生徒が「青チャート」の三角関数の問題をやっていて質問が出た。三角関数の「和を積になおす公式」を利用する問題である。公式を使い始めたら、生徒が学校では習っていないというので、数Ⅱの教科書をみたら載っていないから学習指導要領には記載がないのだろう。発展問題としてやれということか。
学校で習っていないというから、このレベルの難易度の問題を根室高校では授業でやらないのだろう。授業でやらなくても、受験では必要だから、進学講習の理系の「数学応用」ではやっている?文系の生徒はやらない、そういうことかもしれない。
この公式は、「赤チャート」では「ステップアップコーナ」188ページに「積→和の公式」と「和→積の公式」がセットで解説されている。
『高校 数学公式活用ハンドブック』(聖文新社、平成20年)には「21. 積を和・差で表す公式」251ページと「和・差を積で表す公式」252ページに解説されている。
松坂和夫著『数学読本2 簡単な関数 平面図形と式 指数関数・対数関数 三角関数』(岩波書店、)では378~379ページで解説されています。
佐藤恒雄著『史上最強の実践数学公式123』(講談社、ブルーバックス)には記載がありません。
古いものを二つ調べてみた。1983年『理解しやすい基礎解析三訂版』(編著者:藤田宏、文英堂)には49ページに載っている。
1974年発行の『数Ⅱ演習』(板垣・土井著 育文社)にも載っていた。
最後に挙げた問題集『数Ⅱ演習』は『チャート式数学Ⅱ』(通称「赤チャート」)よりも問題の難易度が高く、解説もスマートだ。
古い問題集と、いま生徒たちが使っている問題集を見比べたら難易度が下がってしまった印象を受ける。現在だって難問題集はいろいろなものが出ているから、それほど難易度が低下しているわけではないのかもしれない、いや、そうであってほしい。
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<和・差を積で表す公式>
(1) sin A + sin B = 2sin{(A+B)/2} cos{(A-B)/2}
(2) sin A - sin B = 2cos{(A+B)/2} sin{(A-B)/2}
(3) cos A + cos B = 2cos{(A+B)/2} cos{(A-B)/2}
(4) cos A - cos B = -2sin{(A+B)/2} sin{(A-B)/2}
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<余談>
24時ころから雨が降り始めた、屋根を叩く雨音がしている、根室は暖かい。
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