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#3453 3人×5本か5本×3人か?: 単位の計算が潜んでいる Nov. 11, 2016 [55. さまざまな視点から教育を考える]

 ブログ「情熱空間」が面白い問題を提起してくれました。先ほどまでに寄せられた投稿は23個あります。わたしも何個か投稿したので、一緒に紹介します。耳に痛いことも書かれていますが、釧路と根室の小学校と中学校の先生たちに読んでもらいたい、きっと生徒のためになります。

 (投稿のebisuの項は、タイプミス訂正と一部加筆をしています。)

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8633534.html?1478917201#comment-form
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2016年11月04日

ため息が止まりません(小学校算数の学習指導)

リボンを5人に3本ずつくばります。
リボンは、ぜんぶで何本いりますか。


小学校2年生のテスト問題です。
「式・答 各10点」 のテストですが、ここで驚愕の実態が!

式: 5×3=15

これは、バツだそうです。
もう一度言いますね、これはバツだそうです。

式: 3×5=15

でなければ、丸にはならない。 
その理由。
「3本のカタマリ」が5つあるから。

あの〜、すみません。

「5人」が3本ずつ持っているから。
それ、ダメなんですか?

世も末です。
そうとしか言えませんね。

ため息が止まりません…。 

小中連携が急がれる理由でもあります。
中学校の先生・高校の先生が聞いても、卒倒寸前になるでしょうね。 
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<投稿欄からピックアップ>

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1. Posted by 鳴かないスズメ   2016年11月04日 23:15
親になって、我が子に教える側になると、「どっちでも良いじゃん」って内心思いましたが、40年近く前の釧路の小学校でも、教え方は同じでした。答えにつける単位の方の数が計算の先に来ると(笑)。
3本×5人=15本だけが正解になる理由までは覚えていませんが。
しかし、割り算を習ってからは、文章問題を読んで×か÷かを悩んだとき等は、「答えの単位と同じ単位の数字が式の先に来る」という決まりは、大きなヒントになりましたよ。

ちなみに我が子に中1程度の数学を教えたりする私ですが、割り算の概念が、未だによくわかりません(笑笑)

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2. Posted by ebisu   2016年11月05日 01:13
面白い考え方ですね。
「答えの単位と同じ単位の数字が式の先に来る」

「乗法には交換法則が成り立つ」ということを無視した教え方で、そういう奇妙奇天烈な教え方をする先生は中学校や高校には一人もいないでしょうね。

ところで、割り算で「答えの単位と同じ単位の数字が式の先に来る」というルールが成り立つそしてヒントになったと書いてありますが、そのルールに合う例と反例を挙げておきます

12個のりんごを3人で分ける⇒12個÷3人=4 個 ・・・合う例(本当の単位は(個/人)です)

なんだかそういうルールがあってもよさそうですが、わたしにはびっくりポンです。

距離と時間と速さの問題では、
 距離km÷時間=速さkm/時・・・反例
 距離km÷速さkm/時=時間・・・反例
 速さkm/時×時間=距離km・・・反例

単位が全部違ってくる内包量の問題では論外の教え方です。乗法と除法では単位も計算に入っています。

例:たて2cm、よこ3cmの長方形の面積
 2cm×3cm=6cm^2⇒ cm×cm=cm^2・・・反例
 たて2cm、よこ3cm、高さ5cmの直方体の体積・・・反例
 2cm×3cm×5cm=30cm^3 ⇒cm×cm×cm=cm^3・・・反例

その都度へんてこりんなルールを適用するような拡張性の無い教え方は視野を狭くすることがおわかりでしょうか。

少ないルールでたくさん解けるのがベストではないですか?
公式なんかたくさん覚える必要はないでしょう。1分で導出できれば暗記する必要がありません。基本公式から派生的に導き出せる公式は暗記の必要がありません、拡張できるからです。高校三角関数の公式群なんかその典型ですね。

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3. Posted by ebisu   2016年11月05日 09:19
鳴かないスズメさん

「割り算の概念が未だによくわかりません」とお書きになっていますが、書いている内容からは掛け算の概念もあやふやなのです。乗法の交換法則、「a×b=b×a」は掛け算という演算の基本原則ですから。

掛け算の初歩のところで、ZAPPERさんが取り上げたやり方を採る余地はあると思っています。数学的な概念をつかまえる前に、とにかく日本語で書かれた文章題を数式にしなければなりません。だから、「日本語⇒数式」変換をするための方便としては理解できるのですが、やりかたは感心しません。すぐに、行き詰るからです。
中1のお子さんがいらっしゃるようですから、正負の数の減法のところで、こういうやり方が教科書に載っていたことを覚えていますか?

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正負の数の減法を加法になおして計算しよう。
例1 (1) (+3)-(+7)=(+3)+(-7)=-4
-------------------------

中1の教科書24ページに載っています。
あとで、乗法の符号規則が出てきます。
(+)×(+)=(+)
(+)×(-)=(-)
(-)×(+)=(-)
(-)×(-)=(+)
これを習った後では上記の計算は次のようにやります。

(+3)-(+7)=3-7=-4

マイナス記号を括弧の中に掛けて括弧を外します。最初からこれでいいのです。
「減法を加法になおして」やるやり方を習った翌週には廃棄してしまいます。
北海道で中程度以下の子どもたちはここで混乱を起こしてしまいます。次々に別な方法を覚えるのは頭のよい子だけです。
14年前のことですが、チャレンジが別の方法を指示していました。ある生徒がやっているので気がつきました。その生徒は3通りの方法を使い分けていました。学校用、チャレンジ教材用、塾用と。
罪ですよ、こんな教え方。この場合は、最初から最終形で教えて問題ありません。

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4. Posted by ebisu   2016年11月05日 09:31
鳴かないスズメさん (2)

割り算は入り口のところでは、何かを分ける(割り切れる)問題として教えて、それが分数で表せること示し、最後は掛け算の逆演算として定義すれば、小学生でも真ん中程度の学力があれば十分理解できます。教え方しだいです。(笑)

概念の拡張を意識して教えたら良いのです。
手順は次のようになります。

整数の割り切れる割り算⇒(数の拡張)分数表示⇒乗法の逆演算での定義

こうした手順を踏んで指導すれば、掛け算が理解できた生徒は、割り算もちゃんと理解できます。へんなルールを導入すると、すぐに行き詰ることはもうお分かりでしょう。

具体例(自然数数字を使って)で教えてやれば数学の諸概念はぐんと易しくなります。

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<補足>
 a×b=c
 a=c÷b あるいは a=c×(1/b)

具体的な数字で示せば小学生でも納得できます。

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5. Posted by ZAPPER   2016年11月05日 11:24
5×3 と書いたその子は、5人の子が手に3本ずつ鉛筆を持っている姿を明確にイメージできています。また3本が5つのカタマリある考えもまた、完全に理解できています。

「被」乗数×乗数

それを貫きたい理由(その後の割り算の教え方とのつながり)も分からないではありませんが、それはまさに「指導法の画一化」だと思いますね。あまりにも配慮を欠いています。

結局、どちらを「被」と捉えるかという単にそれだけの問題ですね。こうした教え方は相対的なものの見方をも損なうものだと私は思います。きっと、中学高校の先生もまた絶句することでしょう…。

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6. Posted by ZAPPER   2016年11月05日 11:34
面白いもので、そうしたすばらしい教え方をされた子(笑)ですが、中学に入るとその多くは壊滅的なまでに文章題ができません。

でも、自分なりに絵や図、表にあらわすように指導すると、何のことはなくてスラスラできるようになるものだったりします。結局、変な「縛り」から解放されたということ。私はそう思っています。

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7. Posted by ebisu   2016年11月05日 14:13
ZAPPERさんが一つ前のコメントで書いていますが、その通りですね。

>自分なりに絵や図、表にあらわすように指導すると、何のことはなくてスラスラできるようになるものだったりします。

文章題の教え方、40年前に東京で教えていたときの方法を参考に供します。もちろん、いまでもそのまま使って教えています。ただし、中学生用です。
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<文章題の解き方>
1.簡単な数字に置き換える。
2.文章を線分図やポンチ絵にしてみる。
3.表を使う⇒①速度に関わる問題、②食塩水の濃度に関わる問題、③平均値の問題
4.「1~3」を組み合わせて使う。
--------------------------
これら四つの方法で、方程式に関わる高校入試の文章題は全部解けます。

問題文を図に落とせたら内容が具体的になるので、式を作るのがずっと楽になります。

文章⇒図⇒式

文章からいきなり式を作ろうとするから難しくなるのです。2段階でやれば簡単になります。

ビリヤードの台の調整も同じでして、木枠の段階で水平の調整をします。そのあと石のスレートを載せてから2度目の調整をします。これを第一段階をやらずにいきなり第2段階からはじめると、こちらを上げたらあちらが下がる。下がっているスレートを上げるといままで水平だったところが高くなる・・・ということになります。
2段階でやらないと、碌な調整にならないのです。

一部の臨床検査も前処理が大事です。たとえば液体クロマトグラフィーがそうです。
前処理はなんによらず、きちっとやらないと結果がいい加減になるということです。

文章から図に落とすのは、前処理作業です。そのあとの立式が第二段階の作業、ものごとは共通項が多いですね。(笑)

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8. Posted by ebisu   2016年11月05日 15:05
当たり前すぎて肝心なことを説明し忘れていました。3番目の「表を使って解く」というやつです。

a 合計 食塩  距離
b 人数 食塩水 時間
c 平均 濃度  速度

この順で並べてください。そうすれば、これら三つの文章題がじつはみな同じ仲間であることに気がつきます。平均も濃度も速度も同じなんです、比で表された量なんです、つまり内包量。
 a=bc
 b=a/c
 c=a/b

だからどれかひとつちゃんと覚えたら、これら三つの種類の問題は同じ(同型)だから全部解けます。同じなんです。ZAPPERさんがどこか(仕事のできる人のところ)で「共通項でくくる」と書いていますが、一見異なるように見える現象に、同じパターンを見つけけてしまうのです。ずいぶん簡単になっちゃいます

単位の計算もそうです。上から順番にやって見ます。
 km=h×(km/h)
 h=km÷(km/h)=km×(h/km)
 km/h=km÷h

食塩水では、
 食塩g=食塩水g×濃度%(g/g)
 食塩水g=食塩÷濃度%(g/g)
 濃度%=食塩g÷食塩水g×100

平均値では、
 合計(点)=人数(人)×平均点(点/人数)
 人数(人)=合計(点)÷平均点(点/人数)
 平均点(点/人数)=合計(点)÷人数(人)

速度の問題は教科書に表を使う解き方が載っていましたが、この順序になっていないのです。
だから、先生たちはこれら三つを種類の異なる問題だと思って、別々に教えています。

ひどい例はこういうのがあります。速度の問題を終わったところで、「食塩水の問題は難しいからテストに出さないのでパス」と宣言してしまうのです。あるいは宣言はしないが説明も出題もしない。

看護師志望の生徒は将来液状の薬剤の希釈計算に困ることになります。
10年前に、スキルス胃癌で入院したときに、現場の看護師さんが、言ってました。

「最近の若い看護師さんたちは希釈計算もできない人がいるのよね」

点滴薬の希釈間違えないでください、単位を一桁間違えたら、とんでもないことになります。

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9. Posted by amanda   2016年11月05日 15:35
あえてバツにする必要はないと私も思っていますが・・・
教科書の掛け算の最初のところで、
1つ分の数×いくつ分

という説明なので、小2のその部分のテストならば仕方ないのかなとも思います。直後に2×3も3×2も答えは同じと習うので、交換法則も同時にイメージできるように教えればいいのに。後のことを考えてないのかなぁ。

>自分なりに絵や図、表にあらわすように指導すると、何のことはなくてスラスラできるようになるものだったりします。

すべてはこれが徹底されていないためだと思います。
文章の意味を理解せず「出てきた数字の順に式にする」子がいるので、5x3では○にできないのです。
怖ろしいことに、文章題は「出てきた数字の順に式にしろ」と教えていた先生が数年前にいらっしゃいまして・・・
今度はそれを修正するために、

>「答えの単位と同じ単位の数字が式の先に来る」
なんてルールを作ったのでしょうか?


ebisuさんが書かれていた


--------------------------
<文章題の解き方>
1.簡単な数字に置き換える。
2.文章を線分図やポンチ絵にしてみる。
3.表を使う⇒①速度に関わる問題、②食塩水の濃度に関わる問題、③平均値の問題
4.「1~3」を組み合わせて使う。
--------------------------
これら四つの方法で、方程式に関わる高校入試の文章題は全部解けます。

問題文を図に落とせたら内容が具体的になるので、式を作るのがずっと楽になります。

文章⇒図⇒式

文章からいきなり式を作ろうとするから難しくなるのです。2段階でやれば簡単になります。
---

これ、私は小学生にもやっています。
低学年は具体物(おはじきや積み木など)で、
高学年からは、図表で
説明します。学年によらず、その子の理解度によって絵だったり、図だったり、表だったりしますが、
中高生には「図描け!グラフ描け!」とうるさいおばさんです(笑)

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10. Posted by 鳴かないスズメ   2016年11月05日 16:19
ebisuさん、zapperさん。色々教えて頂き、ありがとうございます。

短い文章で何かを伝えようとするとき、思いもよらぬ所で言葉や説明が不足してしまう事が多々あり、本意を伝えられなかったならば私の力不足です。

5人×3本の式は間違い、という現実は昔から存在していて
単位に頼って式を作るというやり方は、割り算の式をたてる際にはとても役にたった、ということを皮肉を込めて書いたつもりでした。

①今、割り算を習っているから、目の前のこの問題は割り算で解く

②何本ですか?と聞かれているから【本】が付いている数字を先に書けば良い

と考える子供は少なからずいるのです。

割り算を習っている最中のテストの点数はそこそこ取れたけど、総合問題やまとめの問題になると点数が取れなくなるという一因でもある、と思います。

割り算の概念に関しては、
掛け算や割り算が混在しているまとめテストを教える際に、
小学生のレベルに合わせて
なぜ割り算を使うのか?なぜ掛け算を使うのか?を上手に説明してあげられなかった為、
教え方を調べたという経験を、
いい歳した大人が、割り算ひとつまともに教えられなかった!
という自戒を込めて書きました。
私自身が問題を解くことが出来たのかに関していえば、全部解けたという事を念のため付け加えておきますね。

コメント欄にも、有意義な情報や意見が書いてあるため好んで読んでいますが、時折勃発する論争のようなやり取りに、感心したり辟易したりしています。
私はただの保護者であり、学テの点数公表には感謝しておりますので、
どうかお手柔らかにお願いします。

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11. Posted by 鳴かないスズメ   2016年11月05日 16:28
ついでに…という言い方が失礼なのは十分承知なのですが

中1、中2の学テの平均点の公表は難しいのでしょうか?
資料提供の協力は惜しみません(笑)
子供にも学校にも危機感を持ってもらうためにも、是非実現していただきたいです。

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12. Posted by ebisu   2016年11月05日 16:52
鳴かないスズメさん

わたしは論を楽しんでいるだけです。面白いオブジェクションがアップされたので、それに触発されました。(笑)

短い文章ではなかなか書き手の意図が読めないものですね。

>単位に頼って式を作るというやり方は、割り算の式をたてる際にはとても役にたった、ということを皮肉を込めて書いたつもりでした。

後段部分のご意見も率直で楽しい。よくわかります。

>時折勃発する論争のようなやり取りに、感心したり辟易したりしています。

辟易の方に重心を感じました。

それでまた挑発的な問題提起をしてくれています。

>①今、割り算を習っているから、目の前のこの問題は割り算で解く

>と考える子供は少なからずいるのです。

塾ではこういう生徒が厄介なのです。問題文を読み、数字を拾って、足し算?引き算?掛け算?割り算?なんて次々にあてずっぽうでやる生徒は、それが習慣になっているので直すのに半年程度はかかります。
「いま割り算習っているから割り算ね」という生徒はいます。

先生が図を使って教えなかったのか、教えたけど考え事していて覚えていないのか、面倒くさいので考えないのか、個別に観察し質問してみないと原因がわかりません。
原因なんかどうでもよくて、解き方を知らないのだから、簡単な数字への置き換えの仕方や、図の描き方、表の組み立て方から教えればいいだけのことです。「なーんだ、先生、簡単だね」、そう言ってくれたら大丈夫です。

喧々囂々、投稿欄を読んでいる人たちが面白ければいい。自分の書いたものを読むと、「辟易」というのもわかる気がします。(笑)
せっかくのご指摘ですから、ちょっと考えます。出現頻度を落とすことがいいようです。


amandaさん

おっしゃるとおり、小学生でも同じですね。
>中高生には「図描け!グラフ描け!」とうるさいおばさんです(笑)

授業の様子が目に見えるようです。

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13. Posted by 鳴かないスズメ   2016年11月05日 20:47
ebisuさん、お返事ありがとうございます。

>塾ではこういう生徒が厄介なのです

この言葉に、ホッとしました。

塾の先生ですら厄介と感じるのなら
私が、マイッタ!と思うのも無理はなかったのだと(笑)

今後習うだろう先の単元のことを考えると、今のやり方考え方ではマズイことになる、と感じながらも
「先生が言った」やり方で必死に学習する子供を見ていると、
(別の方法を提示しても混乱させるだけだ)と判断し、学校の教え方に沿って家庭学習を行うことを繰り返してきました。
それほど勉強が得意な子ではないので、自分が出来るような簡単な方法や、たまたま出来た方法に固執しやすかったのも、一因だったと思います。
テスト直しの間違ったやり方や
丸付けの間違った方法などは半年どころか数年かけて直させました。

本当に、いろいろ厄介でした(笑)

〜〜

私はこのブログが好きなので、ママ友に紹介することもありますが、コメント欄が過激になると、紹介しづらくて…

出過ぎた意見を書いてしまいました。ごめんなさい。

ebisuさんの出現回数が減ることを望んでいません。むしろ上の方のコメントで書いていただいたようないろいろなことを教えてほしいと思っています。
ebisuさんのブログも時々読んでいます。私にとっては難解な内容が多いのですが、遡って読んだりして、引き出しを増やしたり、昔からある違和感の正体に気付いたりしています。

これからも楽しみにしています。
たくさんのお話をありがとうございました。

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14. Posted by ebusu   2016年11月06日 08:57
鳴かないスズメさんへ

おやおや、ご迷惑ではなかったのですか?

>私はこのブログが好きなので、ママ友に紹介することもありますが、コメント欄が過激になると、紹介しづらくて…

ママ友ということは鳴かないスズメさんは女性でしたか。ZAPPERさんも同じです、女性には優しい。
私のブログも読んでくれているというのはうれしいことです。今朝も400字詰め原稿用紙換算40枚ほど、「ニムオロ塾の授業日数縮小」についてアップしています。総生徒数12-18名に縮小、ようやく理想の塾に近づきつつありますが、ビジネスとしてはとっくになりたっていません。年金があるので年よりは強い。(笑)

脳の質量の性差の問題があるので、女性が数学を教えるのはなかなかたいへんです。物理学者や数学者には女性が少ないのです。マダム・キューリーは例外ですね。

ところで、本題ですが、文章題が苦手なのはじつ読解力の問題が潜んでいるケースが多いのです。
わずか数行の問題文を一気に読んで頭の中にイメージを作ることができないケースが多いのですが、どうですか?
そういう場合は、良質の音読テキストを選んで、音読トレーニングをする必要があります。

(字数制限があるので2回に分けます)

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15. Posted by ebisu   2016年11月06日 09:05
鳴かないスズメさん(2)

塾を始めて2年目か3年目に、小学6年生が来たんです。その生徒が文章題を解くときに、「掛け算かな?」といいながら文章中にあるいくつかの数字で式を作って答えを出してしまうことに気がつきました。文はほとんど読んでいません、数字を拾うだけです。それでもたまにはあっていますから、正解すると鼻の穴を広げて「やった!」と歓びます。いい顔して歓ぶのでメンコイ生徒でした。

中学生になりました。国語が30点台から抜け出せないのです。それで読むスキルを育てるために斉藤孝『読書力』岩波新書の音読トレーニングを始めました。読めなかった漢字と、書けないと思った漢字を、それぞれ10回ノートに書いてくるように指示しました。意味のわからない漢字は辞書を引いて意味を書き取らせるのも宿題にしました。3ヶ月ほどあとの試験でしたが、75点取りました。
もちろん、数学の文章題も嫌がらなくなりました、意味がわかるようになったからです。音読トレーニングと併行して「文章題の解き方」四項目も徹底的にトレーニングしました。
その生徒は薬科大学へ進学し、そろそろ卒業です。

生徒の潜在力は大きい、眠っているものを掘り起こすのはプロの役割です。もちろんお母さんたちだってやれる人はいます。
困ったときは具体的に書いてくだされば、惜しみなく知識と経験を公開します。
あ、鳴かないスズメさんだけではありません、他の方でもそうします。もちろん弊ブログ「ニムオロ塾の」愛読者である必要はありません。(笑)

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16. Posted by ZAPPER   2016年11月06日 12:58
昨夜は帰宅が遅かったので、すっかり出遅れてしまいました(笑)。

今日も某所でこの話の議論になったのですが、はやり前提条件は「絵や図」に書く(描く)ことだと確信しています。こうした教え方は、「(被)乗数×乗数」で教えきり、数字が2つ出てきたなら(掛け算の文章題では)単にその数字を掛けてしまえばいいとする子を少なくしようとの配慮があるのでしょうけれど、でもそれは国語を無視しています。

子どもを「主」としたなら、子どもは手に3本のリボンを持っているので、「5人×3カタマリ」はストライク。リボンを「主」としたなら、その子どもは5人いるので、「3カタマリ×5人」はストライク。まさしく国語力にかかわる部分ですから、絵を描かせてみればその子の思考は一目瞭然です。

画一的な管理教育に反対!などと言いながら、一方の思考パターンをバツにする教え方には、疑問を持たざるを得ません。鳴かないスズメさんもご苦労なさっているみたいですね。ebisuさんがおっしゃっているように、実は我々もまた苦労している部分です(笑)。

amandaさんのご指摘の通り、「書け!」「描け!」と何度も何度も繰り返し言うのですが、頑としてそうしないない子が多いわけです(苦笑)。書くことが今、驚くほど軽視されています。この教え方もまたそうでして、それを徹する以前、子どもたちにきっちりルールを伝えているわけでもありません。ノートを確認しましたが、その約束事自体、書かせていませんでした…。

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17. Posted by ZAPPER   2016年11月06日 13:07
追記です。
時に荒れ気味になること、ごめんなさい。
ただこれだけはご理解いただきたいのは、北海道に巣食う魔物の退治もまた弊ブログは兼ねているということです。

クミアイ批判をすると荒れます。
特定の学校にまつわる問題を取り上げると荒れます。

触れられると即座に過剰反応を起こす方がそれだけいるということです。

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18. Posted by 鳴かないスズメ   2016年11月07日 21:12
ebisuさん、お察しのとおり読解力には不安があります。

幼い頃から絵本や童話を読んでいた為、物語をフワッと読んでフワフワっと浸るのは好きなのですが

数学の文章題には浸るような隙間が無く(笑)、
「なんとなく、わかった」ような気にもなれないようです(当然ですが)

国語の学力テストは勉強しなくても60から70点を取るため、本人的には[国語=得意科目]を自負していますが、
私が見ている限り、
なんとなーく文章を読んで、
フワッと感じて、
なんとか記入したら、
正答だった…
というように感じます。

当然のことながら、説明文のようなものは苦手です。

音読トレーニングについては、
覚悟を決めて取り組む必要を感じています。

テストや受験対策も気になりますが(中2です)、
「読んで、考える」事をしっかりと身に付けなければ、社会生活のなかで苦しむのは本人です。

「そのための訓練が数学なんだよ」と、本人には言って聞かせるのですが…。

いろいろなことを考える機会を与えて下さり、ありがとうございました。

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19. Posted by ZAPPER   2016年11月07日 21:43
鳴かないスズメさん
論理エンジンの中学生版もあるようです。ご参考まで。
http://www.ronri.jp/contents/other/faq.html

本当は、ある時期に集中して乱読期を過ごすのがベストですが、日々の学習指導を通してなかなかそうは持っていけないことを痛感しております(苦笑)…。

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20. Posted by TDJ   2016年11月12日 06:34
物理化学から逃げた元落ちこぼれに、このような教え方をする輩が多いと思います。
3本x5人=15本 なんていう時点で、単位系を無視した愚か者のたわごとであり、物理化学を学ぶにあたっては、害悪でしかないです。
1人あたり3本(3本/人)なので、正しくは
3本/人x5人=15本 または 5人x3本/人=15本  です。
中高の理数系教師には、物理化学から逃げるようなものはほとんどいませんので、このような愚かな行為はなくなるのでしょう。

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21. Posted by ZAPPER   2016年11月12日 09:36
TDJさん
まったくもっておっしゃる通りです。ここで重要なのは子どもがどのように捉えているか。それを確認するために絵や図で書かせることだと思います。しかしそれがまったくなされていません。子どもの思考を確認しない。実に不思議です。

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22. Posted by ebisu   2016年11月12日 10:54
TDJさん

単位系を計算から除外して教えているというよりも、そこに意識が無いのが釧路と根室の小・中の算数および数学授業の実態です。

>中高の理数系教師には、物理化学から逃げるようなものはほとんどいませんので、このような愚かな行為はなくなるのでしょう。

教員免許の関係から、物理・数学系の学部でないと数学教員免許が下りないので、高校ではありえませんね。
ところが中学校は教育大出身者が多いので、高い頻度であるのです。

たとえば、面積の単位であるcm^2や体積の単位のcm^3の説明は小・中ではなされていません。

たてcm×よこcm=面積cm^2
たてcm×よこcm×高さcm=体積cm^3

こう黒板に書いて説明すると、根室の中学生の反応は、

「ああ、そういうことだったんですか」

いままで単位も計算式に入っているのだと授業で説明を聞いたという中学生にでくわしたことがありません。

知っている先生がいたとしても、教えている先生がいません、それが釧路と根室の現実の授業です。
単位系の計算は高校化学と物理でなければ出てこないのです。物理は選択科目ですから、(たとえば、根室高校の)生徒の1~2割程度しかとっていません。しかし、化学は必修ですから、知っていて当たり前。

なお、単位の計算例についてはこの投稿欄の#2と#8で取り上げました。
---------------------------------
距離と時間と速さの問題では、
 距離km÷時間=速さkm/時
 距離km÷速さkm/時=時間
 速さkm/時×時間=距離km

単位が全部違ってくる内包量の問題では論外の教え方です。乗法と除法では単位も計算に入っています。

例:たて2cm、よこ3cmの長方形の面積
 2cm×3cm=6cm^2⇒ cm×cm=cm^2
 たて2cm、よこ3cm、高さ5cmの直方体の体積
 2cm×3cm×5cm=30cm^3 ⇒cm×cm×cm=cm^3
---------------------------------

中学校では指数が出てくるので、少なくとも中学校の数学では単位の計算も教えてもらいたい。
釧路と根室で中学校数学を担当している先生たちへのお願いです。

ではなぜ、単位の計算が式から除外されて教えられているのでしょう?
ここに大きな問題が潜んでいます。
字数制限から稿を改めます。

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23. Posted by ebisu   2016年11月12日 11:19
ではなぜ、単位の計算が式から除外されて教えられているのでしょう?

ここに大きな問題が潜んでいます。
学習指導要領の範囲内しか教えないという授業形態に問題があります。

cm×cm=cm^2

学習指導要領に忠実にやると、この計算を教えることができるのは中2の「単項式の乗法と除法」のところです。東京書籍「新しい数学」の16ページに計算例が説明されていますた、これが初出です。

2a×3a^2=6a^3

だから、小学校の先生も、中1で速度や食塩水の濃度を教えている先生も、善意に考えると単位計算を式から除外して教えているのでしょう。

では、中2からは単位系の計算を考慮に入れて教えているかというと、ノーです。中2や中3の学力テスト問題の先生たちが書いた過去問の解答例を見ていますが、単位系を意識した計算式をみたことはありません。
これらの事実から推測すると、根室の中学校の先生たちは、単位系を除外して教えているのではなく、単位系に無頓着であるようです。
先生たちは物理を選択しなくても、化学では単位が絡む計算を授業で習っていますから、知識として走っているんです。ところが分野が違うと、応用できない、そこに問題があります。教えている先生たちも算数や数学では単位系を計算式に含めて教えられた経験がありません。だから、教えられたやり方をそのまま踏襲しているのでしょう。思考停止になっているということです。

TDJさんの言葉を借りると、

>物理化学から逃げた元落ちこぼれに、このような教え方をする輩が多いと思います。

文科省は数年前に学習指導要領は授業でやる最低基準を示したものだというように、方針を変えました。その方針に沿って、教科書は「発展問題」や「発展的な内容」に関する記述が載るようになりました。
単位が関わるところは、中1は言うに及ばず、小学校でも発展内容として説明してしまえばよいのです。

わたしは東京の進学教室での3年間とぶるさと根室に戻って13年間、合計16年間教えた経験がありますが、一貫して成績上位層には小学生にも単位系の計算を教えてきました。
教えて問題ありませんから、どうぞ小学校の先生たちもおやりになってください。(笑)

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ZAPPER

この地の子ども達が、異常に単位換算を苦手にしている理由が、これで完全に見えてきましたね。

ズバリ、教師の側がちゃんと理解していないか、その重要性に気づいていないから。

1平方メートル=10,000平方センチメール

多分、これを即答できない小学校教師が大半を占めているのではないでしょうか。教える側がそうならば、メートル〜センチメートル、分〜時間、リットル〜デシリットル等の換算がこれだけできないことも納得です。
by ZAPPER (2016-11-12 13:46) 

ebisu

ZAPPERさん

教え方を知らないのでしょう。教育大では習えませんから。「教え方」を教えられる先生がいません。これはもう笑い話です。

単位系を含めて考えたら簡単にわかるのですが、そういう説明をしていないようです。
少なくとも、距離と時間と速度に関して、単位を計算式に含めて説明している先生を知りません。速度と食塩水の濃度の計算に同型性を指摘した先生を知りません。

単位の換算問題は次のように単位を入れて眺めたら一目瞭然です。

1m×1m=1m^2

1m=100cmだから、

100cm×100cm=10,000cm^2
100cm×100cm×100cm=1,000,000cm^3

m×m=m^2
m×m×m=m^3

cm×cm=cm^2
cm×cm×cm=cm^3

たったこれだけのことですから、普通の成績の小学5年生でも十分に理解できます。

それにしても、「これどこかヘン」という、ZAPPERさんの嗅覚のたしかさには驚かされます。
センサーの感度がよいから、感覚の人ですね。(笑)
by ebisu (2016-11-12 15:10) 

ZAPPER

時速の概念。車のスピードメーターに書いてありますよね、km/hと(笑)。あれ分数(割り算)なんだよ。一言そう言って導入すればいいのに、いまだかつて生徒から聞いたことがありません。

1時間あたり進む距離。このままのスピードで1時間運転したら50キロメール進むんだよ。幼稚園児のウチの次男でも概念はなんとなくでも理解できているはずです。配慮ってものがないんですよね、配慮が。配慮がないものだから創意工夫もありません。
by ZAPPER (2016-11-12 15:29) 

ZAPPER

補足です。
単位換算が苦手な子がこれだけ多い理由。ズバリ、忘れるからです(笑)。折に触れて復習をし、忘れないように(思い出すように)フォローしてあげることが必要なのに、それをしません。で、皆こう言っては首をかしげるんです。

教えたはずなのに、なぜどうして定着していないんだ?

その繰り返しなんですね、この地は。で、世間一般にはそうした方々をこう言います。

ど素人。
by ZAPPER (2016-11-12 16:08) 

ebisu

ついでにリットルとcm^3とデシリットルの換算と行きましょう。

1Lは1辺が10cmの立方体の体積ですから、

1L=10cm×10cm×10cm=1000cm^3=1000cc

ccは cubic centimeterです。cubicは立方体を意味します。つまり、1辺が1cmの立方体の体積という意味の単位です。

1dlのデシは1/10を表す記号ですから、

1dl=1L÷10=1000cm^3÷10=100cm^3

デシやキロが出てくれば、これもついでにメートル法の記号(Metrix prefixes)を教えてしまいます。メガやギガはパソコンメモリーで小学生でも知っている単位ですからね。

tera- テラ   ×1,000,000,000,000
giga- ギガ  ×1,000,000,000
mega- メガ ×1,000,000
kilo- キロ   ×1,000
hecta- ヘクタ ×100
deca- デカ  ×10

deci- デシ  ÷10
centi- センチ ÷100
milli- ミリ   ÷1,000
micro- マイクロ ÷1,000,000
nano- ナノ  ÷1,000,000,000
pico- ピコ  ÷1,000,000,000,000

1kg=1,000g、1km=1,000m、1km^2=1,000,000m^2、1kt=1000t
すべてkが×1,000だと知っていればわかることです。

たった3年間だけ教えた東京渋谷駅前の進学教室では、小学生はほとんどが有名私立中学受験の生徒たちですから、ここまで教えていました。

1km^2=1km×1km=1000m×1000m=1,000,000m^2

社会科地図帳に出てくる平方キロメートルも平方メートルに簡単に換算できます。
by ebisu (2016-11-12 16:22) 

ebisu

わたしはどの科目でも記号が出てくれば、その英語標記を教えます。

自然数n⇒natural number
社会科、WHO(世界保健機構)⇒World Health Organization

覚えてもらわなくてもいいのです。好奇心のある生徒はノートに書き取ればいい。関心がなければ聞き流せばいい。

単位群も同じことです。
by ebisu (2016-11-12 19:18) 

ebisu

今度は速度単位の換算例を挙げます。

時速40kmは分速何m、秒速何mでしょう。

キロは1000倍ですから、mに直すにはゼロを3個足せばいい。
40km=40000m

1時間は60分、これは誰でも知っています。

60km/h=60,000m/60分=60,000/60(m/分)=1000(m/分)

分速を秒速に換算します。
「1分=60秒」はだれでも知っています。

1000(m/分)=1000m/60秒=50/3(m/秒)

単位も含めて計算例を示せば、単位の仕組みが理解できます。
by ebisu (2016-11-12 19:30) 

ZAPPER

国連の専門機関や附属機関。ILOやIBRD、国際〜はinternational。WHOやWTO、世界〜はworld。UNCTADやUNICEF、国連〜united nations。社会科でそれを教えないのは犯罪級だと私も思います。^^;
by ZAPPER (2016-11-12 19:56) 

ZAPPER

キロキロとヘクと出掛(デカ)けたメートルが、弟子(デシ)に追われてセンチミリミリ。ですね。^^;

今は分からなくていいから、とりあえず覚えておきなさい。小学校2年生の時、恩師小林先生に習ったことです。そうした先生、絶滅しちゃったのでしょうね。
by ZAPPER (2016-11-12 21:20) 

ebisu

ほう、ZAPPERさん、これ小学校2年生で習ったんでが、すごい先生にめぐり合いましたね。

>キロキロとヘクと出掛(デカ)けたメートルが、弟子(デシ)に追われてセンチミリミリ。ですね。^^;

意味なんてわからなくてもいいんです、語呂のよい符牒として覚えてしまえば。あとで必要になったときに意味がわかりますから。
平家物語だって、枕草子だってそう、冒頭部分を丸暗記、万葉集の短歌も、論語も。これらは若い時ほど簡単にそして大量に脳に蓄積できます。
名文と一緒に日本語のリズムを体に刻み込むだけで十分なのです。意味なんてあとでわかります。

国連機関や国際機関の略語は中3のときに暗記しました。学校の授業では扱わなかった(教科書の後ろの方はやらなかった?)のですが、北海道新聞の政治経済欄を毎日読んでいたので、調べて英文名を暗記していました。
全国一斉学力テストが1度だけあったのですが、略号が6題ほど出題されました。ラッキーでした、そのお陰で差がつき学年550人中トップ。

仕事で興味を持ち始めたときに、コンピュータシステムに関する専門用語がもやたらカタカナ語で出て来るのですが、カタカナではわからないので、専門書を原書で片っ端から読み漁りました。
大人になってからの勉強スタイルは中学校の時にはすでに確立していたようです。
だから、翻って小中高の授業スタイルが気になります。教えているいまだけではなく、生徒の勉強スタイルや思考の鋳型をつくっているのです。
こういう点からは、教師という職業はまさに聖職と言ってよいのでしょう。それだけの重みがあります。
by ebisu (2016-11-12 21:52) 

amanda

>キロキロとヘクと出掛(デカ)けたメートルが、弟子(デシ)に追われてセンチミリミリ。ですね。^^;

懐かしいです!今の今まですっかり忘れていましたが、そういえば小学校で教えてもらいました!

ebisuさん、ZAPPERさんのブログには本当にお世話になっています。教え方だったり、違和感だったり漠然としていたものが「そうだったのか!」とわかること、勉強になることがたくさんで、いろいろとヒントや情報をいただいています。
今回の単位換算もすっきり!です。(^^)

>>脳の質量の性差の問題があるので、女性が数学を教えるのはなかなかたいへんです。物理学者や数学者には女性が少ないのです。マダム・キューリーは例外ですね。

女子大数学科卒なので、ちょっとひっかかりまして・・・
確かに物理学者や数学者に女性が少ないのは認めますが、女性が数学を教えるのはたいへん・・・だとは思いません。
むしろ、中高生までだったら、教師になっている同級生たちを見ても向いているようにも思えます。

ただ、大学の専門課程レベル以上になると数学って哲学だったり、宇宙の深淵をのぞくような気分になったりしたので、その辺りになれば脳の性差はあるのかなと思います。

脳の性差だったり、個々の記憶の仕方だったりにはとても興味があります。ebisuさんのお孫さんの話にあった幼児の言語能力の発達過程とか・・・そんな話もよくウチのダンナとしているので・・・とりとめのない話になってしまいました。すみません。

by amanda (2016-11-13 00:59) 

あまんだ

テスト
by あまんだ (2016-11-13 01:59) 

ebisu

へえ、amandaさんも小学校で教えてもらったんだ。東京にもすごい先生がいますね。amandaさんは首都圏の小学校でしたよね。

女子大数学科のご出身でしたか、びっくりです。女子大に数学科のあるということと、根室管内に数学家出身のご婦人がいらっしゃることに二重にびっくりです。
それじゃ引っかかりますね、私の脳の性差の発言。(笑)

渋谷の進学教室には数学科出身の女性が一人だけいました。15人ほどいた講師で女性は一人だけでした。その後、ある県立高校の数学教員になりました。

>むしろ、中高生までだったら、教師になっている同級生たちを見ても向いているようにも思えます。

同意します。(冷や汗)

小中高の数学を指導することに関しては、脳の性差の問題はあるにしても、個人的な能力の差の方が強いので、一部の(あなたとあなたの数学科のお仲間のような)特別な女性は別だと訂正しておきます。(笑)
数学科へは進学できなかった数学嫌いの女性が自分の子どもに数学を教えるのはたいへんです。
それは数学嫌いのお父さんたちにも言えることですが、数学嫌いに比率はやはり男女差が大きい。だから男女で説明のしかたを変えることがあります。空間図形や立体の切断面の問題などです。

脳の性差の問題はどうやら、フィールズ賞レベルの先端の数学研究分野で、と限定をつけなければいけないようです。重さの平均値が違います。それぞれ向いている分野があるということで、女と男がいてそれぞれの得意分野を生かすことで世の中はうまく回ります。根室管内にアマゾネスのような(数学に)強い女性がいることは、心強い。amandaさんは、数学が得意でたおやかな人ではないかと想像しています。

>ただ、大学の専門課程レベル以上になると数学って哲学だったり、宇宙の深淵をのぞくような気分になったりしたので、その辺りになれば脳の性差はあるのかなと思います。

数学も物理も哲学も、最先端になると渾然一体となってきますね。抽象度がどんどん高くなって目の前にある現実からあたかも光の速度で遠ざかっていくかのように見えてくるのでしょう。
実際にはしっかり現実に足場をおいています。
「資本論と21世紀の経済学」は公理系の話が論の中心ですから、数学者に一番理解しやすいはずです。ユークリッドの原論を読んだことのない経済学者にはなかなか理解しにくい。

根室管内にamandaさんがいる、いつかどこかでebisuとすれ違うかもしれません。
by ebisu (2016-11-13 09:15) 

amanda

いろいろと生意気を申してすみません。中高はともかく、数学科ではおそらく下から数えた方が早いくらいの劣等生でした。実は偉そうに数学どうこう言えるほどの頭はないんです・・・(^^;; 
解析学も統計学も苦手だったので、当然のように経済は避けて通っていたくらいですし・・・。物理もとっていなかったので物理も苦手。宇宙が好きという理由だけで、大学で解析力学をとってえらい目に遭いました。
解析学は、証明の中の「・・・は自明である。」にひっかかり、どうして自明なのかから考え始めるので、やたら時間がかかって進まず、再試の常連でした。しまいには友達に「ごちゃごちゃ考えずにとにかく公式を飲み込んでしまえ!」と怒られてしまうほどでした。
数学が得意でたおやかな女性・・・ではないですね、たぶん。考えるのは好きですが。

女子大の数学科・・・周りの同級生は皆優秀で、考えてみれば変わった人たちの特別な集団だったかもしれません。女子大というと昔は良妻賢母を育てるようなイメージがありましたが、母校は全く正反対の校風でしたので。教育関係だけでなく、医師、公認会計士、映画監督、会社社長・・・卒業後は皆様々な職業に就いています。女子大とは便利なもので、普通に他大学のサークルに所属できて、人脈も広がりました。

>数学も物理も哲学も、最先端になると渾然一体となってきますね。抽象度がどんどん高くなって目の前にある現実からあたかも光の速度で遠ざかっていくかのように見えてくるのでしょう。

そうなんです。頭がくらくらしてくるのですが、古代の学者が哲学者であり、数学者であり、物理学者でもあり・・・というのがわかった気がしました。

「資本論と21世紀の経済学」、読み始めました。読みやすいので、書いてあることもちゃんと理解したいと思うのですが、あまりに勉強不足で全然進みません(汗)A.スミスもマルクスも名前を聞いたことがある程度ですし、ユークリッドと経済学がリンクするとは思ってもみませんでした。ユークリッドの数論も幾何学も少しは学んだはずですが、全く覚えていません・・・。ebisuさんのおかげで、読まなきゃいけない本が増えてしまいました(笑)

※昨年、根室のebisuさんの近所の中学校に行くことがあり、おそらくebisuさんであろう方をおみかけしました。ブログの読者であるだけですし、いきなり声をかけてもし違ったらただの変な人なので、遠慮してしまいましたが・・・

また、とりとめもなく長々と書いてしまいました。失礼しました。

by amanda (2016-11-15 00:19) 

ebisu

amandaさん

わたしの母校の中学校に用事があって来たことがあったのですか。25歳ほど若いときなら声をかけてもらえたかもしれません。40歳前半は「素敵なおじさん」でした。(笑)

数学科のある女子大はお茶の水女子大と岡潔先生のいらっしゃった奈良女くらいかと思っていましたが、私立女子大にもあるんですね。日本女子大、東京女子大、津田塾大・・・
他の国でこんなに女子大数学科の多い国があるのかしら?

先輩に「お前も来い」と命令され、お茶大の女学生数人とコンパをしたことがありました。一人頭も口もよく回る素敵な子がいました。板橋区の大山女子寮だったかな。2時間くらい話しましたが、楽しかった。

数学科から公認会計士になる人がいたのですか、京大理学部出身の公認会計士を一人知っています。大手監査法人の人で、上場前からSRLの担当責任者でした。
日本の公認会計士は文系が圧倒的に多いのですが、米国は半数は理系のようです。簿記は理系科目、17世紀の頃は特殊数学分野の学問でしたから、公認会計士と理系の人間は本来相性がいいのです。

「資本論と21世紀の経済学」は公理系に言及した章だけ読んでいただければ急所を押さえたも同然で、全体が見えるでしょう。公理系から眺めたら経済学はシンプルなんです。
そういう視点から経済学を論じた学者は世界中を探しても他にはいません。モデルを作ってコンピュータシステムで計算をする経済学者や数学者はあまたいても、学の根本のところで数学と経済学の体系的同型性に気がついた者は世界中に一人もいないのです。ノーベル経済学賞を受賞した経済学者は多いが、案外鈍くてセンスが悪い。

日本は日本的情緒や日本的価値観をベースとした経済学を創造して、それに基づく経済社会の実例を示し、発展途上国を助けてやればいいのです。その過程でグローバリズムは消滅します。職人仕事をベースとする経済社会ですから、生産拠点はそれぞれ需要のあるところに分散し、所得格差は縮まります。
こういう仕事をやりうるのは世界中で日本だけです。

by ebisu (2016-11-15 10:34) 

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