「広報ねむろ11月号」が配られた。町内会組織を通じて配られているようだ。根室らしい。町内会組織の強さは全道指折りで、全道に稀なNPO法人がゼロの町である。裏返してみれば、古い体質を温存して発展性のないマチということ。仔細に物事を観察すれば、根室のマチの本質がいたるところに現れていつことに気がつく。

 H市長は「出前講座」で病院問題について市民へ説明すると市議会で発言した。しかし、但し書きについての説明はなかった。不都合なことはつねに隠す、というのがこの市長の基本方針のように私には見える。揚げ足を取るつもりはないが、私の耳で聞いただけでは心配だから、新聞記事の該当部分を以下に引用する。

 また、一部市議が市民説明会の開催を要望していたことについて、長谷川市長は「(11月からの)まちづくり出前講座のメニューに市立病院を掲げた」と述べ、10人以上の市民でつくる団体が希望すれば、担当職員が説明に出向く考えを明らかにした。

 コメント欄へ投稿があり、「広報ねむろ」に出前講座の説明が載っており、批判をするなら説明はしない旨の但し書きのあることを知った。確認したら、「その他」の説明の3番目に次の但し書きがあった。

「(3)政治・宗教・営利を目的にした催し、批判苦情処理個別相談等への職員派遣は行いません。」

 三人の市議の市民説明会開催要求を拒否しただけではない、批判を封じて一方的な説明で済まそうということらしい。根室の地方自治はこの程度だということだ。
 経営や収益見通し等、基本的なことが明らかになっていないのに、これでは聞くこともできない。「批判」をするなら説明しないということのようだ。
 民主主義というのは多様な意見、そしてそれらの対立を前提にして成り立つもので、相互批判は健全な民主主義を育てるために不可欠なものである。批判を許さない政治は中国や北朝鮮に見るように、「一党独裁」の専制政治の特徴である。
 「根室市まちづくり出前講座」となっているから、根室の市政は批判を封じたまちづくりをしたいらしい。「根室再興プラン」とはそういうまちづくりだったのか?
 総務課広報広聴担当となっているから、総務課長や総務部長がそういう考えなのだろうか?もちろん市長が市民にオープンなスタンスをもっているなら、このような出前講座の但し書きを認めるはずがないから、H市長はまちづくりの基本に市政への批判を許さないという、原理原則をお持ちなのだろう
 以上は7ページにあった
「市の取り組みや課題を分かりやすく説明します」
「根室市まちづくり 出前講座」
へのebisuの感想である。

 次に、3㌻に「協働のまちづくりと行財政改革の推進」という項目があるのでそちらもみて感想を述べたい。H市長の提唱する「「ふるさと再興」、希望の根室へ」 と題した文から少し抜粋する。

「~、市全体での「あいさつ運動」、「声かけ運動」などのコミュニティの活性化や~などに取り組みます」
「市民との協働による円滑な行財政経営の推進」
「「第五次行財政改革」と着実に推進します。」

 効果のない改革ほど「××次行財政改革」と何度でもお題目に使われる。効果があるなら1度ですむ。効果のないものほど次数が上がる。
 批判を許容しないコミュニティの活性化などありうるのだろうか?批判を許さないで「希望の根室」が語れるのだろうか?批判を許さず「市民との協働」というのは何なのだろう?協働とは一方的な関係ではないだろう?言いたい事も言えずに我慢してだまって共に働くことが協働か、そうではあるまい。相互に対等な者同士の関係をいうのだろう。
 そもそも「協働」という言葉の意味、日本語をわかって使っているのだろうかという疑問がわく。大人がこのような体たらくでは中高生に笑われますよ。

 病院問題についても次のようなお題目と説明が続く。
「市立病院の医療体制の充実と建設の推進」
「市民の命を守る市立根室病院について、安定的医師派遣システムの構築や医療従事者の確保などをはじめとする医療体制の充実と経営健全化に最善を尽くすとともに、長年の懸案事項であった「新病院建設」は平成24年秋の官制に向け、着実に推進します。」

 そう言いながら、建て替え後の現実的な損益計算書すら示していない。常勤医師は年末までに4名退職とうわさされている。すでに2名がうわさどおりに退職した。来年3月末にはさらに2名の退職がうわさされている。そして最近産科医の招聘で不手際があった。こういう状況は世間では「不安定」という。そして「医療体制の充実」ではなく、「医療体制の崩壊」というのが常識だろう。「経営健全化に最善を尽く」した結果が、これなのか?
 言っていることと現実が天と地ほども離れているので、言葉の意味がお分かりになっていないように見える。そして目の前の現実が見えないようだ。

 H市長がなんだか根室の金正日に見えた来た。意味不明の「オール根室」は金正日を支える「共産党朝鮮労働党*」なのだろうか。

 とにかく、病院建て替えは基本仕様や総事業費の明細すら最終的なものが市民へ示されないまま、建て替え後の損失規模も明らかにならず、常勤医が16名から10名へ激減する中、進められる。
 今年度の実質損失は14億円前後になるだろう。医師補充がうまく行かなければ、来年度の実質損失は15億円を超える。病院の経営破綻リスクが膨れ上がる。打つ手があるなら説明して欲しい。
 建築途中で経営破綻したらどうするのだろう?破綻させないためには5年程度は年額15億円以上の財源を捻出しなければならないが、これは建て替え分を含まない金額である。
 一般会計で実質損失を全額補填できれば残りの起債を道は認めるだろうが、それがどうやったら可能になるのか?
 わからないことだらけで、とにかく突っ走り始めた。

 周りは岩礁だらけ、ここは進路を確認しながらゆっくり船を進めるべきだろう。ところが見張りも立てずにスピードを上げている、船が難破するのは当然だろう。誰のためにそのように急ぐのだろう?半年遅らせて再検討するだけで、難破は避けられたというのに・・・


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*コメント欄に北朝鮮は共産党ではなく労働党であるとの指摘がありました。その通りなので訂正いたします。(5日12時15分)