<最終更新情報>
 
2/23朝8時

 2/18からはじまった根室高校の学年末テストが今日(2/21)で終了する。
 数学Ⅱのテスト範囲は三角関数、指数関数、対数関数まで、「5章 微分と積分」は試験範囲に入っていないし、まだ授業もやっていない。卒業式と高校入試が入るので、授業ができるのは実質2週間程度、もう時間がないから、さっとなぞって終わったことにするのだろう。理系大学進学者は困ったことになる
 12年ほど前には、数Ⅰを1/20までに終了して、1/21からは数Ⅱをプリント授業でやっていた。あの根室高校普通科はどこへ行ってしまったのか?数Ⅱの内容は数Ⅰに比べて盛りだくさんだから、根室高校の平均的な学力の生徒たちは前倒しでやっておかないと間に合わないという意識が、当時の先生たちにはあったのだろう。ちゃんと微分積分をやっていた。大きな流れを俯瞰すれば、そういう配慮がなされなくなり、3年前の高校統廃合の失敗も重なり、入学してくる生徒たちの学力が急激に下がってついに学年末テスト前に微分積分の章に手が付けられないという事態を招くほどひどくなってしまったということなのだろう。後述するが、体制の立て直しは可能だ。学校統廃合のときに具体的に準備しておくべきことがあったが、統廃合検討委員会の面々は市内の中学生の具体的な学力データを見ておらず、準備がなされなかっただけ。人災である。見識のない者たちが身の程を知らずに委員を引き受けると、こういう「災害」を引き起こす。データを提示して、根室高校の数学や英語や国語の先生たちと、学力格差拡大に対する対策を具体的に話し合うべきだった。わかったふりが一番いけない。

 コミュニケーション英語は第6章83頁までが学年末試験範囲だが、教科書は「10章+リーディング2個」+「listen & speaking 5個」で169頁あるので、半分しか消化してない。1年生は8章、121頁までが試験範囲になっている。151頁まであるから、1年生は80%の消化率である。
 年度当初に授業計画案は各担当が作成して、教頭や校長がチェックしているはずだが、このありさまでは機能しているとは思えない。機能しているなら、職員会議で蜂の巣を突っついたような議論がなされているはず。

 なぜ授業の進捗管理が悪いのか、考えてみる必要はあるだろう。とくに2年生の英語は異常である。こんなひどいのは見たことがない。保護者はこういうことにはモノを言っていい。学校をよくするためには必要な批判である。PTAは面と向かって言いづらいだろうが、こういう重大な情報を子どもを通して知りうるのだから、次に入学してくる生徒たちのためにモノを言わなきゃだめだ。言えば、学校側だって真剣に改善に取り組むはず。

 担当の先生たちの味方も少しは試みたい。数学は理由がわかる。3年前の無責任な高校統合によって学力格差が拡大したが、習熟度別クラス編成とクラス・メンバー入れ替え制度はそのまま、それが原因だろう。進度を合わせないと共通試験ができない。クラスによって3割くらいは問題の難易度が違うもので実施している。現場の先生たちはこういう風に試行錯誤している。
 数Ⅱは進度を遅いクラス(ガンマ2、ベータ1、ベータ2)に合わせることをあきらめるべきだ。最上位のガンマ1クラスの数Ⅱは12月末で終えるスケジュールでいい。最上位クラスに限っては、速度重視、ついてこれないものは振り落としていい。そして学期途中でのクラス・メンバー入れ替えはガンマ1クラスの生徒が授業についていけなくなって、申し出た場合にのみ(一方通行)認める。学期の途中での「相互入れ替え」はベータ1とベータ2の間でのみ行う(ベーシック数学のアルファ1とアルファ2は科目が違うからもちろん別扱い)。これは運営上の大きな政策転換ですから校長の仕事です。
 英語についてはお味方できない。どういう授業をやれば1年間で教科書半分しかやれないことになるのかわからない。わたしには想像のつかない理由がなにかあるのだろう。
  昨年10月から、2時間10回の特訓授業を実施。対象は高2の生徒5人、数学は得意だが英語が大の苦手の生徒たちに高3の教科書を使った。20時間で4章消化できた。音読中心、各文5-20回の音読、そして全文文型解説している。20時間あればそれだけできる。音読中心だから無駄話は少ない。(笑) 50分授業なら24回分だから、96回の授業が確保できれば、2年生の英語が苦手の生徒でも三年生の教科書、「コミュニケーションⅢ」全部を終われる。では実際の授業時間数は学習指導要領ではどうなっているのか?
 コミュニケーション英語Ⅱへの配当時間は4単位、1単位35時間(50分授業)だから、年間140時間の授業時間が確保されている。こんなにたっぷりあるのに、学年末試験の前までに教科書半分の消化率というのはわたしにはさっぱりわけがわからない、当惑している。
*学習指導要領解説「英語編」より:「標準単位数」
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/01/29/1282000_9.pdf

 このままでは、学力が下がるし、受験にも影響が大きい。英語の教科書が半分しか消化できない、数Ⅱで学年末試験までに微分積分の章をやれないなんて、ひどい話だ。そういうことと直接関係があるかないかはわからぬが、この3年間進学実績が下がりっぱなし。

 現時点で、高校生に数学と英語を教えている塾は根室にはニムオロ塾しかない。個別指導で月火木金の4日間だけだから、生徒数は20名前後が限度です。根室の町には十分かもしれない。
 学校の授業が大学受験にマッチしてなければ、独力で勉強するかネットで無料のユーチューブ授業で勉強するか、Z会の教材で学習するか、塾へ行くしかないが、中学校の学力テストで平均点(300点満点で110点付近)以下の生徒が自立的に学習するわけもないし、普通科に入学してくる生徒の2/3は標準的な普通科の授業についていける学力をもっていない。150点以上でなければ、普通科の標準的レベルの授業についていけない。120人中40人いるだろうか?
 ニムオロ塾が4月から新規に受け入れられるのは数人のみ、いつのまにか高校生が8割を超えてしまう

 そういう厳しい教育環境事情があるのだから、生徒たちのために、来年は英語も数学も、1月末までに教科書を全部終わるように改善してもらいたい。..... m(_ _)m
 学校教育が基本、塾は小さな補完機能を果たしているにすぎぬ。

 町の礎は人、人を創るのはまずは教育、そして大人になったらまっとうな仕事を繰り返してスキルを上げること。根室の最高学府は根室高校、その根室高校の教育がダメになるなら、町は衰退するしかなくなります。昨年根室市内に就職した根室高校卒業生は36名、彼ら・彼女たちが根室を支える主力です。大学を卒業した者たちはほとんど戻ってきません。高校教育が地元企業と地元経済にとってどれほど重要かわかります。教育問題を放置しておいて、人材が採用できないなんて嘆く資格なし。
 市民や市議や市長が、そして地元企業経営者たちが教育に関心をもてば、なんとかなできるはず、自分たちの町は自分たちでなんとかしよう。
平成30年度卒業生進路実績:

http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp/?action=common_download_main&upload_id=3103
 
市内の企業に就職する若者が減っています。経営改革をせず、旧態依然の地元企業が若者から見放されつつあるということ。将来に希望の持てる企業に人材は集まるもの、だから、地元企業は経営改革を怠ってはいけない。決算情報の公開、予算制度の導入、業績とボーナスのリンクくらいは最低限のことにすぎぬ。経営者は夢を語り、夢を実現する経営能力を磨け渾身の力で学ばなければならないのは、新入社員よりも、企業経営者である、そのことに異論のある人はいないだろう。その点では塾の先生も同じ。自ら学ばずして生徒たちに「勉強しろ」「勉強が大事」なんて台詞は言えぬ。

*#4014 教育と地元企業の経営改善こそが町の未来の決め手 Jun. 9, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-06-09

 #4175 ようやく対数関数に… Feb. 5, 2020
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2020-02-05




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