特別会計の事業仕分けで埋蔵借金34兆円が問題になった。地方財政の補填のために自治体に借金をさせ、後年借金償還時に交付金で半分補填しようというものである。正式名称は「臨時財政対策債」*という。

 国家財政の逼迫の度合いは地方の比ではない。税収の20年分以上の借金の山がある。いずれこの制度を整理せざるを得なくなるだろう。

 ところで建て替えの起債は38億円である。このうち過疎債の70%、企業債の22.5%が交付税措置の対象だという。したがって、根室市の実質負担は20.4億円だというのが市側の説明**である。

 臨時財政対策債と病院建て替えで利用する過疎対策事業債や公営企業債は別物ではある。
 しかし大本の臨時財政対策債が仕分けの対象となった。
 まもなく、国の借金だけで1000兆円を超えることになる。そのあたりでなりふり構わず交付税措置がなくなる可能性がでてきたということだ。
 先のことは誰にも分からないから、当てにならないものを当てにしてはならぬとebisuは思うが、はて大丈夫と誰が言いきれるのだろう。

 そもそも35億円程度で済むものを60億円以上もかけることが異常なのだ。補助金をもらうから、交付税措置で後年時負担を軽減できるから法外にコストをかけてもいいなどという感覚は異常であり浅ましい。補助金も税金であり、突き詰めると国民である私たちが増税で負担することになる。
 コストカットを全力でやって、その上で足りない分を過疎債や企業債で穴埋めし、その一部を交付金で補填するというのが筋だろう。

 仕事柄、毎日小中高生と顔を合わすから、大人としての責任を感じざるをえない。彼ら・彼女たちに大きな負担を残すようなことをしてはならぬと思うのである。まずは経営の見通しが最重要である。年間15億円を超える実質赤字が5年も出たら、建て替えの総事業費を超える。出血が少なくなるような建て替えを考えるべきなのだろう。そういうことを無視してH市長は財政破綻へ向かって走り続ける。

 医師の招聘の仕方をみても、病院建て替え総事業費と財源をみても、何でもありという考えが蔓延しつつあるように感じる。どこかタガが外れて、節度を失いつつあるのではないだろうか。根室人はもっと誇り高かったはずだが、なさけないな。

*「臨財債:埋蔵金34兆円 自治体名義 国が補填」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101030k0000m010094000c.html

**本田市議ブログ「新病院建設事業費及び財源内訳」
http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/10/post-0311.html




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【根室市の文化祭】
 ところで、今日は文化祭が開かれていた。市の総合文化会館で書道と絵画展が開かれていたので、ちょっとのぞいた。4時少し前だっただろう。H市長が絵を見ながら立ち話をしているすぐ横を通った。1mあっただろうか、視線は合ったが、話している最中だったので割り込んでの挨拶はしなかった。