C中学校1年生の学年平均点が異常に低いことは、#2871で小学校時代の学級崩壊に原因がありそうだと詳細に述べたので、今回はデータの補足をしようと思う。

 11月7日に実施した文協学力テストと、8月27日の文協学力テストデータを並べて推移を観察しよう。

  国語社会数学理科英語合計
8月27日53.037.533.241.257.5222.4
11月7日58.133.730.744.749.7216.9

 8月学テの数学は正負の数と文字式までだったかな、11月は方程式の計算と方程式の文章題が入っていたから、もっと平均点が下がっても不思議ではないのだが、2.5点のダウンですんだところを見ると、計算問題の底上げが少しはなされいると見ていいのだろう。

 英語は8月のテストはまだほとんどお遊びの範囲だから、11月学テから「三単現のS」やWH疑問文とYes-N0疑問文などの文法事項が出てきて、急に難易度が上がってくるから、7.8のダウンは予定通りだろう。


  11月7日学力テスト8月27日学力テスト
階級値1年生小計1年生小計
481-5000  0  
461-4800  0  
441-4600  0  
421-4400  2  
401-420447.5135.7
381-4000  3  
361-3803  3  
341-3602  1  
321-3401  2  
301-3202815.121120.8
281-3003  2  
261-2800  1  
241-2602  2  
221-2403  4  
201-22041222.651426.4
181-2009  2  
161-1802  7  
141-1605  1  
121-1405  6  
101-12032445.311732.1
0-100559.48815.1
合計5353100.05353100.0
平均点216.9222.3  


 200点以下の下位層を見ていただきたい。8月の47.2%から54.7%へと7.5ポイント増大した。数学と英語は2学期から難易度の高い分野に入っているので、ここで数学と英語の科目でつまづいている生徒が増えているということだ。

 11月と8月学力テストデータを並べて見よう。

 数学1年生11月
 11月小計8月小計
91-1000  0  
81-900  3  
71-80223.8147.5
61-705  5  
51-604  4  
41-5051426.451426.4
31-409  10  
21-306  3  
11-2012  11  
0-10103769.8113566.0
合計5353100.05353100.0
平均点30.733.2  



 80点以上の階層が8月は3人いたが、11月がゼロなのは出題分野の難易度が上がったからだ。8月のテストは正負の数の計算問題が多かった。成績中位層は同じ、下位層も2人増えただけでほとんど変化なしだ。
 これから比例と反比例そして平面図形と空間図形へと難易度が上がるから、このまま文武両道と放課後補習だけでこの学年の学力を他の学年並みにもっていけるだろうか?


 英語1年生11月
 11月小計8月小計
91-1004  6  
81-901  7  
71-8061120.861935.8
61-707  7  
51-605  6  
41-50102241.551834.0
31-4010  6  
21-303  4  
11-205  1  
0-1022037.751630.2
合計5353100.05353100.0
平均点49.757.5  


 英語も2学期は文法事項が増えて出題範囲の難易度が上がり、高得点層が19人から11人に激減した。そしてそれと符牒をあわせるように40点以下の層が16人から20人へ増えた。ここで点数を下げたらそれは基礎にヒビが入っているようなもの、3学期が厳しいものになる。いまが正念場だから、期末テストに向けてがんばってもらいたい。

<まとめ>
 このままだと、三学期は200-210点に低下しそうである。とくに五科目合計200点以下の下位層が54.7%にも達しているのは深刻な事態だと考えなければならない
 C中学校は1年生に文武両道を要求し、放課後補習をするだけでは、現状を大きく改善できそうもない。160点未満の18人は2ヶ月くらいのブカツ停止を命じて放課後補習に強制参加、学業優先でやらせてはどうだろう?
 この層は小学校4年程度の「読み・書き・計算」能力が身についていない、個別補習体制を組まないと基礎学力が身につかないと経験上判断する。
 成績下位層には生活習慣が崩れ、読書習慣がない、授業中の姿勢の悪い、目上に対する口の聞き方を知らない、嫌なことを我慢してやることのできない者が少なくない。学校だけで改善は難しいから、保護者に協力を要請したらどうか。生活習慣病を治療するに等しいからたいへん手間がかかる、大人たちが強い決意で臨むべきだ。

  小学校で学級崩壊を起こすと、中学校でこういう後遺症がでて生半可な努力では回復できない、でも見捨ててはいけない。
 小学校での授業と親の躾が子どもたちの学力向上のためにはとっても重要で、数人の子どもが先生の制止を聞かず授業中に騒ぐだけで先生の話は聞こえなくなり、そのクラスの生徒の学力が回復不可能なほどに低下して、学級崩壊の痕跡が平均点にはっきりと出てくる。


*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13

 #2869 根室の中学生の学力の現状(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
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 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
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