28日に釧路まで行ってきた。釧路の教育を考える会は昨年は某国立大学教授をお招きして特別講演もしていただいた。バイオと製薬分野のお話だった。SRL学術開発本部で試薬開発や帝人との合弁会社で臨床治験の会社の経営を担当したことがあるので、じつに興味深い話だった。弊ブログで取り上げた。

 今年の特別ゲストは釧路市教育長の岡部さんである。まだ就任して2か月の岡部教育長は釧路の教育を考える会の角田会長の部下だったことがある。角田会長が40代で経済部長だったころのことらしい。角田さんが釧路市の教育長になったのは52歳の時だ。酒を飲んでお互いの人柄を知ることは大切なことだ。

 釧路は歴代の教育長が市役所から出ている。道庁の出向者を教育長に迎えている根室とは大きく異なる。教育長の職に就いて仕事をして、任期が終わってももちろん地元に住み続けている。角田会長は81歳になられたが、歴代教育長がその任期を終わっても根室に住んでいるような町にしたいものだ。
 気さくに酒を飲み、話ができる器の大きい教育長が根室にもほしい。

 2年前に造られた「根室市人口ビジョン」によれば、根室は地元企業が人材不足で困っているようだ。この資料の31頁には1996年と2012年のデータが載っているが、事業所数は16年間で2014から1544に23.3%減少し、従業者数は16,183人から11,031人へ32.8%減少した。これに地元に残る人材の質が劣化したらどうなるかは明らかだろう。この5年くらいで中学生の学力が著しく低下していることは、弊ブログで学力テストの点数の分布を示してなんども説明している。学力上位層が10年前の1/10になり、学力下位層が肥大化している。高校一校体制になり、それがますますひどくなっている。
 地元企業の経営者も、教育行政も学校の先生たちも、市議会文教厚生常任委員会のメンバーたちも、同じテーブルについてオープンに議論しないと、学力低下はとめられない。何もしなければ、2040年には人材難から事業所数は半減しているかもしれない。

 3名の釧路市議が釧路の教育を考える会のメンバーである。釧路は子供たちの学力問題へ関心が強い。教育は30年後の町づくりの人材を育てるものだから、人材を育ててることが未来の町づくりの礎となる。
 根室もそろそろ教育問題に関する議論を職種を超えて同じテーブルについて始めるべきだ。

 会の副会長である月田さんがブログで忘年会のことを書いている。
*第4075回 今年最後の忘年会(元釧路市議会議長・月田さんのブログ)
http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51852256.html

昨年の忘年会の記事
*#3490 勉強と研究はどうのように違うか:生物物理化学の先端 Jan. 6, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-01-05

根室市人口ビジョン
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/75ea4dccff8db9f849257dd30027c337/$FILE/根室市人口ビジョン(7.31確定).pdf

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