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#4806 高1ベネッセ模試結果(2):根室高校の偏差値はいくつ? Aug. 14, 2022 [71.データに基づく教育論議]

 前回#4805の続編を書きます。根室高校普通科が全国の高校普通科でどういう位置を占めているのかデータで確認してみようというのが今回のブログの目的です。前回アップしたデータをもう一度ご覧ください。
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データを(校内平均、全国平均、全国平均からの差)の順に並べてみます。
   国語 (29.5, 37.6, -8.1)
   数学 (16.3, 32.8, -16.5)
   英語 (19.0, 33.9, -14.9)
3科目合計(64.9, 104.4, -39.5)
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 3科目合計点の校内平均が64.9です。生徒一人のデータがあれば、全国平均点と標準偏差が計算できます。
 偏差値の計算式は
   50+{(得点-平均点)×10}/標準偏差

 計算すると、標準偏差は40、全国平均点は105点です。
 この二つのデータから、根室高校の3科目総合平均点64.9を使って偏差値を求めると、40です。百校中84位の学力レベルですから、下から16番目と言った方がわかりやすいでしょう。
 進研模試の3科目合計・校内平均値データから、根室高校普通科の偏差値は40だと言えます

 つまり、根室高校で真ん中の成績の人の得点65点は全国偏差値40ですから、成績下位16%の学力です根室高校普通科で真ん中の成績というのは、お話にならないくらい低学力だということです。全国基準では、百人中84番ですから。こんなに学力が低くて、社会に出てから戦えますか?ほとんどがサラリーマン、そして非正規雇用、根室高校で真ん中くらいの人たちはとっても苦労すると思います。

 全国偏差値50を基準にしてみると、3科目合計点得点105点以上の人が該当しますから、15人ほどいそうですね。つまり、根室高校普通科の上位12.5%のみが全国平均を上回る学力だということ。
 全国偏差値60(上位16%)は145点ですから、この辺りが根室高校トップの成績でしょう。
 2018年のテストで学年トップ、2021年2月に旭川医大へ現役合格した生徒の偏差値76.7は、今回のテストでは三科目総合点で211点になります。64点の差があります。

 北大医学部や京都大学理系クラスの難関大学へ合格するには、最初のベネッセ模試で偏差値70を超えることが最低条件でしょう。それには、中学卒業までにどれくらい学力ん基礎を固めたかがモノを言います。
 偏差値60に届かない生徒は中学校の基礎に穴がいくつも空いています。だから、北大総合理系レベルの偏差値の大学(「みんなの大学情報」偏差値57、「ベネッセ偏差値」64-65)でもかなり厳しい。

 根室高校の面白いところは都会の偏差値40の高校とは違って、学力幅が大きいことです。例えば首都圏の偏差値40の高校は底辺校ですから、全国模試で3科目総合偏差値が60の生徒なんていやしません。42±5くらいのところに生徒の90%が固まってしまいます。そんな学校から国立大学医学部への進学なんてありえません。

 平均値を見ると底辺校ですが、学力幅が大きいので、5人くらいは北大総合理系に現役合格出来ても不思議ではないのです。そういう奇跡は一度も起きていませんが、昭和44年頃に浪人含めて7名が合格したことがあったようです。
 北大総合理系レベルなら、毎年5-10人くらいの現役合格者を出すことは、中高での育て方次第なのです


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コメント 4

ネイマール

一部理系の難易度を甘く見積もっているようなのでコメントいたします。

北大医学部や京都大理学部、工学部を目指すのであれば、高1の7月の進研模試で偏差値80を超えることが最低条件

北大総合理系、を目指すのであれば、高1の7月の進研模試で偏差値70を超えることが最低条件

ではないかと思います。

理由
1.難関私立中高一貫校の高3生の8割(8割以上)の生徒が理系を選択している。

2.公立トップ校を始め、公立難関校に理系の生徒が多い。

3.北大総合理系を目指す首都圏の理系受験生が増加

4.「みんなの大学受験」の偏差値が、河合塾の高3・高卒生の2次試験の偏差値を2.5刻みで算出しており、北大の総合理系前期試験の偏差値の「57.5」は「57.5以上60.0未満」を表している。

5.北大の総合理系の2次試験は3教科4科目(英語、数学、理科2科目)、北大総合文系の2次試験が3教科3科目(英語、国語必須、数学と地歴公民から1科目選択)。北大総合文系は河合塾の全統模試の偏差値が高くでやすい。

国公立理系で難関大の条件は「2次試験で3教科4科目で河合塾の高3・卒業生対象の全統模試で55.0以上57.5未満」(九大の理系学部の偏差値を基準)だろうと思います。
by ネイマール (2023-10-20 23:17) 

ebisu

ネイマールさん

おはようございます。
お話よくわかります。
ネイマールさんがおっしゃるのは都会の進学校で学ぶ高校生についてのことのようですね。それなら、1年の進研模試で偏差値80以上というのは同意いたします。

わたしが言っているのは田舎の偏差値45以下の高校の話です。しかも地域に1校しかないそういう高校で学ばざるを得ない、学力の高い生徒の話です。

受験勉強のスタートも小5の1月からスタートした生徒のことを脳裏に浮かべて描いてましたね。
進研模試の最初は偏差値75くらいだったかな。すぐに80までアップします。田舎でスタートが遅い生徒は学力が伸びきっていないのです。だから、1年生7月の進研模試の結果が偏差値70でも十分戦えます。

これが、小4からのスタートだと、都会の難関中高一貫校の生徒と高1で張り合えるでしょうね。
ようするに、都会の進学校で勉強する生徒とほぼ同じ速度で個別指導したらいいだけのことですよ。

授業の合間に、社会問題や経済問題を取り上げて対話を重ねるので、好奇心が広がり、社会はかってに成績が上がってしまいます。標準的な難易度の問題なら、大学ゼミレベルの対話が可能な生徒がたまにいます。

音読指導で取り上げるテクストはどんどんレベルを上げるので、都会の進学校で読書好きな生徒と同等以上の読解力もつきます。そういうインプットを前提にアウトプットができますから、小論文や面接ではずいぶん有利になるようです。

O君には北大医学部を受験してもらいたかったのですが、国立ならOKと旭川医大の道北・道東推薦枠で受験しました。根室高校の先生たちの反対を押し切っての受験でしたね。
1次で、受験者26人の半数を足切り、二次試験の小論文で295点(300点満点)でした。ここで圧倒的な差がつきましたので、総合成績では進学高から受験していた他の生徒たちを抜いて、道北・道東推薦枠で現役トップでの合格でした。そういう攻略ルートもあるのです。
私の方はそんなルートがあるなんて7年間予想もしていませんでしたよ。(笑)

北大医学部を受験してほしかったのは、根室高校から過去1人も現役合格していないからでした。授年した生徒すらいなかったと思います。でも、あいつは医者に慣れたらいい、でも、最低国立大は譲れないと強い意志をもってました。
七年間指導した私の本音は北大医学部を受験してほしかった。7割くらいの合格確率があったと思っています。北大医学部も地域推薦枠があるようです。地域医療を支えるという意味で、これからもその重要性は増すのでしょう。
地域医療の問題も、早く塾へ来たときには取り上げてました。お父さんが開業医ですから、よく知っていました。臨床診断システム開発は地域医療や医学教育にとっても関係が深いシステムなのですが、専門的過ぎるので、授業の合間には取り上げていませんでした。面接で遠隔医療の話題が出たのです。(笑)
「臨床診断支援システム開発と事業化」の話をしておけばよかった。1986年にSRLに在職していた時に起案して創業社長の藤田光一郎さんのOKをもらってフィジビリティスタディをしました。NTTデータ通信事業本部と会議して時代が30年早いことがわかって、あきらめました。エキスパートシステムでした。10個のプロジェクトの内、実行に移したのは「臨床検査項目コードの標準化」だけでした。大手六社と臨床病理学会臨床検査項目コード検討委員会の櫻林郁之助先生に協力願って、1991年に日本標準臨床検査項目コードが完成。それ以来32年がたちますが、全国の病院やクリニックで使われています。わたしは世界標準を作るつもりでした。

田舎の偏差値45の高校には伸びしろの大きい生徒が毎年数人います。私の母校の根室高校もそういう中のひとつです、玉石混交。小4から上手に個別指導できたら、北大医学部を受験可能なくらいのレベルの生徒が毎年数人いるということです。ましてや医学部以外の北大は難易度が医学部よりは低い。だから、北大総合理系に合格できるような生徒が、育て方さえ間違わなければ、毎年5~10出るというのは、古里に戻って20年間小さな私塾で生徒たちを観察し続けた結果のことなのです。

難関大学受験には小4からの長期の受験戦略が必要ですが、都会の中高一貫校にはそういうシステムがあります。
田舎の高校生は潜在能力が高い生徒がいても、教育戦略がないため潰されていきます。
とっても残念だ共います。
by ebisu (2023-10-21 10:27) 

ebisu

小5の1月スタートでしたので、根室高校から現役受験に間に合うかどうかは、本人次第と判断し、合格できるような学習スケジュールを引きました。小4スタートだったら、京大医学部や東大医学部受験もできたと思います。

国語が苦手だったので、国語の問題集は一切やりませんでした。
読解力がつけば問題なくなりますから、音読指導に力を入れました。読むだけでなく、読んだものを採りあげて、書き手の意見のまとめ、それとは違う意見、自分の意見と常に対比しながら個別音読指導でした。17冊の音読リストは、弊ブログで数回取り上げていますの検索してご覧ください。

数学は好きだったから、シリウスを独力で1.5倍速でやってました。わたしは時々質問に答えるだけでした。もっとも、シリウスシリーズで頻繁に質問が出るような生徒では、国立大医学部受験は無理です。青チャートよりもレベルが高い、そして問題量が10倍ほどもあります。
受験が厳しいのは、難易度の高い問題をたくさんこなしておかないと、安定してこうと高得点が獲れないというところにあります。

物理と化学は高校の先生の協力が必要でした。学内で模試が2位の生徒を誘って、7時間目に補習をしてもらうように交渉してみたらと提案したら、すぐに実行に移して、物理のY先生と化学の、イニシャル忘れました、根室高校の卒業生です、そのお二人に協力してもらっていました。3か月くらいだったかな。レベルが高くて高速授業ですから、他の生徒はビビッて、参加したのは結局2人だけ。その生徒も翌年北大総合理系に合格しています。

地域の学校と私塾の協力があれば、高学力の生徒を潰さずにすみます。
古里は高学力の生徒たちを育てる地域であってもらいたい。地域の未来のためにも高学力層の高校生が難関大学へ多数合格することは影響が大きい。
地域医療ひとつとっても、地元出身の医師が10名もいたら、地域医療は劇的に変えられます。

20年かけて、大学受験の長期戦略はブログに記録してあります。
具体的な戦略と地域の学校の協力がなければなしえないことです。
by ebisu (2023-10-21 10:55) 

ebisu

訂正

「安定してこうと高得点」⇒「安定して高得点」
by ebisu (2023-10-21 16:06) 

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