小学生低学年のときの家庭学習を含む躾の重要性を何度も書いてきましたが、ZAPPERさんが面白い本を紹介してくれていますから、教育に関心のある根室のお母さんたちに広くお読みいただきたい。

ブログ「情熱空間」より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8518496.html
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2016年07月15日

ダイヤモンド社「一流の育て方」から(母親視点の正論)

おもしろかったです。「一流の育て方」(ダイヤモンド社/ミセス・パンプキン、ムーギー・キム著)。塾経営者としては言いたくてもなかなか言えない(笑)、しかし核心を捉えた記述を抜粋引用しましょう。

中高生の子どもが「勉強しない」と嘆く親御さんの話を聞いていますと、小学生のときに、何も手を打っていないことが多いものです。そのような親御さんに多いのは、自分の行動が、子どもの将来にどれだけ重要な意味を持つかという認識に欠けていることです。

育児中の親で忙しくない人はいません。しかし子どもが勉強しないと嘆く親御さんほど、自分はいつもテレビにかじりついているか、お付き合いなどで外出していることが多いものです。つまり、親自身が「子どもの教育第一」の生活をしていないのです。「子どもが勉強したくなる環境づくり」を最優先に考えて自分の時間配分をしている親御さんの子どもさんとは、ここでまず大きな差がつきます。

(中略)「勉強しなさい」と言葉だけで強要し続ける親御さんは私の周囲にも多いものですが、やがて「お願いだから勉強して」とか「頼むから勉強して」という言葉が加わるようになります。そのようにお願いしている時点で、それが「親から子へのギフト」だという発想がなくなっています。そして勉強嫌いの子どもが、「親のために勉強をさせられている」と勘違いすることにつながるのです。

(中略)子どもにとって最も大切な勉強環境とは、そばにいる親自身が「学習習慣」を持っていることです

(中略)親は何も努力せず、子どもの指導を塾や家庭教師に丸投げして、言葉だけで勉強を強要しても効果はありません。子どもが自然に学習環境を持てるように、親自身が日々の行動で見本を見せてあげたいものです。



















おもしろい本でありました。我々が言ったり書いたりすると波風が立つ部分ではありますが(笑)、中室牧子さんの『「学力」の経済学』もそうですが、主婦として、また子どもの母親として正論を述べていただけると、とっても助かる!などと思う次第であります。いえ、本当に。(^∀^)
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〈 ebisuの一言 〉
 母親が教育に関心をもち、小学校低学年の内に家庭学習習慣や挨拶、返事の仕方、箸の持ち方、鉛筆の持ち方、座る姿勢、歩き方などをちゃんと躾けることができるかどうかが、子どもの将来を左右していることに案外気がついていません。
 母親の役割の重要性を考えるとき、性差による役割分担は自然なことであり、子どもを生んだら10年間は育児に専念してもらいたい、目指すべきはそうした余裕のもてる社会です。
 いわゆる「男女共同参画社会」は欧米の社会類型であって、日本の文化的伝統とは相性が悪いのです。

〈 余談:この本の評価 〉
 この本には「ビジネスでも勉強でもずば抜けて活躍できる子を育てる」という副題がついていますが、ビジネスで活躍できるという実証データがほとんど存在していないというレビューがいくつかありました。大学生へのアンケートと、そこに書かれた数行のコメントを取り上げて論じた本のようです。
*アマゾンのこの本のレビュー・ページ
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%80%E6%B5%81%E3%81%AE%E8%82%B2%E3%81%A6%E6%96%B9%E2%80%95%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%81%A7%E3%82%82%E5%8B%89%E5%BC%B7%E3%81%A7%E3%82%82%E3%82%BA%E3%83%90%E6%8A%9C%E3%81%91%E3%81%A6%E6%B4%BB%E8%BA%8D%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E5%AD%90%E3%82%92%E8%82%B2%E3%81%A6%E3%82%8B-%E3%83%9F%E3%82%BB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%97%E3%82%AD%E3%83%B3/dp/4478061467/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1468709699&sr=1-1&keywords=%E4%B8%80%E6%B5%81%E3%81%AE%E8%82%B2%E3%81%A6%E6%96%B9

 一流国立大卒でもビジネスで活躍できるのは5%程度というのがわたしの狭い経験の中での感覚です。はっきりしていることは受験勉強のやりすぎは、その方法が毎日繰り返され、習慣化することで、思考パターンを固定化してしまうのでよくない結果を生むことがあるということ。
 勉強のやり方に思考パターンを固定化しない鍵があるのだろうと思います。受験問題集レベルの学習は半分以下にしておいたほうがよいでしょう。大数学者の岡潔先生も大学生が問題演習で使うようなものを旧制中学時代にやっています。

 私の場合は高校では受験勉強レベルの問題集の消化はほぼゼロでした。理由は簡単、高卒で公認会計士になるために商業科を選択したことと、大学進学を決めたのが高校3年の12月だったからです。高校の2年と3年のときは公認会計士受験参考書と、経済学、哲学などの本を読み漁っていました。ビジネス分野ではそこそこ「活躍」できたほうかもしれません。
 

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