6/30北海道新聞28面のタイトルは次のようになっている。

 領土「足がかり見えぬ」
  日ロ会談 元島民、落胆深く

 関係者のコメントを北海道新聞から引用する。
 ①千島歯舞居住者連盟根室支部長宮谷内亮一さん76歳

今回の会談で何か足がかりがあってほしいと思っていたが、まったく見えない。進展がなく残念だ」
「戦後74年、領土問題は置き去りにされてきた。ほんとうに悔しい。そろそろ現実的な対応をしてほしい
 ②千島歯舞居住者連盟副理事長河田弘登志さん84歳
この状況(元島民の平均年齢84歳)を見れば、一日も早く解決してほしいというのがわたしたちの偽らざる願いだ。首相も肝に銘じてほしい
 ③択捉島出身で札幌の岩崎忠明さん85歳
交渉はずっとロシアペースだ
道がなかったり、ロシア側が訪問を認めなかったりする墓地もある。墓参できる墓地が増えなければ、航空機を使えても意味はない
 ④石垣根室市長
一定の進展を見た
ごみの減容対策は根室市が主体的に担わなければいけない。(四島に対し)分別や減容の指導もできる。できることから一つずつ積み重ねることが領土問題の解決につながる

 元島民と根室市長のコメントには温度差が大きい。元島民の返還運動団体である千島連盟は市長と一緒にやっていけるのかね?


<六月末日:日めくりカレンダーの金言>
 努力なくば、安楽もなく、休息もなし


<北方領土返還戦略の作り方>
 北方領土返還運動を担う千島歯舞居住者連盟も手詰まりである、なぜかというと具体的な返還戦略がないからで、どうやれば北方領土の返還が行われるのか自分たちの頭で考えてこなかった。政府にただお願いしてきただけ、そしてビザなし交流や墓参を政府予算丸抱えでやってきたことを反省すべきだ。自分たちの問題しか視野に入っていないことも運動が広がらない原因の一つである。領土問題は北方領土だけではない、尖閣列島も竹島もある。引揚者は北方領土からだけではない、樺太からも満州からも朝鮮からもパラオなど南の島々からも、土地や家屋ややっていた事業、財産すべて失い命懸けで引き揚げてきた人たちが他にもたくさんいる。国民に共感をもってもらいたいなら、こういう人々にも共感があってしかるべきだろう。
 一度、内部で議論してみたらいい。思いつくままいろんな事項を列挙して、整理すればいい。KJ法*やワークデザイン法*を利用して分析し、そういう作業をベースにしてPERTチャート*にイベントを並べて具体的な北方領土返還戦略をたてたらいい。仕事は段取り八分、やり方次第である。方法論を間違えているから70年間ロスしてしまった。

 もちつもたれつの関係を解消する時期に来ているのではないか。このまま「お願い」運動をしても進展はない、千島歯舞居住者連盟の二人もそう言っている。具体的な領土返還論、返還戦略を自分たちで真摯に議論して、公表したらいい。政府の外交政策と真っ向から衝突するよ、そういう覚悟がないなら現状維持、「お願い」返還運動で満足するしかない。他人任せにしていたからこういうことになる。
 弊ブログ#195を参考にしてもらいたい。そしてわたしの案を鼻で笑えるような具体的なシナリオを考えだして公表したらいい。返還運動を政府任せにしてはいけない、どうしてほしいか各人がそれぞれ考え抜いて、具体案をまとめ上げて表明したらいいのである。

*KJ法:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/KJ

*ワークデザイン法:日本創造学会
http://www.japancreativity.jp/category/work-design.html

*PERT chart:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/Program_Evaluation_and_Review_Technique



*#2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012

#2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012

#1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012

#195 すこし過激な北方領土返還論:MIRV開発・組み立て・配備・解体ショー



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