今日から9日間ニムオロ塾は休みである。いい天気、1時半ころマウンテンバイクで1番川までサイクリングしてきた、往復15㎞。午後2時の気温18.1度、北北東の冷たい風5.1m/s、湿度66%、根室で湿度が70%を切ったのはすくなくとも7/1から一度もなかった、久々にからっとした快適な一日である。

 高校1年生が7月に受けた進研模試の結果データが公開された。ベネッセのホームページを開き、所定の欄に個人別に発行されているパスワードを入力すれば、自分のデータを閲覧できるらしい、便利な時代だ。
 3科目の受験者総数は462,889人。15歳未満の総人口は1559万人*だから、15で割ると104万人である。おおよそ同世代の44.5%が受験していることになる。
*総理府統計局ホームページ
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2017np/index.html

 平均点が個人票に載っているので標準偏差(SD)を計算してみた。

    平均点 標準偏差
 国語 42.9  14.46
 数学 31.8  18.09
 英語 33.7  17.17

 受験している46万人は日本人だから国語のSDが一番小さいのは当然である。国語で偏差値70を超えるためには、出題者がどのような回答を期待して設問をつくったかが読めなければならぬ。何にポイントをおいて点差をつけた採点をするのか、採点ポイントが読めるようになればいい。しかしだ、これは本文の読解力とは何の関係もないことで、そんなことに慣れるのはあまり感心しない、勉強の本質とはかかわりのないことでくだらないからだ。読みのスキルアップの妨げになるから要注意だ。採点ポイントに意識をおいて設問と本文を比べ読みする癖がつく。
 センターレベルの出題がなされる数学がのSDが一番大きいのはあったりまえだろう、先行して学習し難易度の高い問題に取り組んでいなければ70点以上の得点は困難である。学校の授業レベルの問題集では50点程度がせいぜいだろう。偏差値80を狙うなら、最低でもセンターレベル、あるいはそれより少し難易度が高い問題集を消化できれば効果がある。平均的な学力の生徒に1年次からセンターレベルの問題集は消化不良を起こしてかえってよくない。使う問題集の難易度は生徒の学力とどの程度アップさせるかを測りながら決めている。

 英語は数学に比べてSDが少し小さい。できる生徒にはいままで精読(英文を読み継いで書き写し、英語のまま意味をつかみ、日本語の文章で表現してみる。大事な個所は「大和言葉落とし」までやる読解)を強いてきたが、過去問をやったら時間が足りないというので、長文を速度を上げて読むコツを一週間前の教えておいた。すぐ呑み込めたようだ。週1で2時間速読トレーニングに充てれば3か月で偏差値80をクリアできるだろう。英語の偏差値80は得点でいうと85点付近。

 SDが大きいということはデータのばらつきが大きいということである。テストが終了してすぐ、自己採点させて、全国偏差値を試算していた。数学のSDを17、英語を16、国語を15と仮定しての試算値であった。おおよそが見当付けられたら十分である。
 学力が一番高い生徒は三科目偏差値が75くらいと試算していたが、超えていた。英数2科目だと80に近い、英語は中学生になるまで教えていない。それでも学年トップクラスの成績がとれる、勉強の仕方次第ということ。国語だけが偏差値70を切った、ここに課題がある。文学作品には興味がまったくないので読まない、心に響かないらしい。感覚や心のセンターにある情緒の問題だから、これを変えることはおそらく不可能。古典や漢文で点を落とさないようにすることぐらいしか手はなさそうだ。論説文の読解は日本語音読トレーニングで良質のテクストを選び十数冊読んでいるからできのよい方の大学生レベルの読解力がある。福沢諭吉『福翁自伝』を最初のほうだけ一緒に読んだが、いま独力で読み続けている。読んだ本のリストは音読トレーニング教材として弊ブログで何度か紹介しているので必要なら内部検索してもらいたい。国語については偏差値65くらいのところで様子見だ。
 文武両道を目指している生徒は、中学時代の学力維持にちょっとだけプラスアルファできればいいと考えていたが、予想通りだった。だが、本人は結果に不満があるだろう、道内の理系国立大学狙いだが、何とかなる位置にはいる。部活と勉強を両立させるには時間の使い方や集中力を高める工夫が必要だ。自分で考えろと言ってある。
 メールで報告してきた生徒は三人だが、三人目の生徒が期待値を大きく超えた。全国平均値に近いのだが校内偏差値は60、中学時代の学力テスト結果から考えると伸びに「おどろ木桃の木山椒の木」だ、すぐに電話をして褒めた。「特設コース」に入れなかった生徒だが、一生懸命に勉強していた。そういう生徒の中から急激に学力を伸ばす者が現れる。

 生まれて初めて受けた全国模試で、全国46万人の普通科の受験生の中で自分の学力がどれほどかよくわかっただろう。いまや半数が大学進学をする時代である、いつの日か根室の中学生の希望者全員に市の予算を使って全国模試を体験させてやりたいものだ。中学生の時に全国レベルの模試で自分の学力がどれほどのものなのかを知っておくのは必要なことだ。僻地に住んでいても中学生の時に全国レベル模試で自分の学力を測定できる、そういう環境をつくってあげたい。根室高校普通科で学内偏差値60(上位16%)が全国偏差値では50(真ん中)に過ぎない、根室の子どもたちは同学年の順位を競うことで中学生の時に自分の学力を過大評価している。「根室高校の特設コースに入れたら北大に合格できるんでしょう」なんてことをおっしゃる人も珍しくない。
 9月に根室市長選挙があるが次期市長さん、中学生に全国模試を受けさせる予算措置ができないか?

<余談:根室高校普通科の学力低下>
 ちょっと気になることがある。根室高校の生徒の数学の平均点が20点を切ったのではないかということ。切っていたら初めてだろう。進研模試全国偏差値50は根室高校校内偏差値60付近にあるが、これはどういうことかというと、普通科1年生115人の内、上位18人しか全国偏差値50を超える生徒がいないということ。今回の模試では16人だろう。全国偏差値65を比べリアしている生徒は特設コースの数人のみ、さて、学年2番目の生徒が全国偏差値65を超えられただろうか、先は長い、次の模試で頑張れ。
 12年前だったか定員オーバーでFランク150点で事務情報科へ回されて生徒が複数いたことがある。あのころの根室高校普通科の学力を基準にしたら、「特設コース」の35人だけが当時の普通科の生徒と同等の学力である。それ以外の80名の生徒は普通科に合格できなかった学力層なのである。つまり、「特設コース」とは名ばかりで、12年前の普通科の平均的な学力層だということ。
 根室高校普通科の半数が根室西高校の生徒レベルの学力層だということ、これが高校統廃合の現実である。教える方は普通科内部の生徒たちの学力格差が大きすぎてたいへんだろう。同じ教科書を使うのは無理というレベルの学力格差が存在している。先生たちの中からも現実を踏まえて、いずれ、学科及び「特設コース」の再編成要求が起きてくると予測している。

 現在の高校1年生が中3の時に150点超の生徒が何人いたかは2校の実データに基づいて、#3684で市内全部の推計をしている、おおよそ30-35人である。特設コースで今回の模試で全国偏差値50を超えたのは16人だけ。特設コースの約6割19人が偏差値50以下。推薦入試頼みの傾向がますます強くなる。

*#3684 根室高校入試倍率:定員240人に対して出願者数175人 Jan. 29, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-01-29

 



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