<最終更新情報>
10/5 午後11時35分 民間会社のプロジェクトチームに関するトピックを追記

  前原民進党党首と小池希望の党代表の二人だけで民進党が希望の党へ合流話を詰めた。前原氏は全員受け入れに小池氏が合意したと思い込んだようだ。小池氏も確認を怠ったのだろう。
  新入社員が能力を超えた仕事を任され、大チョンボをやらかしたというくらいアホな話である。とても大人の仕事とは思えない。受け入れに関して小池氏は「全員受け入れなんてさらさらありません」と発言、防衛問題や憲法問題改正で「踏絵」を迫り、選別ということになった。民進党の議員にとっては寝耳に水、もちろん交渉当事者の前原民進党党首にとっても。

  野党乱立を避け、共産党と社民党を除く野党が一致して自公の与党と選挙戦を戦うという構図がこれで消滅した。忖度政治で国民の信用を失った安倍政権がこのような「敵失」で救われるとしたらよほどの強運だろう。

  仕事としては二人のやったことはじつにまずい。小選挙区で野党が分裂して候補者を立てたら、票が割れて与党に 負ける選挙区が続出する。「都民ファースト」ではなくて、肝心のところで、小池代表の我(=小池ファースト)が全面に出てしまい、政権を奪取するという大仕事を肝心なところで台無しにした。
  民間会社では目標を設定してそれを実現する戦略を決める。各部門長が戦略目標を自部門のそれにブレイクダウンして、実行計画を策定し、単年度計画に落とす。あとは淡々と仕事をすればよい。プロジェクトチームが結成される場合には、各部門から必要な能力をもった人材が集められ、目標が設定される。プロジェクトチームは期限内に目標を達成できる具体的な計画を練り上げ、実行に移す。チームに嫌いな人間がいても、思想信条が異なっていても、仕事には一切関係なし。目標を達成したらプロジェクトチームは解散だ。ルーチン部門に引き継がれるか、既存の部門で間に合わぬ場合は新たな事業部門が誕生する場合もある。

  二人とも、30代である程度の組織で責任ある仕事をしたことがないことが共通している。前原氏は松下政経塾出身者だから、男が一番働き盛りの時に管理職やプロジェクトリーダとして責任をもった仕事の経験がないだろう。だから、仕事の仕方が分からない。小池氏は東京12チャンネルのアナウンサー出身、そこから政治家へ転身、その都度権力のあるものへすり寄り、あちこちの政党を転々としたから修羅場にだけは強くなったが前原氏同様に仕事の経験がない。都知事になってからの仕事に端的に表れている。オリンピックのボート競技場問選定見直しで宮城県や埼玉県とトラブルを起こし、開催地変更という結局自分の主張をひっこめざるを得なくなった。横浜のアリーナの使用に関しても、周辺道路の問題などでトラブルがそのまま。豊洲移転問題でも結局、大騒ぎして豊洲への移転を決めた。あろうことか、移転した後でまた一部を築地に戻すなどという現実離れしたことを宣(のたま)っている。新入社員が社長職をやっているようなもので、二人ともまともな仕事ができる人には思えない、だれか仕事のできる者がブレーンとしてつかないとこのお二人の周辺では次々にこういうことが惹起するのではないか?悪いことは言わぬ、自分に足らぬところを見つめ、自我をひっこめて仕事のマネジメントのできる人間をそばに置くべきだ、そうすれば結果はまったく違ったものになるだろう。

  健全な保守主義を担う政党が育ってほしいのに、自ら可能性を消してしまったかのような最近の希望の党と民進党合流騒ぎの顛末を残念に思う。
  結果としてみれば、主張の異なる者同士の寄り合い所帯が解消されてすっきりした。

  国民の大半は、「もり・かけ」問題に代表される、お友達第一主義・なんでもありの忖度がまかり通る政治にうんざりしている。こうした国民の期待に応えることのできる健全な保守主義を標榜する政党が生まれてほしい。自民党の内部から、そうした健全な保守主義が生まれてもいいではないか。安倍政権は急進主義、すなわち過激派、事を急ぎすぎる。
  政治は仕事でもある。いくつか具体例を挙げたが、それぞれの事の顛末を見る限りでは幼児性丸出し、まるで「お子ちゃま」。


<余談:民主党政権福島原発事故時の菅総理>
*#1334 気になる兆候 Jan. 9, 2011
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-01-09


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