市長が病院事業基準外繰入金について答弁拒否をしたと#3227へ投稿がありました。「基準外繰入金」なんて、なんのことかわたしたち一般市民には理解不能と思えるので解説します。

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世の中が「負の連鎖」が続いている

しかし根室の「負の連鎖」は深刻レベルになっている
議会が基準外繰入金の公開を拒否という答弁があったらしいです。
参考URL:http://nimuoro.lekumo.biz/honda/

ふるさと納税で全道2位という新聞報道があった。
約10億円近くの泡銭で何をするのか?
気になる?気になる!?気になる!!
by 相川始 (2016-02-05 08:00)
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 「議会が基準外繰入金の公開を拒否という答弁があったらしいです」、これは「議会で」ということでしょう、校正ミスだと思います。
 URLは本田市議ブログでしたが、該当の箇所を見つけられませんでした。市長が基準外繰入金の公開拒否というのは驚きですが、これは秘密でもなんでもありません。

 わたしは平成18年度の市立病院決算書がほしくて当時の市役所財政課を訪ねたことがあります。係長が出てきて決算書のコピーを渡してくれました。内容の確認をしたいので10分間ほど時間が取れるかと訊いたら、快く承諾してくれて、いくつかの質問に丁寧に答えてくれました。
(苗字に覚えがあるので尋ねてみたら、私の家の裏庭と係長の生家の裏庭がつながっていました、狭いものです。その後財政課長となり公務中に亡くなりました。根室に脳外科があったら助かったかもしれません。)
 以下そのときの質問を紹介して、以下平成18年度の市立根室病院事業決算書から基準外繰入金の解説をしたいと思います。

 医業収入には3項目あります。
 (1)入院収益 12億3368万円
 (2)外来収益 11億4944万円
 (3)その他医業収益 1億4446万円

 この三番目の「その他医業収益」が国庫基準外繰入金に該当します(企業会計基準でこういう項目を売上収益に含めて計上したら、粉飾決算と認定されます)。
 国庫基準外繰入金は、道からのものと根室市の一般会計からのものと2種類あります。
 医業外収益項目中からピックアップしてご覧に入れましょう。
 (2)一般会計負担金    3739万円
 (3)道補助費         109万円
 (4)一般会計補助金  7億4639万円

 国庫基準内繰入金と国庫基準外繰入金の両方を合わせても8.9億円にすぎません。これが実質的な病院事業の赤字額です。
 現在これが17~18億円(国庫基準内繰入金は9-10億円規模)に膨らんでいます。

 国庫基準内に赤字を減らせばいいと本田市議がブログに書いていますが、これはちょっと問題があります。国庫基準内補助金が基準が変更になり現在は9-10億円に膨らんでいます。国庫基準は随時変更があるので、これを赤字許容額にすることはできません。
 当面の目標として、平成18年度の赤字額程度に赤字削減をするというなら是認できます。長谷川市政以前に赤字額を縮小するということなら当面の目標として納得できます。

 繰入金の推移を見れば一目瞭然ですが、病院事業赤字額は長谷川市政の8年間で経営改善どころか真逆の結果を出し続けて、うなぎのぼりに増大しています。年間赤字額は2倍になりました。

 市の広報でも繰入金を病院の経常収益に参入していますが、こんなことを企業会計でやったら粉飾決算となります。公的会計基準による決算書は粉飾決算そのもので、こんな報告で企業の経営実態を判断できる市民は一人もいないでしょう。だから夕張市は突然に財政破綻したのです。民間会計基準での決算を義務付けていたら、夕張市の財政破綻はなかったでしょう。

 市議会がやるべきことは、民間会計基準で市立病院事業決算報告と経営改善目標値の公知(広報根室へ掲載)の義務付けを市議会で決議することです。そうすれば、すべてが明るみに出ます

 経営改善をするのに社員に決算データを隠す民間企業はありません。決算データを公開するところから経営改善が始まります。予算もそれぞれの部門に割り当て、内容を検討させて積み上げます。こういう当たり前のことを何一つしていないのが市立根室病院です。基本に忠実に仕事をすれば、それがそのまま経営改善になります。難しいことではないのです、当たり前のことを当たり前にやるだけでいいのです。ずっと市役所勤務で、経営改善の基礎知識も経験もない長谷川市長もまだいるのかどうかわかりませんがS参事にも荷が重すぎる仕事です。結果が証明しています。すなおにどうすればよいのか知識と経験のある者に訊けばよいのです。訊く度量すらないから赤字を減らすどころか、拡大し続けています。

 根室の企業は社員や従業員へ決算情報を公開していない企業がほとんどでしょう。そういう企業に未来はありません。決算情報を公開し、積み上げで予算を決めて、予算を達成したときの利益配分についても社員に約束をする。企業経営としては常識です。
 優秀な人材を確保したければ、市立根室病院も根室の地元企業も経営スタイルをあらためる必要があります。ずっと根室にいると時代から取り残されてしまっていることに気がつきません。

 浜中農協の石橋さんのように、浜中にずっといても時代の先端を走り続けている人がいます。
 根室の経営者にも札幌に何店お店を出し、東京丸の内にまで出店した花まるの清水さんという人もいるんです。清水さんは稲盛和夫の経営塾に飛び込みました。
 石橋さんと清水さんに共通しているのは一生懸命に学ぶ人であるということ。人生のある時期に一生懸命に学ばない奴はダメということ。



*#3227 毒を食らわば皿までも 日銀マイナス金利導入 Jan.30, 2017 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30?comment_success=2016-02-05T09:14:10&time=1454631250


      70%       20%      
 


<追記>11時55分

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ebisuさんへ

H議員の記録の中に

【市長答弁】
・当面の目標は基準外繰入の圧縮。
・現状、15から16億円くらいの繰り出しであるが、このうち基準外繰り入れは6億円程度である。
・管理者はこの6億円を限りなく0にすることを一つの目標として、この圧縮に取り組んでいるが、中々圧縮できない状況にある。
・当面は、3億円程度の圧縮を目標にしたいと病院の目標も受けている。
・ただ、市民にこのような状況をすべて知らしめることには良し悪しもあると考える。
・医師のモチベーションの問題等もあり、情報公開に関しては、管理者等と充分に連携を図り対処するよう努める。

とある。
圧縮の目標と情報公開に関して記載されています。
視点を変えると、医師のモチベーションを守るため、情報公開しないと言っているのと同じです。
by 相川始 (2016-02-05 09:29) 

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