吹雪で国道44号線が厚床⇔厚岸間でストップしている。釧路へ行く用事があったのだが取りやめた。
 家の前の歩道にでたら、車が3台停まっていた。軽四が反対車線を突っ切って、光洋中学校側の路肩の雪に突っ込んで立ち往生し、それをロープで牽引して引っ張り出していた。
 引っ張り出したら、軽四はそのまま走り去った、挨拶なしである。

 ロープで牽引した60過ぎの人がこちらへ歩いてきた。素手でロープをかけて牽引したようだ。しっかりした分厚い手のひらをみて、首都圏の病院で営繕を担当していた70半ばの棟梁の手のひらを思い出した。弟子入りしたころ軍手をして仕事したときに、親方から「仕事と手とどっちが大切だ?」と叱られてから、軍手をして仕事をしたことはない、冬でも素手、手の感触が違うから軍手をしたら仕事になんないと言っていた。
 案の定その人も、大工さんだった。「厳しい親方の下で修行したでしょう?」とたずねると、にこっと笑って、自分の親方の名前を挙げた。なんてことはない、若いころに弟子入りして修行した親方とは、ebisuの家を建ててくれた大工のH田さんのお父さんだった。

 最近のやつは挨拶もできないとすこし怒っていた。路肩の雪に突っ込んでどうしようもなくなっているのを、ロープをかけて牽引して出してやったのに、「ありがとうございました」の一言もなく、そのまま走り去った。男か女か聞かなかったが、失礼なやつだ。怒っているので、「人助け、わたしは見ていたよ、いいことしたね」そういうと、「うん、そうだね」とうなずき、顔がほころんだ。いい笑顔だった。

 わたしは昨日、生徒を叱った。「教室に入ってくるときは、相手の目を見て元気に挨拶しろ」と何度も言っているのに、また黙って入ってきたからだ。最近2週間でその生徒には10回は同じことを言い続けている。そろそろきちんと挨拶しろ。挨拶すらきちんとできない人間はダメだ。この次に挨拶なしで入室したら頭にたんこぶができるほどの拳骨をお見舞いする。女の子は殴らないが、挨拶をしなかったり、私語をして制止を聞かず他人に迷惑をかける男の生徒は拳骨だ、ダメなことはダメ。わっはっは。

 気持ちのよい挨拶をしよう、気持ちのよい挨拶は住みよい町づくりの一丁目一番地。


 

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