間で消えると言われている」、だから副作用はないのだと書いていますが、これはワクチンの製造技術にもワクチンの人間の体内での働きにも無知なことを表明しています
 国立長寿研究所の職員に対する定期検診とワクチン接種で、抗体価が10%に低下するのは6~7か月後だということがわかっています。『保健医療科学』という学会誌に掲載されています。弊ブログ#4971に詳しく書いてあるのでそちらをご覧ください。つまり、半年間はmRNAワクチンは細胞内にとどまって、スパイク蛋白を出し続けサイトカインストームを引き起こし、脳梗塞や脳出血、多臓器出血のような凝固系障害を引き起こします。炎症性サイトカインが数か月で続けると、抗炎症性サイトカインが分泌され、免疫応答が低下します。それでブレークスルー感染が起きています。これらがワクチンの副作用と実際にメカニズムで、政府見解とは真っ向から対立しますが、陰謀論ではないのです。

 さて、最後に中国のニュースを投稿欄へ「福島②中国編」として掲載します。日本のトリチウム汚染を批判する中国人Bへの「7つの質問」という中国人Aの反論が載せられています。
 トリチウムの海洋放出で一番被害を受けるのは日本人だから、日本人が自らそんなことをするわけがない、だから安全だという主張です。わかりやすいシンプルな三段論法です。
 この論のまずいところは、データに基づいた科学的な根拠が一つもないことです。わたしには判断を他人に預けた完全な思考停止にみえますが、あなたはどのように判断しますか?
 福島第一原発事故で、古里を失った井上さくらさんの母親は、思考停止が一番よくなかったと言っています。あなたはいま思考停止していませんか?

 これまで述べたことは、高校物理・化学・生物の知識があれば理解できます。高校の教科書レベルの知識は世の中の出来事を理解するために最低限必要な知識です。情報を広く収集して、自分の頭でいったん消化し、そして考え、判断しましょう。
 中高生のみなさん、しっかり勉強してください

 ほんとうは、中学校や高校の理科の先生たちから生徒に専門的な説明があると好いのですが、授業中に政府見解と真っ向から対立することを言いにくいのは戦時中も戦後も同じですから、学校教育の場に期待できることはないのでしょう、とても残念です

<余談-1:タンクの中は基準値以上の汚染水>
 134万トンのALPS処理水の7割は、含まれている放射性物質(ストロンチウム90とヨウ素129がとくに大きく基準値オーバー)が基準値を超えており、二次処理しないといけないものです。薄めて海洋放出しなければならないものはトリチウムだけではないのです。
  東京電力の内部資料では、ALPSではいくつかの核種が基準値まで下げられないとされています。9/4付の東京新聞の記事をご覧ください。
 タイトルは「7割は再び処理が必要 福島第一原発の『処理途上水』の実情とは」となっております。

<余談-2:よく取り上げられる研究事例>9/5朝9時追記
 『保健医療科学2021年Vol.70』に「トリチウムの生体への影響と低線量放射線影響研究の課題」という論文が載っています。
 放射線線量を問題にしたもので、トリチウム水の化学的性質、HTOがベータ崩壊するとHeに変わり、遺伝子に切断が起きるということは論じられておりません。つまり、カナダ政府のような観点がないということです。

 放射線線量の閾値だけを問題にして、ALPS処理水の海洋放出は安全だという主張が載っていますが、谷龍哉氏という人の論拠に上記の論文の結論が使われているようです。「生体濃縮」批判に論点をすり替えた議論です、それはそれで論旨が一貫していますが、都合の良い情報だけを集めた議論です。興味があればこちらもお読みください。
*「トリチウムの生体濃縮を根拠にALPS処理水を批判する人に足りない科学的思考

 お話にならないほどバカバカしい議論ですが、少しだけ解説しておきましょう。
 わたしが本稿で挙げたALPS処理汚染水の海洋放出への批判は、原発建設に携わった原子力工学者、トリチウム水を酵母菌や大腸菌の染色体変異研究に利用したことのある分子生物学者であり、どちらも生物濃縮問題を論じていません。だから、谷龍哉氏の主張は不都合な事実を隠蔽する問題のすり替えにしか見えません。
 HTO(トリチウム水)が人間に取り込まれて、DNA材料としてHTOがBTOとなってから、時間が経過するとベータ崩壊が起きたときにHeとなって水素結合が切れて遺伝子を傷害するという話をしました。谷龍哉氏の主張は生体濃縮を前提に、たとえば魚の体内のBTOを人間が食べた話にすり替えがなされています。これは保健医療科学の論文の主張そのままです。つまり、なんにも考えておらず、自分の主張に都合の良い部分を羅列しただけ。
 谷氏はBTOのトリチウムがβ崩壊するとき、そのエネルギーが遺伝子を傷害する可能性があることには触れていません。それは保健医療科学の論文も同じです。そしてTがβ崩壊してHeに変わったときにDNAの水素結合が切れることにも言及していません。これが果たして「科学的思考」と言えるでしょうか?
 視野が狭いのです。本気でALPS処理水が安全だと思っているようです。希釈すれば閾値を越えないので安全だと。環境中に放射性物質が増えれば増えるほど、遺伝子異常が増えるのはモノの道理です。大腸菌の培養の際に培地のHTOの濃度をあげていけばDNA異常は増えます。希釈せずに30年間放出し続けたら結果が十年たたぬうちに出てきます。福島県下で福島第一原発事故以後、小児甲状腺癌が劇的に増えたことを記憶されている人がいるでしょう。放射性物質を希釈すれば、影響がなくなるわけではありません、長期にわたって染色体異常という影響が出るということなのですが、理解できない様子です。薄めたら閾値以下になるので、放射線の影響はないと。しかし、事実は、環境中に放射性物質が増えれば増えるほど、遺伝子の変異確率が上がっていきます。つまり、先天異常やさまざまな癌の罹患率がアップするということです。だから、環境中や人間の体内に放射性物質があるからと言って、環境へ放射性物質を増やしていいということにはならないのです。できるだけ、人為的な放射能は減らした方がいいし、医療用レントゲンの被ばく量も減らした方がいいに決まっています。CTなどによる被曝は、それによって病巣を発見し治療に役立てるというメリットがあるから許容できるのです。原発事故から出た放射性物質を海洋放出して、人間の生命と健康にメリットなんて一つもありませんよ

 骨髄性白血病患者の罹患率は10万人に3~4人ですが、それが10人になっても、被害を受けているはずの国民はまったくわからないでしょう。東北や北海道の太平洋沿岸で魚を比較的たくさん食べる地域の出生児の先天異常や、骨髄性白血病やその他もろもろの癌の罹患率を長期に調査することでしか、その影響が測れません。甲状腺癌を発症した子どもたちをいくら調べても、福島第一原発事故で放出された放射能が原因で発症したとは、その因果関係を証明できないのです。同様に骨髄性白血病に罹患した子供をいくら調べても、福島第一原発汚染水のトリチウムのせいだなんて科学的には証明できません。
 カナダ政府がやったように、政府が大規模な調査をするしかないのです。カナダ政府がオンタリオ湖のトリチウム汚染問題でやったことは、トリチウムの線量ではなくて、化学的性質に注目して、百万人に一人、染色体異常がでることを許容する安全基準を採用するというものでした。それが、7~109Bq/Lという安全基準の意味です。東京電力の60,000Bq/Lでも安全というのが東京電力や原子力規制庁そして政府の主張です。谷龍哉氏の「科学的な思考」と重なっていますね。
 政府見解が正しいという暗黙の前提はやめたほうがよろしい。原発は安全だと言い続けたのは、東京電力と原子炉の設計も建設も運営にも携わって事のない原子力規制委員会メンバーと政府でした。安全神話が虚構であることが2011年3月に3基のメルトダウン事故で明白になりました。だからこそ、政府や東京電力の言うことを鵜呑みしてはいけないのです。政府や東電の言うことは、いつでも批判的に吟味する必要があるということです


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