女房が3時ころお風呂を丁寧に洗って水を入れていた。
 夜11時ころお風呂へはいるために蓋をとったら、微かに黴(かび)のような臭いが漂う。気のせいかなと思ったが、慥(たし)かに黴のような臭いがした。入浴しているうちに気にならなくなった。
 朝、歯磨きをするときに口をゆすいだら、やはり水に同じ臭いを感じた。黴かどうかわからないが、黴に似た臭いだ。冬の間は臭いがしなかった、春になって臭いがしてきたのだろうと思う。
 生徒の中にはずいぶんと鼻の感度の良い人がいた。午前中に歯医者で治療をした日の5時ころ教室に入ってきたとたんに、「先生、歯医者にいったでしょ!」、あれにはびっくりした。犬並みの感度の良い鼻をしていた。あの子ならわたしより感度の良い鼻をもっているから、はっきりと臭いをかぎ分けているだろう。

 根室の水源は牧草地に囲まれており、そこから流れ込んだ水を堰を作って溜めて取水して利用しているから、季節によって水質に問題が生じやすいのではないだろうか。根室の昨日の気温は最低気温が5.8度、最高気温が7.5度でありまだまだ寒いが、牧場には家畜の糞尿が3週間ほど前から肥料として撒かれていた。牧の内をサイクリングしていると、糞尿を撒いた後は臭いがするので原野にも春が来たなと感じる。
 濾過や塩素添加では黴のような臭いは完全には消せない。人間の鼻の感度はなかなかシビアである。もちろん個人差があるから、なんの臭いも感じない根室人が大多数なのかもしれない。クレームがないというのはそういうことだろう。敏感な鼻の持ち主はしばらく我慢だ。

 ところで水質とは関わりなく根室市の水道料金は東京都の2.5倍ほどの高さだが、ずっと住んでいるとこの高い水道料金があたりまえになる。高いものを高いと感じないのは、独占事業で他に選択肢がないから、そして他地域の水道料金を知らないからである。
 わたしは根室で18まで暮らし、そのご35年間東京暮らし、2002年11月に戻ってきて14年間だから、通算して32年間根室で暮らしている。東京暮らしと根室暮らしがちょうど半々、東京と比較することで根室の特徴(いいところも悪いところも)がよく見えるようになった。

 隣町の別海町は地下水を取水して水道水として使っているから、濾過の必要がないほど原水の質がよい。中標津は標津川があるから、川の水を取水しているのだろう、流水だから水質は良い。
 根室には落石の浜松地区まで摩周湖周辺から農業用水が来ている。水質は抜群に良い。周辺地域にこれだけ良い水源をもった地域があるのだから、水道も広域で水源を確保して、水道料金の低下と水質改善を同時に達成できる可能性があるのではないだろうか?

 市議の皆さん、そして根室市役所水道課のみなさん、次の世代の根室っ子が安くて健康的で美味しい水が飲めるように、水道事業の広域化を検討してくれませんか?
 根室市民のために、そして世のため人のために良い仕事をしてください。

< 余談:発想の転換>
 根室市は人口減対策と称して予算を使って移住促進をしている。高校を卒業して都会へ進学した子どもたちが戻ってこないのに、都会から根室へ移住する人がそうそういるわけがありません。よほど変わった人ですよ。
 いま住んでいる人たちの生活の質を上げるために市が何をできるかをまっさきに考えるべきではないのかね。町の排他性を打破する象徴として、水道事業の広域化はその第一番目に上げてよい仕事です。東京都よりも2.5倍の高コストの水道料金で、しかも春には黴の臭いがうっすらするのでは、移住促進どころではないよ。
 高校を卒業して都会へ進学した子どもたちのうちの何割かは安くて美味しい水に気がつく。そして思う、どうして根室の水は高くてまずいのだろう、大人たちはどうしてほうっておいたのだろうと。言っても無駄、一部の有力者が牛耳る町、一般市民が口を挟む余地なし、そういう根室の町の閉鎖性に気がついていく。

 そんな町の現状を変えましょうよ。それぞれが自分の仕事を誠実にやることで閉鎖的な町は少しずつ変えることができます。
 地道に、市ができることは自ら企画し、市民へ計画案を公表し叩いてもらい、修正して実行案に仕上げて、着実に実行に移していく。30年先をみながら、地道にそれぞれの仕事をしっかりすることこそが、町を活性化し、人口流出を減らす最善策、そうは思いませんか?

*#3314 水道事業の広域化を望む:根室は春、水道水が黴(かび)臭い  June 3, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-06-03

 #3315 根室の水道料金はなぜ高いのか? June 4, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-06-03-1

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