標記委員会は9日に終了している。11月10日の北海道新聞根室地域版に載った記事を紹介する。
市立病院
繰り入れ増など追求
市議会委 09年度決算を認定
【根室】市議会決算審査特別委員会は最終日の9日、市立根室病院事業会計の2009年度決算を審査した。赤字を補う一般会計からの繰り入れが増加するなど、当初予算と決算が大きく異なることに対して厳しい意見が相次いだものの、同会計を含む全4公営企業会計の決算を共産党を除く賛成多数で認定した。
病院事業会計への一般会計からの繰り入れ(実質赤字額)は11億7300万円で、当初計画より4億2700万円増加。08年度決算と比べても、2400万円増えた。
ただ、人数が多いほど収益が改善するとされる常勤医は16人で、08年度より2人増えた。
このため、神忠志(共産党)は繰り入れが増えた理由を追求。病院事務局の担当者は、夜間や土日の勤務を依頼する出張医に来てもらう費用がかさんだことなどを説明した。
これに対し神氏は、09年度はどのような方針で医師確保に取り組んだのか事務局の考えをただしたが、佐々木利行事務長は「若い医師の招聘に努めたい」と今後についてだけ述べ、質問に明確に答えなかった。(⇒議会無視)
また、1日当たりの患者数は入院が97.1人、外来が574.1人で、いずれも「事業改革プラン」の目標より1割ほど少なかった。
その原因を聞いた瀬谷周平氏(無所属)に対し、担当者は「(市立病院が)市民の信頼を得られていない」と苦渋の見解(それもあるがいま始まったことではないだろう。起債許可をもらうために辻褄併せで患者数を過大に見積もるのが慣例となっている。つまりインチキ予算編成が真の原因だが、担当者はそうは言えない)を示した。(幸坂浩)
*アンダーラインと緑色の括弧書きはebisuが追加した。
< コメント >
不認定は共産党神市議一人のみ。市民説明会開催を含む8項目の要望書を突きつけた3人の市議のうちの一人、瀬谷市議(決算特別委員)は決算を「認定」した。
29.9億円の建て替え補正予算に賛成し、いままた予算と4億円以上も隔たりのある決算を「認定」したのである。あの「8項目の要望書」をH市長は拒否したにもかかわらず、補正予算と決算になぜ賛成したのだろう?
私が言っているのは簡単な話だ。信念に基いた「要望書」だったら、それを無視されたのだから補正予算案にも決算にも反対を貫くべきだ。共産党のように組織の支持がなければ市議会で市側の提案に反対を表明することすらできないのなら、まさしく「オール与党」体制だ。
残念ながら根室には自立した個人といえる市議は一人も存在していないようで、それゆえ何人いても市政のチェック機能は果たせないものであることを根室市民は思い知らされた。
いやいや、「要望書」を公表しただけでもかつてなかったことで大きな変化である、立派なものだと肯定的に受け止めたい。根室に自立して考え行動できる市議が育つのにまだ一世代かかるのだろう。気長に待ちたい。
こうしてH市長の62億円の建て替え機関車は市議会というブレーキをなくして暴走を始めた。すぐ向こうには実質赤字15億円超への拡大による起債不許可というリスクが待ち受けている。
H市長と市議たちの責任は重く、とても負いきれるものではない。このままでは災厄は病院の診療所化と市財政の著しい悪化となって市民へ降りかかる。
*#1276 建て替え工事入札にはリスク条項の説明が必要では?
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-12
#1271 「医師6名の退職と37.3億円の起債不許可のシナリオ」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-07
#1267 「病院建て替え(挽歌):破たん前の夕張市に酷似」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-1-2