ニムオロ塾で生徒たちに数学と英語を教えているのだが、根室の中学生の日本語語彙力低下は年々ひどいことになっている。
 たとえば、「形容詞は名詞をシュウショクする」と授業で説明したとしよう、「就職」を頭に思い浮かべる生徒がいる。正解は「修飾」だが、違う漢字を想像してしまったら、話しを理解できない。「就職」を思い浮かべても何も感じなければ文脈を追っていないということだ。話しを聞き流しているだけで頭が働いていない、ほとんど思考停止の状態にあるといってもいいだろう。こういう生徒は本を読ませた「先読み」ができない。クラスの4人に一人くらいの割合でいるから中学校の先生たちはたいへんだ。
  一日は24時間しかないからブカツ、ゲーム、ライン、インターネット等々で時間を食われて読書習慣のない生徒が増えている。

 もう一つ問題なのは年齢にふさわしいレベルの本を読んでいない者が多いことだ。雑談をして試してみても、幼い内容の話しかできない。読書量が少ないうえに、レベルの高い本を読まなければ精神が幼児化するのは避けられない。精神の発達は年齢にふさわしい本や少し背伸びした本を読むことでも促される。嘆いていても仕方がないので、できる範囲のことをしようと思う。

 気力と体力の限界と判断したらめでたく廃業することになるが、それがいつかはいまはまだわからない。仕事を辞めたらもっている本をもう一度ゆっくりと読むつもりでいた。
 書斎にある本が全部で何冊になるか数えたことがないが、おそらく3000~4000の間だろう。半分以上が経済学や会計学、経営管理、システム開発、言語学、哲学、などの専門書群だが、それらを除いても30%ぐらいは中高生にも読める本がある。このままもっていたらいずれはゴミとなるだろうから、いまのうちに塾生や元塾生たちにあげようと思う。
 小説を中心に文芸書などの単行本や新書版の本、文庫版の本を今年は300冊ほど「処分」するつもりだ。たいした数はないが毎年処分していく。
 読書好きな塾生は大歓迎だろうが、日本語語彙が貧弱な塾生は要らないだろうな。ほんとうは語彙力が貧弱な生徒こそたくさん本を読んで、理解したり使ったりできる語彙を増やしてほしいのだが・・・
 まあ、いいか、読書好きな塾生諸君の喜ぶ顔がみたい。

(リストを作成するので、それができたら順次教室にならべるつもりだ、4月中旬からになるだろう)



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