日本の建国はいったいいつだろう?
 竹田恒康著『現代語古事記』から引用して紹介する。

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 日本建国を示す神武天皇即位

 大和平定と神武天皇即位は我が国の建国を意味します。現在2月11日は「建国記念の日」という祝日になっていますが、これは『日本書紀』の神武天皇御即位の記述を根拠に、2月11日と定められたものです。
 ヤマト王権は、間もなくヤマト王朝に発展し、その後一度の王朝交代も無く、現在の日本国につながります。そして初代の神武天皇から、現在の第125代の今上天皇(現在の天皇陛下)まで、連綿と高等が継承されているのです。ですから、我が国の建国を祝う日は、神武天皇御即位以外に妥当する日はあり得ないのです。
 したがって、『古事記』が記す神武天皇御即位までの物語は、日本の建国の物語だったことになります。神武天皇がお治めになった橿原宮は最初の皇居であり、我が国最初の都でもあります。これ以降は、天皇の統治がどのように行われてきたか、すなわち、天皇の統治の歴史が記されていきます。
 ところで、『古事記』からは神武天皇御即位の年代を特定することはできませんが、『日本書紀』の記述によれば、紀元前660年(西暦)となります。これには考古学の見地から反論がありますが、逆に考古学の成果では、三輪山周辺に前方後円墳が作られた三世紀初頭がヤマト王権成立の根拠となるため、どれだけ遅く見積もっても、ヤマト王権は三世紀初頭には成立していたことになります。王権成立の兆しが現れた途端に巨大古墳を造営することはほぼ不可能ですから、王権成立のきっかけは、三世紀初頭からだいぶ遡ると考えるべきでしょう。  140ページ
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 2016+660=2676年

<余談:古事記伝>
 社会科の受験問題をやっていた中3の生徒が、「『古事記伝』の筆者は誰だっけ」と隣の生徒に訊いていた。「本居宣長だよ」と問われた生徒が答えたので、本棚にある岩波文庫の『古事記伝(一)』を取り出し、「これがその本だよ、手にとってみたらいい」と渡した。書名を暗記するだけでなく、自分の手にとってページをくくって眺めるだけでもいい。何かが伝わるかもしれない。


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現代語古事記: 決定版

  • 作者: 竹田 恒泰
  • 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
  • 発売日: 2011/08/30
  • メディア: 単行本

古事記伝 1 (岩波文庫 黄 219-6)

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  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1940/08/16
  • メディア: 文庫

 わたしは読んでいませんが、「新釈古事記伝」が復刻出版されています。値段が7冊で12,960円です。神様の名前の解説がユニークそうなのでそのうちに購入して読んでみたいと思います。

新釈古事記伝全7巻

  • 作者: 阿部國治
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
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  • メディア: 単行本