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#3670 わけのわからぬ「広報根室1月号」(2):病院事業 Dec. 30, 2017 [89.根室の過去・現在・未来]

 病院事業の上期決算が掲載されているが、これをみて、病院の上半期売上がいくらで、経常損失がいくらになっているのか、理解できる人は(財務課の職員を除いて)いないだろう。根室市のホームページには30日現在、まだ「広報根室1月号」がアップされていない。

 6ページの企業会計部門には病院・港湾・水道・下水の4企業会計の数字が並んでいる。このページのタイトルは「平成29年度予算上期(4~9月)の執行状況となっているのに、予算額は年額が表示されている。世迷言はいい加減にしてもらいたい。年次予算額と上半期の実績額を並べる民間会社はない。
 上半期の実績は上半期の予算額と比べるのが財務及び経理マンの常識だ。そういう常識すらないようで、毎年同じフォーマットで広報根室に掲載している。民間企業会計基準へのデータ組み換えは簡単である、広報根室の編集責任者の見識を問う。

 年次予算額は47.2億円、上半期実績額は収入が20.7億円、支出が21.8億円だから、1.1億円の赤字と見えるだろう?事実は全然違うのである。病院建て替え後は毎年16-17億円もの赤字を出し続けている

 収入の中には市の一般会計からの赤字補填金である「一般会計繰入金」が約16億円含まれている。企業会計と書いておきながら、「収入と支出」を掲載する無神経にはあきれるほかない。損益計算書は「収益と費用」を並べて表示する。
 市役所の内部資料ならそれ(「収入と支出」)もありだろうが、広報根室は市民の皆さんに読んで理解してもらうために発行しているはずだ。これでは読んでもわけがわからない。
 わけのわからないときは、原理原則や基本へ戻れとニムオロ塾では指導している。
 企業会計の常識では「収益と費用」である。広報根室へは民間会計基準で作成したものを載せるべきだと思う。もう10年近く弊ブログで民間会計基準での掲載を問題にしてきたが、残念だが、市議でそういう問題を取り上げた人はいない。広報根室の掲載方法に問題があるとは思っていないのだとしたら、市民目線でものを見ていないということになる。

 公的会計基準では経営の実態がまったくわからない。だから、夕張市は突然財政破綻した民間会計基準で市民へ広報していたら、問題は小さいうちに処理できただろう。市民は公的会計基準で作成された資料を見るのみで、赤字の実態を知らされていなかった。根室もよく似ているね。

 平成20年度の決算書が手元にある。売上22.9億円、費用33.5億円、差し引き経常損失10.6億円となっている。市の一般会計から10億円が繰り入れられて、損失は0.6億円。これが実態である。
 手元にあったほかの年度の決算書では、平成21年度は売上26.4億円、平成23年度は23.3億円。

 市立根室病院の売上は22-27億円である。市の一般会計からの赤字補填16億円が予算化されて、収入予算額が40億円前後になっていた。いくらなんでも平成29年度の47億円は異常だ。
 上場企業で売上予算が実績と5%のズレるなんてことはまずない。そんなにぶれたら、予算管理に問題ありとなって担当取締役は責任を問われる。市立根室病院の当初予算は毎年大外れだ。つじつま合わせの予算編成をするからだ。この点でも、市議諸君の市政チェックがぬるいと言わざるを得ない。
 ちゃんと基礎的な勉強をしておかないと、市議会で当を得た質問などできるはずがない。市議として報酬をもらうについては、市議としての職務への責任と表裏一体である。来年こそは、市議諸氏は市政チェック機能を立派に果たしていただきたい。そういうことを期待して市民はそれぞれ自分が支持したい市議を選んで9月の市議選で投票したのである。

 問題の本質は事実を隠蔽してはならぬということ毎年出し続けられている16-17億円の赤字は、公的会計では黒字に変わるが、嘘はいけない。民間会計基準で正直に市民へ報告して、問題のあることを明らかにしよう。問題があればテーブルの上にのせて、オープンな議論をして、総力を挙げて問題解決に当たろう


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