<更新情報>
11/14 0時半 <余談:オール根室>追記
11/15 8時10分 <余談> 追記
11/15 10時半 追記

 総合体育館せある市青少年センターが築後46年経ったので、新築したいということだが、小中学校はすべて耐震改修したのに、青少年センターだけ新築するのはなぜだろう?
 地域別人口推計データによれば、24年後の2040年に根室市の人口は9000人減少して17,892人、現在よりも1/3少なくなります。
 大きな体育館はほんとうに必要だろうか?

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 ハンドルネーム「相川」さんが投稿欄での提案してくれています、現状の利用者数をベースにして、24年後の利用者数の推計をやってみたらいかが?

 現在市内の中学生は1学年230名ほどですが、社会保障・人口問題研究所の地域別・年齢階層別人口推計によれば、24年後の2040年には根室の小中学生の1学年の人数は110人に激減することがわかっています。減るのは小中高の生徒だけではありません。
 利用者数が半分以下になっている状態を想像してください。これはデータの根拠のある主張です。
(鉄筋コンクリート製の体育館の法定耐用年数は47年です。耐震改修すれば20年は延ばせます。そのときに、根室市の人口に見合ったコンパクトな体育館を新築すればよいのです。住民が意見を出し合って、じっくりと建築仕様をつめたらいいのでしょう。)
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 市街化地域の3中学校が数年以内に統廃合されて1校になります。小学校はとりあえず2校を残すことになっていますが、小学校の方が6年先に生徒数が減るので、順序が逆でおかしな話です。中学校の1校体制の6年前に小学校を1校体制にするというのが物の順序でしょう。
 統廃合で4校の体育館が「余剰」となります。市街化地域の小中学校はこの数年間ですべて耐震改修を終わっていますので、それを利用すれば十分どころか、十分すぎるほど施設があります。二つ体育館を市民に開放するだけでスペースは倍以上に拡大できます。

 検討体制にも疑問があります。北海道新聞の記事には「市民委員会」を設置して検討すると書いてありますが、市民委員12人のうち10人は市側で決めた諸団体の推薦人で占められています。たった2人だけ公募だと書いてあります。形式上は市民委員会かもしれませんが、見方によっては、ただの「市政翼賛機関」です。新体育館建設の是非を判断するものではなく、いままで設置された「~市民委員会」同様に、市側の案に承認を与えるために設置されたものにみえます。

 根室市はいつも市民を排除して閉鎖的な「~市民委員会」もどき方式でことを進めてきました。
 ここ10年間で立ち上げられた3つの委員会がどのような結果を残したのかを検証してみます。
 まず第一番目は市立根室病院建てに関わる委員会です。長谷川町会連合会長が委員長となって検討していました。市側に建て替え後の損益がどうなるのかわからないので、もっと現実的な損益シミュレーションを提示するように要求したのですが、長谷川市長は約束していた損益シミュレーションを提示することなく、突然最終案を提示して「明日、道に審査書類を出さないといけないから承認して欲しい」と迫りました。委員会は審議せずに市側の建て替え案をそのまま承認しました。委員の中から異論がでていましたが無視。(弊ブログ#2203に詳しい事情をが録してあります)。市民委員会は機能したと言えるでしょうか?
 「市政の翼賛機関」として「~市民委員会」が使われました。前市長の藤原さんが音頭をとって招聘した病院建設コンサルタントの提言は市立根室病院の年間売り上げの範囲内、25億円での建て替えを薦めていました。実際には70億円ほどもかかっています。巨額の建築費がいま病院経営の足かせになっているのです。

 二番目は3年ほど前に何度か弊ブログでも取り上げましたが、「明治公園憩いとふれあいの森構想市民委員会」が設置されました。委員長は市の取引業者の元大地みらい信金の北村理事長です。市長の諮問委員会の委員長が取引業者の元トップというのは健全ではありません。案の定、異例の短期間で審議終了し、再開発を決めました。新聞報道によれば委員の中には反対意見を述べた人がいたそうですが無視、ずいぶん強引な運営でした。
 予定されていた開発項目はアスレチック施設、オートキャンプ場、敷地面積1200坪の研修用および管理棟、パークゴルフ場等です。総工費は40億円を超えていました。
 四十年ほど前に設置したアスレチック施設が利用者がいないまま錆び付いて撤去してから十年経ったでしょうか。霧が多い根室では野外のアスレチック施設は利用できる日が少ない。市民の意向を無視して自然を壊し、再開発をしようというものでした。市民の意見を反映したものとは言い難いものです。
*委員名簿(根室市のホームページ)
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/464d3b67764acd0b49257b51001e9b1a/$FILE/4%E6%98%8E%E6%B2%BB%E5%85%AC%E5%9C%92%E6%86%A9%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%B5%E3%82%8C%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%AE%E6%A3%AE%E6%A7%8B%E6%83%B3%E5%B8%82%E6%B0%91%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A.pdf
*施設構想案
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/464d3b67764acd0b49257b51001e9b1a/$FILE/8構想内容一覧.pdf

 三番目は高校統廃合に関わる委員会です。市側は市民との議論を避けて、市民排除の閉鎖的な「検討委員会」を立ち上げ、最近の学力テストデータも見ずに、単位制の高校への切り替えを決めてしまいました。
 来年4月スタートですが、すぐに大きな問題が表面化します。同じ教科書で授業できないほど学力差が大きいのです。対策は用意されていません。「科」を同じくしたために、違う教科書が使えません。
 現在の根室高校で使っている数学と英語の教科書と、根室西高校で使っている教科書を比較すれば、問題点が鮮明になったはずです。
 そして、過去十年間の市街化地域の3中学校の学力テストデータを並べてみれば、この十年間の急激な学力低下、すなわち学力上位層の枯渇化と低学力層の肥大化はデータにはっきり現れていました。
 そういう調査もしなかったのですから、杜撰な検討であったとしか言いようがありません。
 特進コースとそれ以外とで使う教科書を別にできるなら問題はかなり緩和できますが、制度上同じ科では2種類の教科書を採用できないのではありませんか?
 そうだとすれば、被害に遭うのはこれから高校へ入学する生徒たちです。
 少人数で議論すると、視点が限定されて、視野狭窄となり重要な問題点が見えてこないのです。教育は町の発展の礎です。検討委員会のメンバーたちは一生懸命に仕事をして20年30年後の根室の町をさらなる衰退の深みへと誘(いざな)ってしまいました。

 根室はいつでもこのように、市長の諮問委員会に「~市民委員会」という名を冠して一般市民の参加を封じ、市側の案にお墨付きをえるやり方をしてきました。「市民委員会」とは名ばかりで、排他的なやり方です。
 ご覧の通り市側が設置した3つの「市民委員会もどき」はことごとく検討に失敗しています。
 失敗は繰り返したくないものです。二度あることは三度ありました。しかし、4度目の失敗はいまならわたしたち根室に住む者と市議の皆さんの協力で未然に防ぐことができます。

 小中学校の統廃合で、耐震改修済みの体育館が4つ用済みとなります。これを二つ使えば十分ではないでしょうか?青少年センターは耐震改修すればいいのです。
 市長は排他的な検討方式をやめてオープンな場で何度も協議し市民の意見を聴くべきです。
 聴いた後で結論が変わらないということもあるでしょう。でもそれは住民の決断ですから、未来がどうなろうと、根室に住むわたしたちの自己責任ということになります。

 11月11日付け北海道新聞根室地域版より
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 総合体育館 検討を本格化
  市教委
   来月にも市民委員会 委員2人を公募

【根室】市教委は、市が第9期総合計画で掲げる総合体育館建設に向けた検討を本悪的に始める。市民の意見を聞きながら施設の内容や整備予定地などを議論する総合体育館整備市民委員会の委員を募集しており、12月上旬にも初会合を開く予定だ。(石井慧)
 
 市は3月、2015年度に全道2位の12億9千万円を記録したふるさと応援寄付金(ふるさと納税)を活用し、「根室市総合体育館建設基金」を創設して1億円を積み立てた。8月下旬には市のスポーツ振興策などについて話し合う市スポーツ推進審議会を開き、市民委員会を設置することを決めた。
 市内では現在、市青少年センター(牧の内)が市民にとっての総合体育館的な役割を果しており、、一般解法やスポーツ大会などで利用されている。
 ただ、市青少年センターは1970年完成で、市教委が行った耐震診断で震度6以上の自身で「倒壊する危険性がある」と判定されている。体育館の広さは焼く1120平方メートルと、今年10月にできた中標津町の総合体育館「330アリーナ」に比べて約4割の広さで、手狭になってきている。
 市が13年に行った市民意識調査では、45.2%が「スポーツ施設の状況」について「不満足」と回答した。
 市民委員会は公募委員のほか、町会や小中学校校長会、社会福祉協議会などから推薦を受けた計12人で構成。市民の意向調査を行い、総合体育館の目的や、施設内容について話し合う。
 公募委員は2名で、市内に住む18歳以上(高校生は除く)が対象。希望者は市のホームページに掲載している応募用紙に必要事項を記入し、市教委社会体育課に提出する。18日午後5時必着。問い合わせは社会体育課 電話0153・23・5982 へ。

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 ついでに申し上げますが、ふるさと納税資金は市債残高を減らすために使うべきです。子どもたちに大きな債務を残してはなりません、それがわたしたち団塊世代やその次の世代の責任でもあります。公債・市債残高合計額は平成26年度決算で199億円あります。市税収入は26-28億円の範囲内ですから、年収の7倍を超える借金があります、家計なら返済は無理、自己破産必須の状況ですから、まず借金を減らすことが最優先です。人口減少が加速しているので、国からの交付金も減少するし、市税収入も減っていきます。10年先、20年先のことを考えませんか?
(成27年度決算がまだアップされていません。上場企業では決算ご2ヶ月以内にホームページ上でも公表しています。7ヶ月経ってもアップされないというのは不思議です。仕事のやり方を改めたら、6月にはホームページで公表可能です。)
*根室市のホームページ (3)公債費・市債残高の状況 9ページ参照
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/90f544667780cf46492570c700066ba3/$FILE/ATTV48F6.pdf


< 余談:オール根室 >
 ボランティアであっても、仕事を委嘱された委員には責任が伴います。検討対象となる事項に関する専門知識や市の財政状況に関する知識は当然必要です。それらが無いなら引き受けるべきではありません。
 三つの委員会のうち二番目と三番目は公募委員は2名のみ。明治公園の再開発に関する委員会は13名です。今回の総合体育館建設に関する委員会は12名です。おそらく、市立根室病院建て替え整備市民委員会も似たような構成だったのでしょう。
 どの委員会も仕事の責任を全うしたとは言い難い。市政翼賛機関と化してお墨付きを与えただけでした。
 建て替えはひどかった。当初はニホロ地区が建設予定でした。そこへ委員会のメンバーを連れて行った。委員会はニホロでOKを出した。駒場町の候補地の地価が高いという理由でニホロだったのですが、道新が駒場町の地主に取材して、売却予定価格が市側の発表よりもずっと安いことをすっぱ抜きました。商工会館でなされたたった一度っきりの市民説明会でニホロが一番安かったと虚偽説明をしたのが長谷川助役、現市長です
 ニホロへ移転したら遠くて病院へ通えないとわたしの隣にいた老人が泣いていました。助役の長谷川さんはあの場で、現地建て替えが可能だというebisuの主張に耳を貸しませんでした。「傾斜地なので不可能」だと言ったのです。私は2000年に常務理事として首都圏で300床弱の療養型病院の建て替えをやっています。産業廃棄物が埋設された谷地でしたが、コンクリートパイルを百本ほど岩盤まで通して坪単価65万円(市立根室病院は130万円)で病院新築をやりました。パイルは打ち込みではありませんから、工事中は大きな音はしません。「大きな音の出ない工法でやってください」と注文をつけただけです。「技術的なことはわたしたちにお任せください、入院患者さんに不快な思いをさせないように配慮した工法を採用します」と即答でした。院内の病棟責任者や調理の責任者、事務方の責任者を集めて、実務や理想的な動線の確認をして副院長と院長お二人に説明・確認をしました。そこを十分にやっておいたので、ゼネコンとの打ち合わせは短時間ですみました。あとは設計段階での細かい部分の確認だけ、実務を詰めてありましたから、基本仕様変更はいっさいなしです。
(ゼネコンは新日鉄、担当は東大卒の1級建築士の営業部長お二人でした。一人はたまたまある会で一緒で知っていた人でした。「ebisuさんが病院側にいて仕切ってくれるなら坪単価65万円で引き受けます」と念押しはありました。仕様と実務を詰めたので変更なし、当初予算どおり、1円の増額もありません。病院建て替えの要点は実務設計と仕様書にありますから、その手順はシステム開発とほとんど同じです。病院建築を仕切るのは初めての経験でしたが、わたしにはいくつもやった仕事のひとつにしか見えませんでした。唯一の違いは、所管官庁との交渉が必要だったことです。これも建築仕様の確認ですから、お手の物です。横浜市や神奈川県庁との交渉が面白かった。全額補助金で建て替えました。オーナーの持ち出しは1円もありませんでした。わずか、2年足らずの仕事でしたが、建設費で病院理事長のKさんは6億円は得をしました。わたしがスカウトされて建て替えの仕事を引き受けて時には、ゼネコンのフジタと仮契約をして建築仕様を固めている最中でした。何度か仕様変更があり、10億円の予算がすでに15億円になっていました。建て替えを負かされるとすぐにフジタとの仮契約をご破算にしました。相手のペースに乗ってしまっていました。どちらから言い出したのかは知りませんが、五千万円の裏金の話まで出ていました。派遣元の医局の教授が交代すればご挨拶にそれくらい必要でした。理事長が自分の懐に入れたくて出た話ではないのです。でも国の補助金を利用して建て替えるので、不正が明るみに出たら補助金返還ということになり、病院はつぶれます。リスクを回避しました。税金を払って医療法人のほうから支出すればいいのです。病院経営にとっては必要経費、どうってことのない金額です。
 仕様を固める前にゼネコンと打ち合わせをするとどういうわけか見積金額がどんどん高くなっていきます。そこがゼネコン側の狙い目です、当初は安い見積もりを入れて、仕様変更で値段をアップしていきます。院内実務や動線を自前でデザインすることで、それを封じました。ゼネコン側も設計のし直し作業がなくなるので、コストが低減できます。品質を落とさずに低コストでやるためには、ゼネコン側と院内側に仕事のできる人間が仕切っているという条件が必要です。
 市立根室病院の建築費があとから追加になった理由がわかります、仕事のやり方が杜撰だったのです。それは電子カルテシステムに象徴的に現れています。あれを導入したら、外来診療のレイアウトが大きく変わります。仕事の順序が逆となり、システム投資だけで4-5億円棄ててしまいました。)

 市立根室病院は岩盤で地盤が強固です、だから建築技術上は何の問題もありませんでした。場所を移したら、新病院ということで許可が下りないので結局、現地建て替えになったのです。市民委員会はその都度、市側の案を了承するという体たらくでした。
 知識の無い人が何人集まって委員会をやっても意味が無いことはこれだけでお分かりでしょう。建設費のカットの仕方も知らない、建て替え後の損益シミュレーションもできない人たちが集まっていました。はじめからこの仕事は無理だったのです
 高校統廃合問題の検討委員会も退職校長が入っていたのでしょうが、データすら見ないでことを決めました。結果から見ても検討能力なしです
 どの市民委員会も、8割の委員が経済諸団体や町会、社会福祉協議会等の推薦人です。検討能力の無い人たちを、その都度推薦してきたというのが事実のようです。よく見ると、推薦母体や推薦人には市側と利害関係のある団体や団体の推薦人が載っています。
 ふるさとを愛するキモチよりも、総じて自分のビジネスが大事、名誉職が好き、欲深だということです
 これがオール根室ですよ。検討事項や市の財政について知識も批判精神もなく、市の重要事項を決定しています。いや、市側の案にそのままお墨付きを与えているだけです。でも、ダメな人ばかりではありません、反対意見を述べている人がどの委員会でも数人いるようですから。

 閉鎖的な諮問委員会での議論を繰り返してきたから、根室の町は衰退を続けてきたし、いまも衰退し続けています。「オール根室」はふるさと根室の敵(かたき)です。

 長谷川市政も3期で終わりでしょう、そろそろ市役所内部に叛旗が翻っても良いのではないですか?市役所にだって自分の利害損得を棚上げして、しばらくはふるさとや子どもたちのために仕事したいと思う人がいるはずです。もちろん、経済諸団体にだっているはずです。数十人、百人単位の団体構成員の全部が腐っているわけではない。この十数年間で、何人かそういう人と話ができました。
 
 根室市の『市民意識調査結果報告書 概要版』(H27年8月7日)をご覧あれ。根室市総合政策部総合政策室の仕事ですが、ピントを外しています、仕事のレベルがわかろうというもの。この部署に政策提言能力があるのだろうか?そのうち論拠を示して取り上げたい。
http://www.chitose-grp.co.jp/

 2009年に青年会議所が行った市民意識調査アンケートです。
http://www.google.co.jp/url?url=http://www.news-kushiro.jp/news/20161105/201611054.html&rct=j&frm=1&q=&esrc=s&sa=U&ved=0ahUKEwinhNq-oafQAhXHzbwKHRSnBpQQFghIMAk&usg=AFQjCNHH4qdJzDCPSUt2WZoTKfFmB12KnA


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*明治公園再開発関係弊ブログ記事
 #2203 明治公園再整備市民委員会:市民委員会は市政翼賛装置 Feb. 9, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-09

 #2513 市立根室病院の経営状況について:財政再建特別委は機能しているか?  Nov. 28, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28

 人口減少は加速しているのに膨らみ続ける根室市の予算規模
 #2603 平成26年度根室市の予算:21年間の予算推移 Feb.25, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-25

 地元信金は本業で地域経済への貢献ができるのか?企業理念や理想がなければ経営は堕落するもの。
 #2334 大地みらい信金3期連続の増益そして地域経済は衰退 Jun. 19, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19





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