朝早く目覚め、NHKラジオ第一放送をつけた。明け方の深夜放送にゲストとして女優の白石加代子が出演していた。インタビュアーに促されて、怪談牡丹灯篭の冒頭を読むことになった。
 ナレータとして読む部分、登場人物の部分と、それぞれ声音(こわね)を巧みに使い分けている。抑揚、声の強弱、リズム、間の取り方、変幻自在だ。朗読しながら読み手が酔いしれるところがないから、しらけずに物語の中へ入っていける。

 父親を早く亡くし、長女として家計を助けるために高校を卒業して、港区役所税務課へ勤める。そしてそこを退職して早稲田小劇場へ入団、みっちり修行している。正真正銘の女優、プロフェッショナル。
 
 こういう朗読を中高生に聞かせたい。とくに根室高校放送局のメンバーにはぜひ聴いてもらいたい。プロの技を味わうのは何より勉強になるだろう。

 生徒に音読指導している自分が恥ずかしくなる。論説文がほとんどだから、幸いにして声音の使い分けはいらない、これからも自在に速度を変えながら精確に読むことを心がけたい。


*白石加代子 ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E7%9F%B3%E5%8A%A0%E4%BB%A3%E5%AD%90

*百物語・・・ブログ「劇場の日々」より
http://natsumedate.at.webry.info/201406/article_2.html


      70%       20%