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#2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 [63. チャレンジ(教育)]

 C中学校1年生に大きな問題があることを前回の弊ブログ#2871で指摘した。
 昨日、B中学校2年生の学力テスト(11月7日実施文協学力テスト)結果表を見て驚いた、C中学校の1年生と似た状況なのである。得点階層別表をご覧戴きたい。

  B中小計
451-5000  
401-450111.4
351-4006  
301-35061216.4
251-30012  
201-250122432.9
151-20013  
101-150142737.0
51-1008  
0-501912.3
合計7373100.0
五教科計207.3  


 5教科合計平均点が207.3である、四月の「お迎えテスト」は209点だった。
 200点以下を下位層とすると、49.3%、約半数が下位層に属している。
 文協学力テスト400点で高校へ進学してからの進研模試で偏差値45~48であることが経験的にわかっている。この学年の生徒で偏差値50の大学へ一般入試合格できる生徒は一人だけということになる。偏差値55の小樽商大クラスの大学へは一人も合格できないだろう。
 この学校は7年前には400点超が20人くらいいたのだが・・・


 では科目別の平均点はどうなっているのか?

  国語社会数学理科英語合計
4月52.339.440.542.934.0209.1
11月55.240.631.245.534.8207.3

 ハッキリした特徴が出ている。数学が9.3点落ちていることと、数学と英語の点数がどちらも30点台で低いということ。
 数学と英語が中2の11月でこんなに低いと、三学期になっても挽回できない。400点以上の成績上位層が一人しかいないのに、五科目合計点が100点以下の最底辺層が9人、12.3%もいる。
 この9人は授業を聴いてもさっぱりわからないだろう。はっきり言うが小4程度の学力がない。授業中にお喋りをする、姿勢が悪い、居眠りする、生活習慣が崩れているなど個別にみれば何項目か該当するものがあるだろう。150点以下の23人(31.5%)は、ブカツ停止を命じて3ヶ月ほど放課後個別補習の必要がある。

 ブカツ停止を含む措置は保護者が納得しないとできないから、学校の先生たちは過去のデータも開示してPTAとすぐに話し合いをはじめるべきだ。
 低学力は生活習慣や姿勢、口の利き方など躾とも関わりが深いので、保護者の協力が必要だ。

 もうすこしデータを並べるのでお付き合いいただきたい。

 国語2年生11月
 2年生小計
91-1002  
81-909  
71-8092027.4
61-7010  
51-6010  
41-50123243.8
31-4012  
21-306  
11-203  
0-1002128.8
合計7373100.0
平均点55.2  


 数学2年生11月
 人数小計
91-1000  
81-902  
71-80245.5
61-705  
51-602  
41-5081520.5
31-4013  
21-3014  
11-2015  
0-10125474.0
合計7373100.0
平均点31.2  



 国語は40点以下が21人28.8%だが、数学は40点以下が74%、四人に三人が40点以下だ。中学校の数学がわからないだけではない、小学校の算数がまるでわかっていない。小数や分数の四則演算からやり直さなければならない。通分を理解していない生徒が大半ではないか。おそらく20点以下の27人の半数以上が特定の九九の段をスラスラいえない。27人全員が逆九九がスムーズに出てこないだろう。ひょっとしたら、小学校の先生が逆九九を教えなかったのかもしれない。逆九九を知らないと割り算の計算速度が遅くなり、苦手になる。逆九九の暗誦練習からやらないとダメだろう。
 国語の点数が40点以下で数学の点数が30点以下の生徒は数学の文章題がほとんど解けない。
 漢字の書き取りトレーニングをして本をたくさん読まなければならない。読書は本が読めるに充分なだけの語彙力の裏付けと好奇心が必要だ。漢字検定にトライさせよう。中学を卒業するまでに3級合格をさせよう。そうしたら読める本の範囲が大きく広がる。
 高校数学は文章題の文章理解の比重が中学校に比べて倍加するから、放置しておいたら標準的な高校の普通科の数学教科書はまったく理解できないだろう。

 英語2年生11月
 2年生小計
91-1000  
81-901  
71-80568.2
61-705  
51-604  
41-5091824.7
31-4014  
21-3013  
11-2016  
0-1064967.1
合計7373100.0
平均点34.8  


 すごいね、30点以下の35人は1年生2学期の「三単現のS」のあたりからやり直す必要がある。どうしてこんな状態なのに放っておくのか。あるいは放課後補習をときどきやっているかもしれないが、まったく不十分だ。
 B中学校は市街化地域の3校で2009年まで学力テストの平均点がダントツにNo.1だった学校である。この変りよう・・・言葉を失いそうだ。

 PTAと学校の先生たちが子どもたちの低学力問題を何とかするために何度も繰り返し話し合うべきだ。先に述べたように、低学力の生徒は言葉づかいや、姿勢や、生活習慣が崩れているケースが多いから、学校だけでは治らない。上下のけじめのついた言葉づかいは社会人と生きていくために必要なことだ。ブカツでも授業中でも目上の者にため口を利かせてはならぬ。ダメなことはダメだとはっきり言おう。
 ここまで低学力化が進行してしまうと生活習慣のこともあり保護者と学校が協力しないと解決できない。ある程度話したら、今度は小学校の先生たちやPTAとも話し合いをはじめるべきだ。
 釧路の「寺子屋」のような団体を立ち上げて、小学生に土曜補習をすべきだ。先生たちだけでは解決ができない。

*#2653 小学校で算数検定、開いたのはあの公務員アウォード大賞受賞の大越さん Apr. 22, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22

 根室の地域の子どもたちの学力は、地域に住む者たちが協力すると改革が大きく進む。C中学校の先生たちがそれを証明してくれた。2年間で17%も点数をアップしている。他の学校が追随すれば3年間で根室は全国平均を大きく上回ることができる。根室市の学力が高いことが評判になれば、根室への転勤を嫌がらなくなる。子どもの教育のために根室へ引っ越してみたいと思う30代が増えるかもしれない。医師確保にだって、地域の子どもたちの学力が高いことはプラスに作用する。
 
 数値を挙げて4回にわたり、根室の中学生の学力の現状を分析した。
 あと二つ書くつもりだ。ひとつはC中学校とB中学校の11月学力テスト2年生の比較、もう一つはまとめになるだろう。


*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

*#2672 急激な学力低下はなぜ起きているのか?:假説 May 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09ある

 #2806 高校数学面白い問題 :小中学校の先生たちへ Sep. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-13-2

 #2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13

 #2869 根室の中学生の学力の現況(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2


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