11月25日の北海道新聞朝刊根室地域版に根室市の来年度(H24)予算案の概要が載っていた。小さな記事だから抜粋引用しながら補足したい。
予算規模は
歳入 167.9億円
歳出 174.2億円
収支不足 6.3億円
歳出規模が数年前の140億円台から30億円も増えている。国の財政も危機的な状況を迎えているから、地方交付税交付金がいつ減額されるかわからないから予算規模を小さくすべきなのにまったく逆の「放漫財政」にみえる。
予算規模の推移(「H23予算概要」より)
H18 146億円
H19 142億円
H20 147億円
H21 146億円
H22 155億円
H23 161億円
H24 174億円
こんな調子で予算規模を膨らませていったいどうするつもりだろう?地方交付税交付金がH18~H20年並みに減額されたときには30億円の欠損が出る。蓄えはほとんどないから、借金を増やすか職員給与を減額するしかないが、30億円も職員給与を減額したら8割カット、それとも9割?病院は夕張市のように診療所になる心配はないの?
福島原発事故で除染に500兆円かかるという見積もりまで出てきだしている。国家財政に余裕はなくなっている、いずれ大幅な歳出削減は避けられないとみるのが妥当だろう。
こういうことは大局観が大事だよ。
「収支不足の要因は、赤字体質の市立根室病院への繰り出し金が約12億6千万円見込まれることに加え、歯舞小中の新校舎建設(約6億2千万円)、北斗小の耐震化(約4億円)など主要事業が集中するため。」
歯舞小中の建設も北斗小の耐震化も前々からわかっていたことではないのか?まさか降って湧いた訳ではあるまい。つまり、収支不足の要因にはならぬということだ。十分予測しうることに何の対策もしなかった事実を現しているだけに見えるのだが、違うだろうか?
病院赤字について付け加えるべきは、今年並みに医師が確保できた場合に12.6億円の実質赤字というべきだろう。常勤医師数が減れば実質赤字額は14億円を超えることになりかねない。病院の実質赤字の当初予算額は毎年過小で、後で追加補正措置されるのが恒例になっている。多いときには4億円を超える。
(北斗小の耐震化4億円は不要だろう。生徒数が激減しているから、市街化地域の3小学校は2校に統廃合しても1校1学年80名程度だろう。いまのままで十分収容できる。遠い生徒には送迎のバスを出すことを道庁と学校統廃合を条件に協議はできないか?道の方は学校統廃合で教員の人件費が浮いてくるというメリットがある。)
国家公務員が根室へ家族を連れて赴任したがらないのは医療と教育が原因だという話しを最近聞いた。
根室市の医療と教育へもっと目を向けよう。根室の町をよくするには、まず医療と教育だ。ここを外して「再興プラン」などと叫んでも泡のようなもの、じきに消えてなくなる。
*市のホームページより「H23年予算概要」
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/90f544667780cf46492570c700066ba3/$FILE/H23yosangaiyou.pdf