本田市議ブログによれば、市立根室病院事業で補正予算が組まれた。予算案がでたらめだから、大幅な補正予算は毎年のことだが、本田さんは中身の問題を追及している。

*本田市議ブログ
http://nimuoro.lekumo.biz/honda/2015/09/post-6ec3.html

 「議員協議会に提出のあった説明資料に記載された主な専決内容では、収益的収入において、医業収益の一般会計負担金2,257千円の減額、医業外収益の一般会計負担金・補助金16,366千円の減という内容でした。」

 ところが、これには次のような情報の隠蔽があった。

「後日、配布されました平成26年度市立根室病院事業会計補正予算(専決第1号)に関する説明書を確認したところ、医業外収益一般会計補助金の補正内訳として、医師確保対策に要する補助金109,688千円の増額並びに収支均衡を図るための補助金125,510千円の減額という大幅な財源内訳の変更を伴う補正内容であり、それらの詳細について説明がないまま、地方自治法第180条第1項の規定に基づく専決処分が行われたことは遺憾であります。」

 1861万円の補正のはずが、中身をみると医師確保に対する予算増額1億968万円増額と赤字穴埋めのための繰出金1億2551万円の減額だったのである。
 常勤医の退職が相次ぎあせっているのでしょう。横暴な運営をすれば人の出入りが多くなる、世間ではそういう離職率の高い企業のことを「ブラック」と呼んでいます。みんなで「ホワイト」にしましょうよ。

 年間売上21~25億円の規模の事業で、医師確保費用が1億円も増額が必要になるということは、当初予算がでたらめだということ。どうせつじつまあわせでいんちき予算だから、実績はまったく別になるとつくった病院事務局自体が承知しているから、経営改善なんかする必要もなし、補正予算で予算を実績に合わせる作業をすればいいだけ、こういうことになっている。でたらめなつじつまあわせに汲々としているから根っこから腐ってしまった。
 そういうわけだから、正直で正確な予算編成ができる町にしましょうよ。

 当初予算の費用は他にもでたらめがあったことが次の本田さんの指摘で明らか。

 「今議会に、報告第10号専決処分として報告があった平成26年度最終予算と最終決算額(議員協議会提出資料)において病院事業収益特別利益の引当金戻入益において90,058千円の収入増、病院事業費用医業費用の給与費において100,856千円の支出減と大きな乖離が生じています。」

 怖いことです、こうして何もかもがタガが外れてしまうんです。過年度に退職給与引当金が過剰に積み立てられており、その戻入が9005万円あった。それだけでなく、当年度の退職給与引当金も当初予算が1億85万円過剰に見積もられていたということ。両方で、1億9091万円の予算差異である。

 恥ずかしながら、こういうでたらめな予算案を根室市議会はそのまま承認していた。もう、市側の出す予算案をそのまま認めるのはやめましょう。こんな風にでたらめの限りを尽くしているのだからね。

 決算書が議会にかけられているということは、監査報告書が添付されているということ。根室市の大口取引先である大地みらい信金元専務理事が昨年市の監査委員となったが、利害関係者を監査人に任命した市長の責任は重い。監査が形骸化するので絶対にあってはならないことである。まだ、市民には公開されていないが、監査報告書は「無限定適正」になっているのではないか。
 こういう形骸化した監査は、でたらめな経営や不正の温床となる。論より証拠、長谷川市政になってから、(藤原市政の時代に)年間8億円前後だった病院事業赤字額が17億円に増えている。経営改善は声高に言われるだけで、そのために課長職を増やしても、業者に経営改善を外部委託しても効果がないどころか、赤字額は逆に増え続けた。そしてまともな説明は一度もない。背景には監査が形骸化していることがあるのではないか?

 根室漁船保険組合の横領事件や落石漁業協同組合の使い込み事件は、監査が形骸化していたからこそ生じた。

 適正な人材がいないなら、根室市の監査は監査法人に委託すべきだ。そして病院事業には業務監査制度を導入すべきである。

 文教厚生委員会委員長である本田さんと委員諸氏は断固とした決意で、ふるさとの地域医療を守るために根室市の財政改革に踏み切ってもらいたい。

 やらなければならぬことは、取引業者出身者を市の監査委員から外すことと業務監査制度を市立根室病院へ導入すること。念のために書いておくが、「オール根室村」は市政の利害関係者であり、「独立不羈の第三者」ではないから、監査人の資格なし。
 ようするに、予算編成も監査も基本通りにやればいいだけ。

 本田さんは次のようにも書いている。

 「また、平成26年度の公営企業会計は新しい会計制度へ移行後の初年度でもあり、予算執行については、従前との対比も含め、市民に対してできる限り、解かりやすく、また、適時的確な予算措置に努めるべきであると考えます。」

 予算と決算は民間会計基準で診療科別・病棟別にやり、当初予算比較実績表を病院ホームページで公表すべきだ。こんなことはいつでもできるから、市議会で「民間会計基準での予算・決算公表」を決議すればいい。市民にはずっと判りやすいものになるだろう。事業赤字額が実際にはいくらで、一般会計からの繰出金がいくらになっているか誰にでもわかる。公的会計基準自体が「ダブルスタンダード=インチキ」なのである。
 いい町は各自が自分の仕事をちゃんとすることによって創ることができる。
 


*#3133 市立根室病院に変化あり:常勤医の退職 Sep. 13, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-13

 #3135 いい町をつくる Sep. 16, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-16



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